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更新日:令和6(2024)年12月3日

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匝瑳市の食育~地域の魅力を学校給食へ~

1 匝瑳市の特徴

 匝瑳市は、千葉県の北東部に位置し、東京からは70キロメートル圏内、成田空港からは車で30分の距離にあります。市の北部は、谷津田が入り組んだ複雑な地形の大地で、里山の自然が多く残っています。南部は、平坦地で市街地を除いてほとんどが田園地帯となっており、白砂青松の続く九十九里海岸に面しています。

 本市では、海洋性の温暖な気候や肥沃な土地のもと、稲作を中心に野菜(赤ピーマンや長ねぎ)や植木、畜産などの農業が盛んです。

 また、環境省から脱炭素先行地域として選定されており、ソーラーシェアリングを中心とした脱炭素化や持続可能な地域農業の発展を目指しています。

 

 

 ソーラーシェアリング

【ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電】 

2 匝瑳市学校給食センター

 学校給食センターでは、幼稚園1園、小学校10校、中学校3校及び県立特別支援学校へ1日当たり約2600食の給食を提供しています。地場産物を取り入れた和食献立を中心に、季節ごとの行事食やイベント食(「おはなし給食」、「そうさの逸品グルめぐり」など)を提供しています。

匝瑳市学校給食センター外観

【匝瑳市学校給食センター外観】 

 

3 匝瑳市の学校給食

(1)市内産物の活用

 匝瑳市では、米をはじめ多くの農産物が生産されています。米は、コシヒカリ、ふさこがね、粒すけ(有機米を含む)をはじめ、匝瑳の舞(ブランド米)など多くの品種が生産されています。赤ピーマンや長ねぎ、いちご、卵、千葉若潮牛などの農畜産物、うるち米で作った棒もちやみそ、しょうゆなどの調味料も生産されています。また、市内大浦地区で生産されている大浦ごぼうは、成田山新勝寺に奉納され、精進料理の縁起物とされています。

 学校給食では、毎年、米や野菜、卵、棒もち、調味料などの市内産物を年間26品目以上使用しています。

田園風景

 【田園風景】

市内産の野菜

 【市内産の野菜】

市内のしょうゆ工場

 【市内のしょうゆ工場】

(2)そうさの逸品グルめぐり(市内産物紹介給食) 令和5年度実施

 「そうさの逸品グルめぐり」と題して、毎月市内産物を取り上げて給食で提供するとともに、放送資料や掲示物等で紹介する取り組みをしました。

 給食センターから毎月紹介カードを学校へ配付し、市内地図の生産エリアにイラストと紹介カード掲示しました。

  各学校では、給食委員の児童生徒に掲示物作成を協力してもらうことで、給食を食べることだけではなく、「食」や「地域」への関心を高めることにつなげました。

 学校の掲示物  

 【学校の掲示物】 

紹介カード

【紹介カード】 

(3)オリパラ開催地までイッテ給! 令和6年度実施

 

 「オリパラ開催地までイッテ給!!」と題し、毎月オリンピック・パラリンピックの開催地を巡る給食を実施しています。献立表や給食だよりで献立の紹介を行い、献立実施後には、各学校へ料理とその国の人気スポーツを記入した紹介カードを配付しています。事前に掲示した世界地図に、給食委員の児童生徒が紹介カードを貼って、国の場所に色を塗っています。

紹介カード

 【紹介カード】 

 

(4)10月は新米祭り!(市内で作られるお米を食べ比べてみよう)令和4年度実施

 匝瑳市では、いろいろな品種の米が生産されています。給食では、市内産の「ふさこがね」を提供していますが、新米のとれる時期に、JAちばみどり、市内生産者、生産者団体の協力を得て、特別栽培米である「匝瑳の舞」や千葉県推奨米「粒すけ」、有機米「粒すけ」を給食で提供しています。献立表や給食だより、放送資料などで、それぞれの米の紹介をして、児童生徒や保護者が市内で生産される米について学ぶ機会を設けています。 

有機米を使った和食献立   

【有機米を使った和食献立】 

給食だより

【給食だより】 

 

(5)個人生産者から納品される農産物 (令和6年6月の給食より)

