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更新日:令和5(2023)年1月10日
ページ番号:343537
普及指導計画に基づき、農業事務所改良普及課が実施した前年度の農業改良普及活動等について、幅広い視点から検討を行える優れた見識を有する者(以下、「外部有識者」という。)による意見交換会(以下、意見交換会)という。)を開催し、より高い成果が得られるよう普及事業の改善を図りました。
平成30年9月4日(火曜日)午後1時30分~5時
茂原市総合市民センター 4階 視聴覚室
千葉県
外部有識者、農業事務所改良普及課、担い手支援課
区分 | 所属・職名 | 氏名 |
---|---|---|
先進的な農業者 |
千葉県指導農業士会会長 |
髙品 亮一 |
若手・女性農業業者 |
千葉県農業士協会会長理事 |
光橋 国郎 |
農業関係団体 |
全農千葉県本部・営農支援部長 |
高木 成人 |
消費者 |
ちば野菜伝道師 |
髙原 和江 |
学識経験者 |
千葉大学大学院園芸学研究科教授 |
櫻井 清一 |
報道機関 |
株式会社千葉日報社茂原支局長 |
小野 洋 |
民間企業等の外部有識者 |
千葉銀行法人営業部成長ビジネスサポート室 副調査役・アグリビジネス担当 |
松岡 壯樹 |
トマト産地の強化を図りました。
JA長生施設野菜部会では、平成19年の全戸調査から10年後には生産者が30%、出荷量が20%減少する事を予測しました。この対策として全生産者を集めた「トマトの今後を考える会」を開催し、産地の方向性を議論した結果、年間「100万ケース」出荷を部会の目標に設定しJA、市町村、農林総合研究センター、担い手支援課などの関係機関と共有しました。
この目標に向け、「規模拡大」と「単収向上」に取り組み、事業導入や環境制御技術を活用した技術改善により7戸で規模拡大が、12戸で養液栽培システムの導入が行われ、平成22年に93万ケースまで低下した出荷量が平成29年に102万ケースまで回復しました。
新しくトマトを作りたいという人やトマトを品目として選ぶかどうかも含めて、トマト農家を増やすための取組があれば教えていただきたい。
新規参入者への支援を行い、地域で5~6人が新規に組織加入しました。初期投資がかさむので高リスクと思われてしまいます。このため、費用負担の比較的少ない空きハウスの利用を進めたいと考えています。リタイアした農家のハウスを借りてトマトづくりを始め、300坪から始めて徐々に面積を増やしている農家もあります。成功した要因は組織に加入してまじめに活動して周囲の信頼を得たためと考えられます。この農家は年間およそ10万円でハウスを借りています。仕事を早期退職して小さめのパイプハウスを建ててトマトを作り始めた人もいます。このようなマッチングを増やしたいと考えています。
トマトは、技術を上げれば上げるだけ収量が増えるなど努力の成果がわかりやすい品目と捉えています。農業の魅力を発信しやすい品目であると考えています。
[質問2]
100万ケース維持しよう、という動きにどうやったらなったのか、また、これらの取組は産地の生き残りをかけてずっと検討を進めていたと思うが、何がきっかけであったのか教えていただきたい。
[回答2]
産地分析の結果と考察内容の共有をしたことが大きな要因でした。また、部会の会長挨拶などの枕詞に「100万ケース」を必ず入れてもらうようにし、産地の目標を共有したことがきっかけの一つと考えます。
[質問3]
労務管理の中にあった、女性の取組について詳しく教えていただきたい。
[回答3]
作業をストップウォッチで計測して、作業ごとに能率を「LOW,MIDDLE,HIGH」で区分しました。これでパート従業員の意識が向上しました。
この方式で正確に管理している経営と、あまり管理していない経営とで1.5倍の能率の差が出ました。
[質問4]
労働力の確保が一番問題と言われているが対策はあるか。
[回答4]
パートの確保は他産地に比べてできていると思います。JAアグリアシストというマッチングシステムがあります。このシステムで仕事の体験をしたい、仕事をしたい人を募集しています。農家がハローワークで探すなどの方法もとっています。全農から実習生の制度も紹介されています。
ネギ産地の強化を図りました。
JA長生ねぎ協議会では、平成18年からの5年間で、生産者数及び栽培面積が131戸48.5haから、100戸36.4haと3割減少するなか、長生農業事務所では、関係機関と連携し「出荷数量の確保」を目指して、新規栽培者の掘り起こし、省力化や新作型の導入などの栽培技術指導を実施しました。その結果、会員数が平成24年の100戸から114戸に増加、出荷量も15万ケースから平成28年度には20万ケースを達成、販売額も2.3億円から3.1億円まで向上しました。
特にネギの栽培経験5年未満の生産者35戸に対し、関係機関と協力して重点的に技術指導に努めた結果、13名が産地の目標収量である3t/10aを上回りました。
[質問1]
植えるのは機械が入っているということだが、収穫はどうなっているのか。
[回答1]
収穫機も入っている経営があります。個人所有です。
現在は1戸あたりの面積がそれほど大きくないため、収穫専用機までは導入していません。
アタッチメントは収穫用のものがあります。
面積が拡大すると収穫機を導入する農家が増えてきます。
定植機も共同利用で費用を抑える工夫をしています。
[質問2]
夏が猛暑でもネギは育つのか。
[回答2]
県で夏ネギの出荷を推進しています。現在は、3万ケース出荷しています。
夏ネギづくりは基本技術が確立されているので取り組むハードルはそれほど高くないと考えています。
夏に出荷できると単価が高いため収益が上がることと、労力分散の効果を狙って取り組んでいます。
農業事務所改良普及課等は、意見交換会の結果を平成30年度の普及指導活動の運営、来年度の計画(令和元年度農業改良普及指導計画)の作成、5か年計画の中間見直し等に反映させる。また、担い手支援課も含め、活動の効率化、効果の向上に活用する。
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