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更新日:令和6(2024)年11月8日
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令和6年9月24日(火曜日)
議事日程
議事日程(第5号)
令和6年9月24日(火曜日)午前10時開議
日程第1 議案第1号ないし議案第18号、報告第1号ないし報告第4号及び決算認定に対する質疑並びに一般質問
午前10時0分開議
○議長(瀧田敏幸君) これより本日の会議を開きます。
質疑並びに一般質問
○議長(瀧田敏幸君) 日程第1、議案第1号ないし第18号、報告第1号ないし第4号及び決算認定についてを一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。
順次発言を許します。通告順により赤間正明君。
(赤間正明君登壇、拍手)
○赤間正明君 公明党の赤間正明でございます。石川・能登半島北部を中心とした記録的大雨で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
質問に移らせていただく前に、通告しておりました食の安全確保については、時間の関係で別の機会にさせていただきたいと思います。
それでは、質問させていただきます。
私学助成について。
千葉県の減免制度は、県内私立高校の振興を図ることを目的としていることから、県内に設置されている学校の在籍者を対象としています。その結果、東京都や神奈川県、埼玉県など、県外に住んでいて県内の私立高校に通う生徒も千葉県の予算で減免を受けられる、いわゆる在学主義です。県内に住んでいる生徒が県外の私立高校に通う場合は授業料の減免を受けられません。
公明党ではかねてから、家庭の経済状況によって、希望する学校への進学を諦めることのない社会の実現を目指すべきとの思いで議会で取り上げてまいりました。これまで、2月議会の公明党代表質問において、県外の私立高校等に通学している生徒数がおおむね1万人程度であること。さらに東京都など、県外の私立高校に通学している生徒を授業料減免制度の対象とした場合に、追加で必要となる経費はおよそ3億円程度であることが分かりました。同じ千葉県民でも、県内私学に通うのか県外私学に通うかで不平等が生じている状況は改善すべきとの要望の声は多く寄せられています。また、最近の物価高騰などを背景に、家計における教育費の負担が重いとのアンケート結果が出ていることから保護者負担軽減を一層重視すべきと考えます。
そこで伺います。教育格差をなくしていくため、千葉県の私学助成については、保護者負担軽減を重視した助成内容に見直すべきと考えるが、どうか。
次に、経済対策について、雇用の確保について。
外国人労働者確保について伺います。人手不足の深刻化を背景に、千葉県では外国人の労働者のさらなる増加が予想されます。官民が連携して共生社会の実現に向けた取組に力を入れる必要があると考えます。千葉銀のレポートによれば、2023年10月末現在、千葉県には7万8,854人の外国人労働者がおり、2013年以降、最多を更新。10年間の増加率は全国で2.9倍。千葉県は3.2倍増と全国を上回ります。令和6年度には外国人材活用支援事業にて、留学生向け外国人就職支援講座や県内企業職場見学会などの事業を行っています。
そこで伺います。外国人材の活躍に向けて、中小企業における外国人採用をどのように支援していくのか。
県内中小企業の雇用確保。
20代などの若い世代の従業員はまだ収入が少ないため、奨学金返還が経済的、心理的に大きな負担と感じている方が多くいます。企業が返還を支援することで負担を軽減し、安心して仕事に専念してもらうことができます。令和2年、日本学生支援機構の調査によりますと、大学生昼間の部では49.6%、短期大学生では56.9%が奨学金を受給していると答えています。
公明党県議団で埼玉県を視察、中小企業等人材確保奨学金返還支援事業(奨学金肩代わり支援制度)についてお話をお聞きしました。この制度を設けるメリットは、人材の確保、従業員定着が期待できること、従業員のモチベーション向上、企業イメージの向上、ホームページやその他広報媒体への掲載による企業の紹介などがあります。
埼玉県の事業は、若者から選ばれる魅力ある企業を支援することが目的で、補助額等は奨学金返還支援を行った企業負担額の2分の1、上限は1人、年9万円。埼玉県多様な働き方実践企業については、企業負担額の3分の2、上限は1人、年12万円となっています。補助対象者は県内に事業所がある中小企業、支援対象者は正社員で年齢不問です。しかも、県内事業所に在勤であれば県内居住要件はありません。千葉県在住者でも、埼玉県の中小企業に通えば奨学金返還を肩代わりしてくれるのです。その結果、令和4年度10社32人から令和5年度38社150人が利用しています。着実に拡大、着実に県内企業での雇用確保につながっています。県としても、千葉県内の中小企業と連携し、若者から選ばれる奨学金肩代わり支援制度を導入すべきと考えます。
そこで伺います。千葉県として、中小企業の人材確保と定着を促進し、若者から選ばれる魅力ある中小企業を支援するため、奨学金返還支援制度を設ける中小企業を支援すべきと考えるが、どうか。
次に、防災対策、解体事業者の育成、強化についてお伺いいたします。
埼玉県の先進的な取組を視察いたしました。能登半島地震の発生から9月1日で8か月。遅れが指摘されている石川県内の倒壊建物の公費解体は、ようやく申請の10%を終えました。今後、加速へ体制増強が図られるとのことですが、大変難しいと指摘されています。しかし、仮に首都圏で大きな地震などの災害が生じれば、それ以上に困難な事態が予想されます。解体業者育成は重要です。
なぜなら、災害で被災した建物は倒壊や崩壊の危険が高まります。解体することで周囲の人々や救急隊員の安全を確保できます。また、解体作業を行わないと被災建物が放置されたままになり、これにより2次被害が発生する可能性が高まります。さらに、解体工事を適切に行うことで地域全体の安全を考えることができるのです。したがって、災害時には迅速かつ適切な解体作業を行うことが地域の安全と復興に貢献する重要な手段です。
埼玉県は入札の総合評価において、解体工事は近隣への影響が大きいため、企業の技術能力、配置予定技術者の技術能力を評価し、とび、土木基幹技能者の配置と解体工事施工技士を配置する場合、加点するとしています。千葉県としても、災害に対応できるよう、日頃から千葉県内の解体事業者を育成し専門性向上を図るため、公共事業を行う際には県内業者を優先するとともに、業界唯一の資格である解体工事施工技士を入札の総合評価ポイントに加えるべきと考えます。
そこで伺います。解体工事施工技士の資格保有者を総合評価落札方式の評価対象にすべきと思うが、どうか。
災害廃棄物の迅速な処理について。
昨年9月、令和5年7月の台風13号により、茂原市の一宮川が氾濫し浸水被害が生じた際、市町村ごとの対応が難しいことから、県からの要請があり、5自治体、茂原市、大網白里市、鴨川市、長南町、長柄町の災害廃棄物、一般廃棄物の仮置場を千葉県産業資源循環協会が支援して運営し、分別回収し、運んで処分を行いました。しかし、市町村をまたいで処理する場合には事前協議が必要であり、スムーズに手続が進まないとの課題があると承知しています。千葉県は迅速かつ適切な情報提供により対策を講じるため、プッシュ型で職員をリエゾンとして派遣、被災自治体との円滑な情報共有を図ることにより、迅速な応急復旧などの支援を行っています。災害廃棄物処理においても、復旧・復興を着実に進めていくために市町村間の連携がスムーズに行われるように支援すべきと思います。
そこで伺います。災害後に生じる災害廃棄物について、市町村をまたいで処理する場合の事前協議について、迅速な手続が可能となるように県として支援すべきと思うが、どうか。
次に、メーターユニットの漏水についてです。
物価が上昇基調にある中、生活が苦しく、2か月に1回の水道料金を分割で支払う方も多くおられます。企業局には徹底した経費削減が求められます。この水道料金は量水器で計測され、メーターユニットという台座の中央部分にあります。議長の許可をいただき、資料を配付させていただきました。ぜひ資料を御覧ください。
資料Aを御覧ください。量水器は企業局からの貸与であり、計量法により8年に1回交換されます。現在、主に高層マンションなどでは、量水器の接続部の配管等を一体化した新方式のメーターユニットが使用されており、資料Bのとおり、検定期限満了に伴い、量水器を取り替える際にはスライドハンドルを、工具を使わず手回しで外す構造となっています。
資料Cのとおり、そのスライドハンドル内にはOリングパッキンという、輪ゴムのような極めて細いリングが使われており、串状の工具で取り外します。問題は、量水器取替え後にメーターユニットのOリングパッキンから漏水が発生することです。当初は施工業者の技能の問題と片づけられておりました。しかし、令和4年8月に千葉市のマンションでメーターユニットのOリングパッキンからの漏水があり、階下にある1階のコンビニ店舗の天井を大きく濡らす被害がありました。
企業局は、令和5年度に施工業者の技能の問題ではなく、メーターユニットのOリングパッキンに問題の可能性があると、メーターユニットのOリングパッキンの劣化状況などを把握する調査を実施しました。約9,000個のOリングパッキンを約5,000万円かけて局費で交換しました。その結果、令和5年度にOリングパッキンを交換して施工した箇所において、漏水は皆無となりました。令和6年度からは、量水器取替え後に漏水したメーターユニットのOリングパッキンに限り交換するという条件に絞り、対応することになりました。既に令和6年4月以降の5か月間で、量水器取替え後にメーターユニットからの漏水が148件で発生しています。今、この漏水については、他の水道事業体でも大きな問題となり始めており、企業局のいち早い実態調査が大変注目されております。ぜひ原因を究明していただきたい。
なぜならOリングパッキンの漏水は、時間をかけてじわじわとしみ出てくる事例が多く、施工後30分から1時間後に漏水確認しても、すぐに漏水があると判断がしにくい。メーター設置部にとどまった漏水した水の逃げ道がなく、水がたまってしまう。そのたまった水が隙間を通って階下にしみ込み、真下の部屋に浸水し、天井の壁紙や、場合によっては家具、洋服やパソコンにしみ込み、問題が発生するのです。
そこで伺います。令和5年度の量水器取替え工事に際して、メーターユニット内部のOリングパッキンを交換したが、その調査内容はどうか。また、Oリングパッキンの問題には今後どのように対応していくのか。
文化・教育について、教科書バリアフリー法改正について。
さきの国会において、公明党の主導により議員立法、教科書バリアフリー法が改正され、7月19日に施行されました。教科書バリアフリー法は、障害その他の特性の有無にかかわらず、十分な教育が受けられる学校教育を推進するために、平成20年に全会一致で成立しました。具体的には、教科書会社から提供された教科書データを活用して、ボランティア団体等が障害のある児童生徒向けの音声教材等を作成しています。
近年、外国人児童生徒等、日本語指導が必要な外国籍、日本国籍の児童生徒が増加しており、障害のある児童生徒のために作成されている音声教材が日本語の通じない児童生徒にとっても有用であるため、これらの者が音声教材を使用して学習することができるように、今回、法改正をしました。
そこで伺います。教科書バリアフリー法改正に伴い、日本語指導が必要な児童生徒に対して、県教育委員会として、どう取り組んでいくのか。
県立中央博物館のリニューアルについてです。
県立中央博物館は県内博物館の拠点として、施設の老朽化への対応に加え、博物館法の改正により地域振興や地域活性化への貢献、またデジタル化推進などへの対応が求められています。6月の代表質問にて千葉県立中央博物館みらい計画について取り上げた際、県は「多彩な特徴をもつ半島ちばの未来を切り拓く」を基本コンセプトに機能を強化し、魅力を向上させると答弁しています。千葉県には、ほかにも多くの魅力がありますが、チバニアン期の地層は地球の歴史を理解する上で重要な役割を果たしており、まさに他県にはない千葉県の特色ではないでしょうか。更新なく老朽化した博物館について、答弁によれば、整備計画の策定を進め、機能を強化。収蔵庫の増築、常設展の刷新も行うとのことですが、その際にはぜひチバニアンを通し、全国に千葉県の魅力をアピールしていただきたい。
そこで伺います。県立中央博物館のリニューアルに当たり、チバニアン期の房総半島の姿など、千葉県らしさをどのようにアピールするのか。
次に、医療・福祉問題について、パーキングパーミットについて。
平成19年9月、17年前ですが、障害者に優しいパーキングパーミット制度を導入すべきと議会で取り上げ、当時の堂本知事の御見解をお伺いしました。この制度は、県の施設やショッピングセンターなどの身障者用駐車場に県内に共通する利用証、パーキングパーミットを交付することで、駐車場を利用できる方を明らかにし、駐車スペースを確保する制度のことです。佐賀県が唯一制度をスタートしたばかりのとき、当時の千葉県、大槻副知事からの御紹介で直接佐賀県知事から詳細をお聞きし、必要性を痛感。以来、会派で推進しております。
その後、会派の阿部県議の実態調査などもあり、数多くの議員の皆様の議会質問により、千葉県では令和3年7月から利用証の申請受付が開始されました。関係者の皆様には大変喜んでいただいておりますが、妊産婦の有効期間について、当事者より期間延長の声が寄せられています。駐車スペースが広ければベビーカーを置く場所が確保でき、子供たちの乗り降りがスムーズです。特に多胎児、双子や三つ子育児は、通常の育児よりもさらに多くの困難を伴います。できるだけ負担を軽減し、安全に乗り降りできるように配慮が必要です。
千葉県は妊娠7か月から申請可能で、出産予定日から1年までとなっております。しかし、岡山県では妊娠7か月から産後2年となっており、さらに多胎児の場合は妊娠5か月から産後3年となっているのです。他県でも地域の皆様の声により有効期間の延長が図られています。千葉県としても、ニーズに合った制度へ改善が必要であると考えます。
そこで伺います。車椅子マークのある駐車場を優先的に利用できるちば障害者等駐車区画利用証制度、パーキングパーミットについて、妊産婦の有効期間を延長すべきと思うが、どうか。
次に、歯科的医療について、災害時の歯科的支援について。
地震やそれに伴う津波、豪雨や台風等、千葉県において大規模な災害が発生した場合における災害歯科医療体制を整備することの重要性が高まっています。大規模災害で、県内に複数の避難所等が設置された場合の歯科的支援としては、避難所等での口腔衛生状況の悪化による誤嚥性肺炎の発症と、それに起因する災害関連死の予防、避難所や救護所における歯科保健医療体制の構築、多数の犠牲者が発生した場合の歯科所見による身元確認作業がそれぞれ必要となります。
歯ブラシ等の歯科衛生材料や嚥下補助食品を防災拠点に備蓄することの必要性や、被災地で治療に使用した機材を再滅菌するための滅菌機の整備。特に犠牲者の身元確認作業にはポータブルレントゲン装置が必須ですが、県歯科医師会に1台しかなく、故障などにより使えない場合、すぐに対応できません。災害時に備えた対策を講じるべきです。
そこで伺います。県として、災害時の歯科的支援にどのように取り組んでいるのか。
障害者の歯科診療について。
障害のある方については、障害の程度や特性により、口腔内の状況が把握しづらかったり、歯磨きに強い拒否感を持つ方もいるなど、口腔ケアが不十分になりやすく、歯科疾患の発症や重症化するリスクが高くなります。歯科疾患が進行すると歯科医療がより困難になり、全身麻酔による治療が必要となる場合もあるなど、障害のある方やその御家族にとって、身体的、心理的な負担は相当なものになります。口腔の健康は全身の健康にも深くかかわっていると言われており、障害のある方が生涯を通じて健康状態を維持し、生活の質を確保するためには、地域において定期的な歯科検診や歯科治療等を受けられる環境が求められており、障害のある方の口腔の健康保持に対する取組が大変重要と考えます。
そこで伺います。障害のある方の口腔の健康保持について、県はどのように取り組んでいるのか。
千葉県総合救急災害医療センターのヘリポートについてお伺いいたします。
公明党の粘り強い訴えで、現在、空から救急現場に向かうドクターヘリは、全都道府県で計57機が運航しています。中でも千葉県は全国に先駆け、ドクターヘリ2機体制を構築。50キロ以内であれば15分で到着可能ですので、2機体制により、県内全てを20分でカバーできるドクターヘリ先進県であり、出動件数も全国トップクラスです。厚生労働科学研究によると、ドクターヘリの出動で治療開始が始まることにより、地上での救急活動に比べて救命率が約3割向上し、急病を完治して社会復帰できた患者さんも1.5倍に増えたとのことです。さらに今後、ドクターヘリにより搬送された患者をいち早く治療に結びつけることができれば、さらなる救命率の向上が可能となります。
令和5年11月1日に開院した千葉県総合救急災害医療センターの屋上には大変すばらしいヘリポートが設置されました。県議団で視察もさせていただきましたが、ドクターヘリで運ばれた患者が迅速に治療を受けられる体制が構築されており、患者搬送時間の短縮による救命率の向上が期待されます。
そこで伺います。千葉県総合救急災害医療センターのヘリポートの活用状況はどうか。
市川市の課題について、(仮称)押切・湊橋について、旧江戸川沿い道路と行徳街道間の通行確保についてお伺いをいたします。
7月に開催された住民説明会にて、歩行者、自転車の通行を確保するため、新しく道路を整備する計画案が示されました。旧江戸川沿いの道路側は、現状と同様に車両の出入りができる構造に計画していますが、行徳街道側は安全性の観点から、車止めを設けて車両の出入りができない構造で計画しています。地元からは、緊急車両の通行時や地元のお祭りがある際には車止めを一時的に撤去し、車両の出入りができないかといった意見も出ており、安全性に加え利便性にも配慮した構造が求められています。
そこで伺います。機能補償道路の利便性の向上について、どのように考えているのか。
