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更新日:令和4(2022)年5月23日
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長生村は九十九里浜に面する、千葉県唯一の村です。首都圏の海浜レクリエーション地として知られ、サーファーや多くの海水浴客で賑わいます。温暖な気候と平坦な地形を活用した稲作、野菜栽培、酪農などのほか、沿岸漁業により海産物にも恵まれています。地域の耕作放棄地を解消しようと始まった「ながいきそば」は、村の新たな名物となっています。
1年間かけて村の四季折々の風景を撮影し、ひとつの物語の中に収めた長生村公式PR映画「長生ノスタルジア」が門真国際映画祭2020の観光映像部門で最優秀作品賞を獲得しました。また、本年度落成された長生村交流センターや長生村文化会館内にあるプラネタリウムは村の自慢の施設です。
長生村は小学校3校、中学校1校すべて自校方式で給食を作っています。小学校にはランチルームがあり、全校児童が一同に集まっての給食や、異学年の交流給食など、各学校で工夫し活用しています。(現在は新型コロナウイルス感染症予防の観点から使用していません。)
そら豆のさやむきやとうもろこしの皮むきなどの体験学習、さつまいもや稲の栽培、収穫体験など、村の恵みを生かした食育を進めています。
長生村教育研究協議会の食育部会では、定期的に研修会を開き、献立研究、地産地消、衛生管理の問題などを話し合っています。
【写真】そら豆のさやむき(中1~3年、若竹学級)
【写真】田植え(小5年生)
【写真】さつまいもの苗植え(小1年生)
長生村内の各小中学校では、毎月19日の食育の日に、長生村産の食材をふんだんに使った統一献立を実施しており、子どもたちも楽しみにしています。
〈献立〉
ご飯 鮭カツ 長生きゅうりのサラダ
ミネストローネ ヨーグルト 牛乳
〈献立〉
ご飯 さばの白醤油焼き ごま和え
肉じゃが お茶目な大豆 牛乳
【長生村産食材】アイガモ米 きゅうり 玉葱 トマト
長生村内の保育所、小・中学校では、長生村の特産物であるアイガモ米を給食で提供しています。アイガモ米とは、アイガモを田んぼに放して雑草や害虫を食べてもらう、自然循環型の「アイガモ農法」によって作られるお米のことです。アイガモが田んぼの中でするふん尿は、そのまま有機肥料となり、田植えから稲刈りまでの間に、除草剤や害虫防除の農薬を使用することは一切ないので、安心安全なお米です。
【写真】生産者の高山さん
【写真】アイガモのひな
【写真】田んぼを泳ぐアイガモ
【写真】害虫や雑草を食べるアイガモ
長生村の中学校では、郷土の伝統と文化の尊重・郷土を愛する態度を育てることをねらいとして、「アイガモ農法」を教材に取り上げ、道徳科の授業を行っています。生徒は、生産者の思いや努力を知り、郷土に対して主体的に関わろうとする姿勢を育むことができました。
【写真】中学校での授業風景
給食では、地元の食材を積極的に使用しています。
食材納入業者では、毎月様々な地元の野菜を取り扱っており、毎月19日の食育の日に実施される統一献立や、たくさんの地元の野菜を普段の給食でも使用しています。発注をする時に何の献立に使用するのかを伝えているため、その献立にあった大きさや形などを考えて納品してくれます。
9月に使用できた野菜は、青ピーマン、じゃがいも、さやいんげん、きゅうり、トマト、西洋かぼちゃ、なす、ねぎ、冬瓜、さつまいも、里芋でした。
地産地消を進める中で、村内できくらげを栽培している田邉さんから声をかけていただき、9月からの給食で使用できるようになりました。
長生村教育研究協議会・食育部会の研修の一貫として、きくらげ農家の田邉さんのハウスを見学させていただきました。ハウスの中では、ブロックのような菌床から白や黒のきくらげがニョキニョキと生えていて、その様は圧巻でした。田邉さんのお話を聞き、「きくらげの魅力を子どもたちにも伝えたい。そして、給食でも積極的に使用したい。」と思いました。
長生村の学校栄養職員が、きくらげ料理のレシピを開発しました。今後も、栄養価の高いきくらげを、積極的に給食に取り入れていきたいと思います。
【中華丼】
【あんかけ焼きそば】
【きくらげとモロヘイヤのスープ】
【ナムル】
【ビビンバ】
【おから煮】
【きくらげなます】
【きくらげのクリーム煮】
【きくらげのミートスパゲッティ】
長生村には、アイガモ米やきくらげなどをはじめとした、豊かな自然の恩恵を受けて育った食材がたくさんあります。1つ1つの食材には、生産者の熱い想いが込められています。
本村の自校給食という強みを最大限に生かし、その熱い想いを学校給食の中で形にして、児童・生徒に伝えていくことが栄養士の役割だと考えています。
今後も、地域と連携し、郷土の素晴らしさを伝えるとともに、郷土に誇りや愛着を育むことができるような食育活動を続けていきたいと思います。
文責:長生村立長生中学校 学校栄養職員 鳰川 真珠美
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