令和2年度管理運営状況評価(千葉リハビリテーションセンター)
「指定管理者制度導入・運用に係るガイドライン」に基づき、令和2年度における管理運営状況の確認及び評価を実施しました。
1.概要
(1)施設名等
施設名 |
千葉県千葉リハビリテーションセンター |
指定管理者 |
社会福祉法人千葉県身体障害者福祉事業団 |
指定管理期間 |
平成28年4月1日~令和3年3月31日 |
評価対象年度 |
令和2年度 |
第三者評価の有無(今回) |
無 |
施設所管課 |
健康福祉部障害福祉事業課 |
(2)施設の設置目的等
設置目的 |
民間では受け入れの困難な身体障害児・者等に、一定期間入所又は入院・外来診療により、高度の医学的、社会的及び職業的リハビリテーションを総合的に行い、社会復帰及び家庭復帰の促進を図るとともに、県内の同種施設に対する技術的助言、支援を行うセンター的役割を果たすことを目的とする。 |
指定管理者が行う 業務の範囲 |
- 医療型障害児入所施設の業務
- 医療型児童発達支援センターの業務
- 障害児相談支援事業所の業務
- 障害者支援施設の業務
- 法第5条第1項に規定する障害福祉サービス(療養介護、生活介護及び短期入所に限る。)の提供
- 特定相談支援事業所の業務
- 脳血管疾患患者等に対する身体障害の予防及び軽減等のための医療の提供
- 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第32条に規定する補装具製作施設の業務
- その他センターの設置の目的を達成するために知事が必要と認める業務
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(3)施設の運営状況
年度 |
利用者(人) ※1 |
事業費等の内訳(千円) |
指定管理料 (A) |
その他維持 管理費 (B)※2 |
使用料等 県収入 (C) |
県の収支 (C-A-B) |
(参考) 利用料金 |
R2 |
133,565 |
1,319,793 |
495,965 |
11,532 |
△1,804,226 |
3,925,829 |
(参考) R1 |
147,057 |
1,298,134 |
80,068 |
14,808 |
△1,363,394 |
3,999,473 |
※1.カウント方法:入院・入所及び通院・通所の延人数
※2.維持補修費、委託料、工事請負費、備品購入費(指定管理料に含まれるものを除く)
2.評価結果
(1)管理運営状況評価
評価項目 |
評価 |
評価理由等 |
1.管理業務の実施状況に関する事項 |
(1)施設の設置目的・法令等の遵守等 |
A |
- 施設の設置目的を理解し、設置根拠となる障害者総合支援法、医療法等の関係法令及び管理の基準を満たした適切な管理運営を行っている。
- コンプライアンスや個人情報保護のための体制づくりやその周知・遵守を適切に行っている。
- 職員の給与については、最低賃金を上回る等、適切に支給しており、また、障害者雇用については雇用障害者数及び雇用率ともに法定の基準を上回っている。
- 定款や協定書に基づく県への報告を適切に行っている。
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(2)安全性の確保 |
A |
- 利用者の安全確保のため、防災、地震・停電、院内暴力等への対応マニュアルを整備し、24時間の常駐警備をはじめとする警備体制が十分とられている。
- 新型コロナウイルス感染防止対策のため全体での防災訓練の実施は見送ったものの、災害時の職員の安否確認のための整備をする等可能な限りの災害対策を行っている。
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(3)適切な管理運営 |
A |
- 人件費が高騰する中、委託内容を精査する等の効率化を行うことにより、コスト削減や質の向上を図っている。
- 患者への診療情報の開示を適正に行っている。
- 利用者の人権を擁護するため、日頃から職員一人一人の意識向上を図っている。
- 虐待防止に向けた委員会やミーティング、研修を定期的に開催し、要配慮者への対応も適切である。
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(4)適切な財産管理 |
A |
- 施設・設備を日常的に点検するとともに、計画的に定期点検を実施している。
- 日常点検、定期点検、巡回により老朽化した設備の不良箇所を把握し、修繕を行っている。
- 備品ごとに管理番号を付して現物と管理番号を突合できるようになっており、備品の管理状況は適切である。
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2.事業の企画運営に関する事項 |
(1)事業の実施(必須事業) |
A |
- 稼働率の高かった愛育園を含む一部施設の稼働を制限したことで施設稼働率が計画を下回ったが、これは感染防止のためやむを得ない。
- その一方で、新型コロナウイルス感染から回復後の患者を積極的に受け入れている。
- 総合相談部における成人向けの計画相談支援サービスの実施等、指定管理申請時の事業説明書に記載された事業について、適切に継続して実施している。
- 施設の設備や機能を有効活用できるよう常に見直し、改善を図っている。
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(2)サービスの向上、自主事業、地域の連携等 |
