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更新日:令和5(2023)年8月10日
ページ番号:603292
松戸市の学校給食は、小学校が完全給食、中学校が弁当と併用の選択方式で、全65校において自校調理方式で実施しています。給食は、各校独自の献立で児童生徒に必要な学校給食実施基準の充足と質の高い給食を基本に、児童生徒の嗜好をはじめ季節や行事等に配慮しながら楽しい給食になるよう提供しています。
食に関する指導については、心身ともに健康な子供の育成を目標に、発達段階に応じて継続的に食育を推進できるよう目指しています。
本校は「かしこく やさしく たくましく」を学校教育目標に掲げています。また、「早ね 早おき 朝ごはんと外あそび」という、みんなで取り組む合言葉があり、保健委員会を中心とした“元気アップ週間”の活動をしたり、給食委員会を中心として食事のとり方や健康に関する意識を高める“食育の日”の活動を毎月19日に行ったりしています。
給食は、季節や行事等に配慮するほか、教科との連携を考慮した献立を提供しています。本校における給食の取組について紹介します。
(1)国語科
物語や文章に出てくる食べ物や料理を給食献立に取り入れています。また、物語や文章の読み聞かせ動画を作成して給食時間に各クラスで視聴する取組や、食べ物が加工される様子や栄養についての掲示・展示を行っています。物語や文章に登場した食べ物や料理を実際に目で見ること、においを感じること、食べて味わうことで、登場人物の行動や話の様子について具体的に想像を広げたり理解を深めたりすることにつながると期待しています。
【取組の一例】
1年生 |
「スイミー」スイミーの海藻サラダ |
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2年生 |
「ないた赤おに」赤鬼蒸しまんじゅう 「かさこじぞう」米のもちこの根菜汁 |
3年生 |
「モチモチの木」豆太の勇気モリモリ豆サラダ、モチモチのきらきらポンチ 「うめぼし」うめぼしおにぎり 「わすれられないおくりもの」あなぐまのしょうがパン |
4年生 |
「一つの花」(戦中)かぼちゃと野菜の煮込みうどん、ふかしいも、塩おにぎり 「一つの花」(戦後)あじの竜田揚げ/鶏肉のマーマレード焼き※主菜セレクト |
6年生 |
「きつねの窓」青じそ入りとうふハンバーグ |
3年 モチモチの木
4年 一つの花(戦後)
3年 うめぼし~うめぼし加工の様子
※学校で加工したうめぼしは展示のみに使用しています
うめぼしおにぎり
(2)社会科
「3年 農家の仕事(梨)」
3年生社会科「農家の仕事」では、梨園の仕事について学習する時期に合わせて、給食で梨を提供しています。複数回の献立に取り入れることで、千葉県が梨の生産量日本一であることを知らせるとともに、梨には多くの品種があることや品種によって味や色、大きさが異なること、時期によって様々な品種があることを知らせています。また、「梨クイズ」の放送や、給食で提供した梨の展示、給食調理の様子や梨について掲示をしています。毎年秋になると、3年生にはたくさんの梨博士が誕生しています。
給食に提供した梨1
給食に提供した梨2
梨の展示
梨の掲示
(3)家庭科
「5年 ごはんとみそしるをつくろう~だしの学習と調理実習~」
調理実習の事前学習として「だしについて知ろう」の授業を行っています。和食の基本や基本の五味・旨味について、だしの種類や味比べ(かつおぶし、こんぶ、にぼし)、みそしるの味比べ(だしあり、だしなし)などの学習を行っています。授業実施後は、だしを使った給食の日に「今日のだし当てクイズ」を行っています。
「だしについて知ろう」の板書
「5年 ごはんとみそしるをつくろう~千産千消と調理実習~」
学校近隣の農家さんのご協力のもと、農家さんが育てた「かぶ」の収穫体験をした後、収穫したてのかぶを使った調理実習を行いました。他の材料もできるだけ千葉県産のものを使用し、米は千葉県産の「粒すけ」、みそしるの実は5年生自ら収穫した「かぶ」、市内の業者から購入した「油揚げ」、千葉県産の「にぼし」を使い、千産千消(地産地消)についても意識付けも行いました。
調理実習後は、学校での学習を実生活で活用するために、「家で作ろう!ごはんとみそしる」を宿題としました。給食でもごはんとみそしるを中心とした献立が多数あることから、調理計画のヒントとして献立表の活用を促しました。
かぶの収穫体験
千産千消の掲示
「6年 1食分の給食献立を考えよう」
1食分の献立は主食、主菜、副菜をバランスよく組み合わせて構成されていることを考えさせるため、五大栄養素をバランスよく食べることができる給食献立を作成する学習を行いました。
授業では、栄養教諭の立場から給食を提供する際の留意点、献立作成の工夫、給食ができるまでの過程や栄養摂取状況の課題等について指導しました。児童それぞれが考えたオリジナリティあふれる献立は、クラス内でプレゼンテーションされ、代表献立が選ばれました。そして、実際の給食献立にするための検討を重ね、完成した代表献立を給食として提供しました。
6年生が考えた給食
(4)生活科
初めての給食に慣れてきた1年生は5月に「グリンピースのさやむき」をし、生活科の学習で野菜(ミニトマト、なす、ピーマン、ししとう)を育てている2年生は7月に「とうもろこしの皮むき」を行い、給食で提供しました。「これはわたしがむいたグリンピースかな?」「ぼくがむいたとうもろこしは、今、誰かが食べてくれているね。」と、うれしい声がどのクラスからも聞こえてきました。
また、さやむきや皮むきを行った当日は、給食室で調理している様子を動画撮影し、給食の時間に全校児童が視聴する取組も行っています。さやむきや皮むきを通して、児童が実際に野菜に触れることで給食に親しみを感じ、苦手な野菜を食べてみようという意欲を高めるとともに、給食を作ってくれる人への感謝の気持ちを育む機会にもなりました。
学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達と、学校における食育の推進を図ることを目的に実施されています。年間約185回の給食が子供たちにとって楽しみで、最も身近な食に関する教材であり続けるよう、これからも魅力あるおいしい給食作りをして、学びにつながるよう努めていきたいと思います。
文責 松戸市立横須賀小学校 栄養教諭 妹尾 恭子
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