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報道発表案件

更新日:令和4(2022)年2月10日

ページ番号:491124

(令和3年度)県指定有形文化財の指定について

発表日:令和4年2月9日
教育庁教育振興部文化財課

 令和4年1月17日に開催された千葉県文化財保護審議会(会長 松田 誠一郎)において千葉県指定有形文化財に指定すべきとの答申があった下記の文化財3件について、千葉県教育委員会は、千葉県指定有形文化財に指定することを決定しました。

 この結果、県報告示により、県指定文化財は有形文化財342件、無形文化財8件、有形民俗文化財22件、無形民俗文化財56件、記念物134件の、合計562件となります。

新たに指定する文化財

鬼高遺跡出土品(おにたかいせきしゅつどひん)

種別

有形文化財(考古資料)

所在地

市川市堀之内2丁目26番1号(市立市川考古博物館)

所有者

市川市

概要

 本資料は、考古学者の杉原荘介氏が昭和12年に市川市鬼高遺跡を発掘調査した時の出土品である。昭和13年に『人類學雑誌』の調査概報において本遺跡出土土師器を、初めて古墳時代の土器型式「鬼高式土器」として設定され、遺跡は鬼高式期の標準遺跡とされた。その後、昭和48年『土師式土器集成』で関東地方の古墳時代後期を代表する土器として本土師器が掲載され、関東の古墳時代後期の土器型式として考古学会に広く認識される。本資料は昭和初期から古墳時代に位置づけられた鬼高式期の資料群としての学史的価値を有し、土器研究においても「鬼高式土器」は型式名として現在も使用されている点で極めて重要である。対象の資料は、土器や土製品など51点で、重要美術品に認定されている鹿角製刀剣装具が含まれる。

鬼高遺跡出土品の画像

 鬼高遺跡出土品(画像:市立市川考古博物館提供)

恩田原遺跡出土銅印(おんだばらいせきしゅつどどういん)

種別

有形文化財(考古資料)

所在地

南房総市岩糸2489番地(南房総市教育委員会)

所有者

南房総市

概要

 本資料は、平成8年に南房総市恩田原遺跡の発掘調査により出土した古代(8世紀後半から9世紀前半)の青銅製印章である。印影は「王泉私印」(おうせんしいん)と判読でき、書体は楷書、文字は陽刻される。印面は一辺3.0cmの方形、高さは3.2cm、つまみ部分に孔をもつ。本銅印は渡来系氏族である王氏の私印である可能性が高く、私印を有する身分は地方官人層が想定される。本遺跡周辺地域で古代の銅製帯金具や灰釉陶器、墨書土器が出土し、識字層の存在や地方官人層との結びつきがうかがえる。県内で発見され、所在の明らかな私印銅印は4点で、遺存状況が良好で調査により出土地点が明らかなものは本銅印に限られる。このように、本資料は未解明な安房地域の古代行政の在り方を紐解く上で鍵となる重要な価値を有する。

恩田原遺跡出土銅印の写真1

恩田原遺跡出土銅印の写真2

 恩田原遺跡出土銅印(画像:南房総市教育委員会提供)

香取神宮勅使門(かとりじんぐうちょくしもん)

種別

有形文化財(建造物)

所在地

香取市香取1697番地

所有者

宗教法人香取神宮

概要

  本建造物は、東国屈指の古社である香取神宮の最高位の神官である大宮司家の表門として天明元年(1781)に建設され、勅使参向の際に出入り口として用いられてきた。大宮司家の邸宅は1946年頃の火災により失われたが、この門は焼失を免れ、現在は集会所「神徳館」の門として利用されている。構造は桁行三間、梁間二間、一重、切妻造。屋根は茅葺であり、両袖塀が附属する。工夫を凝らした複雑な架構の随所に豊かな表情の絵様と繰型が用いられ、構造・意匠ともに時代の特徴をよく示している。大宮司家の格式を示す門であり、類例の少ない社家建築の遺例として重要である。

香取神宮勅使門の写真

香取神宮勅使門

お問い合わせ

所属課室:教育振興部文化財課指定文化財班

電話番号:043-223-4082

ファックス番号:043-221-8126

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