千葉県月例経済報告(平成24年5月)
1.主要経済指標等でみた県内の経済情勢
県内の経済情勢は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況であるが、新規自動車登録台数、大型小売店販売額、新設住宅着工戸数等は対前年比が増加し、持ち直しの動きも見られる。
大型小売店販売額(平成24年3月)
- 大型小売店販売額は768億円で、前年同月比8.4%の増加となった。
- 種類別に見ると、百貨店が29.1%の増加、スーパーが2.3%の増加となっている。
- 店舗調整後の販売額は、前年同月比6.9%の増加となっている。
新規自動車登録台数(平成24年4月:軽自動車を除く)
- 新規自動車登録台数は9,145台で、前年同月比86.0%の増加となった。
- 車種別に見ると、普通貨物、バス、普通乗用車、小型四輪貨物、小型乗用車、特殊用途等の全てにおいて前年同月を上回った。
新設住宅着工戸数(平成24年3月)
- 新設住宅着工戸数は3,057戸で、前年同月比6.4%の増加となった。
鉱工業生産指数(平成24年2月)
- 鉱工業生産指数は90.0で、前月比3.0%の増加、前年同月比7.6%の減少となった。
有効求人倍率(平成24年3月)
- 有効求人倍率は0.60倍で、前月を0.01ポイント上回った。
- 南関東における完全失業率は4.6%で、前月を0.3ポイント上回った。
企業倒産件数(平成24年4月:負債総額1千万円以上)
- 企業倒産件数は28件で、前年同月比27.2%の増加となった。
- 負債総額は50億7,900万円となった。
- 震災関連の倒産は2件発生した。
金融情勢(平成24年3月)
- 金融情勢の預金残高は24兆1,925億円で、前年同月比2.7%の増加となった。
- 現金残高は1,921億円で、前年同月比21.4%の減少となった。
- 貸出残高は12兆662億円で、前年同月比1.4%の増加となった。
公共工事請負額(平成24年4月)
- 請負件数は337件で、前年同月比2.6%の減少となった。
- 請負金額は422億円で、前年同月比18.4%の減少となった。
県内中小企業の業況判断指数(平成24年4月)
- 県内中小企業の業況判断指数は、前月比は悪化したものの、前年同月比は改善している。
2.「月例経済報告」総論(平成24年5月18日内閣府発表より)
我が国経済の基調判断
景気は、依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつある。
- 生産は、緩やかに持ち直している。輸出は、持ち直しの動きがみられる。
- 企業収益は、減少してきたものの、下げ止まりの兆しもみられる。設備投資は、このところ持ち直しの動きがみられる。
- 企業の業況判断は、大企業製造業で下げ止まっており、全体としては小幅改善となっている。
- 雇用情勢は、持ち直しているものの、東日本大震災の影響もあり依然として厳しい。
- 個人消費は、緩やかに増加している。
- 物価の動向を総合してみると、下落テンポが緩和しているものの、緩やかなデフレ状況にある。
先行きについては、復興需要等を背景に、景気回復の動きが確かなものとなることが期待される。ただし、欧州政府債務危機を巡る不確実性が再び高まっており、これらを背景とした金融資本市場の変動や海外景気の下振れ等によって、我が国の景気が下押しされるリスクが存在する。また、電力供給の制約や原油高の影響、さらには、デフレの影響等にも注意が必要である。
政策の基本的態度
政府は、大震災からの復興に全力を尽くすとともに、欧州政府債務危機等による先行きリスクを踏まえ、景気の下振れの回避に万全を期す。また、デフレ脱却に断固として取り組み、全力を挙げて円高とデフレの悪循環を防ぐ。
このため、平成23年度の補正予算に盛り込まれた施策を迅速に実行するとともに、平成24年度予算を着実に執行する。
政府は、日本銀行と一体となって、速やかに安定的な物価上昇を実現することを目指して取り組む。デフレ脱却に向け、日本銀行に対しては、政府との緊密な情報交換・連携の下、適切かつ果断な金融政策運営を期待する。
日本銀行は、4月27日、資産買入等の基金の増額等を決定した。
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