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更新日:令和6(2024)年10月25日

ページ番号:14296

平成29年 千葉県における地盤沈下の概況について

発表日:平成30年10月29日
千葉県環境生活部水質保全課

県では、毎年、県内の地盤沈下の状況を把握するため、地盤変動量調査を実施しています。

この調査は、昭和35年から実施しており、このたび平成29年の地盤変動状況を取りまとめましたのでお知らせします。

地盤沈下は、全体的に沈静化の傾向を示していますが、依然として継続しており、今後も沈下の状況を監視するとともに、その防止に取り組んでまいります。

1 調査概要

(1)調査方法

1級水準測量(基準日:平成30年1月1日)

(2)調査対象地域

東葛、葛南、千葉・市原、君津、北総及び九十九里地域の47市町村

(地下水採取規制区域の29市町及び天然ガスかん水採取地域の15市町村を含む)

(3)調査に用いた水準点数

1,124点(平成28年調査:1,125点)

(4)調査面積

3,207.9平方キロメートル

 

2 調査結果の概要

(1)地盤沈下が見られた面積:910.6平方キロメートル(調査面積の28.4%)

  • ア 平成28年調査結果と比較して1,617.6平方キロメートル減少した。
  • イ 2センチメートル以上の沈下が見られた地域はなく、平成28年調査結果と比較して10.2平方キロメートル減少した。
  • ウ 5年間累計(平成25~29年)では10センチメートル以上の沈下は見られなかった。

(2)地盤沈下が見られた水準点:304点(平成28年調査:896点)

最も沈下したのは佐倉市米戸(こめど)にある水準点で、沈下量は1.64センチメートルであった。

(3)地盤沈下が見られなかった水準点:820点(平成28年調査:229点)

最も隆起したのは千葉市稲毛区轟町(とどろきちょう)にある水準点で、隆起量は1.31センチメートルであった。

[参考 地盤沈下の原因と対策について]

  • 地盤沈下については、地下水や天然ガスかん水の採取等の人為的要因や地震等の自然的要因が複雑に関係しています。
  • 県では、人為的要因による地盤沈下を防止するため、引き続き地下水採取規制等の施策を講じてまいります。詳しくは「地盤沈下の対策」を御覧ください。

参考資料

1 地盤変動調査について

平成29年の地盤変動量は、平成29年1月1日と平成30年1月1日における水準点の標高差から、各水準点(1,124点)の変動量を求め、これを基に変動量の等量線図を作成し、沈下面積を算定している。

※水準点は、正確な高さを求める測量のため設置された、その周辺の高さの基準となる測量標。

2 調査範囲

法・条例に基づく地下水採取規制区域及び天然ガスかん水採取地域を中心に、以下の47市町村で実施。

(調査対象面積は、県全体(5,156.6平方キロメートル)の約6割にあたる3,207.9平方キロメートル

調査地域と対象市町村

調査地域

対象市町村(全47市町村)

東葛(5)

松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市

葛南(6)

市川市、船橋市、習志野市、八千代市、鎌ケ谷市、浦安市

千葉・市原(4)

千葉市、市原市、四街道市、長柄町

君津(4)

木更津市、君津市、富津市、袖ケ浦市

北総(9)

成田市、佐倉市、八街市、印西市、白井市、富里市、酒々井町、栄町、芝山町

九十九里(19)

銚子市、茂原市、東金市、旭市、勝浦市、匝瑳市、山武市、いすみ市、大網白里市、多古町、九十九里町、横芝光町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長南町、大多喜町、御宿町

 

<法・条例に基づく規制>(図1参照)(PDF:388KB)

  • 工業用水法
    工業の健全な発達と地盤沈下の防止に資することを目的に、指定地域内で製造業、電気供給業など工業の用に供する地下水について、揚水機の吐出口断面積6平方センチメートルを超える井戸での採取を規制。

  • 建築物用地下水の採取の規制に関する法律(ビル用水法)
    地盤沈下を防止するため、指定地域内の建築物用地下水(冷房設備、水洗便所などの用に供する地下水)について、揚水機の吐出口断面積6平方センチメートルを超える井戸での採取を規制。

  • 千葉県環境保全条例
    地盤沈下の防止及び地下水の保全を図るため、工業用水法、ビル用水法及び温泉法の規制を受ける場合を除き、指定地域内で工業、農業その他の事業の用に供する地下水について、揚水機の吐出口断面積6平方センチメートルを超える井戸での採取を規制。

