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更新日:令和4(2022)年9月15日

ページ番号:523390

施策項目1-2-1 災害に強いまちづくりの推進

※環境依存文字であるローマ数字、囲み文字を数字に変換しています。

【目標】

県民の生命・身体・財産を守り、社会の重要な機能を維持するため、地震や風水害など災害に強い社会資本の整備等を進めます。

また、農林漁業者の安定した経営や農山漁村の安全・安心なくらしを実現します。

【現状と課題】

国では、「日本海溝・千島海溝」や「南海トラフ」沿いの太平洋側、首都直下地震が想定されている関東地方などで、今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率が高くなっていると予測しており、市川市から千葉市直下を震源とする「千葉県北西部直下地震」が起きた場合、約8万1千棟の建物が全壊・焼失、約2万7千人の死傷者の発生など、甚大な被害が懸念されています。

また、地球温暖化などの影響により、台風が強大化するとともに、局地的な集中豪雨の頻度が増大しており、風水害や土砂災害が増加し、被害も激甚化する傾向にあります。

東日本大震災や令和元年房総半島台風等の一連の災害など過去の災害から得られた教訓を生かし、切迫する首都直下地震等の大規模な地震や頻発する集中豪雨などの自然災害から県民の生命・財産を守り、被害を最小限にとどめ、緊急事態における対応力の向上を図るため、早急に道路・河川・海岸・港湾・公園・上下水道等の社会資本の整備や耐震化などを進めていく必要があります。

さらに、県営水道の浄・給水場や管路等の水道施設については、その多くが高度経済成長期を中心に整備されていることから、老朽化が進んでいるものや耐震性を有していないものがあり、更新や耐震化を効率的に推進するため、計画的に整備を進めるとともに、自然災害に伴う停電や浸水による断水被害が発生しないよう、停電・浸水対策も併せて進めていく必要があります。

県内企業の生産活動に欠かせない工業用水についても、安定的な供給のため、施設の耐震化と、自然災害時の停電・浸水対策を進める必要があります。

一方で、社会資本の整備や災害時の迅速な応急対応を行うには、地域に根ざした建設業の存在が不可欠ですが、建設業界では少子高齢化を背景に技術者や技能労働者の不足が懸念されており、担い手の確保が課題となっています。

農林水産業においては、農業施設や漁港施設等の生産基盤の防災・減災対策を進めるとともに、災害発生時の経営リスクへの備えや早期復旧・事業継続を可能とするための事前対策が必要です。

また、令和元年房総半島台風等により県内各地で風倒木被害が発生したことから、インフラ施設周辺等における倒木被害の未然防止対策が求められています。

令和2年から3年にかけては、高病原性鳥インフルエンザにより、本県畜産業が甚大な被害を受けており、家畜防疫体制等の強化が課題となっています。

【取組の基本方向】

誰もが安心して暮らせる災害に強い県土づくりを進めるため、社会資本の整備や耐震化などによる県土の強じん化を図るとともに、減災のためのソフト対策を進め、被害を最小化する取組を推進します。

東日本大震災の教訓を踏まえ、津波対策については数十年から百数十年に一度程度の頻度で襲来が想定される津波を対象に必要な堤防等の整備を進めていきます。

地震や風水害に備えて、平常時・災害時を問わない安定した人・モノの流れを確保するための道路ネットワークの整備や災害時に物資輸送の拠点ともなる港湾施設の耐震化、災害時でも公衆衛生の確保や公共用水域の水質を維持する流域下水道施設の耐震化及び耐水化、避難場所等として機能する県立都市公園の整備や公共施設の耐震化、水道水の確保のための、水道施設の耐震化及び停電・浸水対策、工業用水安定供給のための重要施設の耐震化及び停電・浸水対策、鉄道利用者の安全確保のための鉄道施設の耐震化、地震時等に著しく危険な密集市街地の解消を更に進めます。

また、気候変動の影響による台風・豪雨等の激甚化・頻発化を踏まえ、河川・海岸施設の整備を進めるとともに、これらの河川管理者等が主体となって行う治水対策に加え、流域のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる治水対策、「流域治水」への転換を進めていきます。

さらに、災害時の迅速な応急対応を行う地域の建設業における将来の担い手不足に対応するため、建設業に若手が入職しやすい環境を整える取組を推進するとともに、建設現場における生産性の向上に併せて取り組んでいきます。

農林水産業においては、農業施設や漁港施設等の防災・減災対策や農林漁業者の経営リスクの低減に取り組むとともに、風倒木被害の未然防止につながる森林整備や海岸防災林の整備などにより、農山漁村における災害対策を進めます。

また、地域全体に影響を及ぼす高病原性鳥インフルエンザや豚熱等の家畜伝染病の発生予防とまん延防止に向けた防疫体制の強化を図ります。

【主な取組】

1-2-1-1 災害に強い社会資本の整備

平常時・災害時を問わない安定した人・モノの流れを確保するため、広域的な幹線道路ネットワークの整備を促進し、国道・県道のバイパス整備や現道拡幅、橋りょうの耐震補強、道路のり面の防災対策及び無電柱化による緊急輸送道路等の強化を推進するとともに、緊急物資などを輸送できる耐震強化岸壁の整備を推進します。また、「道の駅」の防災機能の強化を促進するとともに、避難場所等として機能する県立都市公園の整備を推進します。さらに、密集市街地の解消を図るための土地区画整理事業等を促進します。

洪水などによる被害を防止するため計画的な河川整備を推進するとともに、激甚化・頻発化する水災害の被害を最小化するため、水害リスク情報の周知や河川の監視体制の強化を図ります。また、河川管理者等が主体となって行う治水対策に加え、流域のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる治水対策、「流域治水」を推進していきます。