建設に伴う無電柱化について。
押切・湊橋の取付け道路について、東京都側は既に無電柱化されている区間があり、千葉県側の県道に接続する市川市道も無電柱化を計画しています。(仮称)押切・湊橋は、災害時における物資輸送等の新たなルートとなることから、橋梁から延びる県道部分においても一体的に無電柱化を当然推進させるべきと考えます。
そこで伺います。防災力の向上を図るため無電柱化を検討すべきと考えるが、どうか。
住民説明についてです。
さらに、これらの課題に加え、これから用地交渉の本格化等、様々な御意見、御要望に関する相談が増えてくることが予想されます。そのため、例えば事業区域に近い市川市の行徳支所に相談窓口があれば、住民の方も気軽に相談することができ、事業も円滑に進むと考えます。
そこで伺います。住民への説明について、どのように取り組んでいくのか。
最後に、江戸川左岸流域下水道についてです。
江戸川左岸流域下水道については、将来の社会情勢や人口動態などを踏まえて適切な整備を進めるため、今年度、下水道整備の基本計画である全体計画の見直しが行われたとのことです。また、江戸川第一・第二終末処理場については、皆様の御要望により県議会で取り上げ、現在、どのような名称、通称がよいのか、検討が進められていると聞いております。
そこで伺います。江戸川左岸流域下水道の全体計画の見直しにより、終末処理場の施設計画に変更は生じるのか。また、江戸川第二終末処理場の名称変更について、取組状況はどうか。
最後に、道の駅いちかわの防災拠点化についてです。
高速道路は防災的な側面からも重要な役割を果たしています。同様に、防災道の駅も都道府県の地域防災計画等で広域的な防災拠点に位置づけられています。国土交通省はインターチェンジからの近さを重視し、防災道の駅を追加することを表明しています。
そこで、東京都に最も近く、外かく環状道路の隣接する道の駅いちかわの防災拠点化は、本県の防災力向上に極めて大きな効果を有するものと考えられます。
そこで伺います。県の防災力向上を図るため、道の駅いちかわを防災道の駅に選定すべきと考えるが、どうか。
以上で1回目の質問とさせていただきます。前向きな御答弁をどうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(瀧田敏幸君) 赤間正明君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。
(知事熊谷俊人君登壇)
○知事(熊谷俊人君) 公明党の赤間正明議員の御質問にお答えをいたします。
まず、経済対策についてお答えいたします。
中小企業における外国人採用への支援についての御質問ですが、外国人採用を促進するためには、中小企業側が受入れに必要な対応等についてしっかりと準備をするとともに、外国人側も日本の就職活動の仕組みなどを理解できるよう、双方に向けた支援が必要です。このため県では、新たな取組として、6月から8月にかけ、企業に向けて採用手続や職場定着に向けたノウハウに関するセミナーを、また、外国人留学生を対象に就職活動の準備のための講座や県内企業の職場見学会を実施いたしました。その後、採用に意欲的な中小企業と外国人留学生とのマッチングを図るため、合同企業説明会も開催をしたところです。現在も双方の採用活動等が続いているところですが、こうした取組については今年度の後半にも予定をしており、引き続き関係機関と連携を図るとともに事業効果を高められるよう、工夫や改善を重ねながらしっかりと支援に取り組んでまいります。
次に、文化・教育についてお答えいたします。
県立中央博物館についての御質問ですが、本県は川と海に縁取られた半島という地理的特徴から、豊かで多様な自然と独自の文化が形成をされ、貴重な文化資源を有しています。そのため中央博物館では、千葉が誇る自然や歴史、文化を県内外に発信するため、地球史の時代名に千葉の名称がつけられたチバニアン期の地層や海の文化である万祝、全国一の数を誇る貝塚などに関する千葉ならではの企画展示、ワークショップなどに取り組んでいるところです。現在、千葉県立中央博物館みらい計画を踏まえた施設整備計画の策定を進めていることから、自然や歴史、文化を五感で体感できる展示や教育普及活動等を通して、千葉の面白いを発信する博物館となるよう検討してまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
○議長(瀧田敏幸君) 総務部長高梨みちえ君。
(説明者高梨みちえ君登壇)
○説明者(高梨みちえ君) 私からは私学助成についての御質問にお答えいたします。
県では、県内私立学校の振興と保護者の経済的負担の軽減を図るため、経常費補助金や授業料減免補助、入学金軽減補助、奨学のための給付金など、様々な支援を行っています。本県の授業料減免制度は県内私立高校の在籍者を対象としていますが、私立高校を取り巻く環境や私学助成に対する考え方の違いから各都県の制度に相違があり、近隣都県では、東京都のみが他県に通う生徒も対象としている状況です。県としては、住んでいる地域により教育費負担に差が生じないよう、国に対し就学支援金制度のさらなる拡充を要望しているところであり、県の私学助成制度の在り方については、引き続き国や近隣都県の動向を注視しながら研究してまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 商工労働部長野村宗作君。
(説明者野村宗作君登壇)
○説明者(野村宗作君) 奨学金返還支援制度を設ける中小企業の支援についてお答えいたします。
県では、中小企業における若手人材の確保、定着のためには、まず若者と企業の相互理解を深めていくことが重要と考えており、双方のマッチングを促す交流会の開催や働きやすい職場環境づくりに向けた専門家派遣などにも取り組んでおります。今年度も仕事体験ツアーの実施により新たな交流機会を提供するなど、取組の充実を図ったところです。
一方で、各企業が奨学金の返還支援を行うことも人材確保の1つの方策であり、日本学生支援機構によると、本県で支援を実施している企業等は現時点で34社となっております。こうした企業を県が支援していくことについて、他団体において取り組んでいる事例は承知しておりますが、補助対象や予算規模などが千差万別であるため、その実績等も踏まえて、本県の在り方について検討を進めてまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 県土整備部長四童子隆君。
(説明者四童子隆君登壇)
○説明者(四童子隆君) 私からは、まず、解体工事施工技士を総合評価落札方式の評価対象にすべきとの御質問にお答えいたします。
本県の総合評価落札方式では、工事品質の確保や向上を図るため、入札参加資格要件で求められる水準以上の資格を有する技術者を配置することとした場合、評価対象としております。評価の対象となる技術者は、1級土木施工管理技士や1級建築施工管理技士などの国家資格を有する者としております。解体工事施工技士など、工事に有用なその他の資格を有する者を評価対象とすることにつきましては、国や他県の事例を参考とし、研究してまいります。
次に、(仮称)押切・湊橋についての御質問にお答えします。
まず、機能補償道路の利便性の向上についての御質問ですが、(仮称)押切・湊橋の整備に伴い、旧江戸川沿いの道路と行徳街道を結ぶ通路が通り抜けできなくなることから、新たに機能補償道路を整備することとしております。機能補償道路につきましては、行徳街道の押切交差点に接続することから車両の出入りを制限し、歩行者や自転車の通行の安全を確保するため、車止めの設置を予定しております。現在、関係機関と協議を行いながら道路設計を進めているところであり、引き続き地元の意見も伺いながら、利便性にも配慮した構造等について検討してまいります。
次に、無電柱化についての御質問ですが、都県をまたぐ(仮称)押切・湊橋は災害時の代替性の確保など、防災力の強化に寄与することから、橋の整備に合わせて取付け道路部の無電柱化を検討していく必要があると認識しております。県道には電柱や架空線のほか、地中に排水路や上下水道管などの占用物が多種埋設されており、工事実施時に支障となるため移設が必要となります。今後、地元市川市と連携し、占用者の意見も確認しながら、占用物の移設に合わせて無電柱化について検討してまいります。
次に、住民への説明についての御質問ですが、事業の実施に当たっては、これまでに地元説明会を開催し、整備内容や進め方の説明を行うとともに、説明会や境界立会いの実施に合わせてオープンハウスを開催し、住民の皆様の御質問等にお答えしてきたところです。行徳支所等への相談窓口の設置につきましては、今後の相談状況等を踏まえ地元市川市と相談するとともに、引き続き地元の皆様に丁寧な説明を行いながら事業を推進してまいります。
最後に、防災道の駅に関する御質問ですが、防災道の駅は、災害時に自衛隊や警察、TEC-FORCEなどの活動拠点となり、緊急物資等の基地機能を発揮する道の駅を国が選定する制度であり、防災力の向上に寄与する重要な施設です。国では、これまでに県内の道の駅やちよをはじめ、全国で39駅を防災道の駅に選定しております。道の駅いちかわは、市川市が地域の防災拠点に位置づけており、防災道の駅の追加選定に当たっては、施設設置者である市の意向を踏まえつつ積極的に対応してまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 環境生活部長井上容子君。
(説明者井上容子君登壇)
○説明者(井上容子君) 防災対策について、災害廃棄物の迅速な処理に向けた県の支援に関する御質問にお答えいたします。
災害廃棄物の処理については、過去に市町村間の協議に時間を要した事例もあることから、県では、迅速な処理のためには平時からの備えが重要と認識しています。そのため、市町村間の協定による相互応援体制を整えるとともに、研修において、関係者間の連携方法や過去の災害時の対応や課題について情報を共有しています。また、災害時には、被災市町村に対して発災直後から仮置場の設置運営に関する助言や職員の派遣、市町村間や民間事業者との協定に基づく収集運搬や処分に係る応援の調整などを行っています。今後も災害廃棄物の処理が迅速に行われるよう、様々な機会を通じて、さらなる市町村間の連携強化に向けた支援を行ってまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 企業局長三神彰君。
(説明者三神 彰君登壇)
○説明者(三神 彰君) 水道に関するメーターユニット内部のOリングパッキンについての御質問ですが、県営水道では、計量法に基づき、8年ごとに量水器の取替え工事を行っていますが、取替え後に集合住宅等で使用されているメーターユニットのOリングパッキンから漏水が発生する事例があることを把握しております。漏水は様々なタイプのOリングパッキンのうち、一部のものから発生していると考えられることから、漏水が生じるタイプを特定するため広くOリングパッキンを回収し、劣化の状況等について調査、分析を行っているところです。今後は分析結果を他の事業体等と共有し、メーターユニットの製造団体などに対して改善を図るよう、連携して働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 教育長冨塚昌子君。
(説明者冨塚昌子君登壇)
○説明者(冨塚昌子君) 教科書バリアフリー法改正に伴う取組についての御質問にお答えいたします。
令和5年度の国の調査によると、本県における日本語指導の必要な児童生徒数は令和3年度から約1.5倍に増加しており、日本語指導の充実を図る必要があると考えています。今回の法改正により、日本語指導の必要な児童生徒が各自のタブレット端末等を通して様々な機能を備えた音声教材を適切に活用することで、個々の状況に応じて学べるようになると認識しています。県教育委員会では、県内の音声教材を必要とする児童生徒数を把握するとともに、改正された法の趣旨を踏まえた効果的な活用方法を周知するなど、積極的な活用を促してまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。
(説明者岡田慎太郎君登壇)
○説明者(岡田慎太郎君) パーキングパーミット制度の御質問にお答えします。
パーキングパーミット制度は、障害のある方や要介護高齢者、妊産婦の方など、移動の際に配慮が必要な方のための駐車区画について、対象者に利用者証を交付することで必要な方が利用しやすくするための制度であり、本県では令和3年7月から実施しています。同制度は現在43府県市で実施されており、妊産婦の利用証の有効期間について、出産後1年以内としているのは本県を含む33府県、1年を超えているのは10県市となっています。妊産婦の有効期間の延長については、制度を利用する妊産婦以外の方への影響も考慮する必要があるため、他の自治体の運用状況を確認するとともに、市町村等への意見聴取などを実施し、それらの結果を踏まえ、制度の改善について検討してまいります。
次に、障害のある方の口腔の健康保持の取組に関する御質問ですが、障害のある方が口腔の健康を保持するためには、身近な地域でかかりつけ歯科医を持ち、歯科検診や歯科治療、歯科保健指導等を受けることができる環境の整備が重要です。このため県では、かかりつけ歯科医の普及に向け、千葉県歯科医師会の協力を得て、障害のある方に対応できる歯科医師の育成を行うとともに、診療に困難を伴う障害のある方等を受け入れる医療機関をホームページで周知しています。また、施設入所者等に対しては、県の巡回歯科診療車により歯科検診や歯科保健指導等を実施しているところです。引き続き障害者歯科を取り巻く環境等も踏まえ、関係団体などと意見交換しながら、障害のある方の口腔の健康保持に向けた環境の整備に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 保健医療担当部長鈴木貴士君。
(説明者鈴木貴士君登壇)
○説明者(鈴木貴士君) 私からは災害時の歯科的支援についての御質問にお答えします。
災害時の避難生活の長期化に伴う口腔内環境の悪化は栄養状態の悪化等、被災者の全身の健康に影響を与える可能性があることから、被災者に対する口腔の管理が重要であると認識しています。そのため県では、千葉県歯科医師会と協定を締結し、傷病者に対する応急処置や避難所等における歯科巡回診療等への協力を依頼しているほか、避難所の運営主体である市町村に対して、災害時の歯科保健に関する研修を実施しているところです。今後とも関係機関の意見を聞きながら協議を重ね、連携強化を図るとともに、災害時における県民への歯科的支援の充実に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 病院局長山崎晋一朗君。
(説明者山崎晋一朗君登壇)
○説明者(山崎晋一朗君) 私からはヘリポートの活用状況についてお答えいたします。
令和5年11月1日に開設した総合救急災害医療センターでは、屋上にヘリポートを新設するとともに、災害時に備え、地上に大型ヘリコプターが利用可能なヘリポートを設置しました。開設から本年8月末までの間、屋上ヘリポートを使用し、ドクターヘリから8名、消防ヘリから6名、計14名の患者を受け入れました。従前の救急医療センターにはヘリポートがなく、隣接地でヘリコプターから救急車へ乗せ替えて患者を搬送していましたが、新病院では屋上ヘリポートからエレベーターで直接搬送できるようになり、処置開始までの時間が短縮され、患者と医療従事者双方の負担軽減につながっております。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 都市整備局長澤宏幸君。
(説明者澤 宏幸君登壇)
○説明者(澤 宏幸君) 私からは江戸川左岸流域下水道についての御質問にお答えします。
江戸川左岸流域下水道の全体計画については、目標年度を令和31年度とし、計画区域や処理人口、汚水量原単位等の見直しを行いました。この見直しにより計画汚水量の減少が見込まれることから、江戸川第一終末処理場の水処理系列数を9系列から8系列に変更し、9系列目を予定していた通称行徳富士と言われる処理場南側には、これまでどおり汚泥再資源化等の施設を配置することとしました。また、終末処理場の名称変更については、下水道についての理解を深めていただくため開催した親子下水道教室の参加者を対象にアンケートを実施したところであり、今後はこの結果を踏まえ、地元の方も参加する委員会等を立ち上げて検討を進めてまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 赤間正明君。
○赤間正明君 御答弁ありがとうございました。特に道の駅いちかわの防災道の駅の選定については、積極的に対応していくと力強い回答をいただき、感謝いたします。
それでは、要望5点、再質問2点でございます。
最初に要望です。
奨学金返還支援制度(奨学金肩代わり)についてです。千葉県で奨学金肩代わりを実施している企業数は34社あるとの最新情報をいただきました。着実に拡大をしております。また、千葉県として、本県の在り方について検討を進めていくと大変前向きな回答をいただきました。
そこで要望いたします。千葉県として、希望があればですけれども、奨学金肩代わりを実施している34社を県のホームページで特集をしていただくなど、応援していただきますよう要望いたします。
次に、押切・湊橋についての要望でございます。新たに造られる機能補償道路の整備に関し、利便性にも配慮していただけるとのこと。また、相談窓口の設置にも前向きな回答をいただきました。そして何より、橋の整備に合わせて無電柱化を検討していただけるとの答弁をいただき、ありがとうございました。
私は、東京都議会の公明党とともに橋梁建設を推進してまいりましたが、この(仮称)押切・湊橋は災害時の帰宅困難者対策や、災害時における緊急輸送路として大きな効果が期待されるからであります。近くにはドクターヘリ2機が離発着可能な広尾防災公園もあり、相乗効果が期待されます。千葉県として、さらなる防災力向上のため、東京都や市川市と連携を強化していただきたい。
