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更新日:令和4(2022)年9月15日

ページ番号:523306

施策項目1-1-2 災害から県民を守る「防災県」の確立

※環境依存文字であるローマ数字、囲み文字を数字に変換しています。

【目標】

あらゆる関係者との連携強化により災害に対応できる体制を構築し、県全体の防災力の向上を図ります。

【現状と課題】

近年、地球温暖化などをはじめとする気候変動の影響として、頻発する集中豪雨や台風の強大化などにより、風水害や土砂災害が増加し、被害も激甚化する傾向にあります。

令和元年の房総半島台風・東日本台風及び10月25日の大雨では、膨大な数の住宅損壊や、広範囲で長期にわたる停電と通信遮断や断水、更には河川の越水により生じた浸水、土砂災害など、これまでにない被害が発生しました。

県では、「千葉県災害復旧・復興に関する指針(令和元年房総半島台風・東日本台風及び10月25日の大雨)」を策定し、被災した住宅の再建をはじめ、農林漁業者や企業の施設・設備等の復旧、また、土砂災害警戒区域等の早期指定や浸水想定区域図の公表、危機管理型水位計及び河川監視カメラの設置など、指針に掲げた取組を着実に進めてきました。

今後は、令和元年の経験を踏まえ、停電対策や治水対策、市町村と連携した被害情報の把握や物資供給支援、避難所の環境整備などの課題解決に取り組む必要があります。

震災については、平成23年に発生した東日本大震災において、津波による死者・行方不明者の発生をはじめとして、液状化による住宅被害や臨海部の石油コンビナート火災など、多くの人的・物的被害が生じました。

国では、「日本海溝・千島海溝」や「南海トラフ」沿いの太平洋側、首都直下地震が想定されている関東地方などで、今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率が高くなっていると予測しており、市川市から千葉市直下を震源とする「千葉県北西部直下地震」が起きた場合、約8万1千棟の建物が全壊・焼失、約2万7千人の死傷者の発生など、甚大な被害が懸念されています。

また、本県は、成田空港や千葉港、大規模集客施設、全国有数の石油コンビナートを有しており、武力攻撃事態、テロなど県民の安全を脅かす緊急事態が発生し、またそのおそれがある場合に備える必要があります。

大規模災害や危機的事態などが発生した場合、県民の生命・身体・財産を守り、被害を最小限にとどめるためには、危機管理体制の強化や関係機関との連携が不可欠です。

【取組の基本方向】

令和元年房総半島台風等の一連の災害からの復興の総仕上げに向けて、停電対策・治水対策など、中長期的に実施する事業の早期完了を目指して取り組んでいきます。

また、過去の災害の経験を生かし、市町村及び民間事業者との一層の連携強化、ICTを活用した情報収集・発信手段の多様化、各種計画等の見直し、他県で発生した災害の復旧復興を支援することによる実践的なノウハウの蓄積を行います。

そして、「千葉県防災基本条例」に基づき、自助・共助・公助が一体となり、相互に連携した継続的な防災対策に取り組むとともに、県民・自主防災組織等に向けた教育・研修・訓練を実施し、地域防災力の向上を図ります。

さらに、市町村と連携した総合的な津波対策の推進、災害時における要配慮者及び避難行動要支援者となる高齢者、障害のある人、外国人や女性など、ダイバーシティの視点の適切な反映、市町村の避難体制などについて、ソフト・ハード一体となった取組により、県内全域の防災力の向上を図ります。

【主な取組】

1-1-2-1 令和元年房総半島台風等からの復旧・復興

令和元年房総半島台風等の一連の災害の経験を生かし、大規模停電に対応できるよう、再生可能エネルギーを含めた発電方式の多様化、災害に強い送電網の構築など、電力の強じん化に取り組みます。

停電や通信遮断、断水に備えるため、上下水道・工業用水道施設、河川管理施設、医療機関、社会福祉施設の停電対策や、上下水道・工業用水道施設の浸水対策等を推進します。

また、災害時に電線等に架かるおそれのある樹木の予防伐採や倒木処理の迅速な手続等を進めるため、関係事業者との連携を強化するほか、倒木被害森林の復旧や、市町村道等のインフラ施設周辺における倒木被害の未然防止につながる森林整備を支援します。

令和元年10月25日の大雨により県内各地で甚大な浸水被害が発生したことを踏まえ、一宮川等において河川整備計画に基づいた整備を進めるとともに、河川の治水機能を最大限発揮するため、河道内の竹木伐採・堆積土砂の撤去等を実施します。

