千葉県月例経済報告(平成27年11月)
平成27年11月30日
1.主要経済指標等でみた県内の経済情勢
県内の経済情勢は、緩やかに回復している。
鉱工業生産指数がこのところ弱含んでいるものの、新規自動車登録台数が5カ月ぶりに対前年比で増加したほか、有効求人倍率が高い水準で推移している
大型小売店販売額(平成27年9月)
- 大型小売店販売額(9月)は693億円で前年同月比1.9%の増加となった。
- 種類別に見ると、百貨店が3.7%の減少、スーパーが3.8%の増加となっている。
- 既存店ベースの販売額は、前年同月比0.1%の減少となった。
(経済産業省「商業動態統計※」)※H27.7より対象事業所が見直され、対象事業数が減少した
新規自動車登録台数(平成27年10月:軽自動車を除く)
- 新規自動車登録台数(10月:軽自動車を除く)は、11,367台で、前年同月比4.3%の増加となった。車種別に見ると、普通乗用車、小型乗用車、小型貨物、特殊用途等が前年同月を上回り、普通貨物、バスが前年同月を下回った。
(一般社団法人日本自動車販売協会連合会千葉県支部「新車登録台数月報」)
新設住宅着工戸数(平成27年9月)
- 新設住宅着工戸数(9月)は3,633戸で、前年同月比12.3%の減少となった。
(国土交通省「住宅着工統計」)
鉱工業生産指数(平成27年8月)
- 鉱工業生産指数(8月)は92.2で、前月比2.0%の減少、前年同月比8.7%の減少となった。
(千葉県総合企画部統計課「千葉県鉱工業指数月報」(H26年3月発表資料より、基準年をH22年に改定))
有効求人倍率(平成27年9月)
- 有効求人倍率(9月)は1.08倍で、前月に比べ0.03ポイント上回った。
南関東における完全失業率は3.2%で、前月に比べ0.2ポイント下回った。
(千葉労働局職業安定部職業安定課「労働市場月報」)
企業倒産件数(平成27年10月:負債総額1千万円以上)
- 企業倒産件数(10月:負債総額1千万円以上)は26件で、前年同月比36.8%の増加となった。負債総額は22億4,600万円となった。
(株式会社東京商工リサーチ調べ)
金融情勢(平成27年9月)
- 金融情勢(9月)預金残高は26兆7,688億円で、前年同月比3.5%の増加となっている。現金残高は1,976億円で、前年同月比3.6%の増加、貸出残高については13兆200億円で、前年同月比3.3%の増加となった。
(日本銀行「金融経済統計月報」)
公共工事請負額(平成27年10月)
- 公共工事請負額(10月)の請負件数は751件で、前年同月比7.5%の減少、請負金額は336億円で、前年同月比14.3%の減少となった。
(東日本建設業保証株式会社千葉支店「保証取扱高からみた県内公共工事の動向」)
県内中小企業の業況判断指数(平成27年10月)
- 県内中小企業の業況判断指数(10月分・千葉県中小企業団体中央会調査から算出)は、前月比は12ポイント改善し、前年同月比は6ポイント悪化した。
(千葉県中小企業団体中央会調査から算出、DI=(好転した企業数-悪化した企業数)/集計企業数×100(%))
2.「月例経済報告」総論(平成27年11月25日内閣府発表より)
我が国経済の基調判断
- 景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
個人消費は、総じてみれば底堅い動きとなっている。
- 設備投資は、おおむね横ばいとなっている。
- 輸出は、弱含んでいる。
- 生産は、このところ弱含んでいる。
- 企業収益は、改善している。企業の業況判断は、一部に慎重さがみられるものの、おおむね横ばいとなっている。
- 雇用情勢は、改善傾向にある。
- 消費者物価は、緩やかに上昇している。先行きについては、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待される。ただし、アメリカの金融政策が正常化に向かうなか、中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある。
政策の基本的態度
政府は、大震災からの復興を加速させるとともに、デフレからの脱却を確実なものとし、経済再生と財政健全化の双方を同時に実現していく。このため、「経済財政運営と改革の基本方針2015」、「『日本再興戦略』改訂2015」、「規制改革実施計画」及び「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」を着実に実行する。
好調な企業収益を、未来投資に向けた官民対話等を通じて、投資の増加や賃上げ・雇用環境の更なる改善等につなげ、地域や中小・小規模事業者も含めた経済の好循環の更なる拡大を実現する。また、TPPを真に我が国の経済再生、地方創生に直結させるとともに、TPPの影響に関する国民の不安を払拭するため、11月25日、「総合的なTPP関連政策大綱」を決定した。今後、政策大綱に基づき、具体的に施策を実行していく。さらに、少子高齢化といった構造的課題に取り組み、誰もがより活躍できる一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策を策定する。日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する。
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