そこで要望いたします。県として、東京都や市川市との連携により、(仮称)押切・湊橋を活用した地域防災力向上について検討を進めていただきますよう要望いたします。
パーキングパーミットについての要望でございます。今後、妊産婦の有効期間の延長については、他の自治体の運用状況、市町村等への意見聴取の結果を踏まえて制度の改善を検討するとの回答をいただきました。現在、千葉県を含む28府県では、多胎児を養育する方の有効期間について設定しておりませんけれども、既に15県が設定をしております。本県としても早期に設定していただきたい。
そこで要望いたします。千葉県として、多胎児を養育する方の有効期間を設定していただきますよう要望いたします。
解体事業者の育成、強化についての要望でございます。千葉県の入札参加資格要件で求められる資格の評価対象は1級土木施工管理技士などの国家資格を有する者と御答弁がありました。それだけでは十分ではないと私は思います。災害対策として、解体業の充実強化は大変重要です。千葉県でも、個々の解体事業者の技術能力をぜひ精査していただきたい。そのためにもぜひ埼玉県のように、解体業の唯一の資格であります解体工事施工技士を重視していただきたい。
また、御答弁では、評価対象とするかどうかは国や他県の事例を研究するとのことですが、既に解体工事施工技士の資格の活用については、当該工事に有効なその他の資格がある場合には、資格の内容に応じて評価することも可能とされていますと、国は認めている回答をいただいております。
そこで要望いたします。千葉県として、解体事業の健全な発展のために、入札に際して、解体工事施工技士という業界唯一の資格を評価していただきますよう要望いたします。
江戸川左岸流域下水道についての要望です。江戸川第一終末処理場の敷地南側に汚泥再資源化の施設を配置する計画とのことです。
そこで要望いたします。通称行徳富士に消化ガス発電の導入を要望いたします。
江戸川第二終末処理場の名称変更について、答弁では検討組織を立ち上げて進めるとのことですが、余りにも時間がかかり過ぎております。地域の皆様が期待して待っております。
そこで、江戸川第二終末処理場の名称変更について、アンケートの結果を踏まえ、一日も早く新名称を決めていただきますよう要望いたします。
再質問、2問させていただきます。
最初に、私学助成について。東京都や神奈川県、埼玉県など、県外に住んでいる千葉県内の私立高校に通う生徒に対し、千葉県は県予算で減免を行っております。千葉県が県外の生徒のために拠出している予算額は幾らなのか、お伺いをいたします。
メーターユニットの漏水についてお伺いいたします。今後は分析結果を他の事業体等と共有し、連携してメーターユニットの製造団体等に対し改善を働きかける等、力強い回答をいただきました。できるだけ早く調査結果をまとめ、対策を講じていただきたい。
そこで伺います。高層マンションが次々と建設される中、企業局の財政負担にも限界があります。漏水しないメーターユニットの使用を推進すべきと思うが、どうか。
以上で2回目とさせていただきます。
○議長(瀧田敏幸君) 総務部長高梨みちえ君。
○説明者(高梨みちえ君) 私学助成に関する御質問ですが、授業料減免制度において、県外在住の方へ助成している金額はおよそ1億4,000万円程度と推計しております。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 企業局長三神彰君。
○説明者(三神 彰君) メーターユニットからの漏水についての御質問ですが、漏水が発生した場合には当局のみならず、住民の方々にも漏水の被害や一時的に水が使えなくなるなどの影響が生じることから、現在行っている調査分析結果を踏まえまして、メーターユニットからの漏水がなくなるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 赤間正明君。
○赤間正明君 ありがとうございます。最後に要望を2点させていただきます。
私学助成についてです。授業料減免制度において、県外在住者へ助成している金額はおよそ1億4,000万円程度と推計しているとのことです。
そこで要望いたします。私学助成制度について、県民の保護者負担軽減を最優先とした取組を進めていただくことを要望いたします。
メーターユニットについて要望いたします。現在行っている調査、分析結果を踏まえ、メーターユニットからの漏水がなくなるよう取り組んでいくと回答していただきました。企業局の取組は、他の水道事業体からも注目をされております。千葉県の技術力を総動員し、できるだけ早く対策を講じていただきたい。
そこで要望いたします。企業局として、民間と協働し、千葉県オリジナルのメーターユニットを研究、開発していただきますよう要望いたします。
以上で私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○議長(瀧田敏幸君) 次に、岩井泰憲君。
(岩井泰憲君登壇、拍手)
○岩井泰憲君 印旛郡栄町・印西市選挙区から選出の自由民主党の岩井泰憲でございます。本日、登壇の機会をくださった先輩・同僚議員の皆様方に心より感謝を申し上げたいと思います。
それでは、早速でありますが、質問に移りたいと思います。
まずは、定時制高校についてです。
先日、ある保護者から学校施設の問題についての相談を受け、3部制の定時制高校である松戸南高校を訪問する機会がありました。定時制に通う生徒数は、ピーク時には全国で30万人を超えていましたが、その後減少の一途をたどっており、現在は8万人足らずとのことであります。かつては夜間の時間帯に授業を行うことで昼間の時間帯に働く、いわゆる勤労少年、勤労学生が通う学校とのイメージがあったところでありますが、今は一変していて、中学校時代にいじめの被害を受けていた、また、鬱の症状にあったりするなどして学校に通うことができなかった期間、不登校の経験がある、そんな生徒さんが比較的多く、そうした生徒が学び直しをする場としての意味合いが強くなっているというふうに言います。
複雑な家庭環境にある生徒が多いというのも定時制の特徴であります。保護者よりも多い生徒の収入が家計の大きな支えとなっている。また、精神疾患を抱える保護者の面倒を子供が見なければならないなどは、子が過大な負担を背負うヤングケアラーの側面が否定できず、また家庭内での虐待はもちろん、家族で食卓を囲むことがない家庭環境も子供たちを追い込み、結果、オーバードーズやリストカットなどのトラブルが発生してしまう現実があります。日本語を母語としない生徒の増加も含め、定時制が求められるもの、存在意義は大きく変容しているんです。
そこでお伺いします。定時制高校の意義と入学者の変化について、どのように認識しているか。
また、3部制定時制高校は午前部、午後部、夜間部から成り立っていることから、全日制に比べてタイトなスケジュールとなっており、清掃の時間が取りづらくなっていると聞いています。現に訪れた松戸南高校では、清掃時間を毎日取れているわけではないとのことで、特にトイレなどについては清掃が行き届いておらず、衛生面での不安を強く感じました。
そこでお伺いします。3部制定時制高校では授業時間の確保に窮する結果、清掃時間が十分取れていないことはないか。
次に、医療的ケア児と特別支援学校の受入れ体制についてお伺いをします。
先日、重症心身障害児、医療的ケアのある重症心身障害児を持つ親の会である印西ハーモニーの会を訪ねました。医療的ケアが必要なお子さんを育てるお母さんが、市内に同じような境遇のお子さんや保護者はいるのか。もしいるのなら、お話をしたり情報交換をしたりしたい。自身の経験をほかのお母さんにも役立ててもらえたらと、5年ほど前に立ち上げたのだと言われます。
さて、保護者が吐露する問題の1つは、未就学児が日中過ごす場所の少なさです。いざ外に出ようと思っても行き場がない。児童発達支援の事業所があっても医療的ケア児は断られてしまう。児童発達支援の事業所があったとしても医療的ケア児は断られてしまう。断られなかったとしても、週に1日だけで、しかも午前中のみである。兄弟は連れて行けないため、小さい兄弟がいる家庭は利用できない。結局、日中に過ごすところがなく、家に籠もりがちになってしまうというのです。
そこでお伺いします。医療的ケア児について、就学前や就学後の放課後の支援を充実させるべきと考えるが、どうか。
次に、特別支援学校への通学の困難さについてです。
特別支援学校は学区制がしかれており、例えば印西市民で言えば、知的障害のある子については我孫子特支、肢体不自由のある子については松戸特支に通うのが原則となっています。スクールバスに乗車できる生徒にとって、通学距離や時間の長さはそう大きな問題ではないかもしれませんが、バス乗車がかなわない医療的ケア児の場合には保護者が送迎することとなり、切実な問題となっています。
その点で、医療的ケア児の通学に係る保護者支援モデル事業は、保護者の負担を軽減する通学支援事業として大きな期待が寄せられているところです。しかし、看護師や送迎車の手配を保護者側がしなければならないなど、手続面の煩雑さは否めないところであります。また、印西市の場合、市内にある印旛特支には通えないという現状の学区制度にも疑問の声が上がっています。
そこでお伺いします。医療的ケア児の通学に係る保護者支援モデル事業は看護師の確保など、利用者側の手続の負担が大きいと思うが、どう認識しているか。
また2つ目に、学区外の特別支援学校へ就学を希望する場合、どのように対応しているか。
次に、体験型博物館房総のむらについてお伺いをいたします。
地元である印旛郡栄町にある房総のむらは、県内各地から出土した考古遺物や武家屋敷、商家、農家などの展示を行い、房総の伝統的な生活様式や技術が体験できる県立の博物館です。成田空港に近接し、訪日外国人にとっても日本の伝統を体験できる数少ない施設であり、千葉県を代表する誘客施設として大きな観光資源であると言えます。
一方で、房総のむらには宿泊機能がないことに加え、体験プログラムの受入れ可能人数も限定されていることなどから、成田空港の機能強化に伴う、さらなるインバウンド需要を取り込める施設とはなっておらず、また、地域への経済効果を十分に吸収できるとは言い難い状況にあります。改正博物館法の施行により、地域との連携、協力による文化観光活動、地域活性化への取組が求められるようになりましたが、来館者をより多く呼び寄せるための地域と一体となった取組とまではなっておりません。
そこでお伺いします。
現在の来館者の状況はどうか。また、来館者の増加に向けてどのようなことに取り組んでいくのか。
2つ目に、利用者の利便性向上のため、休館日を月曜日から変更してはどうか。
3つ目に、災害発生時において、地域と連携していくべきと考えるが、どうか。
次に、ケアマネジャーの人材不足についてお伺いします。
県高齢者保健福祉計画によると、平成20年度に17万人弱であった県内の要介護等認定者数は、令和5年度には32万4,000人、令和22年度には42万2,000人にまで増加すると見込まれています。さらに、要介護4から5のいわゆる重度者は令和22年度に9万4,000人にまで上るとされ、ケアマネジャーの確保は喫緊の課題となっているのです。
ケアマネ不足に拍車をかけているのが、平成30年の受験資格の変更です。それまでホームヘルパー経験などでも受けられていたものが、介護福祉士や看護師等で、かつ従事経験5年以上などとハードルが上げられたことで受験者が半減。そもそもケアマネジャーの平均基本給28万70円というのは看護職員や理学療法士とほぼ同額で、これでは専門職の資格を有しながら5年以上の実務経験、そして合格率10%から20%という難関資格試験を経てケアマネジャーになりたいというモチベーションには至りにくいのではないかと考えます。
そこでお伺いします。
1つ目に、ケアマネジャーの高齢化、人材不足の状況についてどのように認識しているか。
2つ目に、ケアマネジャーの離職理由として、更新研修が負担となっているとの声が上がっているが、どのように認識しているか。
次に、公立高校入学者選抜学力検査についてお伺いをします。
昨年2月に実施された令和5年度学力検査において、県立高校120校中で92校、市立高校7校中6校で採点誤りが発覚したことは記憶に新しいところであります。本来合格とすべき受検者を不合格とした事例があったことや、令和4年度以前の入学者選抜学力検査においても多くの採点誤りがあったと推察されたことは極めて深刻であり、昨年9月議会での一般質問でも、この問題を取り上げたところであります。県は採点誤りの再発防止のため、6年度入学者選抜よりマークシートの導入、デジタル採点方式の採用、合否ボーダーライン付近の再点検の実施など、採点作業や合否判定の手続について大幅に見直すとのことでありました。
そこでお伺いします。令和6年度入学者選抜の採点作業は想定どおりに進めることはできたのか。生じた課題についての対策はどうか。
2つ目に、令和6年度入学者選抜よりデジタル採点システムを導入したが、読み取った答案用紙を受検者への情報公開などに活用することはできないのか。
次は、教育における地域格差についてです。
これまで学校教職員が顧問として指導に当たり、日々の練習や休日の大会引率までの業務を担ってきた学校部活動は、休日の活動について地域に移行する方針が示されております。現在は改革推進期間として段階的移行を進めている最中であり、全国から多種多様な取組の報告が上がっているところです。しかし、特に小規模な自治体では、支給できる指導者への手当に限界がある、そもそも地域内で指導できる人材や団体がないなどの問題があり、この状況のまま事業が進められれば、自治体の環境や財政力などによって活動に格差が生じるのではないかとの懸念の声も上がっています。
そこでお伺いします。休日の部活動の地域移行について、指導者への手当等の財政支援を求める声があるが、どうか。
次に、ICT環境の総合整備についてです。
授業用パソコンや児童生徒の1人1台端末の入替えに当たって、児童生徒の端末については、県で一括購入して整備するとのことが示されていますが、教職員が使用する端末については、その枠組みに含まれていません。教職員が授業や業務を円滑に進めていくためには、教職員が使用する端末についてもバージョンアップしていく必要がありますが、自治体の財政状況により、端末の質に差が出てくることになりかねません。
そこでお伺いします。
教職員が使用する指導者用端末の更新費用が小規模自治体の大きな負担となっていないか。
2つ目に、教職員が使用する校務支援ソフトが自治体ごとに異なることに問題はないのか。せめて教育事務所ごとに統一していく必要があるのではないか。
最後に、地域の道路問題などについてお伺いします。
まずは、県道鎌ケ谷本埜線バイパスについてです。
東葛飾地域や千葉ニュータウンと成田空港を結ぶ幹線道路として重要な道路である県道鎌ケ谷本埜線は、印西市萩原から栄町安食までの4.5キロメートルの間でバイパスが整備され、今年3月に開通に至っています。新たに整備されたバイパスは車道と歩道が完全に分離されるなど、走行性や利便性が大きく向上した一方、高速度で通行する車両が多く見受けられ、バイパスの沿線住民からは、高速度で走行する車両に恐怖を感じているとの声も上がっています。
そこでお伺いします。県道鎌ケ谷本埜線バイパスにおける速度取締りの状況はどうか。また、交通環境の安全性向上を図るための対策が必要と考えるが、どうか。
次に、印西市岩戸地先の交差点付近の冠水対策についてです。
県道千葉臼井印西線の印西市岩戸1333付近は周辺の土地よりも低くなっており、雨水が特に集まりやすくなっています。道路には浸透ますなどの冠水対策設備が設けられているものの、大雨時には十分機能しておらず、道路や周辺土地の冠水により市民の生命や財産が脅かされるケースが頻発してきました。これまでも排水溝の整備などの対策が講じられてきたものの、効果は限定的なものであり、より抜本的な対策が求められるところです。
そこでお伺いします。印西市岩戸地先の交差点付近における冠水対策の取組状況はどうか。
次に、印西市竜腹寺の交差点の安全対策についてです。
同交差点は、印西市役所本埜支所の前の道路である印西市道下池三度山線を南方へ進行し、印西市竜腹寺で県道佐倉印西線と交わる十字路交差点です。この交差点から佐倉印西線に出ることで様々な方向に向かうことができるため、本埜地域の住民にとって移動の起点となっています。同所では、昨年1月に死亡事故が発生し、その後も事故が発生していたことから、昨年の9月議会にて、今後の安全対策について質問と要望を行ったところです。その際、県警からは、道路管理者と連携して可能な対策から順次実施していくとの答弁がありましたが、その後の状況はどうなっているのでしょうか。
そこでお伺いします。県道佐倉印西線と印西市道下池三度山線が交わる印西市竜腹寺地先の交差点における安全対策の状況はどうか。
次に、若草大橋延伸線についてです。
県道美浦栄線のルート上にある若草大橋は利根川に架設され、栄町と茨城県利根町を結ぶ延長1.7キロの有料道路です。開通から20年近くが経過するところでありますが、千葉県側の起点である栄町北地区から南への延伸線がないことは、若草大橋の利用が伸び悩む大きな原因となっています。延伸線の結節点としての県道鎌ケ谷本埜線バイパスが開通した中、北総地域の活性化の起爆剤ともなる若草大橋延伸線の早期事業化が強く求められています。
そこでお伺いします。(仮称)若草大橋延伸線の取組状況はどうか。
次は、県立北総花の丘公園にあるカワウ、サギ対策についてです。
県立北総花の丘公園に多く生息するカワウによる環境生活問題については、これまでも取り上げてきたところです。カワウのふんは窒素やリンを含有しているため、公園内の草木を根元から枯らすなど、自然環境に深刻な影響を与えます。公園に隣接する住宅街では、ふんの臭いがひどい、洗濯物を外に干しておけないなどの声が聞かれてきました。近年はそのカワウに加え、営巣時期が異なるサギの生息数も増え、これまでより長い期間、深刻な影響を受ける状況となっています。
そこでお伺いします。県立北総花の丘公園のカワウ、サギによる環境問題について、どのように認識しているか。対策はどうか。
以上で1問目といたします。前向きな答弁をどうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(瀧田敏幸君) 岩井泰憲君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。