3 地盤変動状況について

(1)地盤沈下が見られた面積

ア 平成29年調査結果(1年間沈下量)(図2参照)(PDF:490KB)

調査面積(3,207.9平方キロメートル)の28.4%にあたる910.6平方キロメートルで地盤沈下が見られた。
平成28年調査結果(2,528.2平方キロメートル)と比較して、面積は1,617.6平方キロメートル減少した。
なお、2センチメートル以上の沈下が見られた地域はなく、平成28年調査結果に比べ10.2平方キロメートル減少した。

内訳
区分

地盤沈下面積

(平方キロメートル)

比率(対調査面積)

対前年比増減

(平方キロメートル)

2cm未満

910.6

28.4%

-1,607.4

2cm以上

0

-

-10.2

県全体

910.6

28.4%

-1,617.6

<各地域の状況>
調査を実施したすべての地域で、2センチメートル以上の地盤沈下が見られなかった。
なお、平成28年調査では、北総地域で2センチメートル以上の沈下が見られた。

※参考までに1センチメートル間隔での沈下量の図を図5に示す。(図5参照)(PDF:495KB)

平成29年地域別・沈下量別地盤沈下面積[単位:平方キロメートル]
地域 調査面積 地盤沈下が
見られた面積

沈下量別

地盤沈下面積

2cm未満

 

沈下量別

地盤沈下面積

2cm以上

4cm未満

沈下量別

地盤沈下面積

4cm以上

 

地盤沈下が

見られなかった

面積

東葛

358.2
(358.2)

159.1

(308.3)

159.1
(308.3)

0
(0)

0
(0)

199.1

(49.9)

葛南

253.9
(253.9)

35.1

(196.4)

35.1
(196.4)

0
(0)

0
(0)

218.8
(57.5)

千葉・

市原

617.8
(617.8)

39.9
(556.7)

39.9
(556.7)

0
(0)

0
(0)

577.9

(61.1)

君津

264.3
(264.3)

36.3

(186.0)

36.3

(186.0)

0

(0)

0
(0)

228.0

(78.3)

北総

643.8
(643.8)

279.9
(592.5)

279.9
(582.3)

0
(10.2)

0
(0)

363.9
(51.3)

九十九里

1,069.9
(1,069.9)

360.3
(688.3)

360.3
(688.3)

0

(0)

0
(0)

709.6
(381.6)

合計

3,207.9
(3,207.9)

910.6
(2,528.2)

910.6
(2,518.0)

0
(10.2)

0
(0)

2,297.3
(679.7)

(注)括弧内は平成28年調査結果

イ 5年間累計沈下量(図3参照)(PDF:325KB)

平成25~29年の5年間累計では、調査面積(3,207.9平方キロメートル)の85.9%にあたる2,754.1平方キロメートルで地盤沈下が見られた。
また、東北地方太平洋沖地震の影響を大きく受けた平成23年以前の5年間(平成18~22年)で沈下が見られた面積(2,508.1平方キロメートル)と比較すると、246.0平方キロメートル増加したものの、4cm以上の沈下が見られた面積は114.9平方キロメートル減少しており、10cm以上の沈下は見られなかった。

内訳
区分

地盤沈下面積

(平方キロメートル)

比率

(対調査面積)

対(18~22年)5年比

増減

(平方キロメートル)

2cm未満

1,820.9

56.8%

+282.1

2cm以上
4cm未満

524.3

16.3%

+78.8

4cm以上
6cm未満

286.9

8.9%

-41.5※

6cm以上
8cm未満

92.7

2.9%

-72.8※

8cm以上
10cm未満

29.3

0.9%

+0.9※

10cm以上

0

-

-1.5※

県全体

2,754.1

85.9%

+246.0

※の合計は、-114.9平方キロメートル

<各地域の状況>

東葛、葛南、千葉・市原及び君津地域では、4センチメートル以上の地盤沈下はほぼ見られなかった。
一方、北総地域及び九十九里地域では、4センチメートル以上の沈下が見られ、北総地域では地盤沈下面積(642.8平方キロメートル)の21.4%、九十九里地域では地盤沈下面積(1,000.6平方キロメートル)の26.4%を占めていた。

