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更新日:令和6(2024)年3月21日

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II本県の障害のある人の状況

1障害のある人の手帳の所持等の状況

(1)身体障害のある人

県内における身体障害者手帳所持者数は、令和元年度末現在で179,242人です。平成26年度末の176,392人と比べると、5年間で2,850人、割合で1.6%増加しています。

また、障害部位別では、「肢体不自由」が全体の50.0%と最も高く、「内部障害」が35.1%、「聴覚・平衡機能障害」が7.3%、「視覚障害」が6.2%、「音声・言語・そしゃく機能障害」が1.4%と続いています。「内部障害」のある人は他の障害と比較して大きく増加しており、令和元年度末までの5年間で55,496人から62,967人へ13.5%増加しました。その中でも、「心臓機能障害」や「じん臓機能障害」の手帳所持者数が平成26年度と比較して大きく増加しています。

年齢階層別では、65歳以上の人の割合が、平成26年度末の67.5%から令和元年度末の70.8%へと大きく増加しています。65歳未満の身体障害者手帳所持者数が減少傾向であるのに対し、65歳以上の身体障害者手帳所持者数は人数、割合ともに増加しています。

また、障害程度別では、令和元年度末時点で重度(1級、2級)の割合が50.6%と最も高く、中度(3級、4級)の割合が39.3%、軽度(5級、6級)の割合が10.2%と続いています。この割合は26年度末からほぼ変化がありません。

障害部位別では、中度の内部障害が、平成26年度末からの増減率で14.6%増と最も高くなっています。

全ての年代で重度が最も高い割合を占めています。特に18歳未満では、重度が67.4%を占めており、他の年代(18~64歳:55.8%、65歳~:48.1%)と比較しても高い割合となっています。

(2)知的障害のある人

県内における療育手帳所持者数は、令和元年度末現在で44,038人です。平成26年度末の36,989人と比べると、5年間で7,049人、割合で19.1%増加しています。

障害程度別では、軽度が最も増加しており、平成26年度末から令和元年度末までの5年間で、人数で3,076人、割合で23.8%増加しています。

また、年齢階層別では、18歳以上の人の占める割合は、平成26年度末が70.1%であったのに対し、令和元年度末は70.8%であり、ほぼ変化がありません。

なお、18歳未満では軽度が、18歳以上では重度が最も高い割合を占めています。

(3)精神障害のある人

県内における精神障害者保健福祉手帳所持者数は、令和元年度末現在で51,503人です。平成26年度末の34,178人と比べると、5年間で17,325人、割合で50.7%増加しています。障害程度別では2級の手帳所持者が最も多く、全体の58.8%を占めています。

精神科医療の利用状況では、精神科入院患者数について、平成26年度が10,850人であったのに対し、令和元年度は10,135人であり、若干減少しています。

また、自立支援医療費(精神通院医療)の受給者数については、平成26年度が73,535人であったのに対し、令和元年度は94,170人であり、28.1%増加しています。

精神科の病院に1年以上入院している人の数は、令和元年度は6,885人でした。平成26年度の7,633人と比べると9.7%の減少です。また、平均在院日数についても減少傾向にあります。

2様々な障害の状況

(1)発達障害

発達障害者支援法においては、発達障害の定義を「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」としています。

このように発達障害には様々な種類がありますが、同じ種類の障害でも年齢や環境により目立つ症状が異なることや、逆に、別の種類の障害でも症状に重なり合う部分があること等から、障害の種類を明確に分けて診断することは難しいとされています。

障害の種類にかかわらず、発達障害において重要なのは、障害そのものを早期に発見し、本人の社会生活に困難が生じる前に適切に配慮・支援を行うことと言えますが、障害そのものを本人や家族が認識していない場合も多いと考えられます。

文部科学省が平成24年に学校教員を通じて行った調査では、公立の小中学校の通常学級に、発達障害の可能性のある児童生徒が約6.5%いると推計しています。

なお、本県では平成14年10月に「千葉県発達障害者支援センター」を設置し、診断や手帳の有無を問わず発達障害のある人等に対して相談等の支援を行っています。令和元年度には1,157人に対して相談支援を行いました。

(2)高次脳機能障害

高次脳機能障害とは、病気や事故等の様々な原因で脳が損傷されたことにより、言語、思考、記憶、行為、学習等、高次の知的な機能に障害が起きた状態のことです。

高次脳機能障害は、身体的な後遺症がない場合、外見から障害が分かりにくく、障害の内容や程度も様々です。また、身体障害や精神障害に分かれて判定されていることもあるため、高次脳機能障害のある人の人数や状態等、実態の把握は難しい状況です。

