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更新日:令和6(2024)年10月3日
ページ番号:8736
松くい虫被害や湿地化により疎林化が進行した保安林の早急な再生に加え、平成23年3月11日に発生した東日本大震災による津波で被害を受けたことを踏まえ、病虫害、台風や津波などの災害にも強い海岸県有保安林の整備・育成を図ることとしています。
なお、砂丘造成及び植栽基盤造成に使用する土砂は、公共事業等からの発生土砂を活用しています。
既設の砂丘を「千葉東沿岸海岸保全基本計画」における津波対策の高さ標高6メートル(一部地域では標高6.5メートル)に合わせて嵩上げを進めています。工事では30センチメートルの余盛高を加え、標高6.3メートル(一部地域では標高6.8メートル)で造成しています。
また、砂丘が海岸への道路利用等のため途切れている箇所がありますが、道路管理者等と協議を行い、連続性を持たせることとしています。
工事着手前に、砂丘の位置を決定する。
砂丘造成のために、公共事業や現場内等で発生した土砂を、施工箇所へ運搬します。
搬入した土砂をブルド―ザ等を使用して敷均し、転圧します。転圧は、砂丘の強度を高めるために、30センチメートルごとに行います。
計画高まで敷均し・転圧作業を繰り返した後、法面(斜面)の整形を行います。
表土の移動を防止して砂丘を固定するために、竹編柵(竹で編んだ柵)を埋設します。
表土の移動防止、飛砂の補足によって砂丘を固定するために、竹そだ(ほうきのようなもの)を砂丘の海側に施工します。
表土の移動防止、緑化によって砂丘を固定するために、芝を張ります。
以上の工程を経て、砂丘が完成します。
現在、松くい虫による被害と地下水位の高い地域における過湿害によりクロマツが枯死し、疎林化が進んでいます。これに加え、東日本大震災に伴う津波が林内に進入し、クロマツの倒伏、塩害による枯死が拡大しました。
そこで、津波に対する海岸林の減殺効果を再生するために、砂丘背面の海岸前線区域での林帯造成を先行して進めています。植栽は従来どおり海岸部の劣悪な環境にも強いクロマツを中心に行います。
過湿害により荒廃したため盛土をした植栽地
地下水位の高い場所では、植栽した木が健全に生長できるよう、水位から一定の高さまで盛土を行い、マツ等の根が十分に伸びるための生育基盤を造成しています。
植栽に先立ち内部には保湿等のためわらを埋め、また、風や飛砂を防ぐために竹で編んだ柵(竹簀(たけす))を植栽地の内部や周囲に設置しています。
植栽する箇所には土壌改良材、肥料を併せて入れ、1メートル間隔で植栽し(竹簀等の除地があるため、密度は7656本/ヘクタールとなります)、その後にも保湿等のために敷きわらをしています。
竹簾(たけす)で囲われた海岸の植栽地
種別 |
1ヘクタール当たりの数量 |
---|---|
土壌改良材 |
1本当たり2キログラムを7,656本分で、15.312キログラム |
肥料 |
1本当たり50グラムを7,656本分で、382.8キログラム |
埋めわら |
0.01ヘクタール当たり8束で、1ヘクタール当たり800束 |
敷きわら |
0.01ヘクタール当たり12束で、1ヘクタール当たり1,200束 |
海岸林に植栽しているクロマツは、松くい虫被害に強い品種として県で選抜した「抵抗性クロマツ」です。この他に、海岸林に生育しているトベラやマサキ等を混植しています。
樹種 |
1ヘクタール当たりの本数 |
---|---|
抵抗性クロマツ |
3,828本 |
トベラ |
1,914本 |
マサキ |
1,914本 |
塩分を含んだ強風や乾燥、雑草に負けずに、植栽した苗木が健全に育つように、数年間は毎年下草刈りや枯れた苗木の補植などを実施します。順調に生長すると、4から5年程で3メートルに育ちます。
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