6 力強い農林水産業の確立
本県農林水産業の次世代を担う人材を育成・確保するとともに、集積・集約化、デジタル等先端技術の活用及び災害等への危機管理体制の構築等により農林水産業の成長力を強化し、農林漁業者の所得向上を図る。
さらに、本県の立地優位性を生かし、販売力強化や販路の拡大を進め、県産農林水産物の積極的な魅力発信に取り組むことで、国内外の競争に打ち勝つ力強い農林水産業を確立する。
〔重要業績評価指標(KPI)〕
- 新規就農者数 現状値 338人(2018~2022年度の平均)⇒ 増加を目指す(2023~2027年度の平均)
- 農業・漁業生産関連事業の年間販売金額 現状値 784億円(2021年度) ⇒ 増加を目指す(2027年度)
- 県内漁港水揚げ金額 現状値 444億円(2021年) ⇒ 増加を目指す(2027年)
- 県産農林水産物の輸出額 現状値 103億円(2021年度) ⇒ 増加を目指す(2027年度)
- 有害鳥獣による農作物被害金額 現状値 270百万円(2022年度) ⇒ 減少を目指す(2027年度)
- スマート農業に取り組んでいる認定農業者及び認定就農者の割合
現状値 46%(2022年度) ⇒ 増加を目指す(2027年度)
ア 次世代を担う人材の育成・確保
本県農業をけん引する経営体を育成するため、千葉県農業者総合支援センター等の関係機関と連携し、農業経営体の法人化や地域計画の作成、担い手への農地の集積・集約化、労働力の安定確保に向けた取組を支援する。あわせて、地域農業の維持発展のため、
集落営農組織の設立、県内外からの新規就農者等の確保定着、農福連携等による多様な人材の確保及び企業による農業参入を推進する。
林業においては、林業事業体の経営基盤の強化や、雇用環境の改善による就業者の定着促進に取り組む。
水産業においては、地域の実情に応じた就業支援対策を進めるとともに、地域の中核的漁業者等の漁業所得の向上を目指した取組を支援する。
- 担い手の農業経営力の強化
- 農業を支える新たな人材の確保や企業参入の促進 等
イ 農林水産業の成長力の強化
本県農林水産業の生産力向上のために、機械化の推進や集出荷施設の再編整備、既存の水利施設の長寿命化対策等による安定的な農業用水の確保及びほ場の大区画化・汎用化などを進め、生産性の向上やコスト削減などの取組を促進する。
また、優良農地の確保と荒廃農地の発生防止・解消のため、農地の集積・集約化や最適な土地利用の推進に取り組む。
水産業においては、新漁業法に基づく漁獲可能量を基本とした資源管理や漁業取締りの強化により水産資源の維持・増大を図る。
加えて、農薬の適正使用の推進や法律に基づく食品表示の適正化を図ること等により、食の安全確保や消費者の信頼確保に努めるとともに、食料の安定供給・農業の持続的な発展のため、化学肥料・化学合成農薬の低減や脱炭素化など環境に配慮した農林水産業
を推進する。
試験研究分野においては、担い手の減少、地球温暖化等の環境変動、デジタル技術の進展等、CO2抑制やSDGsに代表される社会的ニーズの急激な変化に対応するため、革新的な生産技術及びオリジナル品種等の開発、環境への調和や資源の維持・増大に関する技術開発を推進する。
- 生産基盤の強化・充実
- 農地利用の最適化
- 水産資源の管理と維持・増大
- 食の安全確保と消費者の信頼確保
- 環境に配慮した農林水産業の推進
- 試験研究の強化 等
ウ 市場動向を捉えた販売力の強化
県産農林水産物の販売力の強化に向け、大口需要に対応できる主要園芸品目の産地間連携や、加工・業務用需要に応じた契約取引、水産バリューチェーンの構築など、多様なニーズに対応可能な産地の流通販売体制を強化し、国内需要への的確な対応を図る。
また、地産地消やグリーン・ブルーツーリズムを推進するとともに、地域資源を活用した魅力ある商品開発の支援に取り組む。
さらに、ワンストップ輸出拠点機能を備えた成田市公設地方卸売市場の活用や戦略的なプロモーションの展開により、県産農林水産物の海外需要の創出・拡大を図る。
- 需要を捉えた販売の促進
- 地域資源を活用した需要の創出・拡大
- 新たな販路開拓に向けた輸出促進 等
エ 地域の特色を生かした農山漁村の活性化
本県の豊かな自然環境の魅力を積極的に発信するとともに、都市と農山漁村の交流を促進し、地域の賑わいや活力の創出を図る。
また、農村環境や森林を保全する地域の共同活動を支援するとともに、農山漁村が有する多面的機能の維持を図る。
加えて、中山間地域等における多様な経営体の所得確保に向け、地域特性を生かした経営モデルの提示や集落営農組織の育成、6 次産業化の取組等に対する支援を行う。
有害鳥獣による農作物被害額の低減と被害地域の拡大防止に向けては、県、市町村及び関係団体により、「防護」・「捕獲」・「資源活用」・「生息環境管理」を組み合わせた対策を実施する。
- 農山漁村における交流人口の拡大
- 農山漁村の多面的機能の維持
- 地域資源を活用した所得の確保
- 有害鳥獣対策 等
オ スマート農林水産業の加速化
農林水産業における生産性の向上と労働力不足への対応のため、技術の現地実証や本県の重要品目の生育予測技術等の開発・実用化を行うとともに、関連技術等の情報提供や機械等の導入支援を行う。
また、デジタル技術等を活用した効率的な森林整備や、民間の開発力を活用したスマート水産技術の導入を推進する。
技術の導入と併せて、各地域での研修会の開催や普及指導員による巡回指導、相談対応による農業者への関連情報の提供、農業大学校や県立高校の農業科等において、スマート農業を学ぶ機会の充実を図る。
- 農林漁業者自身の経営にあったスマート農業技術の導入推進 等
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