区分

地盤沈下面積

(平方キロメートル)

4cm未満の沈下面積

(平方キロメートル)

4cm以上の沈下面積

(平方キロメートル)

東葛、葛南、
千葉・市原、
君津地域

1,110.7

1,104.1
(99.4%)

6.6
(0.6%)

北総地域

642.8

505.1
(78.6%)

137.7
(21.4%)

九十九里地域

1,000.6

736.0
(73.6%)

264.6
(26.4%)

※比率は各地域の地盤沈下面積に対する比率

5年間累計の地域別・沈下量別地盤沈下面積(平成25~29年)[単位:平方キロメートル]
地域 調査面積

地盤沈下が

見られた

面積

沈下量別

地盤沈下

面積

2cm未満

 

沈下量別

地盤沈下

面積

2cm以上
4cm未満

沈下量別

地盤沈下

面積

4cm以上
6cm未満

沈下量別

地盤沈下

面積

6cm以上
8cm未満

沈下量別

地盤沈下

面積

8cm以上
10cm未満

沈下量別

地盤沈下

面積

10cm以上

 

地盤沈下が

見られなかった

面積

東葛

358.2
(358.2)

312.9

(236.3)

303.9
(223.8)

9.0
(12.5)

0
(0)

0
(0)

0
(0)

0
(0)

45.3
(121.9)

葛南

253.9
(253.9)

141.2
(132.5)

135.4
(124.5)

3.3
(2.7)

2.2
(5.3)

0.3
(0)

0
(0)

0
(0)

112.7
(121.4)

千葉

市原

617.8
(617.8)

484.2
(536.3)

392.2
(414.3)

87.9
(109.0)

4.1
(12.6)

0
(0.4)

0
(0)

0
(0)

133.6
(81.5)

君津

264.3
(264.3)

172.4
(163.8)

172.4
(163.8)

0
(0)

0
(0)

0
(0)

0
(0)

0
(0)

91.9
(100.5)

北総

643.8
(645.4)

642.8
(591.8)

395.9
(405.9)

109.2
(77.9)

69.5
(61.8)

41.7
(40.8)

26.5
(5.4)

0
(0)

1.0

(53.6)

九十九里

1,069.9
(907.6)

1,000.6
(847.4)

421.1
(206.5)

314.9
(243.4)

211.1
(248.7)

50.7
(124.3)

2.8
(23.0)

0
(1.5)

69.3
(60.2)

合計

3,207.9
(3,047.2)

2,754.1
(2,508.1)

1,820.9
(1,538.8)

524.3
(445.5)

286.9
(328.4)

92.7
(165.5)

29.3
(28.4)

0
(1.5)

453.8
(539.1)

(注)括弧内は平成18~22年の5年間累計

 

(2)地盤沈下が見られた水準点

  • ア 水準点数:304点(平成28年調査:896点)
  • イ 最も沈下した水準点:佐倉市米戸(こめど)1.64センチメートル
    (平成28年調査:富里市高松(たかまつ)2.40センチメートル)
地盤沈下量の大きな水準点(上位10点)

所在地

名称

地盤変動量
(センチメートル)
29年

地盤変動量
(センチメートル)
28年

佐倉市米戸(こめど)

SK-4

-1.64

-1.64

富里市十倉(とくら)

TM-6

-1.61

-1.99

富里市御料(ごりょう)

TM-7

-1.55

-1.94

八街市八街(やちまた)ろ

YM-14

-1.29

-2.12

富里市高松(たかまつ)

TM-18

-1.15

-2.40

富里市七栄(ななえ)

TM-4

-1.14

-1.69

睦沢町小滝(こだき)

MT-4

-1.13

-1.06

八街市榎戸(えのきど)

YM-13

-1.10

-1.88

船橋市夏見台(なつみだい)

F-26

-1.06

-0.03

茂原市萱場(かやば)

48

-1.03

-1.48

(参考:直近5年間の年別最大沈下水準点)

所在地

名称

地盤変動量

(センチメートル)

29

佐倉市米戸(こめど)

SK-4

-1.64

28

富里市高松(たかまつ)

TM-18

-2.40

27

八街市八街(やちまた)ろ

YM-14

-2.51

26

いすみ市岬町市野々(みさきちょういちのの)

MI-14

-2.17

25

長生村本郷(ほんごう)

CH-2

-2.41

 

