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更新日:令和6(2024)年11月8日

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令和6年9月定例県議会(9月19日) 会議録(速報版)

令和6年9月招集 千葉県定例県議会会議録(第3号)

令和6年9月19日(木曜日)

 議事日程

議事日程(第3号)

 令和6年9月19日(木曜日)午前10時開議

日程第1 議案第1号ないし議案第18号、報告第1号ないし報告第4号及び決算認定に対する質疑並びに一般質問

    

 午前10時0分開議

○議長(瀧田敏幸君) これより本日の会議を開きます。

    

 質疑並びに一般質問

○議長(瀧田敏幸君) 日程第1、議案第1号ないし第18号、報告第1号ないし第4号及び決算認定についてを一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。

 順次発言を許します。通告順により仲村秀明君。

 (仲村秀明君登壇、拍手)

○仲村秀明君 おはようございます。船橋市選出、公明党、仲村秀明でございます。会派を代表しまして質問させていただきます。

 それでは、通告に従い、順次質問いたします。

 1、知事の政治姿勢について。

 初めに防災について。

 海外の避難所は、生命を守るだけでなく、避災者が早期に日常生活を取り戻せるよう、快適な環境を提供することを目指しています。台湾では過去の教訓を生かし、プライバシーに配慮した間仕切りスペースや清潔な仮設トイレ、温かい食事などが提供されています。これに対し、日本の避難所は床に雑魚寝、不衛生な仮設トイレ、冷たい食事の配給など、快適さに欠ける状況が続いています。これは、災害時はみんな大変だから我慢するのが当たり前という考えや、避難所生活の改善が被災者の自立を遅らせるという誤解が影響しているのかもしれません。しかし、避難所の質的な改善は災害関連死を防ぎ、被災者が早期に日常生活に戻るために重要です。

 日本でも避難所環境の改善に向けた取組が進んでいますが、現場の努力に依存しているのが現状です。質的改善には国や都道府県がリードし、被災地周辺の自治体や民間の協力体制の構築が必要で、大きな発想の転換、意識の改革をすべきときを迎えていると考えます。

 公明党は、避難所のトイレ、キッチン、ベッドの確保やトイレトレーラーの配備、スフィア基準を参考にした取組、女性の視点を生かした避難所運営の必要性を訴えています。スフィア基準は、国際赤十字などにより1997年につくられ、居住空間につきましては1人当たり最低3.5平方メートルの確保や、トイレは20人に1つの割合で設置することなどが求められており、徳島県では避難所運営マニュアルに盛り込んでいます。

 今回の防災基本計画の修正では、災害応急対策に福祉的な支援の必要性が明記され、避難所の開設当初から段ボールベッドや間仕切りの設置に努めるなど、我が党の主張が数多く盛り込まれています。国の見直しを受け、本県も避難所の考え方を根本から大きく発想を転換した質的改善を行うべきと考えます。

 そこで伺います。防災基本計画の改定を踏まえ、避難所の質的改善にどのように取り組んでいくのか。

 続きまして、賃金の持続的な引上げについて伺います。

 公明党が推進してきた定額減税の効果もあり、6月の実質賃金はプラスに転じ、名目GDPも600兆円を超えました。最低賃金についても過去最大の引上げが行われ、全国平均の時給は1,055円となります。最低賃金の引上げは、賃金水準全般の底上げにつながり、構造的な賃上げの基礎となることが期待されています。持続的な賃上げを確実なものとしていくため、中小企業が賃上げを図れるよう価格転嫁を促していくことも大切です。9月は年2回設けられている価格交渉促進月間で、適切なコスト転嫁を国が後押しするために定められています。

 公明党が政府に提案してきた労務費の適切な転嫁に向けた価格交渉の指針には、発注側に対して受注側の求めがなくても定期的に協議の場を設けることや、受注側が交渉に使用するコスト上昇分を示す根拠資料の例などが明記されており、しっかりと活用していくことが賃上げに結びつくと考えられます。また、賃上げを各企業に働きかけていくには、こうした企業や関係団体が全て参加している公労使会議を活用することが最も近道だと考えます。

 そこで伺います。中小企業の持続的な賃上げの実現に向け、どのように適切な価格転嫁の促進に取り組んでいくのか。

 次に、孤独・孤立支援について伺います。

 近年、孤独や孤立が社会問題として深刻化をしています。社会環境の変化により人と人とのつながりが希薄化しており、コロナ禍によって孤独、孤立の問題が顕在化してきました。政府による孤独・孤立の実態把握に関する全国調査では、20代、30代という若年層で孤独を感じている割合が高い結果が出ており、近年、若年層に市販薬、処方薬の過剰摂取、いわゆるオーバードーズが広がる背景にも孤独、孤立があるとも言われています。孤独、孤立は世代を超えて大きな社会問題と捉え、取り組む必要があります。

