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更新日:令和4(2022)年1月5日

ページ番号:7462

乳量1万キログラムの牛群を支える乳牛改良と自給飼料生産

山武地域の乳牛共進会に出品している農家では、長命連産に向けた改良を続けた結果、平均体高が150センチメートルを上回り、泌乳能力も11,000キログラムを超える牛群となっています。この牛群を支えるための乳牛改良や管理、自給飼料生産にこだわりを持つ優良農家の取組を紹介します。

1.乳牛改良の経過

優良農家では、先代経営者の頃から牛群検定事業に参加して1頭毎の成績を見ながら乳量や乳質を改善するように交配計画を立て、家畜改良事業団や国内の授精所等の乳量・乳質や経済効果を優先した種雄牛を選択していました。

しかし、乳牛共進会等で改良に熱心な仲間達から、「軽自動車にスーパーカーのエンジンを積んでも長持ちしないよ」と教わった事をきっかけに、種雄牛の選択方法を見直しました。

見直した内容は、乳量・乳質だけでなく長命連産できる骨格等の体型改良を意識して、海外の種雄牛の利用を経営に取り入れました。この取組により、共進会では同じ牛が数年間連続入賞するのが珍しい中で、その後生まれた子牛で入賞した牛が、2年後3年後の経産牛の部に出品しても、良い成績が残せるようになりました。

その結果、体格審査で体格得点が高得点のエクセレント牛(100点満点で90点以上の牛)を作り出せるなど、牛群の改良が大きく進んできました。現在の乳量は、搾乳牛1頭あたり1日32キログラムから35キログラム程度で1年を通して安定しています。

乳牛共進会出品の様子

写真1.県乳牛共進会出品の様子

2.自給飼料の生産

自給飼料は、借地を中心に夏作はトウモロコシ、冬作はイタリアンライグラス(以下、イタリアン)を栽培し、乾草としてロールベールで3番草まで収穫し貯蔵・利用しています。トウモロコシはサイレージとして経産牛に与え、イタリアンは育成牛を含め全頭に給与しています。特に、イタリアンの2番草は草が柔らかく、離乳直後の牛でもよく食べるので、育成牛の中心的な飼料となり、常に十分食べられるだけ与えています。イタリアンは、乾乳牛と育成牛の粗飼料の95パーセントを賄っています。

ラップフィルム梱包作業機

写真2.イタリアンをロール状に成形し、同時にラップフィルムで梱包する作業機

3.育成牛の管理

日々の改良によって泌乳能力とともに長命連産な牛群が出来上がっています。この能力を十分引き出すために哺乳から育成技術の見直しを図りました。

経営主の妻が哺乳の担当となり、哺育環境(防風対策と保育舎毎に専用バケツ)や哺育方法(給与量と給与回数、タンパク質の強化等)を大きく改良しました。また、朝夕の床の管理と保温資材の利用、きれいな水を与え、牛毎の状態を把握することで、哺乳期の下痢や体調不良が無くなり、スムーズに離乳を迎えられるようになっています。

6か月後からは自給イタリアンの2番牧草を中心に、購入のスーダン乾草と育成配合を与え、分娩を迎えています。分娩時月齢は24か月、体高は140センチメートル以上となっており、自給飼料のおかげで安定した発育が得られる育成管理が行われています。

初掲載:平成30年12月

山武農業事務所改良普及課

主任上席普及指導員

蕨順一

電話:0475-54-0226

 

 

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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