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更新日:令和6(2024)年5月28日

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令和2年6月定例千葉県議会の知事あいさつ

本日ここに、6月定例県議会を招集し、当面する諸案件について御審議いただくことといたしました。

このたび提案いたしました案件は、令和2年度の補正予算案、各種条例案及びその他附帯議案の14議案のほか、報告12件です。

以下、その主な概要について申し上げます。

 

新型コロナウイルス感染症について、国は、緊急事態宣言を5月末まで延長しましたが、本県においては、県民や事業者の皆様がゴールデンウイーク期間中にも外出自粛や休業要請に御協力いただいた結果、5月10日以降の2週間では、1日平均の新規感染者数が2名を割るなど、着実に成果が表れました。

こうしたことから、5月25日に緊急事態宣言は解除されました。

あらためて、県民の皆様、事業者の皆様、医療を支えてこられた保健医療従事者の皆様の御協力に心から感謝を申し上げます。

 

緊急事態宣言の解除を受け、私はそれまで行っていた休業要請について、県内の感染者の状況を踏まえながら、段階的に解除していくことといたしました。

そこで、5月26日までに、まず、図書館、美術館、博物館等を皮切りに休業要請を解除し、その後、3つの密の発生抑制が比較的容易な、大学、映画館、学習塾等について要請を解除するとともに、酒類提供の自粛時間についても、午後7時以降を、午後10時以降と、一部緩和することとしました。

また、その後、感染者数等が引き続き良好な状態が続いたことから、6月1日には、水族館、ボウリング場、遊技場等について、休業要請を解除するとともに、スポーツクラブやカラオケボックス等についても、感染拡大予防のガイドラインに基づく対策が徹底されていることを条件に要請を解除したところです。

残る施設の解除については、県内及び近隣都県の感染状況やガイドラインの策定状況を踏まえたうえで、検討してまいりますが、6月19日が解除の目安と考えております。

なお、酒類提供の自粛時間の更なる緩和については、近隣都県に先行した場合の影響も踏まえ、別途検討してまいります。

 

今のところ、本県の新規感染者数は抑えられており、良い方向に向かっていると考えておりますが、北九州市などの事例を踏まえますと、今後も油断することなく、感染の第2波、第3波に備え、万全の体制を確保しておく必要があります。

また、これまでの長期にわたる外出自粛や休業により、学校教育や県内経済等は大きな影響を受けています。

 

このため、議案第1号である、今回の6月補正予算案では、「病床確保のための支援など医療提供体制の整備」、「学校、幼稚園、社会福祉施設等における感染拡大の防止」、「学校再開後の教育環境の整備」、「商工業や農林水産業の再建支援」などに係る経費を計上いたしました。

補正額は181億3,848万余円で、補正後の予算規模は1兆8,608億4,078万円となります。

以下、補正予算案に計上した主な事業について、申し上げます。

 

一つ目は医療提供体制の整備です。

入院患者の治療体制を確保するため、感染症患者を受け入れている医療機関に対し、入院患者一人当たり50万円の協力金を支給するとともに、患者入れ替えに伴い発生する空床分、及び別の患者への感染を防ぐために利用できなくなる減床分に係る費用についても助成いたします。

さらには、帰宅できずホテル等に泊まらざるを得ない医療従事者の方々の宿泊費も助成いたします。

また、感染症の相談・受診の目安が緩和されたことから、PCR検査体制を更に強化する必要があるため、帰国者・接触者外来を設置している医療機関における検査を拡充するとともに、新たに地域の医師会が運営する地域外来・検査センターを設置し、ドライブスルー方式などによる検査を行います。

 

二つ目は感染拡大の防止です。

学校や社会福祉施設など、一定の人数が集まる施設については、クラスターの発生を未然に防ぐため、十分な感染防止策が必要です。

このため、これらの施設に対し、マスクや消毒液などの衛生資材を配付、補助するほか、個室への改修、換気設備の設置などに対し助成いたします。

 

