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ホーム > くらし・福祉・健康 > 福祉・子育て > 障害者(児) > 障害福祉に関する施策 > 障害福祉に関する計画 > 第八次千葉県障害者計画(案)に関する意見募集について > 2 精神障害のある人の地域生活の推進
更新日:令和6(2024)年2月5日
ページ番号:625703
千葉県では、精神障害のある人や精神保健に関する課題を抱える人が、地域の一員として安心して自分らしい暮らしをするため、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労)、地域の助け合い、教育が包括的に確保されるように圏域連携コーディネーターを配置しています。このコーディネーターは、医療機関・障害福祉サービス事業所・行政等の連携を図り、精神障害のある人の地域生活支援や地域住民の精神障害に対する理解促進のため普及啓発等に取り組んでいます。
「精神保健福祉資料」(令和4年度630調査)によると、千葉県の精神科医療機関の在院期間が1年以上の長期入院者は約6,460人います。その中でも、65歳以上の割合は60.7%となっており、高齢の入院患者への対策が必要です。
精神障害のある人自身が、自らの体験に基づき、他の障害のある人の相談相手となるピアサポートは、長期入院者の退院への不安を軽減させるほか、支援機関においては、当事者目線で支援が行われるようになる等、様々な効果が期待されており、引き続き、ピアサポーターの養成、活動の場の拡大や活動の仕組みの整備などの支援に取り組む必要があります。
また、短期・長期入院を問わず、精神障害のある人の退院後の地域生活を支援するため、医療機関と障害福祉サービス事業所、訪問看護事業所、公的機関等が連携し、地域生活の定着に向けた仕組みが必要です。あわせて、入院経験を問わず、精神障害のある人が抱えている様々な課題に応じた支援が必要です。
そのほかに、精神科病院に入院中の人の地域移行・地域定着の理解・促進を図るため、地域移行・地域定着に積極的に取り組んでいる精神科病院を「千葉県精神障害者地域移行・地域定着協力病院」として認定し、公表しています。引き続き、協力病院を拡充する必要があります。
地域生活への移行を進める上で重要となる家族については、本人に対する支援について、不安や、様々な課題を抱えています。地域で支えていくために必要な情報の提供や、福祉サービスの充実を図るとともに、家族が互いに理解できるような機会を設ける必要があります。
地域生活への移行の推進に当たり、住まいの場を確保することが必要です。
このため、できる限り身近な地域において日常生活及び社会生活を営めるよう、グループホームの整備・運営や、利用者に対する支援のための各種事業を実施しています。
今後は、グループホームの整備や、障害があっても単身で生活をしたいというニーズに対応するため、本体住居の食堂等を利用するなど密接な連携を前提とした、一人暮らしに近い形態のサテライト型住居の更なる周知を行い、供給を増やすことが必要です。
障害のある人が、身近な地域で自立した生活を営めるようにするためには、グループホームのほか、一人暮らしを望んでいる障害のある人など、それぞれのニーズに応じた住まいの場が必要です。
そのためには、公営住宅の活用のほか、不動産関係事業者や居住支援関係事業者などと連携し、民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図る必要があります。
また、より住み慣れた地域社会の中で充実した生活が継続できるよう、障害のある人やその家族に対して、市町村が行っている居宅介護等の福祉サービスの充実が必要です。
さらに、地域生活を継続していくために欠かすことのできない医療の提供については、医療費の患者負担が課題となっています。
これらを踏まえ、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築は、精神障害のある人や精神保健に関する課題を抱える人の日常生活圏域を基本として、市町村などの基礎自治体を基盤として進める必要があります。また、千葉県及び精神保健福祉センター、保健所は市町村との協働により精神障害のある人等のニーズや地域の課題を把握した上で、障害保健福祉圏域等の単位で精神保健医療福祉に関する重層的な連携による支援体制を構築することが重要です。
精神障害のある人の経験や能力を生かすとともに社会参加を促進するため、ピアサポーターが支援者へとキャリアアップできるよう研修を実施するとともに、就労へつながるよう関係機関に対するピアサポートの普及や環境づくりに努めます。
