答申第90号
本文(PDF:130KB) 本文(ワード:60KB)
答申の概要(答申第90号:諮問第167号)
実施機関
監査委員事務局第一課
事案の件名
「公文書非公開決定処分取消請求事件判決(千葉県監査委員事務局タクシー料金支出文書の部分公開決定処分取消請求事件)」の公文書部分公開決定に係る異議申立てに対する決定について
対象文書
- 種類 判決書(争訟)
- 情報 事件番号、原告の住所及び氏名、原告訴訟代理人弁護士の住所及び氏名、被告の住所及び氏名、被告訴訟代理人弁護士並びに指定代理人の氏名、証人の氏名、判決内容
請求に対する決定
部分公開
非公開条項
旧条例第11条第2号
原処分
- 非公開部分 事件番号、原告の氏名及び住所のうち市町村名を除いた部分、証人の氏名
- 非公開理由
- 原告の氏名、原告の住所の市町村名を除いた部分及び証人の氏名は、個人に関する情報であって特定個人が識別され、又は識別され得るものに該当する。また、事件番号は、所轄裁判所、年度、符号及び番号によって構成され、一つの事件に一つの番号が付されるものであり、事件番号を公開した場合、裁判所の訴訟記録の閲覧制度により、原告及び証人を特定することが可能となることから、本号に該当する。なお、証人については、いずれも県の職員であるが、特別休暇を取得した上で証言を行っているものであるから、本号に該当する。
- 民事訴訟法第92条により、裁判所の訴訟記録の閲覧又は謄写、正本の交付等については、何人にも認められる趣旨ではないと解されるから、ただし書イに該当しない。また、ただし書ロ及びハのいずれにも該当しない。
申立年月日
平成11年12月5日及び8日
諮問年月日
平成13年3月15日
答申年月日
平成14年9月4日
審査会の判断
実施機関が非公開とした部分のうち、事件番号については旧条例第2号に該当せず公開すべきであるが、その余の部分については、実施機関の決定は妥当である。
旧条例第11条第2号該当性について
- 事件番号については、裁判所のホームページで掲載している主要判決中に公表されており、公知の情報となっている。また、事件番号は、「他の情報」と結び付けることにより特定個人を識別し得るとの実施機関の主張は、「他の情報」の要件が、一般人が知っている情報又は既に公にされた情報で図書館や書店等において一般人が通常の方法で入手し得るものであると解されることから、裁判所の閲覧制度はこれに該当しない。
- 原告の住所(市町村名を除く)、原告及び証人の氏名については、個人に関する情報であって特定個人が明らかに識別されるから、本号に該当する。
- 証人が公務員である場合、民事訴訟法第191条の規定により、公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある場合を除き、証人尋問に出頭しなければならないこととされていることから、職員の勤務時間、休暇等に関する条例第14条及び同規則第9条第2項に照らし、特別休暇に該当することから、本号に該当する。
- 訴訟記録の閲覧及び謄写等の請求権について、憲法により、原則裁判が公開である旨規定し、民事訴訟法第91条第1項で訴訟記録の閲覧の請求権も認めている一方で、同法第91条第2項では、非公開とされた裁判の場合には閲覧の請求権を限定し、同条第3項で、訴訟記録の謄写等の請求権を制限して、特に、当事者の私生活について重大な秘密が記載され、第三者が秘密記載部分の閲覧等を行うことで、その当事者が社会生活を営むのに著しい支障が生ずるおそれがある場合や、当事者が保有する営業秘密〔不正競争防止法第2条第4項に規定する営業秘密をいう〕の記載があれば、一層の訴訟記録の謄写等の制限がなされるものと解されることから、法令により無条件、かつ、無制限に何人に対しても閲覧が認められている場合とは異なるから、ただし書イには該当しない。
- ただし書ロ及びハには該当しない。
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください