記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財の選択について(令和4年1月21日)
発表日:令和4年1月21日
教育庁教育振興部文化財課
国の文化審議会は、「大芝の七夕馬製作技術」(茂原市)を記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択することを、令和4年1月21日(金曜日)に文化庁長官に対し答申しました。
この結果、千葉県内の国による記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財は、15件となります。
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財「大芝の七夕馬製作技術」について
種別及び名称
- 記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財「大芝の七夕馬製作技術」(おおしばのたなばたうませいさくぎじゅつ)
所在地
概要
- 七夕に牛や馬を作って飾る習俗は、東北地方や関東地方に主に分布し、特に千葉県においては広く伝承されてきた。大芝で作られる七夕馬は、千葉県内でも、大型で装飾性が高く、その製作技術は、地域的な特色が顕著である。自然の草木の特性を生かし、手間をかけて作られる華やかで精巧な七夕馬は、全国的にも類例がなく、年中行事に用いられる細工物の技術や農村地域に発達した際物(きわもの)づくりの技術を理解する上で重要である。
- 本件は、千葉県東部の茂原市大芝に伝承される、七夕に飾る馬や牛を製作する技術である。カヤカヤ馬とも呼ばれ、大きな馬と小さな牛の一対を一組とする。麦ワラやマコモ、スゲ、ガマ、アオギリなど身近に自生する植物を材料にして丁寧に作られ、とくに馬は、大きな菱形の鬣(たてがみ)や染色した飾り房が付くなど、その形状や色遣いに装飾性が高い。
七夕馬は昭和30年代までは農家の副業として盛んにつくられており、大芝の特産品として市内や周辺地域の六斎市(ろくさいいち)で売り買いされていたが、農家の減少や七夕行事の衰退に伴い、作り手の減少や高齢化が進み、変容や消滅のおそれが高くなっており、早急に記録の作成が必要である。
七夕馬の製作風景
七夕馬 馬(左)と牛(右)(※写真提供 茂原市教育委員会)
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