 そこで伺います。高齢者だけでなく若者を含めた孤独、孤立の状況に対する県の認識はどうか。

 孤独や孤立に悩む人を助けるため、政府は2021年に孤独・孤立対策担当大臣を任命し、2024年4月には孤独・孤立対策推進法を施行しました。同法は地方公共団体が関係機関などにより構成する孤独・孤立対策地域協議会を置くように努めるものと定めています。また、6月には自治体やNPO法人の支援、市民ボランティアの養成、24時間対応の相談体制の整備などを含む新たな重点計画も決定されました。県はこの法律に基づき、孤独や孤立を感じる人が声を上げやすい環境を整備し、支援を進めることになります。

 そこで伺います。孤独・孤立対策推進法の施行を踏まえ、県は今後どのように取り組んでいくのか。

 2、防災・減災対策について。

 初めに、個別避難計画について伺います。

 東日本大震災で多くの高齢者が犠牲になったことを受け、政府は2013年に災害対策基本法を改正し、市町村に対して、自力で避難が難しい高齢者や障害者などの要支援者の名簿作成を義務づけました。さらに、2021年には個別避難計画の作成を市町村の努力義務としました。しかし、多くの自治体が職員不足やノウハウ、財源の問題で計画策定に苦労しています。今後予想される南海トラフ地震や首都直下地震、また、毎年のように発生する水害に備え、早急に計画の策定を行うよう県としても市町村への支援を強化すべきと考えます。

 そこで伺います。災害時の個別避難計画の策定状況と作成促進に向けた支援はどうか。

 次に、ペット同行避難について伺います。

 災害時の課題として、ペットの同行避難があります。環境省は2018年に人とペットの災害対策ガイドラインを作成し、ペット同行避難を推奨しています。本県では約8割の自治体がペット同行避難を可能としていますが、実態を見ると、その具体の内容につきましては、避難所運営委員会で取り決めることとしており、ルール化が進んでいない避難所が多く見受けられます。地域防災計画にペット同行避難が含まれていても、実際の受入れ体制が整っていなければ意味がありません。実効性のある対策が必要です。

 そこで伺います。避難所におけるペット同行避難の受入れ体制の状況はどうか。また、ペット同行避難の実効性を高めるための取組が必要だと思うが、どうか。

 次に、応急仮設住宅について伺います。

 能登半島地震による石川県での死亡者数は、9月10日時点で358人に上り、特に131人は災害関連死と認定されています。避難所生活の長期化が災害関連死のリスクを高める要因の1つです。体育館などの避難所は一時的な避難場所であり、長期間の生活には適していません。プライバシーの欠如や衛生状態の悪化、エコノミークラス症候群や感染症のリスクが高まるため、早期に避難所から出ることが重要です。

 避難所生活が長期化することを防ぎ、被災者に一時的な住居を提供するためのものとして、応急仮設住宅があります。応急仮設住宅は、被災者に一時的な住居を提供するもので、プレハブや木造で迅速に建設、提供できます。基本的な生活設備が整っており、被災者が日常生活を再開しやすく、災害関連死の防止にも役立ちます。被災者支援として、応急仮設住宅の提供体制を整えておくべきと考えます。

 そこで伺います。災害時における応急仮設住宅の提供体制はどのようになっているのか。

 3、公共交通への支援について。

 初めに、EVバス導入について伺います。

 本県が策定した千葉県カーボンニュートラル推進方針には、県民の意識改革や行動変容を通じた脱炭素型ライフスタイルへの転換が求められるとして、移動に伴うCO2削減のため、EVバスや合成燃料を活用したバスの導入など、公共交通を軸とした交通ネットワークの再構築を進める必要があるとしています。そのため、県では県内の交通事業者等が次世代自動車や充電設備などを導入する際の費用について、国の補助事業に一部上乗せ補助を行い推進を図っています。しかし、補助の条件として、導入する事業所には太陽光発電設備の併設が必要であるとともに、キュービクルは対象外であるなど、条件の緩和を望む声もいただいています。