三つ目は教育環境の整備です。

現在、学校は再開されたものの、まだ通常の授業には戻っていないことから、生徒や保護者の皆様が抱える学習の遅れへの不安等を払拭するため、家庭でオンライン学習ができる支援ソフトをすべての県立学校に導入いたします。

あわせて、市町村立の小中学校等が導入する場合もその経費の一部を助成いたします。

また、児童生徒のカウンセリング等を行うスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置日数を拡充いたします。

 

四つ目は、産業の再建支援です。

大変厳しい経営状況におかれている中小企業の皆様が、今後、事業を再建していただくためには、雇用の維持や新たな取引先の確保、新しい生活様式への対応など、様々な課題を解決していかなければなりません。

県としては、先に、最大40万円の支援や実質無利子・無担保の制度融資を行うこととしたところですが、加えて、こうした課題の解決に向け、無料相談窓口の対応日時を拡充するほか、企業訪問相談についても、経営や企業間取引等の専門家を増員して対応するなど、相談体制を充実してまいります。

 

また、消費が落ち込んだ花き、果物、牛肉等の農林水産物について、需要の回復を図るため、県と関係団体で構成する協議会を設立し、品目横断的な販路開拓に取り組んでまいります。

 

なお、今後は、徐々に人の移動が活発になっていくことと思います。

このため、新規感染者の発生状況を注視しながらも、観光需要の喚起や本県経済の活性化に臨機応変に取り組む必要があると考えています。

そこで、こうした取り組みや不測の災害などに備え、迅速な対応を行うため、予備費を増額いたします。

 

以上が、今回の予算の主な内容ですが、今後、国の補正予算の動向なども踏まえ、更なる補正予算の編成も検討してまいります。

 

次に、議案第2号から議案第7号までの6議案は、条例の制定及び一部改正に係るものです。

このうち、議案第2号から議案第4号は新型コロナウイルス感染症に関連するもので、議案第2号は、感染症に伴う県内の厳しい社会経済情勢を踏まえ、私や副知事などの給料月額等を減額する条例を制定しようとするものです。

議案第3号は、感染症の防疫等作業に係る特殊勤務手当について、議案第4号は、自動車税環境性能割及び個人県民税の取扱いについて、それぞれ特例を措置するため、条例の一部を改正しようとするものです。

 

議案第5号から議案第7号までは、その他の条例に係るもので、議案第5号は、知事の権限に属する事務処理について市への事務移譲を進めるため、議案第6号は高等学校の統合及び名称変更のため、議案第7号は、千葉県がんセンターの新棟開設に伴う病床数の変更等のため、それぞれ条例の一部を改正しようとするものです。

 

また、議案第8号から議案第10号については、工事請負等に係る契約を締結するため、議案第13号は、賃貸借契約の解除に伴い、違約金の支払いを求める訴訟を提起するため、議案第14号は、補正予算の専決処分の承認をいただくため、それぞれ議会の議決を得ようとするものです。

 

以上が、このたび提案いたしました議案の概要ですが、なお、この際、県民の皆様にお願いいたします。

 

新型コロナウイルス感染症との戦いは、これからも続きます。

感染拡大の防止と社会経済活動の維持を両立していくため、県民の皆様には「新しい生活様式」を実践していただくようお願いいたします。

具体的には、人との間隔を確保すること、マスクの着用、手洗いなど、一人ひとりの基本的な感染対策の徹底をお願いいたします。

また、日常生活を営む上では、咳エチケットの徹底やこまめな換気、3つの密の回避などを行うとともに、買い物は1人または少人数で空いた時間にしていただくことや、食事の際は対面ではなく横並びで座る、などの取り組みをお願いいたします。

 

一日も早く、新型コロナウイルス感染症に打ち勝ち、元気な千葉県を取り戻せるよう、県民の皆様、県議会の皆様と一致団結して取り組んでまいりますので、御理解と御協力を心からお願いいたします。

 

お問い合わせ

所属課室:総務部財政課企画調整班

電話番号:043-223-2071

ファックス番号:043-224-3884

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