ここから本文です。

更新日:令和5(2023)年11月30日

ページ番号:404826

「できる できる 必ずできる」(令和2年度心の輪を広げる体験作文入賞作品)

「できる できる 必ずできる」

中学生区分

千葉県知事最優秀賞

山武市立松尾中学校2年

今関 叶翔(いまぜき かなと)

 

僕は、ADHDと自閉症スペクトラムという発達障害を持っています。軽度なので、見た目では、ほとんどの人がわかりません。

一生懸命にやっていても、やる気がないように思われてしまう。周りと同じように頑張っても上手くいかない。何をしても叱られることばかり。自分のせいで周りに迷惑をかけてしまう。そうしたいわけではないのに、いつも望まない結果に繋がってしまう。嫌な事を上げればきりがない、そんな毎日でした。

その上、何もかもが嫌で、上手くいかないとすぐに諦め、楽な方に逃げました。病気だと判れば、それを理由に出来ない、仕方ないと親にもずっと当たっていました。今思えば、とにかく自分勝手な人間だったと思います。母はそんな僕を絶対に許してはくれませんでした。諦めたらダメだと、人と同じでダメなら、人の倍努力をすれば、必ずできると言いました。正直、なんで自分だけ、そんな大変な思いをしなければいけないんだと、その時は納得できませんでした。

そんな時、担任の先生が変わりました。とても明るくて、熱血でパワーのある先生でした。

「頑張れ。頑張れ。」

「できる、できる、必ずできる。」

「絶対に諦めるなよ。」

毎日のように、僕にも周りにもそう言っていました。

母も先生も全く違うタイプでした。でも、同じ意味だと思う事が増えていきました。それから、上手くいかない時、一緒に頑張ってくれました。少しずつ少しずつ、できなかった事ができるようになり、みんなよりは時間がかかるけど、だんだん追いついていきました。嫌だな嫌だなとばかり思っていた自分が、四年程経ったころから、やった、できたと嬉しく思ったり、勝負に勝ったような気持ち良さを感じるようになったり、面倒くささが前より軽くなったりしていきました。人よりも時間はかかるけど、諦めなければできるという事が、なんとなく分かるようになったと思います。

僕は障害を軽減する薬を服用しているけど、薬の力だけではなく、諦めない強い気持ちだったり、周りの優しさや理解だったり、友達だったり、何か少し頑張ろうと思える、笑っていられる環境があれば、遠回りな人生でも悪くないのではないかと思います。

僕のように一見わからないような障害を持っている人は、世の中にたくさんいます。それに障害ではなくても、誰でも苦手な事の一つや二つはもっているもの。それはおかしい事でも恥ずかしい事でもなくて、周りが受け入れて理解しようとすれば、問題になることもなく、平和に過ごしていけるような気がします。そんな人に優しい社会であってほしいと思います。誰もが安心できる居心地の良い環境と、助けてほしいと言葉にし易い社会。その為にも、自分にできることを少しずつ考えて、できれば人の役に立てる存在になりたいです。

そして、障害をもっていることは、別に悪いことをしているわけではありません。だから、堂々と生きてこうと思います。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?