(知事熊谷俊人君登壇)
○知事(熊谷俊人君) 自民党の岩井泰憲議員の御質問にお答えいたします。
まず、医療的ケア児と特別支援学校の受入れ体制についてお答えをいたします。
医療的ケア児への支援についての御質問ですが、専門的な支援を必要とする医療的ケア児が健やかに成長し、安心して暮らすことのできる地域づくりを進めるため、医療的ケア児の支援体制のさらなる充実が必要と認識をしています。そのため県では、保育所や放課後児童クラブ等に看護師等専門的知識を有する職員を配置した場合の人件費に対する補助を行うとともに、障害児・者施設の整備方針において、医療的ケア児を受け入れる放課後等デイサービス等に対し優先的に補助することとし、整備を促しているところです。加えて医療的ケア児等支援センターにおいて保育士や看護師の研修を実施するなど、支援人材の確保、育成を図っているところであり、引き続き医療的ケア児の支援体制の充実に努めてまいります。
次に、ケアマネジャーの人材不足についてお答えいたします。
ケアマネジャーの高齢化等の状況についての御質問ですが、本年7月末時点でケアマネジャーの業務に従事できる方は県内に約1万800人おり、そのうち60歳以上の方が約3,200人で3割を占めるなど、年齢層は高い状況となっています。また、今年度、県が居宅介護支援事業所を対象に行ったアンケートによれば、回答のあった約880事業所のうち、半数近くの事業所がケアマネジャーが不足していると回答しているところです。今後、県内の要介護等認定者の数は急速に増加することが見込まれており、介護を必要とする人を適切なサービスにつなげるケアマネジャーの必要性がますます高まることから、引き続き人材確保に努めてまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
○議長(瀧田敏幸君) 教育長冨塚昌子君。
(説明者冨塚昌子君登壇)
○説明者(冨塚昌子君) 初めに、定時制高校の意義と入学者の変化についての御質問ですが、定時制高校は、昼間に働いて夜間に学ぶ勤労青少年の学習の場として大きな役割を果たしてきましたが、近年、勤労青少年が減る一方で、不登校経験がある生徒や日本語を母語としない生徒など、多様な入学動機や学習歴を持つ生徒が増えている状況にあります。こうした背景から、昼間の定時制高校へのニーズが高まり、午前部や午後部のある3部制定時制高校の入学者が増えています。また、4年間を基本とする卒業までの期間についても、1日に学ぶ科目を多くすることで、およそ3割の生徒が3年間で卒業しています。県教育委員会としては、引き続き定時制高校が持つ学びのセーフティーネットとしての役割を担保し、多様な学習ニーズや生活スタイルに対応した柔軟な学びを提供してまいります。
3部制定時制高校の清掃時間についての御質問ですが、学校における清掃は、自己の役割を自覚して他者と協働することの意義を理解し、社会の一員として役割を果たすために必要となる教育活動であると認識しております。3部制定時制高校においても、生徒たちが教室やトイレなどを掃除する時間を各校が日課に設定し、清掃活動に取り組んでいます。県教育委員会においては、適切な清掃時間が確保できていない学校を把握した際には清掃時間の設定の見直しや実施方法の工夫、改善を求めてまいります。
次に、医療的ケア児の通学支援モデル事業についての御質問ですが、当該モデル事業では、先行している自治体の実施方法を参考に、通学に付き添う看護師などの事業者を保護者が選定し、県教育委員会が契約することとしています。ふだんから関わりのある事業者を利用することで、医療的ケア児が安心して通学できるものと認識しております。一方で、保護者の中には事業者の確保や手続が難しいとの声もあることから、県教育委員会としては、改めて事業者に対し通学支援の意義を丁寧に説明し、協力事業者を増やすとともに手続の簡素化など、より利用しやすい事業となるよう検討してまいります。
学区外の特別支援学校への就学についての御質問ですが、特別支援学校の通学区域については、各学校の所在地や規模、地域の児童生徒数を踏まえ市町村教育委員会等から意見を聞き取った上で決定しています。原則としては、各児童生徒の居住地により決められた通学区域内の特別支援学校へ就学することとしていますが、重度重複障害等により、緊急搬送する病院の所在地や本人の通学の負担を考慮する必要がある場合は学区外への就学を認める事例があります。こうした特別な事情がある場合は居住地の市町村教育委員会への就学相談後、学校見学や体験入学を行い、本人、保護者の意向を十分に踏まえて学校を指定するなど、丁寧な対応に努めております。
次に、公立高校入学者選抜の採点作業についての御質問ですが、令和6年度入学者選抜ではマークシートやデジタル採点システムを導入するとともに、高等学校に対し、採点、点検のための臨時休業日の追加を認めるなどの改善を図りました。各学校では、新システムに係る研修会を複数回実施するなど準備を重ね、入学許可候補者の発表まで予定どおり実施することができましたが、答案用紙の読み取り機の台数が不足し、2校に1台程度の配置であったことから採点業務に遅れが生じたところもありました。今後も各学校から聞き取った課題を踏まえて採点に係る機器の整備や採点マニュアルの見直しに努めるなど、受検者が安心して入学者選抜に臨める体制を整えてまいります。
読み取った答案用紙の情報公開についての御質問ですが、これまで学力検査において、受検者から答案の開示請求があった場合、個人情報の保護に関する法律に基づいて、各学校で採点した答案用紙を複写して開示していました。令和6年度入学者選抜からは、デジタル採点システムのデータを活用して読み取った答案用紙のデータを直接出力することで学校職員の複写作業が不要となったほか、設問ごとの採点結果が一覧で表示され、より分かりやすい開示内容となりました。
次に、部活動の地域移行に関する財政支援についての御質問ですが、休日の部活動地域移行については、国が令和7年度末までを改革推進期間としており、その間、国の財源を基にした実証事業により、市町村に対して指導者への手当等も含めた財政支援を行っているところです。県としては、国に対し、地域移行により生徒が負担する費用が高額とならないよう、受皿となる団体に十分な支援を講じることや、経済的な困窮家庭に全額を支援することなどを重点的に要望しています。今後とも令和8年度以降の国の動向について情報の把握に努めながら、他の自治体とも連携して、引き続き国へ要望してまいります。
教職員が使用する指導者用端末の費用負担についての御質問ですが、指導者用端末の整備更新については、文部科学省が平成30年度に策定した計画に基づき、授業を担任する教員1人につき1台分の経費が令和6年度まで地方交付税措置されているところです。端末の更新は計画的に続けていく必要があるため、自治体間で差が生じることのないよう、指導者用端末も含むICT環境の総合的な整備費用について、令和7年度以降も継続して地方交付税措置されることを引き続き国に対して要望してまいります。
最後に、教職員が使用する校務支援ソフトについての御質問ですが、教職員が児童生徒の成績や出欠等の管理を行うために使用する校務支援ソフトは各市町村が独自に導入しており、文部科学省が令和4年度に実施した調査によると、県内97.9%の小中学校において使用されています。校務支援ソフトの共通化は教職員の負担軽減につながるものと考えられますが、各市町村における導入時期や機能の違いなど様々な点で調整が必要なことから、現在、国において共通化を支援するための対策について検討されていると聞いております。県教育委員会としては、引き続き国の動向を注視するとともに、市町村の意見も踏まえながら校務支援ソフトの共通化について研究してまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) スポーツ・文化局長板倉由妃子君。
(説明者板倉由妃子君登壇)
○説明者(板倉由妃子君) 私からは体験型博物館房総のむらについてお答えいたします。
初めに、房総のむらの来館者の状況と増加に向けた取組についての御質問ですが、房総のむらの来館者は、平成30年度の約25万3,000人と比べ令和5年度は約15万8,000人となっており、コロナの影響で減少した来館者が戻らないことが課題であると認識しています。そのため、今年度は千葉県誕生150周年記念事業において、栄町と連携し、館内にある国指定重要文化財の旧学習院初等科正堂を活用したライブ、地元の伝説を題材としたミュージカルやドローンによる光のパフォーマンスに取り組んだところです。また、4月からは古代衣装や甲冑の試着体験など、昨年度に比べ体験講座のメニュー数を20種類以上増やしたほか、今年度中に来館者の利便性向上を図る電動カートを導入するなど、引き続き地元自治体をはじめ関係機関とも連携しながら来館者を増加させる取組を進め、地域の活性化を図ってまいります。
次に、房総のむらの休館日についての御質問ですが、昨今、遠方から週末に訪れる観光客のニーズなどに対応するため、月曜日に開館する博物館もあることは承知しています。県としては、来館者や観光事業者、学校等のニーズの把握を進め、より多くの方々に利用していただけるよう検討を行ってまいります。
最後に、房総のむらにおける災害発生時の地域連携に関する御質問ですが、災害時に房総のむらが避難先となることは、来館者だけでなく、周辺地域の方々にとっても有益であると考えています。現在、栄町から、大規模な災害時の避難先として房総のむらの施設の一部や駐車場を活用したいとの要望があることから、災害時の利用に係る協定締結に向け協議を行っているところです。引き続き栄町と連絡を密に取りながら、災害時に適切に対応することができるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。
(説明者岡田慎太郎君登壇)
○説明者(岡田慎太郎君) ケアマネジャーの更新研修の負担についての御質問ですが、ケアマネジャーの更新研修は、国の基準により研修時間数や内容が定められており、ケアマネジャーとしての資質の向上を図るため、5年ごとに受講することが必要とされています。昨年度、ケアマネジャーの有資格者で実務に従事していない、いわゆる潜在ケアマネジャーのうち3,000人を対象に県が行ったアンケートでは、更新研修を受講しない理由として、受講時間の確保が負担との回答が最も多く、全体の約4割を占めるほか、受講にかかる費用が負担との回答もありました。県では、研修の質を確保しつつ受講にかかる負担軽減を図るため、平成28年度から有識者や実務経験者で構成される委員会を設置し、より効率的かつ効果的な研修となるよう随時見直すとともに、オンラインの活用に取り組んできたところであり、引き続きこうした取組の充実に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 警察本部長宮沢忠孝君。
(説明者宮沢忠孝君登壇)
○説明者(宮沢忠孝君) 私からは道路に関わる問題についてお答えいたします。
まず、県道鎌ケ谷本埜線バイパスに関する御質問ですが、県警では、令和6年8月末までに県道鎌ケ谷本埜線バイパス上で可搬式オービスによる速度取締りを計5回実施しました。引き続き著しい速度超過などの悪質性、危険性、迷惑性の高い違反への交通指導取締りを推進してまいります。また、交通環境の安全性向上に対しては道路管理者と連携し、当該路線の交通状況に応じた必要な安全対策を検討していくこととしております。
次に、印西市竜腹寺地先の交差点の安全対策に関する御質問ですが、御指摘の交差点については、道路管理者とともに、事故防止に向けた安全対策について検討し、これまで一時停止規制の履行を促す路面標示の設置や注意喚起看板の設置などの対策を順次実施してきたところです。対策後の状況として、昨年5月の人身事故発生以来、本年8月末現在までに人身事故は発生していないところであり、県警では、引き続き同所の交通状況に応じた必要な安全対策を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 県土整備部長四童子隆君。
(説明者四童子隆君登壇)
○説明者(四童子隆君) 私からは、まず、印西市岩戸地先の冠水対策の取組状況についての御質問にお答えします。
県道千葉臼井印西線の印西市岩戸地先の交差点付近では、地形的に低くなっていることなどから、大雨の際に道路冠水が発生しやすい状態となっております。このため冠水対策につきましては、現道の排水能力を高めるため、バイパスの交差点改良工事に先行して側溝の改修に必要な設計を実施しているところです。現在、流末排水を印西市が管理する排水路に接続するための協議を行っており、県としては、早期に側溝の改修工事に着手できるよう取り組んでまいります。
次に、(仮称)若草大橋延伸線についての御質問ですが、北総地域と茨城県南部を結ぶ若草大橋の整備効果をさらに高めるため、同橋南側に新たな道路を延伸することは重要であると考えております。県では、道路計画の具体化に向けて(仮称)若草大橋延伸線協議会を設置しており、先月20日には下部組織であるワーキンググループの第2回会議を開催し、概略ルート・構造などの検討の流れを示すとともに、地域とのコミュニケーションの進め方などについて意見交換を行ったところです。引き続き地元印西市、栄町と連携し、早期に計画の具体化が図られるよう取り組んでまいります。
次に、北総花の丘公園のカワウ、サギ対策についての御質問ですが、公園内にある戸神川防災調節池周辺の樹木に多くのカワウやサギがそれぞれの繁殖期に営巣しており、そのふん被害の改善について近隣住民から要望いただいているところです。そのため県では、専門家の意見を聞いた上で有効な対策を模索するとともに、現時点で営巣の抑制に最も効果的と考えられる住宅地近隣の樹木伐採を進めており、本年度は約80本の伐採を実施したところです。今後もカワウやサギの生息状況や周辺環境への影響を注視しながら対策を進めてまいります。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 岩井泰憲君。
○岩井泰憲君 御答弁ありがとうございました。それでは、再質問及び要望を申し上げてまいりたいと思います。
まずは定時制高校についてです。
県教育委員会では、県立高校への空調整備に取り組んでいるとのことで、令和元年度までに完了させた普通教室に加え、令和2年度から職員室の管理諸室、そして令和5年度からは熱中症リスクの高い特別教室についての整備を開始しているというふうに聞いております。しかしながら、県立高校の特別教室の空調は多くの学校で、今現在、保護者設置による空調が既に整備されているその一方で、定時制など一部の高校では、いまだに整備されていない状況にあります。近年の異常な猛暑の中、学校においては大変厳しい環境で授業を行っているわけでありまして、まず整備を始めた熱中症リスクの高い特別教室への空調整備を着実に進める必要があるわけであります。
そこでお伺いします。定時制高校において、熱中症リスクの高い特別教室への空調設備はいつまでに完了するのか。
次に、医療的ケア児と特別支援学校の受入れ体制についてです。
先ほど触れた医療的ケア児の親の会では様々なお話を聞いてまいりました。外へ出ようと思っても行き場がないだとか、日中過ごすところがないというふうにお話ししたばかりでありますが、ほかにも、特支の選択については学区が決まっていると言われるだけで、本人の状況や家族、兄弟のことなど考えてもらえない。学区内であれば、家からどんなに時間がかかっても、その点は考慮してもらえないのに、学区外の学校を希望すると、今度は家からの距離についてばかり言われる。就学後、通える放課後デイがない。先ほどもありましたけれども、未就学児のときと一緒で、医療的ケアがあるということで受け入れてもらうことができない。家族や自分自身の急な体調不良などで面倒を見られないときなどの緊急時の日中一時支援、短期入所がなく、あったとしても予約を取ることができない。未就学の時期も就学してからも親が面倒を見るしかなく、働きたいが働けず、社会から取り残されていく気持ちになる。みんなこれ、保護者の方々から聞いた直接のお言葉です。
令和3年に施行となったいわゆる医療的ケア児支援法では、医療的ケア児や家族への支援についての国、地方公共団体等の責務を明らかにし、医療的ケア児の健やかな成長はもちろん、その家族の離職の防止を図るよう、これも明記されています。まずは、こうした家族の声にしっかり耳を傾け、安心して子供を産み育てることができる社会の実現、ぜひ果たしてもらいたいと思うところであります。
その上ででありますが、我孫子特支の見学会で、医療的ケア児が教室の後ろに敷かれたマットに寝かされておくような対応がなされると、保護者の方々から懸念の声が上がっています。主に同校は知的障害の子が通う学校でありまして、万が一にも医療的ケア児とトラブルが発生することがないかと心配されたことは、これは当然のことと考えます。
そこで、我孫子特支の見学会で医療的ケア児がマットに寝かされることについて、改善するよう要望したいと思います。
次に、保護者支援モデル事業についてですが、今回は障害種別が肢体不自由である特支5校がモデル校となっており、先ほどお話しした印西ハーモニーの会のお子さんが通う、または通うことになるだろう松戸特支も、そのうちの1校に含まれております。
繰り返しになりますが、保護者にとっては、看護師の手配など手続面でのハードルが高い、使い勝手がよくないというのが率直な反応です。ただ、それでも、この制度で送迎負担が軽減されるのは本当にありがたく、保護者支援モデル事業が潰れてしまうことがないよう、保護者の皆様方がみんなで使っていかなければならないと言い合っているんだそうです。それだけ当事者にとって、医療的ケア児の送迎が切実な課題であるということをしっかり分かってもらいたいと思います。
そこで保護者支援モデル事業について、より使いやすい制度に改善し、送迎の負担軽減に貢献するよう要望したいと思います。
次に、ケアマネジャーの人材不足についてです。