災害時における道路の通行を確保し、応急対策活動を円滑に実施できるよう、緊急輸送道路の整備や道路のり面対策を推進します。また、電柱倒壊などによる道路閉塞を防止するために無電柱化を進めます。

・ライフライン関係施設等における停電・断水対策等の促進

・民間事業者等との連携による停電対策の推進

・復旧・復興に向けた森林再生の推進

・災害に強い河川等の整備

・災害に強い道路ネットワークの整備(再掲)

1-1-2-2 防災連携体制の充実強化

これまでの災害の検証等を踏まえ、県の地域防災計画や業務継続計画等の各種計画やマニュアルなどを継続的に見直し、防災対策の強化を図るとともに、図上訓練、職員向け危機管理研修会、他県への応援職員の派遣等の実施により、職員の災害対応力を向上させていきます。

また、災害発生時に、県、市町村、消防、警察等の防災関係機関はもとより、ライフライン事業者、物流事業者、交通事業者など、広く民間事業者と迅速かつ的確な対応を図るため、平時からこれら関係機関との連携を緊密に図るとともに、様々な災害を想定した訓練の実施などを通じて、本県の総合的な防災対応力の強化を図ります。

そして、災害時には、被害規模を迅速に把握し、必要な応急対策を速やかに実施するため、市町村へのリエゾン派遣、防災関係機関によるヘリコプターの運行、民間のAI技術を活用したシステムの運用など、様々な手段により情報収集を実施します。

市町村の業務継続体制強化を図るため、県で作成する手引きや研修等を通じて市町村の避難所運営等の取組を支援するとともに、市町村長等向けのトップセミナーの実施や、各市町村の業務継続計画の充実・強化を促進します。

さらに、被災者が一刻も早く各種支援を受けられるよう、住家被害認定調査やり災証明書発行事務の迅速化、被災者台帳の整備及びシステム化などの市町村が行う取組や、被災者ニーズに合わせた災害ボランティア活動ができるよう調整を行う災害ボランティアセンターの体制強化等について支援します。

加えて、災害時における医療救護活動の拠点となる災害拠点病院の施設・設備整備を図るとともに、災害発生後の急性期(おおむね48時間以内)に医療救護活動を開始できる機動性を持った、災害派遣医療チーム(DMAT)の体制を強化します。

災害が発生した場合、被災地域の精神保健医療機能が一時的に低下し、さらに、災害ストレス等により新たに精神的問題が生じる等、精神保健医療への需要が拡大することが考えられ、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動支援を行う必要があります。これらの活動を行うため、専門的な研修及び訓練を受けた災害派遣精神医療チーム(DPAT)の体制を強化します。

あわせて、避難所での高齢者や障害のある人、子ども、傷病者等に対し福祉的な支援が円滑に実施できるよう、介護福祉士や社会福祉士等の福祉専門職からなる災害福祉支援チーム(DWAT)についても、人材養成や実践的な訓練に取り組むとともに、福祉団体との連携を促進します。

そのほか、大規模災害発生時において救出救助活動等に必要な装備品の整備拡充を図ります。

  • 職員の災害対応力向上に係る取組の推進
  • 関係団体と連携した効果的な訓練等の実施
  • 民間事業者との協定締結の推進
  • 災害時における情報収集体制の強化
  • 市町村の避難所運営に係る支援
  • 千葉県業務継続計画の推進
  • 市町村業務継続計画の充実・強化の促進
  • 被災者支援体制の充実
  • 災害派遣医療チーム(DMAT)等の体制強化
  • 災害拠点病院等の整備
  • 災害用装備品の整備拡充

1-1-2-3 自助・共助の取組強化

県民の生命、身体を守るためには、平時から「自らの身の安全は、自らが守る」自助の取組や、「自分たちの地域は地域のみんなで守る」共助の取組を更に促進し、これらを支える「公助」と一体化して地域防災力を向上させることが必要です。

このため、県民、事業者、自主防災組織、県・市町村などの役割を明らかにした「千葉県防災基本条例」の理念に基づき、自助・共助の防災意識を高めるため、平時から、備蓄などの防災対策を進め、災害発生時に自ら行動できるよう防災教育を推進するとともに、自主防災組織の結成・活動促進、地域における防災活動の中核となる人材の育成等に努め、県民一人ひとり及び地域のコミュニティの防災力の強化を図ります。

