ここから本文です。
更新日:令和5(2023)年6月9日
ページ番号:585322
発表日:令和4年5月23日
健康福祉部児童家庭課
令和元年に改正された児童福祉法において、「都道府県知事は、児童相談所が行う業務の質の評価を行う等により、当該業務の質の向上に努めなければならない」と規定されているところです。
これに基づき、令和3年度については、柏児童相談所及び君津児童相談所の一時保護部門において第三者評価を実施し、この度その結果がまとまりましたのでお知らせします。
令和元年に改正された児童福祉法第12条の規定により、都道府県知事は、児童相談所の業務について第三者評価などを実施することにより、業務の質の向上に努めなければならないとされたところです。第三者評価を行うプロセス並びに評価結果を踏まえ、「機能しているところ」や「改善すべきところ」を確認し、児童相談所の質の確保・向上を図ることを目的とするとともに、今後の千葉県における児童虐待防止対策推進のための参考とします。
なお、児童相談所の第三者評価は、利用者への情報提供を目的として実施するものではありません。
合同会社フェアリンク(福祉サービス第三者評価機関 所在地:東京都世田谷区)
(ア)事前説明会 令和4年1月26日(水曜日)
(イ)聴き取り調査 令和4年2月3日(木曜日)
(ウ)訪問調査 令和4年2月24日(木曜日)
(エ)報告会 令和4年3月22日(火曜日)
(ア)事前説明会 令和4年1月27日(木曜日)
(イ)聴き取り調査 令和4年2月4日(金曜日)
(ウ)訪問調査 令和4年3月3日(木曜日)
(エ)報告会 令和4年3月23日(水曜日)
ア 原則として一時保護に携わる職員全員による自己評価とその集計結果の報告
イ 保護児童に対する調査(対面による個別の聞き取り及び書面によるアンケート調査)の実施とその集計結果の報告
ウ 訪問調査(管理・指導職層の職員に対するヒアリング及び取り組みの根拠となる資料・記録類の確認)の実施
エ 各評価項目の判断基準に含まれる評価の視点・ポイントをチェック項目化しチェック項目の評価結果を踏まえ各評価項目の評価ランクを決定
※評価項目の構成
全体構成 |
評価項目数 |
---|---|
1.子ども本位の養育・支援 |
14項目 |
2.一時保護の環境及び体制整備 |
15項目 |
3.一時保護所の運営 |
25項目 |
4.一時保護所における子どもへのケア・アセスメント |
6項目 |
5.一時保護の開始及び解除手続 |
4項目 |
合計 |
64項目 |
<参考>
「子ども・子育て支援推進調査研究事業 一時保護の第三者評価に関する研究」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
「児童相談所における第三者評価ガイドライン」(案)
※評価ランク及び判断基準
s |
優れた取り組みが実施されている(他一時保護所が参考にできるような取り組みが行われている状態)
|
---|---|
a |
適切に実施されている(よりよい一時保護の水準・状態、質の向上を目指す際に目安とする状態)
|
b |
やや適切さに欠ける(「a」に向けた取り組みの余地がある状態)
|
c |
適切ではない、または実施されていない(「b」以上の取り組みとなることを期待する状態)
|
<参考>
柏児童相談所の概要
君津児童相談所の概要
※令和3年度の評価に係る対応について
令和3年度に予定していました柏児童相談所及び君津児童相談所の相談部門及び一時保護部門の両方に係る第三者評価について、委託事業者を公募型プロポーザル方式により募集しましたが、応募する事業者がなく、両児童相談所の一時保護部門のみについて、第三者評価を実施することとしました。
〇 相談所の基本方針の明示
入所時に子どもに手渡す一時保護所での生活について説明するための、「一時保護所のしおり」の冒頭に基本方針を明示し、子どもが一時保護所の生活で守らなければいけないルールから入るのではなく、逆に職員が子どもの安全と安心を守ることを謳っている。
〇 職員による子どもの要望や意向の聴取
一時保護課の職員が週1回、入所児童と個別に面談を行い、楽しかったことや嬉しかったこと、頑張ったことなどの他、他児からの暴力やその不安がないか等をさりげなく聞き出し、職員間で、また必要に応じて担当の児童福祉司や児童心理司とも情報を共有しながら、子どもの安全・安心の確保につなげる取り組みを始めている。
〇 家庭における養育力の向上
家庭復帰に至る一連の取り組みのプロセスをイラストや図表を交えて、わかりやすくリーフレットにまとめ、保護者に提示し、家庭における養育力の向上のために児童相談所が取り組んでいることを積極的に発信している。
〇 レジリエンス(復元力)の向上
イベントや季節行事に力を入れ、子どもが「楽しい」と感じられる経験を重ねることで、自ら逆境を跳ね返すレジリエンスの向上につなげようとしている。子どもと職員が一緒に楽しむ機会などを通じて、子どもと職員の間の距離が自然と近づき、職員に悩みごとを相談できる関係性が生まれている。
〇 若い世代の職員の専門性とモチベーションの向上
一時保護課長を中心に日々の申し送りや毎月の課内会議等を通じて職員間の情報共有とOJTに力を入れている他、所長のイニシアチヴのもと、子どもの移行先となる周辺の児童福祉施設との間で職員の交換研修を実施し、社会的養護に対する視野を広げる機会としている。旧弊を打破するために、使命感を持った若い職員の発信を大事にする職場風土づくりを現場が中心になって進めている。
〇 外部機関との連携体制の構築
周辺の児童福祉施設や地元の警察署に対して、日頃より一時保護所の子どもの様子を知ってもらう機会を設けており、緊密な連携体制を築いている。
〇 職員の勤務実態の把握、配置の適正化
入所定員に対する職員の配置数は法的基準を満たしているものの、定員を超過して児童を受け入れざるを得ない状況の中で、現場からは依然として増員を求める声が多く寄せられている。今後、職員の勤務実態を把握したうえで、さらなる改善に向けた検討を進めることが期待される。
〇 学習環境の整備
一時保護課では、子どもの在籍校との連携を図り、教材の提供等を受ける体制のさらなる整備を課題と認識しているが、現在は管轄する5市の教育委員会が採択している公立小・中学校の主要教科の教科書が備えられていない状態にある。保護期間中に学力の低下を招き、子どもが本来持っている可能性が大きく損なわれることのないよう、今後の改善に向けたさらなる検討が期待される。
〇 一時保護の理念・基本方針の周知・明示
当所では、独自の一時保護の理念・基本方針の作成に向けて検討を始めており、保護児童に対しても周知を図っていく意向がある。今後、「生活のしおり」の冒頭に当所の一時保護の理念・基本方針が明示され、職員が子供に約束するものとして周知されていくことが期待される。
〇 異性の職員が支援に入らざるを得ない場合の対応方法の検討
現時点で一時保護課の正規職員と保護児童の男女比はバランスがとれていないことから、どのような工夫ができるのか、止むを得ない支援に入る場合の配慮事項を含めて、職員間で対応方法を十分に検討し、全体への周知を図ることが望まれる。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください