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更新日:令和5(2023)年5月12日
ページ番号:21718
平成22年5月25日
千葉県総務部市町村課
電話:043-223-2131
千葉県内各市町村の平成22年度当初予算総額は、1兆8,722億23百万円であり、前年度と比べて、4.0%の増加となっている。
歳入においては、子ども手当の創設に伴い国庫支出金が大幅に増加している。また、昨年度に引き続き市町村税が減少となった一方で、地方交付税、地方債が増加している。
歳出においては、投資的経費、人件費が減少する一方で、子ども手当の創設等により扶助費が大幅に増加している。
このような状況の中、各市町村においては、喫緊の行政需要に対応するために基金を取り崩して予算を編成せざるを得ず、また、地方債残高等の債務総額もさらに増加する見通しである。
平成22年度の県内54市町村の当初予算総額は、1兆8,722億23百万円で、前年度に対し720億99百万円の増加(対前年度比4.0%増)となった。 予算総額が前年度に対し、増額した団体は46市町村、減少した団体は8市町である。 |
第1表:当初予算規模の対前年度比較(単位:百万円、%)
区分 |
当初予算 |
対前年度 増加率 |
地方財政計画 対前年度増加率 |
|
---|---|---|---|---|
平成20年度 |
1,776,536 |
△0.4 |
0.3 |
|
平成21年度 |
1,800,124 |
1.3 |
△1.0 |
|
平成22年度 |
1,872,223 |
4.0 |
△0.5 |
第1図:最近5年の当初予算規模の推移
市町村税は、9,324億81百万円で、前年度に対し3.6%の減と、前年度に続き、さらに減少した。 地方交付税は、1,110億69百万円で、前年度に対し10.1%の増と、2年連続の増加となった。 国庫支出金は、2,411億63百万円で、前年度に対し約1.5倍の大幅な増加となった。 地方債は、1,798億14百万円で、前年度に対し6.7%の増と、2年連続の増加となった。 |
(1)市町村税は、法人の市町村民税が、景気低迷による企業業績の悪化により、24.5%と大幅に減少(166億39百万円減)し、個人の市町村民税も個人所得の減少により、6.3%の減少(257億9百万円減)となった。なお、歳入に占める市町村税の割合が6年ぶりに50%を下回った。
(2)地方交付税は、市町村税収の減少が見込まれる中、必要となる地方財源を確保するため全国総額で約1.1兆円増額されたことを受けて増加している。
(3)国庫支出金の増加は、子ども手当の創設に伴い児童手当及び子ども手当交付金が前年度の児童手当交付金と比較し、約4.5倍(689億86百万円増)の大幅な増加となったことによる。
(4)地方債の増加は、地方の財源不足に対処するために発行される臨時財政対策債が、前年度に対し約1.5倍(308億30百万円増)の大幅な増加となったことによる。
第2表:主な歳入の内訳(単位:百万円、%)
区分 |
予算額 |
構成比 |
増減率 |
||
---|---|---|---|---|---|
22年度 |
21年度 |
22年度 |
21年度 |
||
市町村税 |
932,481 |
49.8 |
53.7 |
△3.6 |
△2.1 |
地方譲与税 |
18,185 |
1.0 |
1.1 |
△5.0 |
△6.4 |
地方特例交付金等 |
11,227 |
0.6 |
0.6 |
△1.4 |
10.7 |
地方交付税 |
111,069 |
5.9 |
5.6 |
10.1 |
3.3 |
国庫支出金 |
241,163 |
12.9 |
9.0 |
49.6 |
3.0 |
県支出金 |
87,982 |
4.7 |
3.8 |
29.8 |
△1.1 |
繰入金 |
49,243 |
2.6 |
3.2 |
△14.1 |
15.9 |
地方債 |
179,814 |
9.6 |
9.4 |
6.7 |
20.2 |
その他 |
241,059 |
12.9 |
13.7 |
△2.1 |
0.5 |
合計 |
1,872,223 |
100.0 |
100.0 |
4.0 |
1.3 |
<参考>一般財源(※) |
1,235,553 |
66.0 |
69.0 |
△0.5 |
△0.6 |
※一般財源とは市町村税、地方譲与税、地方交付税、その他(各種交付金、地方債のうち臨時財政対策債)を加えたものである。
※構成比は、小数点第1位未満を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合がある。
第2図歳入の構成比
義務的経費は、9,799億87百万円で、前年度に対し9.5%の増加となった。 投資的経費は、2,000億34百万円で、前年度に対し10.6%の減と、3年連続の減少となった。 |
(1)義務的経費は、人件費が、職員数削減などの取り組みにより2.8%の減少(118億81百万円減)となった。
その一方で、子ども手当の創設により児童福祉費が77.0%増加(772億78百万円増)したこと、生活保護費が14.5%増加(125億72百万円増)したことなどにより、社会保障関係経費である扶助費が、35.8%の大幅な増加(956億14百万円増)となった。
(2)投資的経費は、国の経済対策等に対応して事業を前年度に前倒しして行ったことなどにより、普通建設事業費が10.6%の減少(237億29百万円減)となった。
第3表:主な歳出の内訳(性質別歳出)(単位:百万円、%)