また、災害時に、県民が安全に避難等の行動を取るためには、迅速かつ正確な情報提供が必要であることから、これまでの防災行政無線・テレビ・ラジオ等の手段に加え、千葉県防災ポータルサイトやSNSを活用するなど、情報発信を一層強化していきます。

さらに、県消防学校・防災研修センターにおいて、消防職員・消防団員への教育訓練を実施するとともに、地域防災力の中核を担う自主防災組織、企業の防災担当者や市町村職員等を対象とした研修・訓練を実施します。

  • 防災教育の推進
  • 災害対策コーディネーターの養成
  • 自主防災組織の結成・活動促進
  • 災害時における要配慮者及び避難行動要支援者対策の推進
  • 生活必需品等の備蓄促進
  • 情報発信の強化

1-1-2-4 津波避難・液状化対策の推進

県民や観光客が津波から安全かつ迅速に避難できるよう、市町村の津波避難計画、津波ハザードマップの作成、避難誘導看板の設置及び避難路の街路灯整備等を支援します。

また、S-net(日本海溝海底地震津波観測網)を基に、津波浸水予測システムで予測した海岸ごとの津波高や津波到達時間、浸水範囲、浸水深などを救援活動や被災市町村への人的・物的支援等、県が災害対応の意思決定をする際に活用するとともに、県が作成した津波浸水予測図等を広報し、県民の津波避難に対する意識向上に努めます。

さらに、東日本大震災では液状化により大きな被害が発生したことから、県が作成した液状化しやすさマップや国が研究している液状化対策工法を周知し、液状化被害の減少に努めます。

あわせて、液状化メカニズムや、県域の地質構造や地震動特性に関する調査研究を推進し、液状化対策のための知見を提供します。

  • 津波避難環境整備の促進
  • 災害対応への津波浸水予測システムの活用
  • 市町村の津波避難対策に対する支援
  • 液状化-流動化現象の調査研究の実施
  • 津波避難・液状化対策に係る周知

1-1-2-5 消防・救急救助体制の充実強化

地域における消防防災力の向上を図るため、市町村と連携して、消防の広域化の推進、市町村消防防災施設・設備の整備に対する支援、消防団員の確保や消防団の活性化のための普及啓発等に取り組みます。

  • 消防防災施設の整備による消防防災力の強化
  • 被用者・女性・若者など幅広い住民の消防団への加入促進
  • 消防団活動の理解促進に係る広報

1-1-2-6 石油コンビナート防災対策の推進

石油コンビナート地区は、一たび事故が発生すると、極めて大規模な災害に拡大するおそれがあり、社会的にも経済的にも甚大な被害が懸念されます。

そのため、県では、関係消防機関や海上保安部並びに石油コンビナート事業所や共同防災組織等と連携した実践的かつ効果的な訓練、立入調査による従業員に対する教育の実施状況及び設備の補修・更新基準等の確認、「千葉県石油コンビナート等防災計画」の見直しなどを実施し、石油コンビナート地区の防災対策の強化を図ります。

また、高圧ガスによる事故の発生を防止するため、高圧ガス取扱事業者等に対する立入検査や保安講習等を通じて法令遵守の徹底を図るとともに、災害が発生した場合の適切かつ迅速な対応の習得を目的とした訓練等を実施します。

  • 石油コンビナート等防災訓練の実施
  • 千葉県石油コンビナート等防災計画の見直し
  • 高圧ガスに係る訓練実施等による安全対策の推進

1-1-2-7 事業者による防災対策の推進

大規模地震や風水害、新たな感染症などの緊急事態が発生した際に企業がとる行動をまとめた「事業継続計画(BCP)」の作成を行うことは、緊急時に企業が早期再建を目指す上で大変重要であることから、事業継続計画の普及・啓発等を行い、計画策定の促進を図ります。

また、近年、頻発・激甚化する災害を踏まえ、防災力の向上を図るため、災害時の適切かつ迅速な対応の習得を目的とした訓練の実施、民間事業者等との協定締結などを通じて、事業者・団体等との連携を緊密に図っていきます。

  • 企業等の事業継続計画(BCP)策定の支援
  • 民間事業者との協定締結の推進(再掲)
  • 関係団体と連携した効果的な訓練等の実施(再掲)
  • 石油コンビナート等防災訓練の実施(再掲)
  • 高圧ガスに係る訓練実施等による安全対策の推進(再掲)
  • 生活必需品等の備蓄促進(再掲)

お問い合わせ

所属課室:総合企画部政策企画課政策室

電話番号:043-223-2483

ファックス番号:043-225-4467

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