 そこで伺います。EVバスの導入に向けた支援の充実と、キュービクル設置補助の創設が必要だと思うが、どうか。

 次に、路線バスの運転手について伺います。

 一般路線バスは運転手不足の厳しい状況が続いています。また、働き方改革関連法により、本年4月から運転手の時間外労働が年間960時間に制限され、人手不足がさらに深刻化しています。この問題の解決策の1つとして、女性運転手の活躍が期待されていますが、令和6年版交通政策白書によりますと、国内のバス運転手に占める女性比率は2%と低く、労働環境の整備や職業イメージの改善が必要です。女性運転手の増加は、人手不足の解消や路線バスの維持にも役立つため、県として支援を行うべきではないでしょうか。

 そこで伺います。路線バスの女性運転手の確保に向けどのように支援をしていくのか。

 4、保健・医療施策について。

 初めに、ワクチン接種について伺います。

 まず、帯状疱疹ワクチンについて。

 帯状疱疹は、水痘と同じウイルスが原因で免疫力が低下すると発症しやすくなります。80歳までに3人に1人がかかり、特に50歳以上で発症率が高くなります。予防にはワクチン接種が有効とされており、帯状疱疹ワクチンは現在、任意接種とされております。1回接種の生ワクチンと2回接種の不活化ワクチンがあります。接種費用は高いもので4万円程度かかり、経済的負担が大きいことから、近年は全国で独自に接種費用を助成する自治体が増えています。千葉県でも半分以上の自治体が接種費用の助成を始めていますが、県民からは、まだまだ費用負担が大きく、さらなる補助を求める声も上がっています。

 そこで伺います。市町村における帯状疱疹ワクチン接種費用の補助の状況はどうか。また、県として補助を行うべきと考えるが、どうか。

 次に、HPVワクチンのキャッチアップ接種について伺います。

 令和4年4月にHPVワクチン接種の積極的勧奨が再開されてから約2年がたちました。この再開に伴い、勧奨がなされなかった期間の対象者に対して、3年間の期間限定でキャッチアップ接種が行われています。本年5月30日に開催されたHPVワクチンの自治体説明会では、国の調査結果として、キャッチアップ接種について、対象者の約半数が知らなかったこと、保護者や大学生相当以上の女性において、HPVワクチン接種を考え始めたきっかけの大多数は、自治体からの接種の案内が届いたことであったこと、令和5年度、4年度、いずれも未接種者への再勧奨を行っていないと回答した自治体が全体の8割前後を占めたことなどが示されました。

 これを受け、国は未接種者に対して、単一年度で複数回勧奨を行うことを含めた情報提供を促しています。また、国が作成した広報資材や自治体の好事例などをほかの自治体にも提供し、効果的な周知、広報に活用することも勧めています。

 さらに、国が8月14日に示した5月30日の自治体説明会における質疑への回答で、実施状況等を把握しながら、再勧奨の実施について御検討くださいとしていることから、2024年に一度個別通知を行ったが、接種率が十分でない場合には、さらに県から各自治体に対して、今年度内にもう一度個別通知による再勧奨を促すべきと考えます。2000年度生まれの世代では初回接種率が30%を切っており、令和7年3月末のキャッチアップ接種終了までに接種率向上に取り組む必要があると考えます。

 そこで伺います。HPVワクチンのキャッチアップ接種の状況はどうか。また、接種期限の迫る中、どのように取り組んでいくのか。

 次に、リトルベビーハンドブックについて伺います。

 千葉県では毎年300人のリトルベビーが生まれています。そうした御家族の思いに寄り添った支援をするツールとしてリトルベビーハンドブックがあります。現在、当事者の皆さんの声を受け、全国の都道府県で導入が進んでいます。千葉県でもリトルベビーハンドブックが2023年9月から配布され、おおむね1,500グラム未満で出生した赤ちゃんとその家族を支援するため、県内12か所の周産期母子医療センターや各市町村において配布されています。千葉県での導入がちょうど1年となることから、その活用状況が気になるところです。

 そこで伺います。リトルベビーハンドブックをどのように周知、活用しているのか。また、評判はどうか。

 次に、特定行為研修を修了した看護師について伺います。

 働き方改革により、医師の時間外労働に年間960時間以下、月間100時間未満の上限が設けられ、過剰な労働を防ぐための措置が取られていますが、反面、これにより医師の負担が増えたり、人手不足が深刻な地域では医師の確保が難しくなったりするおそれがあります。そうした問題の解決の一助として、特定行為研修を修了した看護師を増やすことが期待されています。特定行為研修を修了した看護師は、医師の指示を受けて特定の医療行為を実施できるため、こうした看護師が増えれば、医師の業務負担が軽減につながるとともに、医師の平均勤務時間が短縮されるなど、医療現場の働き方改革において非常に有効な手段となります。

