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更新日:令和5(2023)年12月1日
ページ番号:623354
千葉県の北西部にある野田市は、関東平野のほぼ中央に位置し、市の東を利根川、西を江戸川、南を利根運河が流れる水と緑に恵まれた地域です。水運の恩恵を受けて繁栄し、河川を通して江戸とつながることから、江戸の食文化を支えた醤油醸造を中心に、豊かな歴史と文化を育んできました。
現在、市内には小学校20校、中学校11校があります。18校が自校方式で、他13校は2つの給食センターで調理をしており、各校の施設や児童生徒数に応じて、独自の献立作成をしています。
野田市教育研究会栄養士部会では「望ましい食習慣の形成をめざして~学校・家庭・地域と連携した食育の推進~」をテーマに活動をしています。栄養士部会が行っている取組について紹介します。
給食で使用するお米は、市内の農家から購入した黒酢米や江川米です。また、黒酢米を加工した発芽玄米も月に2回使用し、発芽玄米入りご飯を提供しています。
ある小学校では、田植えや稲刈りといった米作りを体験している小学校の特長を生かし、小学校5年生の単元「お米のひみつ」において、野田市産米についての授業を行いました。授業では、1粒の米が稲になることを学び、実際に自分たちで収穫した1本の稲に実った米の数を数えてみると、約700粒あることがわかりました。児童は、「1粒の米を残すということは700粒の米を無駄にしてしまう」ことを、体験を通して理解し、農家の方への感謝の気持ちをもったり、食品ロスへの意識を高めたりしました。
地場産物の活用を推進するため、6月の「全国食育月間」と11月の「ちばを食べよう!ちばの食育月間」のうち、それぞれ1日を、「見つけるのだ!食べるのだ!のだの恵みを味わう給食の日」とし、野田市産の食材を多く使用した給食を提供しています。
6月は発芽玄米・枝豆・なすを使用した各校オリジナルの献立、11月は「野田の食を盛り上げる会」と協働して、考案していただいた献立を各学校で提供しています。
(令和5年6月 発芽玄米、枝豆、なすを使用した献立)
(令和4年11月 市内イタリア料理店のシェフに考案していただいた献立)
6月の献立 | なす入り肉味噌丼 牛乳 野田の枝豆 小松菜入り卵スープ |
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11月の献立 | ラグーのクリームペンネ 牛乳 カスタードスティックパン ミネストローネ パンナコッタ |
南部中学校では、令和5年6月の「のだの恵みを味わう給食の日」に、朝学習の時間を活用して、地場産物についての食に関する指導をリモートで全クラス一斉に実施しました。野田市産の黒酢米や枝豆がどのように育てられているのか、また、生産者の方から聞いた育てるうえでの工夫や苦労などのお話を紹介しました。
1月の全国学校給食週間では、「日本味めぐり」「世界味めぐり」「おはなし給食」など、毎年異なるテーマで市内共通献立を作成し、児童生徒の食への興味関心が高まるように取り組んでいます。令和3年度は「日本味めぐり」をテーマに5つの府県の郷土料理や特産物を使用した給食を提供しました。
千葉県
鳥取県
京都府
愛知県
熊本県
千葉県をテーマにした給食 | スイートポテトトースト 牛乳 かぶの米粉シチュー ウインナーとほうれん草のソテー マスカットゼリー |
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鳥取県をテーマにした給食 | どんどろけ飯 牛乳 かにかまの和え物 あじのつみれ汁 抹茶豆 |
京都府をテーマにした給食 | ご飯 いなだの照り焼き 大根と水菜のハリハリ煮 にゅうめん汁 わらび餅 |
愛知県をテーマにした給食 | 味噌かつ丼 牛乳 キャベツのじゃこ和え 豆腐のすまし汁 いよかん |
熊本県をテーマにした給食 | とんこつラーメン 牛乳 卵のしょうゆ煮 白菜の柚香和え いきなりだんご |
単独校方式の中学校では、「旅する昼ご飯」と題し、社会科地理分野の学習内容に関連付け、アジア・ヨーロッパ・アフリカ・南北アメリカ・オセアニアの地域の中から1ヶ月に1つの国の料理を給食で提供しています。その国の食文化について掲示物を作成し、社会科で学習した地域に対して、より興味がわくように工夫をしています。
アメリカ
サマースクールとは健康づくりの目標のもと、医師会、養護教諭部会、体育主任部会、栄養士部会が連携して行っている本市の行事です。参加は希望制で、小学校4年生から6年生とその保護者を対象とし、食事・運動・睡眠についての正しい知識を親子で楽しく学びます。
栄養士部会は親子料理教室(調理実習)と栄養指導を担当しています。令和5年度に実施した親子料理教室では、休日の食事の一例として、野菜や豆をたくさん取り入れた「焼きカレーパン」を作りました。
栄養指導では、成長期に大切な栄養素である「カルシウム」について、『なぜカルシウムが必要なのか』『どのような食品にカルシウムが多く含まれているか』などの指導を行いました。参加した児童からは「たくさんカルシウムが入っている食べ物を食べて骨を丈夫にしたい」といった感想が寄せられました。親子料理教室や栄養指導を通して、料理に対する興味を持たせたり、自分の食生活を振り返らせたりすることができました。
野田市の地場産物を使った地産地消の取組や、日本各地の郷土料理や特産品を学ぶ機会となる全国学校給食週間など、児童生徒の興味関心を引き、食の幅を広げる献立作成や食に関する指導に取り組んでいます。
食の大切さや食文化を次世代へ継承し、心身ともに健全な児童生徒を育成していくため、学校における食育の指導体制と指導内容の充実を今後も図っていきたいと思います。
また、栄養教諭・学校栄養職員が中心となって学校・家庭・地域が連携し、野田市の食育をより一層推進していきたいと思います。
文責:野田市立南部中学校・栄養教諭・枝吉清薫
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