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更新日:令和5(2023)年12月8日

ページ番号:625360

僕の友達(令和5年度心の輪を広げる体験作文入賞作品)

僕の友達

中学生区分

千葉県知事優秀賞

鎌ケ谷市立第二中学校2年
安藤 逞翔(あんどう たくと)

 

そのおにいちゃんとの出会いは五年前、僕がまだ小学三年生の時である。

 当時ショッピングセンターの中にある習い事教室に通っており、習い事の後にそのショッピングセンター内のゲームセンターで少しだけ遊んで帰るというのが恒例になっていた。僕はその頃、釣りのゲームが好きで毎回やっていたが、ヘタクソですぐにメダルがなくなってしまっていた。ある時、一ゲームで五枚メダルが必要なのに中途半端に三枚だけ残ってしまい、母親に「もう帰るよ」と言われたが、残った三枚がもったいなくてグズり、母親を困らせていたら、斜め前で同じゲームをしていたお兄さんが見かねて、僕にメダルを二枚差し出してくれた。僕と母親は戸惑ったけれど、とても優しくにっこり笑って渡してくれたので、ありがたくもらい、お礼に帰りにジュースを渡して帰った。これがおにいちゃんとの出会いである。

 それから、習い事の日には度々会い、会話をするようになった。お兄ちゃんは中学二年生だった。

 おにいちゃんが中学三年生になり、高校受験もあるし、あまり会えなくなるかなと思っていたが、僕が行った日には大体いつも来ていて、「明日、入試なんだ」と言っているのを聞いた時には、「大丈夫なのかな」と心配な気持ちと、このおにいちゃんは一体どういう人なんだろうという、何ともいえない違和感を感じた。

 それから、コロナ禍でゲームセンターに行く機会が減り、中学校に入学すると、勉強と部活で忙しくなり、更に行かなくなった。

 数ヵ月前、久しぶりにゲームセンターに行くと、あのおにいちゃんがいた。久しぶりだったので少し恥ずかしく、おにいちゃんもきっと話しかけてくれないだろうなと思い、話しかけようか迷っていたら、僕を見つけたおにいちゃんが、驚いた顔をして僕の所にかけ寄って来て、「久しぶり」といってハイタッチをしてくれた。とても嬉しかった。一気に心の距離が縮まった気がした。その時に、なぜ教えてくれたのかはわからないけれど、軽度だけど発達障がいがあること、療育を受けていたことを教えてくれて、障がい者手帳も見せてくれた。僕は障がい者手帳というものを初めて見た。おにいちゃんに障がいがあると知って、驚いた。いや、障がいがあるということにびっくりしたのではなくて、障がいがあることが全くわからなかったことに驚いたのだ。以前感じた違和感は障がいのせいだったのかなと思ったが、今の僕には障がいのことは全く気にならなかった。

 僕にとっておにいちゃんは障がい者ではない。障がいがあってもなくても大切な友達である

 

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所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

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