潜在ケアマネジャーを対象としたアンケートでは、更新研修を受講しない理由として、受講時間の確保が負担、研修の受講が経済的に負担などが上位に上がっています。この研修費用は都道府県ごとにばらばらでありまして、関東1都5県で最も安い茨城県で5万円、最も高い埼玉県で7万5,000円といった具合でありますが、その埼玉県では2万円の補助制度があるため、実質5万円ほどであります。東京都に至っては、5万8,000円の研修費用のうちの4分の3、公費負担する制度があると聞いております。もちろん潤沢な財源に恵まれた東京都と比較するのは無理がある、これは承知しておりますが、ケアマネジャーの確保策の一環として、更新研修費用の補助について、これは取り組んでいくべき課題であるというふうに思います。
そこで、ケアマネジャーの更新研修手数料について、県として補助制度を創設するよう要望したいと思います。
公立高校入学者選抜学力検査についてでありますが、6年度入学者選抜では、導入した答案用紙の読み取り機器が不足し、機材を学校間で移動するなど、やりくりしたため、採点業務の遅れが発生していたとのことでありました。社会情勢の影響を受け、読み取り機器を予定どおりに確保できなかったとのことであるようですが、7年度選抜では現場に負担がかからないよう、万全の体制で臨めるようにしてもらいたいと思います。
一方、5年度選抜の採点誤りを受け、6年度選抜ではこれまで以上に、自身の答案についての情報公開請求数が多かったというふうに聞いております。採点誤り防止の最大の対策は、採点された答案を受検者自身が確認することであります。6年度選抜からは全受検生の答案がデジタルコピーされるようになっており、鍵をつけた上で、ネット上で採点答案を公開することも可能になってきているという、難しくなくなったわけであります。
そこで、公立高校入学者選抜学力検査において、受検者に答案の写しをネットを利用して返却するよう要望したいと思います。
次に、道路、公園等に関わる問題についてです。
まず、竜腹寺地先の交差点における安全対策についてです。印西市内は人口増加や物流、商業施設の進出により、当該県道の交通量も増加傾向にあると聞いております。本埜地区の住民をはじめ、多くの市民が利用する重要な交差点であり、さらなる対策の実施を求めたいと思います。
そこで、竜腹寺の交差点の安全確保に向け、引き続き信号機の設置も1つの選択肢として、必要な安全対策を検討することを要望します。
次に、西の原公園南の丁字路交差点の安全対策についてです。印西市西の原1丁目にある西の原公園の南側には、信号機のない丁字路交差点で、今年6月に自転車で横断歩道を横断しようとしていた中学生が被害者となる重症事故が発生しています。当該交差点は地元の小学校の通学路ともなっており、通学時間帯には小中学生も多く利用していることから、今後さらなる重大事故が発生する前に安全対策を講じていく必要があります。
そこで、印西市西の原公園南の丁字路交差点の安全対策について要望します。
さらに、ローソン印西岩戸店前交差点の安全対策についてです。この印西市岩戸にあるローソン印西岩戸店の前には、県道千葉臼井印西線と市道が交わる十字路交差点があります。当該交差点に信号はなく、市道側に一時停止規制が実施されていますが、市道からこの交差点に入るには左右の見通しが著しく悪く、事故の危険性が高いことから安全対策が必要であると考えます。
そこで、ローソン印西岩戸店前交差点の安全対策について要望したいと思います。
以上で2回目となります。よろしくお願いをいたします。
○議長(瀧田敏幸君) 教育長冨塚昌子君。
○説明者(冨塚昌子君) 高等学校の特別教室への空調整備に関する御質問ですが、定時制高校も含め、熱中症リスクの高い特別教室への整備は、大規模改修工事で実施する学校以外は令和10年度までに完了する見込みです。
以上でございます。
○議長(瀧田敏幸君) 岩井泰憲君。
○岩井泰憲君 御答弁ありがとうございました。定時制高校についてですが、熱中症リスクの高い特別教室へのエアコン整備について、原則として令和10年度までに整備を完了させるとのことです。ぜひ一刻も早く、指摘したような状態を改善させてもらいたいと思います。
先ほども述べたように、定時制高校は経済的に困窮した生徒の世帯がやっぱり比較的多い。他校のように保護者負担によるエアコン設置、これ、ままならない現状、実態があるわけです。全日制は県内で118校ありますが、118校のうち7割に相当する82校で特別教室、保護者負担によりエアコンが既に整備されています。一方で、唯一の純然たる3部制定時制高校、これ、1校しかなくて松戸南高校なんですが、先ほど言ったように、つまりは保護者が負担するような経済的な余力がない、そのような実態の中でエアコンは整備されていないんです。熱中症リスクの高い特別教室へのエアコン整備については定時制高校など、これまでの保護者負担によるエアコン整備ができなかった経緯を踏まえながら、配慮を持って対応するよう要望したいと思います。
定時制高校、日本語を母語としない生徒、また様々な事情からオーバードーズ、リストカットなどのトラブルに発展してしまう生徒さんもいるとお話ししました。でも、現場の先生方の負担は想像に難くない中で、事情を知りながら志願して異動してきた先生もいて、皆、親身に対応されているということは本当に頼もしいところであります。そうした先生方の御尽力に重ねて敬意を申し上げまして、一般質問を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○議長(瀧田敏幸君) 暫時休憩します。
午前11時41分休憩
午後1時0分開議
○副議長(實川 隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により入江晶子君。
(入江晶子君登壇、拍手)
○入江晶子君 皆様、こんにちは。佐倉市・酒々井町選出、立憲民主党の入江晶子です。今日は傍聴においでいただき、ありがとうございます。
それでは、通告に従い、早速質問に入ります。
人獣共通感染症対策、ワンヘルスについてです。
人に感染症を引き起こす微生物は、現在確認されているものだけで1,400種以上あり、このうちの約60%が人と動物双方に感染する人獣共通感染症を引き起こすとされています。新型コロナ感染症をはじめ新興感染症の約75%は人獣共通感染症であり、時に爆発的に伝播し、大流行して人に甚大な危害を及ぼします。これらは人口増加、森林開発や農地化等に伴う生態系の破壊や、気候変動等による人と動物との関係性の変化により、もともと野生生物が持っていた病原体が様々なプロセスを経て人にも感染するようになったとされています。
例えばコロナウイルスが原因となる人獣共通感染症のうち、SARSについてはコウモリ等の野生動物が保有していたウイルスが、また、MERSについてはヒトコブラクダに風邪症状を引き起こすウイルスがそれぞれ人に感染するようになったと言われており、重症肺炎を引き起こしています。新興感染症は多くの人が免疫を持たず、治療法が確立されておらず、新型コロナウイルス感染症のようにパンデミックを引き起こす可能性があります。様々な分野にわたる問題が要因とされている人獣共通感染症ですが、人と動物の健康と環境の健全性は1つと考えるワンヘルスの理念に基づく対応が世界的に広がっています。
議長のお許しを得て、資料を机上配付させていただきました。御覧のとおり、日本でも2016年に開かれた国際会議において福岡宣言が採択され、令和2年12月、福岡県議会において、ワンヘルスの推進を掲げた条例が議員提案により制定されました。今年7月末、福岡県を訪ね、同県ワンヘルス推進行動計画に位置づけられた多岐にわたる部局の事業や予算措置等について学んできました。全国初の条例制定とのことですが、他県からも視察調査があるとのことです。
そこで2点お伺いします。
1つ、家畜や野鳥における人獣共通感染症の発生状況はどうか。また、発生を予防するため、どのような対策を講じているのか。
2つ、人獣共通感染症に対するワンヘルスアプローチという考え方に関する県の認識はどうか。また、県は人獣共通感染症に対してどのように取り組んでいるのか。
次に、成田空港機能強化に伴う地域づくりについてです。
成田国際空港株式会社によれば、2028年度末に予定されている成田空港の機能強化、年間発着回数50万回時に期待される効果として、旅客者数は現在の約2倍の7,500万人、貨物取扱量は約1.5倍の300万トン、空港内従業員数は約2倍の7万人という数字が示されております。地元佐倉においても、この拡張を地域活性化の絶好の機会と捉え、今年4月から企画政策部内に企業誘致・公民連携推進室を設置し、取組を強化しています。課題として、機能拡張を支える人材の確保、基盤となる人、物の移動や就業者の居住空間等の充実が挙げられています。いずれも千葉県や近隣自治体との広域連携による取組が重要です。
一方、空港周辺9市町、成田、富里、香取、山武、栄、神崎、多古、芝山、横芝光においては、成田空港周辺の地域づくりに関する実施プランに基づく事業が進められていますが、この対象に佐倉、酒々井、四街道や白井等は入っていません。そのため、対象外となっている自治体や連合千葉からは、印旛地域全体にその効果を広げてほしい。千葉県総合計画において、成田空港を擁するエリアとしている印旛地域全体を企業誘致の推進や空港関連の雇用促進の受皿として活用できるようにしてほしいとの要望が出されています。特に空港内で働く従業員の居住地の確保や産業地区整備などには、市町村をまたがっての地域づくりが不可欠となります。
そこでお伺いします。成田空港の機能強化に伴う効果を印旛地域全体の活性化につなげていく必要があるが、県として今後どのように取り組んでいくのか。
次に、博物館行政についてです。
令和2年9月に示された千葉県立博物館の今後の在り方に沿って、中央博物館を知の創造拠点として機能強化を図り、地域史と特定テーマを扱う4館については、地元での利活用が模索されています。今年3月には県立中央博物館みらい計画が策定され、地域振興やデジタル技術の活用も進められるとのことです。
また、今年4月には、佐倉市にある歴博、国立歴史民俗博物館と千葉県が包括連携協定を結びました。歴博においては、平成28年2月に佐倉市と連携協定を締結して以来、小中学生の教育や生涯学習の充実など、佐倉の魅力である歴史、文化を生かした事業を連携して行っています。このたび新たに千葉県との連携が強化されることにより、さらなる相乗効果が生まれるのではないかと大きな期待を寄せているところです。
一方、県内には38の登録博物館を含め、およそ100以上の博物館があり、様々な魅力と特徴を有しています。県立博物館と各館が連携を深め、千葉県の文化振興や地域の魅力発信に向けて、より一層取り組んでいただきたいと思います。
そこでお伺いします。県は、国立歴史民俗博物館を含む県内博物館等との連携をどのように進めていくのか。
次に、プレコンセプションケアについてです。
プレコンセプションとは、妊娠前からの体と心、性の健康へのケアという意味があります。特に若い世代が妊娠の計画の有無にかかわらず、早い段階から妊娠、出産の知識を持ち、自分たちの生活や健康に向き合うことが大切です。この問題について、私は令和4年6月議会代表質問で取り上げたところですが、認知度はまだ低い状態です。
一方、福岡県では今年4月30日、全国初となるプレコンセプションケアセンターを開設し、性と健康に関する正しい知識の発信や相談対応を一体的に行っています。今年7月、同センターを訪問し、事業を委託されている福岡県助産師会の佐藤香代会長、福岡県子育て支援課長をはじめ、多くの関係者の方々から設立の経緯や取組状況などについて詳しくお話を伺ってきました。相談事業については、電話や来所面談、メールやLINE相談と多くのツールを活用していることから、開設から3か月足らずにもかかわらず相談件数も多く、妊活中や妊娠を考えていない人から、また男性不妊に関する相談もあるなど、ニーズの高さが見られました。また、お配りした資料にあるとおり、大学における出前講座や養護教諭を対象とした研修会等々、積極的に取り組まれています。県担当課のボトムアップの政策が知事の決断を促し、県助産師会の熱意ですばらしい事業展開に結びついていることに感動いたしました。
近年、出産年齢の高齢化や過度なダイエットなどによる妊娠・出産リスク上昇の一方、若年者の望まない妊娠の増加などが社会課題となっています。千葉県としても、この問題に対し、縦割りではなく一体的に取り組んでいただきたいと思います。
そこでお伺いします。県として、プレコンセプションケアセンターを設置し、積極的に取り組む必要があると考えるが、どうか。
次に、特定妊婦等への支援についてです。
令和5年9月、国が公表したこども虐待による死亡事例等の検証結果等によれば、死亡時点の子供の年齢は、心中以外の虐待死ではゼロ歳児が48%、月齢ゼロか月児が25%と、最も多くなっています。実母が妊娠期、周産期に抱えていた問題として、予期しない妊娠、計画していない妊娠が32%で最も多く、妊婦健康診査未受診も28%となっています。背景には、妊娠したことを身近な家族やパートナーに相談できない関係性、妊娠に気がついても受診をためらうなど、経済的な問題もあります。このように、様々な困難を抱える特定妊婦等への支援は急務です。
県内の要保護児童対策地域協議会における特定妊婦の登録数は、例年200件を超える程度。県が令和元年から始めたにんしんSOSちばにおける相談対応件数は、例年1,500件から2,000件弱で推移しています。昨年は633人の相談があり、その7割以上が29歳以下で、10代は3割を超え、215人でした。特定妊婦と行政が把握している数は氷山の一角とも言われ、母子保健と児童福祉分野のはざまにあって、必要な支援が届きづらい存在です。
そのような中、今年度、こども家庭庁は妊産婦等生活援助事業を創設し、特定妊婦等が安心して生活できる居住の場の提供、日常生活の支援や養育に関する相談、助言、自立に向けての伴走型支援が法定化されました。
そこでお伺いします。特定妊婦等の支援に当たって、県として妊産婦等生活援助事業を早期に実施すべきと思うが、どうか。
また、特定妊婦等への支援を行う上で、市町村をはじめとする関係機関等との連絡調整が重要であり、その機能を担うことが期待されているこども家庭センターの設置が進められているところです。
そこでお伺いします。県内市町村におけるこども家庭センターの設置状況はどうか。また、設置促進に向けて、県はどのように支援していくのか。
次に、こどもホスピスについてです。
小児慢性特定疾病を持つ子供は全国に約11万人、そのうち小児がんなど、生命を脅かす状態にあるLTC(Life-Threatening Conditions)と言われる子供の数は推定2万人とされています。しかし、その正確な人数や集計方法が明確に定義されておらず、LTCの子供と家族への政策や支援が遅れています。こどもホスピスは小児緩和ケアを提供する場の1つですが、従前の緩和ケアが持っていた治療を諦め、死を受容するというイメージから、QOLの向上を目指し、豊かな生を積極的に支えるという概念への転換が起きています。
国内では、2012年、大阪市の病院内に初めてこどもホスピスが開設され、その後、名称や支援の形態にかかわらず、病気と闘う子供たちが安心して過ごせる環境をサポートする取組も各地で広がりを見せています。国においても、令和3年4月、子供・若者育成支援推進大綱において、いわゆるこどもホスピスに関する調査検討の必要性が示され、ようやく動き始めました。今年4月に公表された調査研究報告書によれば、LTCの子供の成長や発達を地域で支援する体制は十分とは言えず、家族が心理的に孤立してしまうことも課題となっています。
そこでお伺いします。いわゆるこどもホスピスについて、県内の動きはどうか。また、県として今後どのように取り組んでいくのか。
千葉県こども病院は小児がん連携病院に指定されています。さきの国の報告書では、LTCの子供へのケア、支援について、小児がん連携病院では、子供、親、きょうだい児の心理的苦痛の緩和について課題を感じている割合が特に高い、医療施設以外で地域型のこどもホスピスや患者家族滞在施設との連携が必要と考えている割合が高いとの分析がなされています。医療では治療や症状管理、みとりに主眼が置かれ、子供の生きる時間を充実させることは後回しになりがちです。
そこでお伺いします。千葉県こども病院において、LTCの子供へのケアや支援をどのような体制で行っているのか。
次に、農地の保全活用と担い手の確保についてです。
直近の農林業センサスによれば、令和2年、本県の基幹的農業従事者数は5万328人、平成17年に比べて43%減少、65歳以上が占める割合は67%と15ポイント増加し、就業者数の減少と高齢化に歯止めがかかりません。一方、農業の基盤となる耕地面積は12万3,500ヘクタール、作付延べ面積は11万ヘクタール、耕地利用率も89%と減少傾向にあります。
実際、私の地元佐倉市内でも、後継者不在で耕作されなかった農地をどうしたらよいのか、荒廃農地となっても支払う義務がある土地改良区の賦課金を子や孫の代まで負担させるのは納得がいかない等々、お伺いしているところです。令和7年度が最終年度となる千葉県農林水産業振興計画では、数多くの成果目標や達成指標が掲げられています。今回は農業の基盤となる農地の保全活用と担い手確保の観点から質問いたします。
初めに、新規就農者については、令和7年度の目標数年間450人に対し、過去5年間で平均約330人にとどまっており、その約6割が他業種など、農家以外からの新規参入とのことです。
そこでお伺いします。新規就農者を確保するため、さらなる取組が必要だが、どうか。
次に、農地の集積・集約化の取組についてです。
御承知のとおり、農地の集積とは、農地を所有したり借り入れたりすることで利用する農地面積を拡大し、担い手に農地の所有権や耕作権を集中させることを意味します。一方、農地の集約化とは、農地の利用権を交換するなどして点在する耕作地をまとめ、効率化を図る目的があります。これらの取組を通じて高齢化や担い手不足、耕作放棄地の解消につなげようとするものです。
そこでお伺いします。担い手への農地中間管理機構を通じた農地の集積・集約化の取組状況と課題はどうか。
最後に、日本語指導が必要な児童生徒に対する教育環境の整備についてです。