 国は特定行為研修を修了した看護師の数を増やすために、研修機関の設置や拡充を進めております。また、研修プログラムの開発や運営に必要な資金やリソースの提供、研修修了者が実際に特定行為を行える環境整備の支援も行っています。千葉県も医師の働き方改革をスムーズに進めるため、特定行為研修を修了した看護師を増やすべきと考えます。

 そこで伺います。特定行為研修を修了した看護師を増やすため、県はどのように取り組んでいるのか。

 次に、ナースセンターについて伺います。

 千葉県において看護師の確保は重要な課題です。千葉県では、千葉県看護協会を千葉県ナースセンターとして指定するとともに、その運営管理を委託しています。同センターでは、看護職の無料職業紹介所として、無料で看護師等の就業に関することや進路に関することなどの相談を受け、相談者個々の状況に応じたきめ細かい対応を行っています。また、ブランクがあって再就業に不安のある方を対象に、看護基礎技術講習会や訪問看護基礎研修会を無料で実施し、再就業に向けた支援も行っています。特にこれからは看護人材確保のための同センターの役割がさらに大きくなってまいります。その役割を果たすためには、同センターの機能強化に具体的に取り組む必要があると考えます。特に人員面での体制強化が必要です。

 そこで伺います。千葉県ナースセンターの体制強化が必要だと思うが、どうか。

 5、児童相談所の専門職員の確保について。

 ゼロ歳から18歳未満までの児童に関する様々な相談や、増加傾向にある児童虐待の通告に対応する児童相談所のニーズは大きくなっています。県は、一時保護環境の充実と職員の働きやすい環境を整えるために、令和8年に2所新設、令和9年に2所を建て替える計画です。また、中核市の船橋市と柏市でも令和8年度中の開設を目指しています。よって、職員の確保と配置は大変重要です。

 児童相談所の職員は、心理学や社会福祉学の知識、虐待対応の専門的なスキルを持ち、何が子供にとって一番よいのかを常に考えながら面接をし、また、子供とその御家族の生活がよりよい状態に向かうためのサポートを探っています。県は、児童相談所の専門職員が電話対応、面接、家庭訪問、それに付随する記録作成、会議資料作成などの業務量が増大し、職員一人一人にかかる負担が大きくならないようにし、処遇の改善も図りながら、専門職の職員の人材確保に力を入れていかなければなりません。

 そこで伺います。児童相談所の専門職の職員の人材確保に向けどのように取り組んでいくのか。

 6、ヤングケアラー支援について。

 ヤングケアラーについて、6月施行の改正子ども・若者育成支援推進法では、国や自治体が支援するべき対象として明文化されました。今年度から全市町村での設置が努力義務となったこども家庭センターを通じ、当事者に確実な支援が行き届く環境整備が進められています。東京都医学総合研究所などの研究によると、ヤングケアラー状態が思春期に長期間続くと精神的不調のリスクが高まることが分かりました。2年以上続けている児童は、抑鬱状態や自傷行為、自殺念慮のリスクが高いことが明らかになりました。特に祖父母との同居により、ケアラーの状態が長く続く世帯での介護の負担が重いヤングケアラーの状態が長期化しやすいとされ、学校や公的機関が早期に気づき、負担を軽減する支援が重要とされています。

 これまで県議会でも何度もヤングケアラー支援を訴えてまいりましたが、現在の県の取組について、確認の意味も含め伺います。

 1、ヤングケアラーを把握し、支援につなげるため、県教育委員会はどのように取り組んでいるのか。

 2、県は学校や市町村などの関係機関との連携強化にどのように取り組んでいくのか。

 7、介護施策について。

 初めに、介護支援専門員について伺います。

 高齢者の増加に伴い、介護支援専門員、いわゆるケアマネへの相談や支援の要請が増加していますが、全国的に介護支援専門員が不足していることが深刻な問題となっています。介護支援専門員が不足すると、1人当たりの担当利用者数が増え、サービスの質が低下し、必要なケアをすぐに受けられないなどの問題が生じます。介護支援専門員の養成に関する調査研究事業報告書によりますと、千葉県の介護支援専門員の不足感は96.6%と高く、介護支援専門員が不足している状況での対応につきましても、71.5%が問題を感じています。地域包括支援センターや居宅介護支援事業所でも同様に深刻な不足感があり、早急な改善が必要とされています。

