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更新日:令和5(2023)年1月25日
ページ番号:8970
ワムシ
袋形動物門輪虫綱
標準和名:シオミズツボワムシ(写真はL型ワムシ)
英名:Rotifer
学名:Brachionus plicatilis
輪虫類はおよそ2,000種を数え広く分布しているが、海産種は数種類にすぎない。これらワムシのうち種苗生産の初期餌料として用いられるのはS型ワムシとL型ワムシと呼ばれる種類である。ワムシの導入と培養技術の確立が海産仔稚魚の飼育を可能にしたといっても過言ではなく、海産魚の大量種苗生産にはワムシの安定した供給がとても重要である。
大きさは、S型ワムシで80~220μm程度、L型ワムシで130~340μm程度である。ワムシは雌だけの単性生殖によって急激に増殖するほか、雄の出現で始まる両性生殖により耐久性に優れた休眠卵が作られる。
ワムシは淡水クロレラやパン酵母を餌にして大量に培養される。培養されたワムシは収穫されてから仔稚魚に必要な栄養を加えられた後、仔稚魚の餌として与えられる。
ワムシは25トン水槽で培養します。培養水槽は加温して水温25℃に保ち、常に酸素と海水を供給しています。
ワムシの餌である淡水クロレラやパン酵母は定量ポンプで連続給餌しています。
ワムシの餌として使用する淡水クロレラ(左)とパン酵母(右)の顕微鏡写真です。大きさは淡水クロレラが3~10μm、パン酵母は5~7μm程度です。
ワムシの培養水槽(写真奥)から溢れ出たワムシは、ホースを通って収穫水槽(写真手前)に集められます。
収穫水槽に集められたワムシを水中ポンプで吸い上げ、網でこし取って収穫します。
収穫されたワムシは1トン水槽に入れられ、仔稚魚に必要な栄養を加えられます。
翌日、ワムシがしっかりと栄養を取り込んだら、仔稚魚の餌とするため収穫します。
ワムシは水槽の中の仔稚魚に与えられます。
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