ここから本文です。

ホーム > くらし・福祉・健康 > 健康・医療 > 県立病院・県内医療機関 > 千葉県循環器病センター > 患者さん向け情報 > 院内医療事故調査委員会による報告事項(令和6年8月30日) > 千葉県循環器病センターにおけるアクシデントの発生について

報道発表案件

更新日:令和6(2024)年8月30日

ページ番号:696062

千葉県循環器病センターにおけるアクシデントの発生について

発表日:令和6年8月30日
病院局千葉県循環器病センター

  • 令和4年2月、千葉県循環器病センターにおいて、心不全、心房細動*1、高血圧の既往症を有する患者が心不全で再入院後、抗凝固薬*2を中断したためと思われる心原性脳梗塞*3を発症し、死亡するという事故が発生しました。
  • 外部委員を含めた院内医療事故調査委員会を開催し、原因究明と再発防止に向けての調査・検討を行い、再発防止策を策定しました。
  • 亡くなられた患者様と患者様のご遺族様に深くお詫び申し上げます。

【事案の概要】

  • 患者は、当時70歳代の男性。持病に心不全、心房細動、高血圧があり心房細動のために抗凝固薬を内服していた。
  • 令和4年2月、未明に呼吸苦のため救急搬送され、心不全にて緊急入院。治療のため経口抗凝固薬に替え、注射用の抗凝固薬であるヘパリンを点滴として使用した。
  • 病状が改善したため、入院4日目に一般病棟へ転棟した。その際、ヘパリンの点滴を終了したが、経口抗凝固薬は再開されなかった。入院11日目に突然心原脳梗塞を発症し、他院で血栓回収療法*4を行ったが、広範な大脳機能の障害により翌日死亡した。

【院内医療事故調査報告書の概要】

  • 外部委員を含めた院内事故調査委員会を開催して検証した。
  • 脳梗塞は両側の大脳へ広範囲に生じており、急速に発症した病態も考慮すると心原性の塞栓が原因と考えられた。血栓回収療法を行ったが、大脳機能の回復は得られず、生命を維持できなくなり死亡したと考えられた。抗凝固薬の投与を中断したことが、脳梗塞の発症に影響した可能性がある。
  • 一般病棟に転棟の際、ヘパリンの点滴を中止する一方で、経口抗凝固薬の再開を失念し、薬剤業務に関わる他の職種(薬剤師・看護師)においても、一時的に中断した薬剤を再開する手立てがとられていなかった。

【再発防止に向けての取組】

今後、同様の事故を再発させないため、抗凝固薬の内服状況を多職種で共有する体制を以下の通り定めて「与薬実施マニュアル」に規定し、院内に周知した。

  • 薬剤師は、入院患者の持参薬を確認した際、抗凝固薬を使用している患者については、電子力ルテの付箋機能を使い、「抗凝固薬持参薬情報」として注意喚起のメッセージを表示させることとした。
  • 電子力ルテに、新たに「抗凝固薬チェックリスト」を設け、患者が入院した際、看護師は抗凝固薬の内服状況などの情報を入力し、入院患者が病棟を移動する際、移動先の看護師に同チェックリストを引き継ぐこととした。
  • 様々な機会を通じて、職員に対し、抗凝固薬の再開漏れがないか、確認を徹底するよう呼び掛けを行った。
  1. *1心房細動:心房(心臓の上の部屋)が小刻みに震え、十分に機能しなくなっている状態。心不全や脳梗塞の原因となることがある不整脈。
  2. *2抗凝固薬:血栓(血液のかたまり)の形成を予防する薬。
  3. *3心原性脳梗塞:心臓の中にできた大きめの血栓が血流に乗って脳血管につまることにより引き起こされるため、他の脳梗塞よりも急激に症状が現れ、脳のダメージを受ける範囲が広い。
  4. *4血栓回収療法:足の付け根などからカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、血管内を通して器具を脳の病変部まで誘導し、原因となる血栓を取り除いて血流を再開させる治療法。

 

お問い合わせ

所属課室:病院局千葉県循環器病センター事務局医事経営課

電話番号:0436-88-3111

ファックス番号:0436-88-3032

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?