 そこで伺います。介護支援専門員が不足している原因についてどう考えているのか。また、解消に向け県としてどのように取り組んでいくのか。

 次に、介護事業所におけるカスタマーハラスメントについて伺います。

 カスタマーハラスメントは、サービス提供者が顧客から受けるハラスメントです。2023年9月に労災認定基準が改正され、カスハラが原因で精神障害を発症した場合、労災として認定される可能性があることが明記されました。例えば暴言や脅迫、過剰な要求が繰り返されることで、従業員が精神的な健康を害するケースが該当します。このようなケースでは、企業側は従業員を守るための適切な対策を講じることが求められています。

 ある訪問介護事業所の経営者は、女性スタッフに対する利用者からのセクハラや過剰な要求の件で、これ以上会社として支援ができないと思い悩み、相談窓口を調べたところ、厚労省の相談窓口はあったそうですが、身近な場所での相談窓口が見つからず困っておりました。現在、介護事業所向けのカスハラ相談窓口は1都7県に設置されておりますが、千葉県にはありません。千葉県では、労働相談センターなどが紹介されていますが、介護現場の特殊事情に詳しい専門の相談窓口の設置が求められております。

 そこで伺います。県で介護事業所におけるカスタマーハラスメントの相談窓口を設置すべきと思うが、どうか。

 次に、喀たん吸引について伺います。

 訪問介護事業者は、仕事をする上で様々な資格が必要です。その中でも喀たん吸引等研修は重要な資格の1つです。喀たん吸引とは、吸引器を使って口や鼻からたんを取り除く医療行為で、呼吸困難や誤嚥性肺炎を防ぐために行われます。特に自力でたんを出せない高齢者や病気の方にとって重要です。喀たん吸引は医療行為ですが、研修を受けた介護職員も行うことができます。高齢化が進む中で、介護現場での喀たん吸引のニーズが高まっており、喀たん吸引ができる介護職員を育成していく必要があると考えます。

 そこで伺います。喀たん吸引の研修の受講状況はどうか。また、受講拡大に向け県はどのように取り組んでいるのか。

 8、障害者支援について。

 初めに、強度行動障害について伺います。

 強度行動障害は、自分や他人に危害を及ぼす行動が頻繁に続く状態を指し、本人や周囲の生活に大きな影響を与えます。障害の特性や周りの環境をきちんと把握し、本人に合った支援、治療を行うことが大切とされています。令和3年度の厚生労働省の調査では、障害福祉サービスを利用する強度行動障害者の延べ人数は6万8,906人と報告されております。重度の強度行動障害者の在宅ケアは家族だけでは大変に難しいのですが、受入れできる入所施設がなかなか見つからないとのお話もいただいております。

 これまで県立袖ケ浦福祉センターで大規模集団ケアを行ってきましたが、各地域の民間施設で分散して受け入れ、個別に対応する方針に転換し令和4年度末に廃止されました。その上で県は強度行動障害のある方に対して、民間事業者の協力の下、市町村と連携して受入れ施設につなぐ支援を行うとしておりますが、現場では受入れ施設が見つからず苦労しているとの声もあります。

 そこで伺います。重度の強度行動障害のある方の施設での受入れについて、県はどのように支援をしているのか。

 次に、障害児・者の入所施設について伺います。

 近年、障害のある方が増えており、障害のある人に対する福祉サービスの充実が求められております。特に重度の知的障害と肢体不自由を併せ持つ重症心身障害児・者や、人工呼吸器を使用し経管栄養などが日常的に必要な医療的ケア児・者が将来にわたり安心して生きていくための施設整備は急務であります。しかし、県内の重症心身障害児・者、医療的ケア児・者を受け入れる施設の整備状況は、まだ十分とは言えず、大きな問題です。親亡き後の子供たちの将来を心配する父母からは、施設の設置を求める切実な声が上がってきております。この状況を改善し、障害児・者が地域で安心して暮らせるよう取り組むべきと考えます。

 そこで伺います。重症心身障害児・者や医療的ケア児・者の受入れ施設を増やすため、どのように取り組んでいるのか。

 9、環境保全について。

 初めに、浄化槽台帳について伺います。

 浄化槽法は、生活環境の保全と公衆衛生の向上を目的として、都道府県には浄化槽の適正な維持管理の指導が求められ、令和元年の改正で台帳整備が義務化されました。また、台帳のシステム化、デジタル化とともに、保守点検や清掃の実施状況の記載も求められました。令和5年5月25日の環境省の通知では、都道府県知事は、保守点検の実施状況や清掃の実施状況に関する情報の収集に当たり、法第49条第2項の規定を活用して市町村に対して清掃の実施状況に関する情報の提供を求めるなど、実効性のある情報収集を積極的に実施することとされています。このため、浄化槽台帳の整備に当たっては、保守点検を行う事業者や清掃を行う事業者、清掃事業者の許可を行う市町村との連携が重要です。