高潮、波浪等による被害の防止や九十九里浜等の侵食対策として、護岸、防潮堤、水門等の海岸保全施設の整備や養浜を実施します。また、河川・海岸の津波対策として数十年から百数十年に一度程度の頻度で襲来が想定される、比較的頻度の高い津波に対する堤防等の整備を推進します。

大雨などによる土砂災害を防止するため、急傾斜地・砂防・地すべり箇所において、土砂災害防止施設の整備を推進するとともに、土砂災害警戒区域等の指定を進め、市町村による確実な住民避難体制の構築を支援します。また、洪水等による流域下水道施設への浸水被害を最小限にするため防水扉等を設置し耐水化を進めます。

さらに、地震や風水害時においても、水道水の確保と公衆衛生の確保、公共用水域の水質維持がされるよう、水道施設の耐震化及び停電・浸水対策や流域下水道施設の耐震化を更に進めるとともに、工業用水を安定供給できるよう、工業用水道施設の耐震化及び停電・浸水対策を進めます。

鉄道施設については、耐震化を更に促進するため、国及び市町村と協調して、鉄道事業者が行う耐震補強工事を支援します。

加えて、公共事業の円滑な推進や災害からの迅速な復旧には、土地の権利関係の明確化や事業用地の早期取得が必要であるため、一筆ごとの土地の境界確認等を行う地籍調査の推進に取り組みます。

そのほか、将来の担い手不足に対応するため、建設業へ若手が入職しやすい環境を整える取組として、社会保険への加入の徹底や建設現場における週休2日の確保など、労働環境の改善を促進するとともに、建設現場における生産性向上に向けた取組として、ICTの活用や施工時期の平準化など、i-Constructionを進め、さらに、急速なデジタル化や新たな働き方への転換などを背景に、インフラ分野におけるデジタルデータと情報技術を活用したデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進します。

  • 災害に強い道路ネットワークの整備
  • 耐震強化岸壁の整備の推進
  • 県立都市公園の整備推進(再掲)
  • 土地区画整理事業・市街地再開発事業の促進(再掲)
  • 河川・海岸施設の整備及び耐震化の推進
  • 防災関係情報の提供
  • 流域治水の推進
  • 土砂災害対策の推進
  • 流域下水道施設の耐震化及び耐水化の推進
  • 上水道・工業用水道施設の耐震化及び停電・浸水対策の推進
  • 鉄道施設の耐震化の推進
  • 地籍調査事業の推進
  • インフラ分野のDXの推進

1-2-1-2 建築物・宅地の災害対策の推進

地震による建築物の被害や人的被害を最小限にとどめるため、市町村と連携しながら、県民への耐震改修などの必要性に関する啓発活動や、耐震対策に係る支援、緊急輸送道路等の沿道に建つ建築物の耐震化促進に係る支援を行うほか、建築士を対象とした耐震診断・耐震改修技術の普及などの施策を推進します。

また、大規模地震等による二次災害防止のための被災建築物応急危険度判定や、被災宅地危険度判定については、判定士・調整員を養成し、講習会を行うなど判定技術の向上に努めるほか、市町村と連携し、判定実施体制・広域支援体制の更なる整備・充実を図ります。

洪水等による被害を未然に防止するため、建築物の敷地かさ上げや居室の床面高さの引上げなどの住まい方の工夫に係る市町村の取組への支援を行います。

県の所有する庁舎・文化施設・警察施設などの様々な用途からなる公共建築物は、県民への行政サービスの場として、また、災害時の防災上重要な建築物としての役割を担っていることから、利用者の安全を確保するだけでなく、災害時の防災拠点施設としての機能を十分に発揮できるよう、耐震化に取り組んでいきます。

さらに、私立学校の校舎・園舎等の耐震化を緊急に促進するため、学校法人等が実施する耐震診断・耐震改修等に支援を行います。

  • 被災宅地危険度判定士・調整員の養成と判定体制の整備
  • 被災建築物応急危険度判定士の養成と判定体制の整備
  • 耐震診断・耐震改修技術者の養成
  • 庁舎・学校・文化施設等の耐震化の推進

1-2-1-3 農林水産業における災害対策等の推進

農山漁村地域の防災・減災対策の強化に向け、農業用ハウスなどの生産施設の強じん化や排水施設等の機能強化、防災施設や災害に強い漁港施設等の整備を推進するとともに、ハードとソフトを組み合わせたため池の防災・減災対策や、田んぼダムなどを活用した流域治水に資する取組を推進します。

また、農林漁業者の被災リスクの低減を図るため、被災時の事業継続計画(BCP)策定を推進するとともに、収入保険や農業・漁業共済への加入を促進し、災害に備える経営の取組を推進します。

加えて、インフラ施設周辺における風倒木被害の未然防止につながる森林整備や、津波被害の軽減効果等を持つ海岸県有保安林等の整備・再生を進めます。

漁業については、操業時の安全確保のために必要な海況情報の提供のほか、海難事故発生時の迅速かつ的確な連絡体制を確保します。

感染力の高い家畜伝染病については、侵入防止対策等に係る飼養衛生管理基準の遵守徹底と監視体制を強化するとともに、発生に備えた防疫体制の強化を図ります。

  • 農山漁村の防災・減災対策の推進
  • 災害に備える経営の推進
  • 災害に強い森林づくりの推進
  • 家畜伝染病に対する防疫体制の強化
  • 植物防疫対策の推進

お問い合わせ

所属課室:総合企画部政策企画課政策室

電話番号:043-223-2483

ファックス番号:043-225-4467

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