県内に暮らす外国人の増加に伴い、日本語指導が必要な外国人児童生徒は年々増加しています。今年8月、文科省から令和5年度日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査の結果概要が公表されました。今回の質問に当たり、私は政務調査を通じて千葉県内の市町村のデータを入手し、資料を作成いたしました。今回は、市町村教育委員会が所管する小中義務教育学校における状況に絞っています。
特筆すべきは、資料1を御覧になっていただければと思いますが、2年前と比較して、対象の児童生徒数が小中学校合わせて2,951人、約1.5倍となっていることです。主な使用言語は約40、市町村における在籍数は表3のとおりです。資料裏面の表4は、県内市町村における担当教員の配置状況、表5は各市町村による独自施策の一覧になります。
今回の調査のきっかけとなったのは、地元佐倉市を含む印旛管内の小中学校に勤務する教員の方々からのお話でした。日本語指導が必要な児童生徒が増加する学校現場では、指導体制や教育環境が十分に整っていないこと、全く日本語が分からない状態で転入してくるケースもあり、対応に苦慮していること、様々な御苦労があると伺っています。県教育委員会が県内の学校現場の実態を把握し、速やかな対応を取る必要があると考えます。
そこで2点お伺いします。
1つ、県内の小中学校における日本語指導担当教員の配置状況はどうか。担当教員の確保に向けて、どのように取り組んでいるのか。
1つ、各市町村教育委員会における日本語指導の取組状況はどうか。また、県教育委員会として、どのように支援していくのか。
以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
○副議長(實川 隆君) 入江晶子君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。
(知事熊谷俊人君登壇)
○知事(熊谷俊人君) 立憲民主党の入江晶子議員の御質問にお答えをいたします。
まず、成田空港の機能強化に伴う地域活性化の取組についての御質問にお答えをいたします。
成田空港では第3滑走路の新設など、さらなる機能強化に伴い、様々な業種で雇用が生まれ、空港内の従業員は現在の4万人から約7万人まで増加すると見込まれます。こうした中、空港を支える人材を地域から輩出し地域活性化につなげるため、県では航空関連企業等へのヒアリングなどにより人材ニーズの把握を行うとともに、成田空港活用協議会や空港会社が印旛地域をはじめ県内各地において、小学生の空港見学会から就職希望者の合同企業説明会まで幅広い取組を実施しています。また、印旛地域では、地域振興事務所と管内各市町が連携をし、空港の機能強化の効果を取り込み、地域の活性化につなげられるよう研究を進めていくこととしており、今後も地域の発展に向けて取り組んでまいります。
次に、博物館行政についてお答えをいたします。
県と県内博物館等との連携についての御質問ですが、県では県内博物館と連携し、千葉県誕生150周年記念事業「写真で見るちばのあゆみ」の巡回展や共同研究、資料の相互借用等を実施するとともに、県内の博物館で構成される千葉県博物館協会において合同研修会等を行っているところです。特に国立歴史民俗博物館とは本年4月に包括連携協定を締結し、広報の強化を図るとともに、県立中央博物館と千葉県の海藻文化と東アジア等についての共同研究を開始し、成田空港の利用者をはじめ多くの方が本県に来訪いただけるよう取り組むこととしております。県内の博物館が本県の豊かな自然や歴史等の様々な魅力を共同して広く発信することにより、一層の博物館活動の活性化や地域振興を図ることができるよう連携を深めてまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
○副議長(實川 隆君) 農林水産部長前田敏也君。
(説明者前田敏也君登壇)
○説明者(前田敏也君) 私からは、まず、家畜や野鳥における人獣共通感染症についてお答えいたします。
県内における令和5年の発生状況は、家畜では高病原性鳥インフルエンザが5件、サルモネラ感染症が2件、豚丹毒が6件であり、野鳥ではカモ類のふん便から鳥インフルエンザウイルスが確認された例が2件ございました。このため県では、農場における消毒の徹底指導や、イノシシ防護柵や防鳥ネットなど野生動物の侵入防止に係る経費への助成に加え、高病原性鳥インフルエンザの感染情報については関係部局や市町村、関係団体等と共有を図っているところでございます。
次に、新規就農者の確保に関する御質問ですが、新規就農者を確保するためには、県内外の幅広い人材に本県農業へ興味を持ってもらうことで就農を希望する方を増やすとともに、就農に向けた準備をサポートすることが重要です。そこで県では、昨年度から民間のウェブサイトを活用し、本県農業の魅力や高い収益を上げている事例を発信しているほか、県内外での就農相談会の実施に加え、新規就農者に対する就農前後の資金交付や技術指導など伴走型支援を行っているところです。また、就農に関心のある移住希望者を対象とした都内での説明会や現地見学会に取り組むとともに、今年度からは県内10校の経済系大学の学生を対象に、多角経営で成功している県内の農業法人を訪問して話を聞く機会を設けるなど、就農意欲を喚起する対象を広げ、新規就農者のさらなる確保に取り組んでまいります。
次に、農地中間管理機構を通じた農地の集積・集約化についての御質問ですが、県では担い手への農地の集積・集約化を推進するため、平成26年度から農地中間管理機構を介した農地の貸借などを推進してきたところです。その結果、令和5年度末の農地集積面積の耕地面積に占める割合は目標の51%に対し約30%にとどまっており、これは区画が小さく排水が悪い農地など耕作条件が整っていないことや、貸出希望の農地が散在していることなどが課題となっているものと認識しております。そのため県では、農地中間管理機構の取組を引き続き周知するほか、地域計画に位置づけられた担い手への農地の集積・集約化がさらに進むよう、国の事業も活用しながら取組を進めてまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 保健医療担当部長鈴木貴士君。
(説明者鈴木貴士君登壇)
○説明者(鈴木貴士君) 私からは人獣共通感染症に対するワンヘルスアプローチについての御質問にお答えします。
人獣共通感染症は、全ての感染症のうち約半数を占めており、その課題に対しては、人、動物、環境の3分野の関係者が協力し、分野横断的に解決に向けて取り組むワンヘルスアプローチの考え方が重要であると認識しています。国においては、この考え方を広く普及啓発し、分野間の連携を推進しているところであり、県においても、野鳥や家禽の鳥インフルエンザの発生について関係部局間で情報共有する等、対応を行っているところです。今後も人と動物、それを取り巻く環境は相互につながっていると包括的に捉え、部局横断的に取組を進めてまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。
(説明者岡田慎太郎君登壇)
○説明者(岡田慎太郎君) まず、プレコンセプションケアの推進に関する御質問にお答えします。
プレコンセプションケアは、女性やカップルが将来の妊娠を考えながら自分たちの生活や健康に向き合い、心身の健康管理を促す大切な取組と認識しています。県では、学生等に向け、必要となる知識や情報を学び、将来のライフイベントについて考える機会となるセミナーを開催しているほか、千葉県不妊・不育専門相談センターを設置し、自身も不妊の経験を持つピアカウンセラーや、専門性が高い不妊症看護認定看護師を配置して支援の充実を図っているところです。引き続き正しい知識の普及啓発に努めるとともに、国の動向や他県の状況を踏まえプレコンセプションケアに関する関係機関の連携など、必要な取組について研究してまいります。
次に、妊産婦等生活援助事業の早期実施に関する御質問ですが、妊産婦等生活援助事業は、家庭生活に支障が生じている特定妊婦や出産後の母子等に対する支援の強化を図るため、支援計画の策定、相談支援、生活支援等を行う事業で、本年度から新たに制度化されました。県では、現在、事業実施に向けて支援を行う母子生活支援施設の認定などの準備を進めており、今年度は1施設での実施を見込んでいるところです。今後とも母子生活支援施設をはじめとする関係機関との連携により、支援が必要な妊産婦等が安心した生活を行うことができるよう取り組んでまいります。
次に、こども家庭センターの設置に関する御質問ですが、本年4月に施行された改正児童福祉法において、市町村は妊産婦、子育て世帯、子供に対する包括的な支援等を行う中核的な機関として、こども家庭センターの設置に努めることとされ、本県では現在23の市町村が設置しています。県では、市町村の担当課長会議において、こども家庭センターの役割等について有識者による講演を行うほか、市町村の要望に応じアドバイザーを派遣するなど、こども家庭センターの設置を促進しているところです。今後ともこども家庭センターの全市町村への設置に向け、未設置の市町村に対し、必要な助言や情報提供を行うなどにより設置を働きかけてまいります。
最後に、こどもホスピスに関する御質問ですが、国では、いわゆるこどもホスピスなど、小児がんの患者や小児慢性特定疾病を抱える児童、重症心身障害児等が家族や友人等と安心して過ごすことができる環境の整備について検討しており、昨年12月に発表したこども大綱においても全国普及に向けた取組を進めることとしています。県内では、一昨年、民間団体がちばこどもホスピスプロジェクトを立ち上げ、子供とその家族を対象にした交流と憩いのイベントやホスピスに携わるボランティア向けに基礎知識を学べる研修会等が開催されており、その設立フォーラムに県も後援したところです。今後とも国の動きを注視するとともに、関係団体や市町村等の意見も伺いながら、こどもホスピスに対する支援等について研究してまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 病院局長山崎晋一朗君。
(説明者山崎晋一朗君登壇)
○説明者(山崎晋一朗君) 私からはLTCの子供へのケアについてお答えいたします。
こども病院では、院内学級の開設や各病棟への保育士の配置に加え、多職種で構成する緩和ケアチームを設置し、生命を脅かす状態、いわゆるLTCの子供を含めた全ての患者及びその家族へ対して身体の痛みや精神面の不安などのケアを行っています。緩和ケアチームは、医師、緩和ケア認定看護師を含む看護師、薬剤師、心理士、チャイルド・ライフ・スペシャリストなど、多様な専門知識を持つ職員で構成しており、定期的に病院内をラウンドし、相談、支援を行っています。こども病院は、県全域を対象とする県内唯一の小児専門病院として、LTCの子供を含めた緊急重症の患者を多く受け入れております。引き続き患者及び家族へのケアを行いながら小児の高度専門医療を提供してまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 教育長冨塚昌子君。
(説明者冨塚昌子君登壇)
○説明者(冨塚昌子君) 小中学校における日本語指導担当教員の配置状況等についての御質問ですが、年々増加する日本語指導が必要な外国人児童生徒に対応するため、県教育委員会では、国の加配を受け、日本語指導担当教員を今年度、公立の小学校88校、中学校23校に配置しています。昨年度と比べ小学校2校、中学校1校をそれぞれ増やしたところですが、12の市町村においては、対象児童生徒の人数が国の教員配置基準に満たないことから担当教員が配置されていない状況となっています。今後とも外国人児童生徒が少数在籍する学校に対しても加配が拡充されるよう、国に要望するとともに、採用に当たっては、特別免許状の授与等による指導実績のある人材を登用するなど、担当教員の確保に努めてまいります。
次に、市町村教育委員会における日本語指導の取組状況等の御質問ですが、今年度、日本語指導を必要とする児童生徒に対し、千葉市など9市が国の補助事業を活用して授業の補助をする支援員の配置、翻訳機の導入、別室での日本語指導などに取り組んでいます。県教育委員会としては、市町村担当者を対象とした会議の開催等を通して国の補助事業の活用方法などを周知し、より多くの市町村において、日本語指導が必要な児童生徒への取組が進むよう支援してまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 入江晶子君。
○入江晶子君 知事、教育長、関係部局長、御答弁ありがとうございました。それでは、2回目の再質問と要望をさせていただきます。
初めに、3点再質問をさせていただきます。
1つ目が人獣共通感染症、ワンヘルスについてです。
今年4月に改定された千葉県感染症予防計画において、その他感染症予防の推進に関する重要事項として、動物由来感染症対策や薬剤耐性対策が記載されています。しかしながら、それらを具体的に推進するための連絡会議などが位置づけられておりません。ワンヘルスを推進するためには、庁内横断的で実効性のある体制づくりが必要です。
そこでお伺いします。新たなパンデミックに備えて、早期に具体的な連携体制を構築する必要があると思うが、どうか。
次に、農地の保全活用と担い手の確保についてです。
都道府県別の農地集積率を比較すると、関東圏は比較的集積率が低い傾向にあります。そのような中、お隣の茨城県では、2017年からの6年間で約3,800ヘクタール、東京ドームで約830個分の面積になりますが、年平均で640ヘクタールの荒廃農地を再生させています。再生費用の補助や農地の貸主にも協力金を出すなど、県として力を入れています。また、差別化、ブランド化を図る中で、小規模農家が多い有機農業にも積極的に推進しています。6年前からは、県北地域でモデル団地づくりに取り組み、約20ヘクタールまで拡大したと聞いています。
一方、千葉県の荒廃農地の推移を見ると、発生面積、再生面積とも、ほぼ毎年横ばいの状況ですが、再生面積については年平均で300ヘクタール弱と、茨城県の半分にとどまっています。農業産出額3位の茨城県に学ぶ必要があるのではないでしょうか。
そこで再質問します。荒廃農地の解消に向けて他県の事例に学ぶなど、県のさらなる取組が必要と考えるが、どうか。
次に、日本語指導が必要な児童生徒に対する教育環境の整備について再質問です。
先ほどの御答弁では、担当教員が配置されていない自治体が12あるということでした。日本語指導を必要とする児童生徒がいても、少人数の場合は配置されないケースが多いと考えられます。その場合、資料に記載しましたが、表5のように、市町村が独自の施策でカバーしているのではないでしょうか。そういったことも見てとれるかと思います。
そこで再質問いたします。市町村の個別の実情に応じた支援を行うために、県教育委員会はどう取り組むのか。
続きまして、要望を申し上げます。
成田空港機能強化に伴う地域づくりについて、振興事務所と管内各市町の連携について研究を進めていただけるとの御答弁、ありがとうございます。先日、連合議員団で成田国際空港株式会社を訪問し、御説明を受けてきました。空港内の事業者数は約600、従業員数は約3万6,000人。このうち、佐倉市と酒々井町に居住されている方は約2,700人とお聞きしました。成田市が一番多くて、約1万3,000人で4割弱の人数に次ぐ数となっております。印旛地域全体の人口減少が進む中、空港で働くことを選んでもらえる魅力ある就労環境、また住みたくなるまちづくりに向けて、引き続き市町と県が力を合わせていただくよう、重ねて要望いたします。
次に、博物館行政についてです。現在、中央博では、常設展示のリニューアルや収蔵庫の増築等の施設整備計画が進められていると聞いています。私は令和4年2月議会において、中央博に集約される大利根分館の収蔵資料の取扱いや、中央博の新たな収蔵庫の整備について意見を述べさせていただきました。農業博物館としても価値の高い分館の資料には、稲の種子標本もあります。また、その種子を保存継承するために、分館の職員が代々敷地内の圃場で田植えをしてきたという歴史、このような有形無形の財産もあります。この先どうしていくのか、様々な課題もあると思います。中央博は総合博物館としてリニューアルを目指していますが、1989年に自然誌博物館として設置されたこの歴史と知の集積についてもしっかりと次世代に継承し、さらなる発展につなげていただくようお願いいたします。
プレコンセプションケアについて要望いたします。ぜひ御紹介した福岡県のセンターを参考にしていただき、また県の助産師会の方々との意見交換、こういったことについても御検討していただければと思います。
次に、特定妊婦等への支援についてですが、妊産婦等生活援助事業の早期実施について、福岡県では国に先駆けて、令和3年から同様の事業を県内3か所、母子生活支援施設で行っています。こちらも見てまいりましたが、やはり民間がこれまで行ってきた女性支援の現場、実践から多く学ぶことが重要だと感じています。千葉県においても、この点に留意し、特定妊婦等の支援にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、こどもホスピスについてです。国の令和7年度概算要求には、(仮称)こどもホスピス支援モデル事業1億2,000万円が新規推進枠として盛り込まれています。関係者による協議会等の開催、管内のLTCにあるこどもの実数等を把握するための実態調査の実施、地域型こどもホスピスの取組支援、こういったことに全額国費が充てられます。千葉県として、ぜひこの新規モデル事業に手を挙げていただき、こどもホスピスの施策化に向けて取り組んでいただきたい。早期の検討を強く求めたいと思います。
以上で2回目といたします。
○副議長(實川 隆君) 保健医療担当部長鈴木貴士君。
○説明者(鈴木貴士君) 人獣共通感染症に備えた連携体制に関する御質問にお答えします。
県では、日頃から動物由来感染症の発生状況や保有状況の把握、家畜等における飼養衛生管理の推進など、部局横断的に取組を行っておりますが、人獣共通感染症対策には各分野の連携が重要であり、引き続き協力体制の強化をしてまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 農林水産部長前田敏也君。
○説明者(前田敏也君) 荒廃農地の解消についての御質問にお答えいたします。