区分 |
予算額 |
構成比 |
増減率 |
||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
22年度 |
21年度 |
22年度 |
21年度 |
||||||||
義務的経費 |
979,987 |
52.3 |
49.7 |
9.5 |
0.7 |
||||||
|
人件費 |
410,680 |
21.9 |
23.5 |
△2.8 |
△1.0 |
|||||
扶助費 |
362,970 |
19.4 |
14.9 |
35.8 |
4.1 |
||||||
公債費 |
206,337 |
11.0 |
11.4 |
0.5 |
0.0 |
||||||
投資的経費 |
200,034 |
10.7 |
12.4 |
△10.6 |
△2.1 |
||||||
|
うち普通建設事業費 |
199,959 |
10.7 |
12.4 |
△10.6 |
△2.1 |
|||||
|
うち補助事業費 |
73,105 |
3.9 |
4.4 |
△7.9 |
0.2 |
|||||
うち単独事業費 |
124,854 |
6.7 |
7.9 |
△12.3 |
△3.3 |
||||||
物件費 |
299,740 |
16.0 |
16.3 |
2.2 |
2.1 |
||||||
補助費等 |
150,009 |
8.0 |
8.6 |
△3.2 |
△6.9 |
||||||
貸付金 |
44,408 |
2.4 |
2.0 |
21.1 |
51.2 |
||||||
その他 |
198,045 |
10.6 |
10.9 |
0.9 |
8.2 |
||||||
合計 |
1,872,223 |
100.0 |
100.0 |
4.0 |
1.3 |
※構成比は、小数点第1位未満を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合がある。
第3図歳出の構成比
基金からの繰入金は、424億24百万円で、前年度と比較して、61億48百万円の減少(12.7%減少)となったが、当初予算を編成するにあたり不足する財源を基金の取り崩しにより確保せざるを得ない状況が続いている。 |
(1)財政調整基金からの繰入金は、284億53百万円であり、16市町で、前年度当初予算における計上額を上回った。団体によっては、残高の減少により、財政調整基金が年度間の財源調整機能を十分に果たすことが困難になることが懸念される。
(2)減債基金からの繰入金は、22億55百万円であり、5市町で、前年度当初予算における計上額を上回った。
(3)その他特定目的基金からの繰入金は、117億15百万円であり、18市町村で、前年度当初予算における計上額を上回った。
第4表:基金からの繰入金(単位:百万円、%)
区分 |
平成22年度 |
平成21年度 |
増減率 |
|
---|---|---|---|---|
22年度 |
21年度 |
|||
基金からの繰入金 |
42,424 |
48,572 |
△12.7 |
7.3 |
財政調整基金 |
28,453 |
33,501 |
△15.1 |
6.1 |
減債基金 |
2,255 |
2,305 |
△2.2 |
△40.7 |
その他特定目的基金 |
11,715 |
12,766 |
△8.2 |
30.1 |
※百万円未満を四捨五入しているため、合計が一致しない場合がある。
第5表:基金残高(単位:百万円、%)
区分 |
平成22年度末 |
平成21年度末 |
増減率 |
---|---|---|---|
(当初見込) |
(決算見込) |
22年度 |
|
基金残高 |
197,841 |
230,305 |
△14.1 |
財政調整基金残高 |
86,842 |
110,835 |
△21.6 |
減債基金残高 |
9,212 |
11,243 |
△18.1 |
その他特定目的基金残高 |
101,787 |
108,228 |
△6.0 |
※百万円未満を四捨五入しているため、合計が一致しない場合がある。
平成22年度末に見込まれる市町村の債務総額(地方債現在高と債務負担行為翌年度以降支出予定額の合計)は、2兆4,080億66百万円で、前年度末に対し0.3%増加する見込みである。 |
市町村の債務総額は、本年度当初予算総額の128.6%に相当し、依然として将来にわたる大きな財政負担となっている。
第6表:債務総額(単位:百万円、%)
区分 |
平成22年度末 |
平成21年度末 |
増減率 |
---|---|---|---|
(当初見込) |
(決算見込) |
22年度 |
|
地方債現在高 |
2,020,152 |
2,001,914 |
0.9 |
債務負担行為翌年度以降 支出予定額 |
387,914 |
398,803 |
△2.7 |
計 |
2,408,066 |
2,400,717 |
0.3 |
(1)市町村には住民に最も身近な基礎的自治体として、多様化、複雑化している住民ニーズを迅速かつ的確にとらえ、地域の特性や実情に応じた住民サービスを提供していくことが今まで以上に強く求められている。
(2)このため、市町村財政を取り巻く状況が非常に厳しい中、限られた財源をより一層有効に活用することが求められており、自らの財政構造の点検を十分に行い、更なる歳入の確保、事務事業の見直しにより財政体質の健全化に努めることが必要である。
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