 そこで伺います。浄化槽台帳の整備状況はどうか。また、市町村や事業者との連携を進めるべきではないか。

 次に、浄化槽の法定検査についてです。

 浄化槽の管理者は、年に1回の法定検査を受ける義務がありますが、令和4年度の調べでは、千葉県の受検率は全国でワースト2位となっております。法定検査受検率の向上は重要な課題です。令和6年1月に県が実施したアンケート調査では、浄化槽は法律で年1回の法定検査の受検が義務となっていることを50%もの人が知らなかったとの結果から、検査が義務であることの周知に努めることも必要と考えます。

 そこで伺います。法定検査受検率の向上にどのように取り組むのか。

 次に、PFOS、PFOAについて伺います。

 県では、河川や地下水、水道施設での水質検査や分析を行い、PFOSやPFOAに関する正しい情報を発信し、県民の不安の解消に努めています。また、石油コンビナート地域の災害用に県が保有している泡消火薬剤は、PFOSを含まないものに代替済みと伺っています。9月補正予算では、PFOS及びPFOAによる地下水汚染防止対策の新規事業案が提出されましたが、今後は新たな排出を防ぐための対応も必要です。

 PFOSやPFOAは、現在、製造、輸入が禁止されておりますが、過去に製造された薬剤の使用は禁止されていません。これらの薬剤は市中在庫において消火設備内にまだ保管されている可能性があります。化審法に基づき、保管、表示、点検が義務づけられているため、民間の泡消火設備の所有者に対して、保管確認や漏えい時の対処法、PFOSなどを含まない薬剤への早期代替を促すよう、県も周知、広報を行い、代替促進の支援を行う必要があると考えます。

 そこで伺います。泡消火設備からのPFOS、PFOAの新たな排出リスクを低減することを目的とした取組を行うべきと考えるが、どうか。

 次に、小型充電式電池の適正な処理について伺います。

 リチウム蓄電池はパソコンやデジタルカメラなどで広く使われておりますが、強い衝撃や圧力で発火や爆発の危険があります。環境省によると、廃棄物処理時にリチウム蓄電池が原因と疑われる火災事故は4,260件発生しており、自治体には危険物の除去や消火設備の増設、市民への周知が求められております。

 埼玉県上尾市のごみ処理施設では、誤った方法で捨てられたリチウム蓄電池が原因と見られる火災で9か月半の稼働停止がありました。このような火災は全国で相次いでおります。そのため、販売店などで回収しているリチウム蓄電池を地方自治体が家庭から直接回収する動きが広がっています。リチウム蓄電池は適切に回収すればリサイクル可能な希少資源となるため、分別の徹底が重要で、環境省からは分別廃棄の重要性を訴える啓発動画やポスターも提供されております。

 そこで伺います。リチウム蓄電池の適正処理について自治体による強力な周知、広報が必要と考えるが、県の取組はどうか。

 10、中小企業支援について。

 初めに、中小企業の人材確保についてです。

 千葉県公明党は毎年夏に政策要望懇談会を開催し、様々な業種の団体から要望を聴取しています。中小企業団体からは、人材確保の支援が重要課題として挙げられました。最近の民間調査によると、若者の就職意識は再び大企業志向に向かっているようです。例えば2025年卒の大学生を対象とした調査では、大企業志向が53.7%と3年ぶりに5割を超えており、人材の取り合いの中で、中小企業にとって厳しい結果となっております。しかし、その一方で、若者は企業選択にやりたい仕事への関心の高さもうかがえることから、中小企業の人材確保には、企業を知ってもらう、また魅力を伝えるといったマッチングが重要であると考えます。

 この7月に公明党会派で視察した京都府の京都ジョブパークでは、ジョブパーク内に京都企業人材確保センターを設置し、学生をはじめとした若者の京都府内の中小企業への定着の支援も行っています。千葉県においても、このような取組をぜひ取り入れていただきたいと強く感じ、帰ってきました。

 そこで伺います。人材不足の中、若者と中小企業のマッチングをどのように支援をしていくのか。

 中小企業団体が行ったアンケートによりますと、自社で災害時に事業を継続するための計画でありますBCPを作成しているかとの問いに、作成しているが12%、作成しているが不十分が14%、そして、作成していないが74%に上るという結果が出ており、県内の中小企業のBCP策定はまだまだ進んでいないのが実情です。県は、昨年度までBCP策定支援事業で、BCP策定講座や個別コンサルティングを実施していました。個別コンサルティングについては累計で約70社ほどの活用があり、好評を博していたようですが、今年度は実施されておりません。豪雨災害や地震などのリスクが高まっている今こそ、中小企業のBCP策定支援を大きく進めていくべきではないでしょうか。