全障害保健福祉圏域で「千葉県精神障害者地域移行・地域定着協力病院」を認定し、精神科病院に長期入院している人の退院を促進します。
家族への支援については、家族が抱える課題等を共有できる機会の場や、それぞれのニーズに合った支援体制づくりの促進に努めます。また、家族会等の関係者と連携し、必要な障害福祉サービス等について情報提供します。
グループホーム整備については、地域での必要性などを踏まえ、順次支援を行い、精神障害のある人のためのグループホームの整備など、社会情勢に即応した整備に努めます。また、共同住居より単身で生活したいというニーズに応えるため創設された、サテライト型住居の設置・活用が図られるよう、引き続き周知に努めます。
緊急時に支援が必要な事態が生じた場合に備えて、本人の状況に応じた適切な支援が行えるよう関係機関と協議しながら検討を進めます。
公営住宅においては、障害のある人の利用促進に向けて、障害のある人の世帯に対し、一般世帯より当選確率が高くなるよう優遇措置や、障害のある人の世帯など、特に配慮が必要な世帯のみが申込みできる戸数枠を設ける措置を講じていきます。
民間賃貸住宅への円滑な入居については、障害のある人等の住まい探しの相談に応じる不動産仲介業者や、障害のある人等の入居を拒まない賃貸住宅を登録し、ホームページ等で情報提供を行います。また、千葉県すまいづくり協議会居住支援部会において、不動産関係事業者や居住支援関係事業者などと連携し、賃貸住宅の登録制度の周知や有効活用方策の検討を行います。さらに、地域の実情に即した居住支援の充実を図るため、市町村においても、居住支援協議会の設置など関係団体との連携を行う仕組みづくりを推進します。
ホームヘルパー等に対する各種研修を継続することにより、支援の質の向上に取り組むとともに、利用者のニーズに応えられる十分なサービス量の確保に努めます。
就労定着を図るため、就労定着支援事業所と関係機関との連携などによる支援の好事例等を周知し、就労定着支援事業所の支援の質の向上を図ります。また、障害のある人の一般就労を促進するため、就労移行支援事業所の一層の充実とともに、就労定着支援事業の実施事業所や障害者就業・生活支援センターをはじめとする支援機関による就職後の定着支援体制の充実を促進します。
安心して暮らせる地域生活の継続のため、多職種のアウトリーチや、訪問看護による支援体制の拡充に努めます。
障害保健福祉圏域ごとの協議の場において、地域の課題等を共有化するとともに、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築とそれに対する評価を行い、地域に必要な基盤整備について検討します。
入院患者の高齢化が進んでいるため、高齢の入院患者の地域移行について、障害保健福祉圏域ごとの協議の場において対策を検討します。
重度心身障害者(児)医療費助成制度については、全国統一の公費負担医療制度を創設するよう、国に要望していきます。
市町村長同意による医療保護入院者等を対象に、外部との面会交流の機会を確保し、その権利擁護を図るために行われる訪問支援等については、国の動向を踏まえ、必要な取組について検討します。
精神科病院における虐待を防止するため、各精神科病院へ、虐待を防止するため必要な措置を講ずるよう周知するとともに、必要に応じて調査及び指導を行います。
数値目標
№ |
項目 |
4年度実績 |
6年度 |
7年度 |
8年度 |
---|---|---|---|---|---|
1 |
千葉県精神障害者地域移行・地域定着協力病院の指定数(箇所) |
24 |
25 |
26 |
27 |
数値目標(基本指針)
№ |
項目 |
4年度実績 |
6年度 |
7年度 |
8年度 |
---|---|---|---|---|---|
2 |
精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数(日) |
316 |
330 |
330 |
330 |
3 |
精神病床における65歳以上の1年以上長期入院患者数(人) |
3,924 |
3,512 |
3,100 |
2,687 |
4 |
精神病床における65歳未満の1年以上長期入院患者数(人) |
2,536 |
2,348 |
2,160 |
1,972 |
5 |
精神病床における3か月時点の早期退院率(%) |
67.2 |
70 |
70 |
70 |
6 |
精神病床における6か月時点の早期退院率(%) |
81.6 |
84 |
85 |
86 |
7 |
精神病床における1年時点の早期退院率(%) |