 市内産のとうもろこしとじゃがいもを給食でも味わってもらうために、生産者と提供時期、数量、出荷形態の調整をして給食へ提供しています。

 とうもろこしは、旬の甘さを味わってもらうために、給食当日に収穫したものを提供しています。皮むき作業を生産者に依頼することで、朝採りトウモロコシの提供が可能になりました。

 旬の農産物をどのようなメニューで給食に提供するか、栄養士が検討し、献立を作成しています。また、農産物の規格が均一でないことが多いので、調理員と相談し、作業工程について検討した上で作業をします。

特産品の赤ピーマン

【特産品の赤ピーマン】

トマトのビニールハウス

【トマトのビニールハウス】

 とうもろこしの畑

【とうもろこしの畑】

 

枝豆のビニールハウス   

【枝豆のビニールハウス】

収穫直後のじゃがいも

【収穫直後のじゃがいも】

 

 

(6)市内業者と連携したメニュー開発「お麩のラスク」(令和6年度市内製粉所と連携したメニュー)

 今年度から地産地消の一環として、市内製粉所で昔ながらの製法で作られる焼き麩を使った「お麩のラスク」を給食に提供しています。

 レシピについては、栄養士が検討し、焼き麩の大きさや納品方法を製粉所へ相談しました。給食センターで調理員とともに試作し、給食で提供しました。

 また、取り組みについては献立表と給食だより、市のホームページに掲載しました。

お麩のラスクを活用した給食

【キラリもち麦入りごはん、豚丼の具、お麩のラスク、河内晩柑、ジョア】

 給食だより

【給食だよりから抜粋】

(7おどる!?大匝瑳膳の取り組み(匝瑳市合併記念日に児童生徒の考案した地産地消献立提供)

 平成28年度から匝瑳市誕生の日に、地場産物を使ったお祝い給食「おどる!?大匝瑳膳」を提供しています。平成30年度以降、児童生徒が考案した地場産物を使ったメニューを取り入れています。

 児童生徒が考案したメニューを取り入れることで、保護者や生産者、地域の方にも興味関心を持ってもらい、学校給食を身近なものに感じてもらえるような取り組みにしています。

令和4年度実施献立

【令和4年度実施献立】

  • 市内産有機米・鮭のバターポン酢・栄養満点!東総とん汁
  • カルシウムたっぷり小松菜とじゃこの炒め物・ひじき佃煮
  • 牛乳

令和5年度実施献立   

【令和5年度実施献立】

  • 市内産特別栽培米・ダイナマイト焼き・かぜから体を守る豚汁
  • いろいろな食材の食感が一度に味わえるさつま芋のごま和え
  • 牛乳

 

4 食育授業や学校訪問(地場産物を教材にした授業)

 市内全ての小学校に対して、年間計画に沿って給食時間に学校訪問を実施し、栄養教諭等が地場産物や給食の内容について話をしています。配膳や盛り付け、後片付けについても確認し、給食の盛り残しなどを減らす取り組みをしています。

 また、東総地区で行われる和食給食レシピコンテストに向けて、6年生を対象に旬の給食レシピを考える授業を毎年行っています。

 食育授業の様子

【食育授業の様子】 

 学校訪問の様子 

【学校訪問の様子】 

 

5 メディアを通しての発信(令和4年度から)

 学校給食での地産地消及び食育の取り組みを献立表や給食だよりで保護者へ周知しています。市のホームページや広報誌に掲載することで、さらに地域への発信を進めてきました。

 令和4年度からは、メディア等の協力を得て、多くの方に学校給食を知ってもらうことを目的に、報道発表資料を作成し、プレスリリースしています。新聞やテレビに取り上げられることで、多くの人に学校給食に関心を持ってもらえる機会になっていると感じています。

食育授業の様子

【食育授業の様子】

児童へのインタビューの様子

【児童へのインタビューの様子】

 

6 おわりに

 匝瑳市の学校給食センターでは、児童生徒が給食時間を楽しく過ごし、食べることに興味関心が持てるような給食を目指しています。また、学校給食で取り組む食育は、地域の方々の協力があってこそ実現できることだと感じています。これからも子ども達に魅力ある給食を届けられるように取り組んでいきたいと思います。

文責:匝瑳市学校給食センター 主任管理栄養士 長井真理子

お問い合わせ

所属課室:教育振興部保健体育課給食班

電話番号:043-223-4095

ファックス番号:043-225-8419

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