本県では、千葉県千葉リハビリテーションセンターほか2箇所において高次脳機能障害支援普及事業による支援拠点を設置し、高次脳機能障害やその関連障害がある人の相談・支援を行っており、令和元年度の相談件数は4,805件でした。

令和2年度より、支援拠点を1箇所増やし、4箇所において高次脳機能障害に対する支援普及事業を行っています。

(3)重症心身障害、医療的ケア児・者

発達期までに生じた重度の知的障害と重度の肢体不自由を併せ持つ状態を重症心身障害といいます。

平成30年に医療・福祉・教育・行政の各機関に対し調査協力を行い実施した「重症心身障害児者及び医療的ケア児者の実態調査」の結果、県内の3歳以上18歳未満の重症心身障害児は621人、18歳以上の重症心身障害者は874人で合わせて1,495人でした。

また、様々な疾病により、乳幼児期に長期入院した後、退院後も人工呼吸器、胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などが日常的に必要な人を医療的ケア児・者といいます。

同調査で1歳以上18歳未満の医療的ケア児は533人、18歳以上の医療的ケア者は419人で合わせて952人でした。

なお、重症心身障害児・者と医療的ケア児・者は一部重なっており、医療的ケアが必要な重症心身障害児は343人、医療的ケアが必要な重症心身障害者は389人でした。

(4)難病等

「難病の患者に対する医療等に関する法律」において、難病は、発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるもの、と定義されています。

110疾病を医療費助成の対象疾病(指定難病)と指定して制度が開始されましたが、その後の追加指定により、令和2年4月1日時点で333疾病が対象疾病とされています。県内で指定難病に該当し、医療費助成を受けている人の数は、令和元年度43,230人となっています。

なお、障害者総合支援法の対象となる難病等については、当初130疾病が対象とされていましたが、令和2年4月1日時点で361疾病に対象が拡大されています。

3ライフステージごとの状況

(1)障害のある子どもへの特別支援教育

学校教育法に特別支援教育が位置付けられて以降、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場が整備されてきました。

このような状況を受け、本県においても公立小中学校に設置された特別支援学級や通級指導教室の児童生徒数は大きく増加しています。まず、公立小中学校の特別支援学級児童生徒数について、平成26年度は小学校5,796人、中学校2,582人で合計8,378人であったのに対し、令和元年度は小学校7,743人、中学校3,268人で合計11,011人と、31.4%の増加となっています。また、公立小中学校の通級指導教室児童生徒数については、平成26年度の3,838人から令和元年度は6,211人と、61.8%の増加となっています。

さらに、特別支援学校においても幼児児童生徒数が増加しており、公立特別支援学校の幼児児童生徒数は平成26年度の5,993人から令和元年度の6,473人へと8.0%増加しています。なお、障害別の内訳で見ると、知的障害のある幼児児童生徒数の増加が大きく、また、学部別の内訳で見ると、小学部の児童数の増加が大きくなっています。

(2)障害のある人の就職者数、就職率、工賃の推移

障害のある人が地域で生活していくために、その経済的自立は重要な課題です。

県内のハローワークにおける障害のある人の新規求職申込件数総数は毎年増加しており、令和元年度は8,690件の申込みがありました。これは、平成26年度の7,222件と比較して20.3%の増加となります。なお、特に精神障害のある人の増加が目立ちます。

新規求職申込件数と同様に就職件数も増加しており、県内ハローワークにおける障害のある人の令和元年度の就職件数は3,972件でした。これは平成26年度の2,784件と比較して42.7%の増加になります。特に精神障害のある人の就職件数が大きく伸びています。

また、障害種別の就職率では、知的障害のある人において、平成26年度の就職率が50.5%であったのに対し、令和元年度の就職率が69.7%と大きく伸びています。

県内の特別支援学校高等部における就職希望者就職率は、平成26年度が92.7%であったのに対し、令和元年度は97.3%と上昇しており、希望者の多くが就職しています。

一方、福祉就労における工賃では、県内の令和元年度の就労継続支援B型の工賃実績は、月額15,215円でした。これは、平成26年度の13,150円と比べると15.7%の増加であり、着実に伸びていますが、全国平均よりは低くなっています。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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