S |
- 病院機能の第三者評価において高い評価を受けた後も、継続して医療水準の向上と医療の安全性向上に積極的に取り組んでいる。
- 感染対策医師を中心としたチームによる定期的なラウンドや感染対策処置の立案、感染担当者連絡会議での情報収集・伝達等、徹底的な感染管理を行い、新型コロナウイルス感染症の院内感染防止にも適切に対応した。
- 関係医療機関との平時からの連携を活かし、新型コロナウイルス感染症患者の後方支援病院として、回復期の在宅復帰等を目的とした患者を積極的に受け入れている。
- 民間では受入れが困難な利用者を多く受け入れ、入退院支援及び地域に帰ってからのフォローアップ等充実した支援を実施している。
- 在宅生活への移行に向けて、コロナ禍においても円滑な退院支援を行うための工夫を図り、高い在宅復帰率を挙げている。
- 新型コロナウイルス感染症対策のため施設の稼働や活動を一部制限しつつも、児童の家庭復帰や在宅支援、利用者の地域移行支援に対して積極的に取り組んでいる。
- 更生園退園後の就労定着支援として新たにzoomを用いることで、遠隔地で就労した方に対しても十分な支援を行えるようになった。
- 医療的ケア児等地域支援体制構築支援事業での支援結果をまとめた市町村職員のための支援マニュアルを作成・配布し、市町村から高い評価を受けている。
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3.施設利用状況に関する事項 |
A |
- 新型コロナウイルス対応による稼働制限・縮小等のために施設の利用や収支の状況はおおむね前年度実績や計画値を下回ったものの、サービス提供の継続と感染拡大防止のバランスを考慮して機動的に対応し、可能な限りのサービス提供を行っている。
- 補装具製作施設は、体制の強化により製作可能数が増えたことで、利用者数・件数ともに増加している。
- 利用率向上のため、施設別目標値を設定し定期的な達成状況の検証を行うとともに、適正なベッドコントロールによる効率的な運営を行っている。
- 新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、潜在的なニーズを掘り起こすための活動を積極的に行い、利用者増加に努めている。
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4.管理運営体制 |
A |
- 前回の指摘を受けて、中長期的な収支計画や人員配置計画を作成し、事業収支を踏まえた人員配置を検討している。
- eラーニングの受講対象を全職員に広げて必要な研修の機会を確保する等、人材の育成に力を入れており、研修の延べ参加者数も増加している。
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5.収支状況 |
A |
- 新型コロナウイルス感染防止の観点から施設稼働制限を行ったため減収となったものの、幹部から職員まで一体となって目標達成に向けて利用率の維持向上に取り組むことで最小限の減収に留める等、指定管理者として効率的かつ安定した管理運営を行っている。
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6.利用者意見の反映、利用者満足度 |
A |
- 意見箱やアンケートを通じて利用者からの意見・要望を集約し、寄せられたものに対し適切に対応している。
- 令和2年度の利用者アンケートでは全体満足度が4.19点(5点満点)と高水準を確保しており、またいずれの項目についても同様の調査を行った他院のベンチマークを上回っている。
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総合評価 |
良好 |
- 利用者数や収入が事業計画を下回ったが、新型コロナウイルス感染防止対策のための稼働制限等が要因でやむを得ないものであり、おおむね適正な管理運営が実施されている。
- 今後も利用者のニーズを的確に把握し、特性に配慮した適切な支援を行うとともに、県内の同種施設に対する技術的な助言、指導を行うセンター的役割を果たすこと。
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(2)特記事項
特に評価される点 |
- 感染対策医師を中心としたチームによる定期的なラウンドや感染対策処置の立案、感染担当者連絡会議での情報収集・伝達等、徹底的な感染管理を行い、新型コロナウイルス感染症の院内感染防止にも適切に対応したこと。
- 関係医療機関との平時からの連携を活かし、新型コロナウイルス感染症患者の後方支援病院として、回復期の在宅復帰等を目的とした患者を積極的に受け入れていること。
- 新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、潜在的なニーズを掘り起こすための活動を積極的に行い、利用者増加に努めていること。
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次年度に向けて改善が望まれる点 |
特になし。 |
前年度評価で改善が望まれると指摘された点とその改善状況 |
指摘内容
改善状況
- 中長期的な収支計画や人員配置計画を新たに作成し、事業収支を踏まえた人員配置を検討している。また、計画を上回る人員配置を行う必要が生じた場合は事前に県に相談した上で配置する。
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