88.4 |
90 |
91 |
92 |
8 |
市町村ごとの保健、医療、福祉関係者による協議の場の設置状況(箇所) |
44 |
46 |
50 |
54 |
9 |
協議の場の1年間の開催回数(回) |
83 |
86 |
88 |
90 |
10 |
協議の場における参加者数(人) |
ー |
1,290 |
1,320 |
1,350 |
11 |
協議の場における目標設定及び評価の実施回数(回) |
16 |
16 |
17 |
18 |
12 |
精神病床における退院患者の退院後の行き先(在宅)(人) |
541 |
541 |
541 |
541 |
13 |
精神病床における退院患者の退院後の行き先(障害者施設等)(人) |
69 |
69 |
69 |
69 |
14 |
精神病床における退院患者の退院後の行き先(介護施設)(人) |
80 |
80 |
80 |
80 |
15 | 地域移行・地域定着推進に関する会議への参加件数(件) | ー | 26 | 26 | 26 |
千葉県では、精神症状の急激な悪化等の緊急時に、適切な医療を確保できるよう「千葉県精神科救急医療システム」における精神科救急医療相談窓口を24時間設置しています。
また、「千葉県保健医療計画」に基づく保健医療圏単位で、精神科救急基幹病院を中心に、より身近な地域で速やかに診療が受けられるようシステムの拡充を図りました。今後も引き続き、早急に適切な医療を必要とする精神科救急患者等に対応できる空床を確保するため、精神科救急医療施設の拡充を図ります。
さらに、身体合併症の精神科救急患者に対応できる医療機関として、5病院に協力を依頼しています。
令和5年度に完成した千葉県総合救急災害医療センターは、身体・精神科合併救急患者等に対し、迅速かつ適切な医療の提供に、また、同じ建物内にある千葉県精神保健福祉センター(県こころセンター)は、医療と連携した切れ目のない精神保健福祉サービスの提供に取り組む必要があります。
精神疾患の早期発見・早期対応を促進し、また、精神障害のある人や精神保健に関する課題を抱える人が、必要な保健医療サービス及び福祉サービスの提供を受け、その疾患について周囲の理解を得ながら地域の一員として安心して生活することができるよう、精神疾患や精神障害に関する普及啓発を推進することが重要です。
千葉県では、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進するため、精神障害のある人等のニーズや地域の課題を把握し、その課題に即した専門性の高い事業展開を行うことができる事業所に事業を委託していますが、当事業においては、ピアサポーター、当事者団体等と協働し、地域住民と交流していくことや、可能な限り早期に精神疾患や精神障害への理解を促進するため、学校保健等と連携して普及啓発をしていくことが重要です。
また、普及啓発は、介護・高齢者福祉、生活困窮者支援、児童福祉や母子保健、労働、住宅等の各相談機関等においても重要です。
さらに、精神障害のある人や精神保健に関する課題を抱える人、地域住民が困りごと等を抱えた際に、すぐに相談できるよう、精神疾患、精神障害やメンタルヘルスに関する相談窓口の整備や、その周知も必要です。
精神障害のある人の実情や地域での生活について理解を広げるため、心のふれあいフェスティバルや心の健康フェア等、精神障害のある人と地域住民が触れ合う機会を提供し、関係団体と連携した普及啓発に努めます。
子どもたちに対し、精神障害についての理解促進及び精神疾患の早期発見につなげるため、学校におけるメンタルヘルス教育の推進に向けて、教育機関への働きかけを行います。
県民への精神疾患及び心の健康に関する正しい知識の普及に取り組むため、精神保健福祉センター(県こころセンター)、保健所(健康福祉センター)、市町村、教育機関、精神医療保健福祉関係団体が相互に連携してこころの健康の保持・増進について継続して普及啓発を行うとともに、相談窓口の一層の周知を図ります。また、市町村における相談支援機能の充実を図るために、相談支援に携わる専門職員に対する研修の拡充を図るとともに、市町村職員とともに相談やアウトリーチを行い、技術指導・支援を推進します。
数値目標(基本指針)
№ |
項目 |
4年度実績 |
6年度 |
7年度 |
8年度 |
---|---|---|---|---|---|
16 |
地域移行・地域生活支援事業のピアサポーター活動箇所数(箇所) |
9 |
11 |
13 |
15 |
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