 そこで伺います。中小企業のBCPの策定支援にどのように取り組んでいくのか。

 11、スマート農業について。

 先日、報道でジャンボタニシ被害軽減対策の取組が紹介されていました。ジャンボタニシによる被害が県内の水稲農家で大きな問題となっており、県は水田の均平と浅水管理の推奨をしています。ジャンボタニシは一部が露出すると行動が鈍るため、水量管理で稲の食害を防ぐことができます。新たな手法として、最新のICT技術による水位管理が大きな効果を上げているとのことでした。人手もかからず非常に有効であるが、課題は設備費用とのことでした。

 現在、県はスマート農業を推進し、ロボット技術やICTを活用して農業の省力化や生産性向上を図っています。経験の浅い農業者でも容易に操作できる田植機やトラクターなどが農産物を効率的に育てることに使われているようですが、さきの例のように病害虫防除にもICT技術を活用できるよう積極的に支援すべきと考えます。

 そこで伺います。病害虫防除を含めた農業におけるICTの活用に、県はどのように取り組んでいくのか。

 12、県営住宅について。

 近年、県営住宅の入居者の高齢化に伴う課題が増えています。例えば自治会活動や共同施設の管理に困難が生じたり、コミュニティーの活力低下による防犯性の低下が懸念されます。高齢者の単身世帯増加による孤独死のリスクも高くなってきています。また、県営住宅には障害のある方も多くお住まいで、住民の福祉的な支援が必要な方は今後も増えていくと思われます。

 千葉県には144の県営住宅があり、住宅の安定供給、生活の質の向上、地域社会の安定、高齢者や障害者の支援といった役割を果たしてきましたが、住民が安心して暮らし続けるためには、課題解決に対して県によるさらなるサポートが必要と考えます。

 そこで伺います。県営住宅における高齢者を含む福祉的な支援を必要とする入居者に対してどのように対応しているのか。

 13、北千葉道路について。

 北千葉道路は全長約43キロの道路であり、このうち鎌ケ谷市初富から成田市押畑間の約30キロが一部暫定2車線で供用されています。外環道と成田国際空港を最短で結ぶ北千葉道路の機能を十分に発揮させるためには、未事業化区間を含む市川市から船橋市間の進捗が重要と考えています。

 現在、未整備となっている外環道から鎌ケ谷市初富の一般部や、外環道から船橋市小室までの専用部、つまり自動車専用道路の整備によって、産業の振興による地域の活性化、周辺道路の渋滞の緩和や大型車両の生活道路からの転換による安全性の向上などが期待されています。今後、成田空港の機能強化や物流施設の整備に伴う交通需要のさらなる増加にも対応するため、国道16号と接続する小室インターチェンジを含む北千葉道路の早期整備が必要です。

 そこで伺います。北千葉道路の市川市から船橋市間の進捗状況はどうか。

 14、教育施設について。

 小中学校のGIGAスクール構想について伺います。

 現代社会ではICT活用能力が重要です。未来の社会、Society5.0では、ICT活用能力や問題解決能力、コミュニケーション能力、適応力、倫理観などが求められています。子供たちが将来、社会で活躍できるよう、学校教育をはじめ社会全体で取り組んでいくことが重要です。

 日本の学校教育ではICT環境の整備が遅れておりましたが、政府は2019年にGIGAスクール構想を発表し、全ての小中学生に1人1台の端末と高速ネットワークを提供することにしました。新型コロナウイルスの影響で、全国の小中学校に端末とネットワークの整備、オンライン学習やデジタル教材の活用などが前倒しで実施されました。一方、GIGAスクール構想の実現に向けた整備が短期間のうちに一気に進んだこともあり、教員の負担増やネットワーク環境の影響などで、学校によってはICT端末の活用に差が生じるといった課題もあるようです。

 そこで伺います。

 ア、ICT端末を活用した授業の実施状況と課題はどうか。

 イ、ICT端末を活用した授業の推進に向け、どのように取り組んでいくのか。

 次に、県立高校における通級支援について伺います。

 障害のある児童生徒のために、適切な指導及び支援が進められております。特別支援学校では、重い障害のある児童生徒に専門的な教育が行われ、特別支援学級では障害の種別ごとにクラスが編制され、一人一人に合った教育が提供されております。令和5年時点で特別支援学校の児童生徒数は、平成25年度の約1.3倍、特別支援学級も約2.1倍に増えています。また、通常のクラスに在籍しながら特別な指導を受ける通級指導を受ける子供たちの数も増加しており、千葉県では令和5年度に7,479人に達しました。