県では、農地中間管理機構を介した担い手による耕作条件の改善支援を行うとともに、県内の耕作放棄地解消の事例集を活用した普及啓発に取り組んでいるところです。今後は他県の取組事例も参考にしながら、荒廃農地のさらなる解消に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 教育長冨塚昌子君。
○説明者(冨塚昌子君) 日本語指導が必要な児童生徒への市町村への支援についての御質問ですが、県教育委員会としては、日本語指導に携わっている教員等を対象とする会議や各教育事務所による学校訪問を通じて、市町村や学校が抱える指導上の課題等を把握した上で、有識者の知見を踏まえながら好事例の紹介や改善策の提案を行ってまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 入江晶子君。
○入江晶子君 それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございます。最後に要望を申し上げます。
人獣共通感染症、ワンヘルスについてです。
今回の新型コロナでは、感染症5類に移行する昨年5月8日まで、県内では約148万人が感染し、入院の患者数は4万7,000人、死亡者数も4,000人近くに及びました。薬剤耐性対策についても大変重要な課題であります。薬剤耐性菌による感染症が発生した場合、これまで使用していた抗微生物剤が効かなくなり治療が困難になるなど、深刻な事態が生じます。次なるパンデミック、新たな新興感染症の蔓延を防ぐためにもワンヘルスアプローチは極めて重要です。千葉県としても福岡県の取組に学ぶなど、推進体制の構築を急ぐよう強く求めます。
次に、農地の保全活用と担い手の確保についてです。
先ほど茨城県の事例を紹介いたしました。有機農業に力を入れている県北の常陸大宮市では、昨年12月、みどりの食料システム法施行に伴い、全国で初めて有機農業を促進するための栽培管理に関する協定を結びました。市内小中学校15校全ての学校給食のお米、年間37トンを100%有機米とするために、令和9年度までに15ヘクタールに拡大する目標で取り組むということです。県内でも、いすみ市が全国に先駆けてこのような取組をリードしております。この子供たちのためにというモチベーションが原動力になっているとお聞きしています。農業は命を支え、将来世代につなげなければならない重要な産業です。
また、食料安全保障の根幹は農地と担い手の確保です。千葉県における食料自給率の維持確保に向けて、他県の取組事例も参考にしながら、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
最後に、日本語指導が必要な児童生徒に対する教育環境の整備についてです。
少子高齢化による人手不足の深刻化に伴い、政府は外国人労働者を積極的に受け入れる制度を整えています。今後、日本語指導が必要な子供がさらに増加します。言語や文化が異なる外国の方々と地域で共に安心して暮らしていくためには、小中学校における日本語指導が非常に重要です。日本語指導担当教員の適切な配置をしっかりと進めていただきたい。
また、現状において、学校現場だけの対応に負担が生じていることに対し、教育委員会だけではなく、多文化共生や多様性尊重の施策との連携により、各市町村の実情に応じた支援を進めていただきたい……
○副議長(實川 隆君) 申合せの時間が経過しましたので、簡明に願います。
○入江晶子君(続) 以上、要望を申し上げまして、私の一般質問を終わります。御清聴いただきましてありがとうございました。
○副議長(實川 隆君) 次に、武田正光君。
(武田正光君登壇、拍手)
○武田正光君 皆様、こんにちは。自由民主党、流山市選出の武田正光でございます。今議会の一般質問に当たり、登壇の機会をお与えいただきました先輩・同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
今回は商工会議所等の体制強化、困難女性支援、里親委託、在宅医療、教育問題、つくばエクスプレス東京駅延伸と8両化、つくばエクスプレス沿線土地区画整理事業、県立市野谷の森公園、そして地元道路問題など、盛りだくさんに伺います。順次通告に従い質問をさせていただきます。知事はじめ執行部の皆様、前向き、かつ明快な御答弁をどうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、商工会議所等の体制強化について伺います。
私は県議会議員としての活動のほか、公認会計士としても活動しております。新型コロナウイルスの制限解除後、中小企業の経営者からは、デジタル技術を活用した国内外での事業展開について相談が寄せられています。その相談内容については、地元の商工会議所とも共有して意見交換を行っています。商工会議所や商工会等は中小企業にとって身近な支援機関で、経営改善や資金調達、補助金申請の支援を通じ、地域経済の活性化に重要な役割を果たしています。県では小規模事業経営支援事業費等補助金により、商工会議所等の経営改善普及事業等を支援しています。しかしながら、中小企業を取り巻く環境は物価高騰や賃上げの動き、慢性的な人手不足、インボイス等の新制度対応など、引き続き厳しい状況が続いており、これに関連した相談も増えていると伺っています。さらに、DX化や事業承継等の新たな経営課題への対応も求められ、商工会議所等で行う相談や支援内容が複雑化、高度化していることからも商工会議所等の体制強化が必要と考えます。
そこで伺います。商工会議所等の体制強化に向けて、どのように取り組んでいるのか。
次に、困難女性支援について伺います。
生活の困窮、性暴力、DV等による家庭関係の破綻など、様々な困難を抱える女性が安心して自立した社会の実現を目指すため、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が令和6年4月に施行され、間もなく半年がたちます。本年2月定例県議会の自民党代表質問でも、この問題が取り上げられましたが、その後、県では、千葉県困難な問題を抱える女性支援基本計画を策定し、アウトリーチ等の新たな事業も開始しました。また、我が自民党においてもプロジェクトチームを立ち上げ、私が座長に就任して調査研究を進めております。困難な状況に陥り、支援を必要としている女性の中には、私の悩みなど誰にも分かってもらえないと考えてしまったり、自分さえ我慢すればと相談をためらっていたり、そもそもどこに相談すればよいのか分からないため、なかなか行政による支援へのアクセスができない事例が多いと伺っています。行政による支援制度の存在をより一層周知し、まずは気軽に相談できる環境を整えることが重要です。
そこで伺います。困難な問題を抱える女性が支援につながるためには相談しやすい環境づくりが重要であると思うが、県はどのように取り組んでいくのか。
次に、里親委託について伺います。
子供の健やかな成長のために保護者の果たす役割は大きいです。しかし、虐待や育児放棄、親の病気など、様々な理由によって、保護者による養育が困難な子供たちがいます。そのような子供たちが保護者と暮らせるようになるまでの間、あるいは子供が自立するまでの一定の期間、保護者に代わり、自分の家で子供を育ててくれるのが里親制度です。保護者から愛情を受けることが少なかった子供や、虐待等により心の傷を受けた子供が里親家庭のもとで温かい愛情を受けながら育ち、当たり前の家庭的な環境の中で生活することは、生活で必要な知恵や技術を学び、人間関係を形成する上での力を養うことなどにつながります。
児童虐待の増加に伴い、社会的養護が必要な子供が増える状況が続いており、里親制度の果たす役割はますます重要です。国の公表データでは、令和3年度末で里親等への子供の委託割合を示す里親等委託率が全国で23.5%になっています。一人でも多くの子供が家庭的な環境で健やかに育つためには、里親制度についての理解を広め、子供を受け入れてくださる里親を増やしていくことが必要です。
そこで伺います。里親委託の推進に向けた県の取組状況はどうか。
次に、在宅医療について伺います。
在宅医療では、自宅での適切な医療サービスの提供を受けることで患者の精神的、肉体的な自立を支援し、患者とその家族のQOL、生活の質の向上を目指しています。そこでは医師の定期的な診察に加え、看護師、薬剤師、介護福祉士などが患者の生活や家庭環境に応じて様々なサービスを提供しています。そのため、病院においてはチーム医療と称し、複数の職種のスタッフが患者の病状に応じたチームをつくり、治療に当たっていると聞いています。
県が策定した保健医療計画によると、1日当たりの在宅医療の患者数は、平成25年度に約4万4,000人であったところ、令和12年には約9万人になると推計されており、今後も在宅医療の需要は増加すると見込まれています。医療資源には限りがある中、患者が可能な限り住み慣れた自宅や地域で生活の質を維持しつつ、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるようにするためには、在宅医療における多職種のチームでの連携がますます重要になると考えます。
そこで伺います。在宅医療における多職種連携の促進について、県ではどのように取り組んでいるのか。
次に、小児医療について伺います。
今議会では、小児医療の中でも災害時における小児医療対策について確認したいと思います。今年は能登半島地震が発生し、強い台風が相次ぎ上陸しました。そして、南海トラフ地震の臨時情報も初めて発表されたりと、風水害と地震の双方を想定しなければいけない備えの難しさを改めて感じたところです。
特に大規模災害時においては、避難所の開設や電気、水道、道路などのインフラの復旧など、被災者生活を守るための早期の取組が求められますが、とりわけ被災者の命を守るための災害医療は何においても優先すべきものです。過去の大規模災害の経験を基に災害医療体制の整備は年々進んでおり、さきの能登半島地震においても、千葉県からもDMATやDPATなどの災害派遣医療チームが被災地に派遣され、大きな役割を果たしたと聞いております。
彼らのように急性期の災害医療全般に対応する方々がいる一方で、より専門性の高い医療分野における体制整備も課題です。中でも小児医療は一般的な大人の救急患者と比べ医療機関数が限られており、対応可能な医師数が少ないのが現状です。県内のどこで災害が発生したとしても、小児の被災者を一人でも多く救うためには、限られた医療資源を効果的に活用できる体制を構築しておく必要があります。
そこでお伺いします。災害時における小児医療対策について、県はどのように対応しているのか。
次に、教育問題について2問伺います。
まず、いじめ問題についてです。
いじめは児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えることから、決して許されるものではありません。いじめの中でも深刻化すると不登校となったり、場合によっては命さえ奪ってしまうケースはいじめ重大事態とされます。このようなケースが全国的にも増加傾向にあり、事案によっては、法や基本方針、ガイドライン等に沿った対応ができていないために、児童生徒に深刻な被害を与える事態が発生しているとも聞いています。
国では、いじめ防止対策推進法の施行から10年が経過する中で重大事態の調査に係る様々な課題が明らかになってきたことから、本年8月にいじめの重大事態の調査に関するガイドラインを改訂しました。本県では、これに先立って、いじめ重大事態の調査に係る課題を解決すべく、新たにいじめ重大事態調査員を採用し、県立の中学校、高等学校、特別支援学校に派遣する取組を開始したと聞いております。
そこで伺います。いじめ重大事態調査員の活動状況はどうか。
そして、教育問題の2点目は教員不足についてです。
教員不足というテーマは本県だけでなく全国的な問題であり、これまでも議場において様々な議論が交わされてきました。本年6月定例県議会における質疑の中で県教育委員会は、小中学校等の教員の未配置の状況が昨年度の同時期に比べ約4割改善されたと答弁されています。しかしながら、本年4月に市野谷小学校と南流山第二小学校という2校が新たに開校した私の地元流山市においては、未配置の状況はむしろ悪化していると認識しており、東葛飾地域の他市においても、依然として未配置の状況が深刻ではないかと推察します。教員未配置が生じている学校では、未配置分の教員の業務を補うための負担も増え、教育の質の維持の観点からも大きな問題となっていることが想定されます。そのため、一刻も早く全ての学校において教員未配置を改善する必要があると考えます。
そこで伺います。県内小中学校等における教員不足の解消に向けた状況はどうか。また、今後の教員確保に向けた対応はどうか。
次に、つくばエクスプレスについて2点伺います。
平成28年4月に発表された国の交通政策審議会の答申において、つくばエクスプレスの秋葉原駅から東京駅への延伸が、国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクトの1つとして位置づけられました。また、この答申では、東京駅から銀座や築地を経由し、東京ビッグサイトなどがある東京臨海部に至る都心部・臨海地域地下鉄の新規建設と、つくばエクスプレスの東京駅延伸を一体的に整備し、都心部・臨海地域地下鉄とつくばエクスプレスとの相互直通運転を行うとされています。この相互直通運転が実現すれば、流山市から東京駅、さらに東京臨海部へのアクセスが格段に向上することとなり、さらなる人口増など流山市の発展、ひいては千葉県の発展に大きく貢献します。
そこで伺います。つくばエクスプレスの秋葉原駅から東京駅延伸に向けた検討の状況はどうか。
続いて、つくばエクスプレスの8両化について伺います。
沿線の人口増加と新型コロナウイルスによる利用客減少からの回復などにより、令和5年度のつくばエクスプレスの混雑率は154%に達しました。朝夕ラッシュ時の混雑緩和がかねてよりの課題です。つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道株式会社では、令和元年5月に車両を現行の6両編成から2両増結する8両編成化事業に取り組むことを決定し、2030年代前半の完了を目指すとのことです。この8両編成化事業は地元利用者の関心も高く、混雑解消のために必要な取組です。
そこで伺います。つくばエクスプレスの8両編成化事業の進捗状況はどうか。
次に、つくばエクスプレス沿線土地区画整理事業について、とりわけ地区内の道路整備について伺います。
つくばエクスプレス沿線では、鉄道の整備と一体的に土地区画整理事業が行われておりますが、県施行の運動公園周辺地区においては、加市野谷線が令和5年度末に供用され、中駒木線も同時期にキッコーマンアリーナ前の区間が4車線化されるなど、着実に道路整備が進んでいます。しかしながら、流山市を南北に走る大変重要な道路である新川南流山線については、いまだ供用されていない区間があります。私は、これまで何度もこの新川南流山線の整備について一般質問で取り上げていますが、前回の令和5年9月議会での質問の際、支障となる建築物の撤去に取り組み、可能な箇所から工事を進めるとの答弁があったところです。最近現場を確認したところ、答弁のとおり進捗が図られていることから、地元ではいよいよ供用への期待が高まっています。
そこで伺います。運動公園周辺地区内における新川南流山線の整備の進捗状況と今後の取組はどうか。
次に、県立市野谷の森公園について伺います。
流山市のほぼ中央にある県立市野谷の森公園は、「都心から一番近い森のまち」のシンボルとして整備が進められています。令和4年3月には第1期区域が供用開始され、修景池や芝生広場がある緑豊かで散策や休息が楽しめる場所になりました。残り第2期区域約14.8ヘクタールについては、関係地権者への事業計画説明会が行われ、円滑な事業進捗に向けた努力が続けられており、公園の早期整備が望まれているところです。
そこで伺います。県立市野谷の森公園第2期区域における整備の進捗状況はどうか。
次に、三郷流山橋有料道路について伺います。
三郷流山橋有料道路が昨年11月26日に開通してから間もなく1年を迎えます。本年2月に登壇した際には、開通後約3か月の新しい道路であるため、周知がまだ十分でないこともあり、三郷流山橋有料道路の開通後2か月間における1日の交通量は平均約2,940台であり、今後、交通量調査を行い、開通後の交通の変化を把握することや利用促進策を実施していく旨の答弁をいただきました。その後、案内看板の設置や、埼玉県の商業施設においてキャンペーンを実施するなどの利用促進策に取り組んでいると伺っています。
また、本道路の整備効果の一つとして、流山市と三郷市とを結ぶ唯一の橋であった流山橋の交通渋滞緩和が掲げられており、開通から約10か月が経過して交通量がどのように変化しているのか、その整備効果が具体的にどのように現れているのかが気になるところです。
そこで伺います。三郷流山橋有料道路の開通後の利用状況及び整備効果はどうか。
最後に、県道松戸野田線、野田市今上交差点について伺います。
県道松戸野田線は、松戸市から流山市を経て野田市へ至る主要幹線道路です。近年、流山インターチェンジ付近から利根運河にかけて大型物流施設が稼働した影響で、野田市今上交差点から運河大橋を越えて流山市側まで慢性的な渋滞が発生しています。特に玉葉橋付近は千葉県と埼玉県の交通が集中し、混雑が顕著です。このような状況の中、今上交差点での渋滞対策が進められていますが、その進捗が気になるところです。
そこで伺います。県道松戸野田線、野田市今上交差点における交差点改良の進捗状況はどうか。
以上、壇上での質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手)
○副議長(實川 隆君) 武田正光君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。
(知事熊谷俊人君登壇)
○知事(熊谷俊人君) 自民党の武田正光議員の御質問にお答えをいたします。
まず、商工会議所等の体制強化についての御質問にお答えいたします。