(3)地盤沈下が見られなかった水準点(地盤隆起した水準点を含む)

  • ア 水準点数:820点(平成28年調査:229点)
  • イ 最も隆起した水準点:千葉市稲毛区轟町(とどろきちょう)1.31センチメートル
    (平成28年調査:山武市蓮沼ロ(はすぬまろ)1.98センチメートル
地盤隆起量の大きな水準点(上位11点)

所在地

名称

地盤変動量
(センチメートル)
29年

地盤変動量
(センチメートル)
28年

千葉市稲毛区轟町(とどろきちょう)

NO.60

1.31

-0.52

千葉市中央区川崎町(かわさきちょう)

C-23

1.27

-0.42

千葉市中央区椿森(つばきもり)

NO.59

1.25

-0.43

千葉市稲毛区穴川(あながわ)

C-15

1.18

-0.45

千葉市中央区本町(ほんちょう)

3834

1.17

-0.29

千葉市中央区富士見(ふじみ)

NO.58

1.14

-0.55

千葉市中央区出洲港(でずみなと)

NO.51

1.13

-0.32

千葉市中央区新浜町(にいはまちょう)

C-26

1.13

-0.45

大多喜町小谷松(こやまつ)

35-023-038

1.12

0.06

大多喜町部田(へた)

35-023-039

1.12

0.09

千葉市稲毛区穴川(あながわ)

C-40

1.12

-0.51

(4)各地域の地盤沈下の推移(図4参照)(PDF:75KB)

昭和40年代に地盤沈下が激しかった葛南、千葉・市原地域では、地下水の採取は工業用水法、千葉県環境保全条例等による規制等により大幅に削減され、また、天然ガスかん水の採取は「地盤沈下の防止に関する協定」や天然ガス鉱区の買い上げ等により削減されたことによって、地盤沈下は沈静化の傾向にある。

一方、北総地域では、地下水の採取量に大きな変化がなく、地盤沈下が継続している状況が見られる。

また、天然ガス採取が行われている九十九里地域では「地盤沈下の防止に関する細目協定」に基づく天然ガスかん水採取の削減等の取組が行われているが、地盤沈下が継続している状況にある。

<地盤沈下の原因>

地盤沈下の原因を究明するためには、当該地域の地質状況等について詳細な調査検討を要するが、一般的な原因として、地下水や天然ガスかん水の採取等の人為的要因、若しくは、地震、自然圧密等の自然的要因又はこれらの複合要因が考えられている。

※自然圧密:上部からの荷重によって地層中の水や空気が移動して地層が自然に収縮する現象。

4 地盤沈下の対策

地盤沈下のうち、人為的要因による地盤沈下は防止を図る必要があることから、引き続き、以下の施策を講ずることとする。

(1)モニタリング

地盤沈下の状況等を把握するため、観測井による地下水位等の測定及び地盤変動調査を継続する。

(2)法・条例による地下水採取規制

地下水の採取による地盤沈下を防止するため、工業用水法、建築物用地下水の採取の規制に関する法律(ビル用水法)、千葉県環境保全条例により、千葉市を除く28市町の指定地域において、引き続き地下水採取規制を実施する。(千葉市については、県と同様の規制を実施)

(3)「地盤沈下の防止に関する細目協定」による天然ガスかん水採取の削減等の取組

天然ガスかん水採取による地盤沈下を防止するため、かん水を採取する企業と県が締結している「地盤沈下の防止に関する細目協定」に基づき、かん水地上排水量の削減等の取組を進めていく。

【県内のかん水採取地域(15市町村)】

茂原市、東金市、山武市、いすみ市、大網白里市、九十九里町、横芝光町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長南町、大多喜町、千葉市、成田市

  • ※地盤沈下の防止に関する細目協定:天然ガス採取企業10社と県が昭和56年に締結した「地盤沈下の防止に関する協定」に基づき、現在、天然ガスかん水を採取している9社と県が、かん水地上排水量の削減等の取組を盛り込み締結している協定。
  • ※かん水地上排水量:地下から採取した天然ガスかん水の量から、天然ガスやヨードを分離した後のかん水を地下へ戻し入れた量を差し引いた水量で、地上に排出する水量。

お問い合わせ

所属課室:環境生活部水質保全課地盤沈下対策班

電話番号:043-223-3822

ファックス番号:043-222-5991

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