デジタル化やグローバル化など、近年の社会経済環境は大きく変化をしており、地域経済を支える中小企業に対し、指導助言等を行う商工会議所や商工会の役割はますます重要となっています。このため、令和5年度から中小企業への伴走支援の成果、実績に応じて補助金を追加支給する伴走型支援推進奨励金を導入したほか、地元の活性化等を目指す提案型事業について、募集回数を増やし複数提案を可能とするなど制度の拡充を図ったところです。また、今年度からは経営指導員の人件費補助単価を引き上げたほか、地域経済のネットワーク強化につながるよう、補助対象職員数の算定基準について、従来の小規模事業者数に加え、大企業や中堅企業等も含めた会員数による加算を行っています。今後もこうした補助制度の見直しを通じ、商工会議所等の企業支援体制の強化に努めてまいります。
次に、里親委託の推進に向けた取組についての御質問にお答えをいたします。
里親のもとで養育されることは、特定の大人から大切にされる体験により自己肯定感を育める、将来の家族モデルを持つことができるなど、人間関係の形成や生活する上での土台づくりにつながり、児童の成長に大きな役割を果たすものと考えています。このため県では、県内各地での里親制度説明会の開催や特設サイトの開設など、里親制度の周知を図るとともに、昨年度から里親のリクルートや研修、養育支援等を一貫してフォスタリング機関で実施をし、里親への支援に取り組んでいるところです。こうした取組により、施設や里親等に委託した児童のうち、里親等への委託の割合を示す里親等委託率は、本県では令和元年度末の29.9%から令和5年度末で35.4%と5.5ポイント増加し、向上しているところであり、県では引き続き里親支援の強化に努め、里親委託を推進してまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
○副議長(實川 隆君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。
(説明者岡田慎太郎君登壇)
○説明者(岡田慎太郎君) 困難な問題を抱える女性への支援に関する御質問にお答えします。
県では、困難な問題を抱えながら潜在化しやすい若年女性等を支援するため、民間団体と連携してアウトリーチやSNS等による相談支援、居場所を提供する事業を本年8月から開始したところです。また、国では、全国どこからでも電話をかけた所在地の女性相談支援センターにつながる全国共通短縮ダイヤル#8778(はなそうなやみ)を本年6月から開始し、本県では24時間体制で相談を受け付けています。加えて短縮ダイヤルを周知するためステッカーなどを作成し、市町村、病院、郵便局などに配置を依頼したところであり、今後もキャンペーン等での広報啓発に取り組んでまいります。こうした取組を通じて、支援が必要な女性が相談しやすい環境づくりに努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 保健医療担当部長鈴木貴士君。
(説明者鈴木貴士君登壇)
○説明者(鈴木貴士君) まず、在宅医療における多職種連携の促進についての御質問にお答えします。
今後も増加が見込まれる在宅療養患者に対し、退院支援から急変時の対応、みとりまで切れ目のない医療、介護を提供するためには、在宅医療を担う多施設、多職種間の連携が特に重要であると認識しています。このため県では、全県を対象とするシンポジウムを開催し、連携に関する効果的な取組を共有するとともに、医師や看護師をはじめとする在宅医療に関わる多職種による協議会や意見交換会等を圏域内や圏域を越えて実施することで、地域の実情に応じた連携の仕組みづくりを促進しています。引き続き効果的な多職種連携の推進を図ることにより、在宅医療提供体制の充実に向け取組を進めてまいります。
次に、災害時における小児医療対策についての御質問ですが、災害時においては、県が任命している医師が災害医療コーディネーターとして県庁や地域の救護本部に入り、医療活動に対し助言、調整を行う体制を取っていますが、専門性の高い小児医療等については、コーディネーターを支援する体制も整える必要があります。そのため県では、コーディネーターと連携して、災害時の小児周産期医療に関する搬送調整などの業務を担う小児周産期リエゾンを現在26名任命しており、さらなる増員に向けた研修を行い、人材育成を図っているところです。今後も小児周産期リエゾンの拡充及び対応力の向上を図り、関係機関との平時からの情報共有による連携を強化することにより、災害時に県民が迅速かつ適切に小児医療を受けられる体制の構築に努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 教育長冨塚昌子君。
(説明者冨塚昌子君登壇)
○説明者(冨塚昌子君) 初めに、いじめ重大事態調査員の活動状況についての御質問にお答えいたします。
いじめ重大事態の調査において、被害児童生徒や保護者が早期の対応を求めても、学校の調査組織に加わる第三者委員の選定に時間を要するなど、迅速に調査に着手できない状況が散見され、さらなる事態の悪化を招きかねず、大きな課題と捉えていました。そのため県教育委員会では、今年度、いじめ防止対策等の専門的な知見を有する人材をいじめ重大事態調査員として採用し、事案が発生した県立学校に直ちに派遣する体制を整えました。当該調査員は、8月末時点で11事案について、延べ29回学校を訪問して調査に加わり、助言を行いながら集中的に調査を実施するよう促し、早期に報告書を取りまとめ、いじめ解消につなげるなどの成果を上げています。
次に、教員不足の解消に向けた状況と対応についての御質問ですが、7月1日時点での小中学校等の未配置数は、県全体では昨年度の245人に対し今年度は173人と72人改善した一方で、流山市においては、昨年度の10人から15人と5人増加しています。流山市を含め、県全体において、近年、新規採用者の配置により若年層教員が増加しており、産育休等の取得者が増加する中で、教員志願者の減少などから必要な代替講師の確保が難しい状況にあります。今後は大学と連携した大学1年次からの学校体験事業や奨学金返還緊急支援事業のさらなる周知を図るとともに、ペーパーティーチャーセミナーや、大都市を会場とする現役教員との交流会等を通して、社会人に対しても教職の魅力をアピールして理解を深め、一層の志願者確保に取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 総合企画部長冨沢昇君。
(説明者冨沢 昇君登壇)
○説明者(冨沢 昇君) 初めに、つくばエクスプレスの東京駅延伸に関する御質問にお答えいたします。
つくばエクスプレスの東京駅延伸は、流山市や柏市を東京駅と直結するものであり、さらに都心部・臨海地域地下鉄との相互直通運転が実現すれば東京臨海部とも直結できるなど、県北西部の発展につながる事業と認識しています。こうした中、今年2月には、都心部・臨海地域地下鉄は2040年までの開業を目指し、その営業主体として、東京臨海高速鉄道株式会社が参画することが公表されたところです。東京駅延伸のような大規模投資事業については、鉄道事業者のみならず、国や沿線自治体などの関係者間で十分な検討も必要となることから、県としては会社の経営状況等を注視しながら関係者と連携し、対応してまいります。
次に、8両編成化事業に関する御質問ですが、つくばエクスプレスの8両編成化に当たっては、8両化に対応したホームの延伸工事が必要であり、平成24年度に先行整備された南流山駅をはじめとして、これまでに秋葉原駅、新御徒町駅、浅草駅などの7駅において、延伸化工事が完了しています。今年度は北千住駅の工事に着手しており、今後、2030年代前半までに全20駅での完了を目指して順次整備を進めることとしております。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 都市整備局長澤宏幸君。
(説明者澤 宏幸君登壇)
○説明者(澤 宏幸君) 私からは、まず、新川南流山線の進捗状況と今後の取組についての御質問にお答えします。
当該路線は、運動公園周辺地区内において延長約1キロメートルを4車線で整備する計画としておりますが、県道柏流山線から南側約400メートルの区間が未供用となっています。現在、移転対象の建築物の撤去が完了したところであり、今後、埋蔵文化財調査や加交差点の改良などの道路工事を進め、未供用区間も含む流山セントラルパーク駅入口交差点から北側の区間について、令和7年7月の供用開始を目指しております。また、駅入口交差点から南側の区間については現在2車線で供用しておりますが、引き続き4車線化に向けた整備を進め、令和7年10月を目途に全線約1キロメートルの供用を開始できるよう、流山市などと連携しながら取り組んでまいります。
次に、市野谷の森公園の整備についての御質問ですが、本公園は動植物の生育地である樹林地等の保全を目的とした計画面積18.5ヘクタールの都市公園であり、平成19年度から段階的に整備を進め、令和4年3月に第1期区域の3.7ヘクタールについて供用を開始しました。残る14.8ヘクタールの第2期区域については、取得が必要な6.2ヘクタールのうち、令和5年度末までに面積ベースで約15%に相当する0.9ヘクタールを取得しており、今年度は0.7ヘクタールを追加することにより、用地取得率が約26%となる見込みでございます。この公園のテーマである「いきものたちと時間(とき)をすごす まちの森」の実現に向けて、引き続き地権者や地元関係者に丁寧な説明を行い、着実に用地取得を進め、早期の供用開始に努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 県土整備部長四童子隆君。
(説明者四童子隆君登壇)
○説明者(四童子隆君) 私からは、まず、三郷流山橋有料道路についての御質問にお答えします。
三郷流山橋有料道路の8月の交通量は1日当たり約3,970台となっており、開通当初と比べ約3割増となるなど、着実に増加しております。有料道路の開通により流山橋の交通が一部転換し、県道松戸野田線の流山8丁目交差点を先頭に最も長く渋滞した延長は、本年6月の調査では、平日において開通前の780メートルから60メートルへと約9割減少し、休日においても約3割減少するなど、交通混雑緩和の効果が確認をされたところでございます。引き続き埼玉県及び埼玉県道路公社と連携し、交通量調査や整備効果の把握に努めるとともに、有料道路が多くの方に利用されるよう広報活動を行うなど、より一層の利用促進に取り組んでまいります。
次に、県道松戸野田線、今上交差点についての御質問ですが、今上交差点では交通の円滑化を図るため、既存の用地を活用して左折レーンなどを延長する交差点改良を実施しており、現在、東京電力におきまして電柱などの移設を行っているところでございます。引き続き現道の交通への影響を考慮した施工を行うため、並行する側道側の水路を切り回すとともに、必要な作業スペースを確保するための整地工事に着手することとしてございます。今後とも関係機関と連携し、事業を推進してまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 武田正光君。
○武田正光君 ありがとうございます。それでは、再質問と要望をさせていただきます。
まず、商工会議所等の体制強化についてです。
県執行部がこれまで2年かけて補助金の見直しを行い、商工会議所等の体制強化を図っていただいたことは分かりました。繰り返しになりますが、商工会議所等に求められる役割は増大、複雑化してきており、業務量の増加等への対応や多様なニーズに応じた伴走支援の充実を図っていく必要があります。私の地元、流山商工会議所でも、先ほど御答弁のあった提案型事業に採択され、今月より創業後間もない事業者の販路開拓の支援事業を始めたと聞いています。ぜひとも県執行部には補助金のさらなる拡充を図るなど、引き続き商工会議所等の支援体制の強化をお願いしたい。
なお、社会経済のグローバル化が進む中で、最近では越境ECの取組に対する支援が進んでいます。越境ECとは、国境を越えた電子商取引、Eコマースであり、一般貿易が海外の卸事業者が取引相手となるBtoBの形が多いのに対して、越境ECは国外の消費者が取引相手となるBtoCがメインという違いがあります。このような越境ECの市場は拡大しております。中小企業がグローバル化の波に乗り、さらなる活躍をしてもらうためには、越境ECは重要な取組と言えます。千葉においては成田空港もあることから、非常に地理的な利便性もあります。
そこで、県内の中小企業がスムーズに越境ECに取り組むことができるよう、県が中心となって、例えば今体制を強化していただいている商工会議所等にも御協力いただくなどしながら、越境ECの支援の取組を進めていただきたいです。
そして、困難女性支援についてです。困難な問題を抱える女性への支援について、県の新規事業がスタートし、相談窓口の広報啓発を進めているということでしたが、新たな法律に基づく取組であり、期待しているところです。県でも広報に一層力を入れていただき、困難な状況に陥り、支援を必要とする女性に対する相談支援について、引き続き取組を進めていただくよう要望します。
次に、里親委託についてです。
千葉県の里親委託が着実に進んでいる状況は分かりました。しかし、一人でも多くの子供たちが健やかに育つ環境を確保するには、さらなる里親委託の推進が必要であると考えます。引き続き里親委託の推進に向けた取組をしっかりと進めていただくよう要望します。
次に、教育問題のうち、教員不足の解消に向けた取組についてです。
教員の未配置解消に向けた取組は分かりました。新たに小学校が開校した地元流山市において、必要な教員数を配置していただいたとは思いますが、早速未配置が発生しているという点、大変懸念を感じております。少子化が進むこの時代に大変珍しいのかもしれませんが、流山市では今後も小学校や中学校の新設またはクラスの増設が想定されることから、人口が急増する地域における教員の確保について、さらなる対策が必要ではないでしょうか。今後、小中学校が新設され、期待を胸に通う子供やその親御さんが、先生が足りないという残念な思いをするということがないようにしていただきたいです。
そこで再質問します。人口が急増する地域の小中学校に対し、適切に教員が配置されるよう、今後、県はどのように取り組んでいくのか。
次に、土地区画整理の中の道路整備、新川南流山線についてです。
地区内の新川南流山線の供用に伴い、流山市を南北方向に結ぶ道路としての機能だけでなく、広域的な幹線道路ネットワークとしての整備効果が十分発揮されるものと思われます。引き続き早期に全線4車線で供用していただくよう、強く要望いたします。
これ、以前一般質問したとき、平成29年度完成、供用開始という話だったんです。今回の答弁で明確に年数が出てきましたけれども、なかなか大変なことだと思いますけれども、どうかよろしくお願いいたします。
そして市野谷の森公園、これは次代を担う子供たちが自然と触れ合い、体験ができる場として大変意義のある公園です。貴重な動植物に配慮しながら着実に公園の整備を進めていただくとともに、多様な機能を有するグリーンインフラとして、市や住民、関係団体とともに、この森を育む仕組みづくりについても御検討いただきたいです。
そして、三郷流山橋有料道路です。
三郷流山橋有料道路については、平成19年の初当選以来、今回で私は28回目の質問になります。今回は開通後の交通量や整備効果について答弁がありました。有料道路の交通量は、計画交通量に対してまだまだ少ない状況にありますが、増加傾向にあることや、以前からあった流山橋の渋滞緩和の整備効果が明確に現れてきていることが分かりました。引き続き有料道路の利用促進を行っていくことが重要だと考えますので、埼玉県道路公社や埼玉県としっかり連携をして取り組んでいただくよう要望します。
また、有料道路を埼玉県側に渡った先についても順次整備が進められておりますけれども、道路はネットワークとして整備されることで、その整備効果が十分に発揮されますので、これまで何度も何度も要望しておりますけれども、本県においても、埼玉県に対して道路の早期整備を働きかけていただくよう、併せて要望します。
そして最後、松戸野田線です。この道路はもともと渋滞が激しかったところ、大型物流施設の建設等により、さらに渋滞が目立つようになりました。市民からは、早期の渋滞解消に向けた声が多々寄せられています。県は早期に工事着手に努めるとのことでしたが、その早期とはいつを指すのか、市民はそれを一番知りたがっています。交差点改良工事の着手の時期、これを速やかに市民に提示していただきたいと思います。要望します。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 教育長冨塚昌子君。
○説明者(冨塚昌子君) 小中学校の教員配置についての御質問ですが、県教育委員会では、県全体の学校の新設や統廃合等を踏まえ毎年度の募集人数を決定しており、令和6年度は小中学校等の新規採用者数を前年度に比べ165人増やしたところです。今後とも各市町村からの要望や地域の実情等を勘案し、必要な教員の確保に努めるとともに、採用選考の合格者に対しましては、合格から正式採用までのサポートをさらに充実させ、確実に採用につなげるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
○副議長(實川 隆君) 武田正光君。
○武田正光君 教育長、ありがとうございます。それでは最後に、今答弁いただいた教員不足について要望させていただきます。
教員の確保、全国的な課題であり、大変苦労されていると思います。大変苦労をされているのは分かるんですけれども、採用数の増加だけでなく、採用後もいかに教員を続けてもらうか、その課題の解決に向け、他の自治体の好事例を参考にするのはもちろんですが、本県ならではの取組、それが大事だと思います。これからの子供たちのために県教育委員会のさらなる取組を期待し、私の一般質問を、時間は余っていますけれども、言いたいことは話したので終わりにさせていただきます。御清聴ありがとうございます。
○副議長(實川 隆君) 以上をもって本日の日程は終了しました。
明日25日は定刻より会議を開きます。
これにて散会します。
午後2時31分散会
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