 中学卒業後は、以前は通級による指導が制度化されていなかったため、障害のある生徒の学びの場は、主に高等学校の通常の学級、または特別支援学校高等部に限られておりましたが、県立高校における通級による指導が制度化され、平成30年度から県立高校に通級指導が開始されました。学習障害、注意欠陥多動性障害、自閉スペクトラム症などの発達障害を持つ生徒が、通常のクラスに在籍しながら必要な支援を受けられる体制が整えられたことは評価するものです。全ての生徒が共に学び合うインクルーシブ教育の理念を推進し、障害に対する理解を深め、豊かな心を育むことにもつながっています。

 そこで伺います。県立高校における通級による指導の現状と今後の考え方はどうか。

 次に、新県立図書館のMLA連携について伺います。

 新たな千葉県の知の拠点として、新千葉県立図書館が2029年に開館を予定しています。この図書館は、今までの3つの図書館の資料と人を1つにまとめ、業務の効率化、サービスの向上を図ります。また、千葉県文書館も併設されるとともに、青葉の森公園内に建てられることから、県立中央博物館も近くなり、図書館、文書館、博物館が連携したさらなる機能強化が期待されています。

 新千葉県立図書館・県文書館複合施設整備計画には、博物館、図書館、文書館の連携、いわゆるMLA連携がうたわれており、3館が連携、協力した取組により、基本理念である知の創造と循環を生み出すこととしています。今後、この連携がどのように実現されていくのかが注目されています。

 そこで伺います。新県立図書館におけるMLA連携をどのように進めていくのか。

 15、交通安全について。

 初めに、小型モビリティーについて。

 2023年7月1日に施行された改正道路交通法では、特定小型原動機付自転車という新しい区分が設けられました。この区分に該当する車両は、16歳以上であれば免許不要で運転可能です。電動キックボードなどがこれに該当するケースが多いと思われますが、基準には車体の大きさ、定格出力、最高速度などが含まれています。また、最近は都内を中心に、モペットと呼ばれるペダル付原動機付自転車が話題です。見た目は自転車のようですが、モペットは原動機付自転車として扱われ、運転には原動機付自転車免許や普通自動車免許が必要となっています。

 警察庁の発表によりますと、特定小型原動機付自転車による通行区分違反や信号無視などの検挙件数は、昨年から大幅に増加しています。また、モペットでも人身事故件数や検挙件数が増加傾向にあり、特に無免許運転や整備不良の割合が著しく高くなっています。これらの原因として、運転に必要な免許や装備に関する認識不足や交通ルールの周知不足が挙げられています。小型モビリティーにより新たな交通手段が増えることで利便性が向上する一方、事故や検挙件数の増加に伴い、歩行者の安全を守り、事故を防止するための取組が求められています。

 そこで伺います。小型モビリティーに対する安全対策にどう取り組むのか。

 次に、法定速度30キロへの変更について伺います。

 一般道路の法定速度は60キロメートルとなっています。令和6年7月26日に道路交通法施行令が改正され、令和8年9月1日からは法定速度が60キロメートルと30キロメートルの2種類になります。新しい30キロメートルの法定速度は、中央線や車両通行帯がない道路で往復の方向が分離されていない一般道路、特に住宅街の生活道路が対象となっています。新たな法定速度の導入により、これまで規制がなかった住宅街の道路も30キロメートルの法定速度が適用され、安全対策としては期待されています。

 しかし、中央線がありませんが道路幅が広い道路では、現在50キロメートルや60キロメートルで走行しているような道路もあり、30キロメートルの法定速度が守られにくい可能性があります。そのため、今後はそのような道路に対して対策を講じていく必要があり、新たな最高速度について県民への周知も必要です。

 そこで伺います。30キロメートル毎時の法定速度の施行に向け、県警ではどのように取り組んでいくのか。

 以上、1問目とさせていただきます。御答弁よろしくお願いいたします。(拍手)

○議長(瀧田敏幸君) 仲村秀明君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 公明党の仲村秀明議員の代表質問にお答えいたします。

 まず、政治姿勢についてお答えいたします。

 避難所の質的改善に関する御質問ですが、良好な避難環境の確保に向け、県では避難所運営の手引きを示すとともに、間仕切りやパーティションなども含め、必要な資機材の購入に対して補助をするなど、市町村の取組を支援してきたところです。今回の国の防災基本計画の見直しでは、避難の長期化等の状況に応じて使用することとされていたパーティションや段ボールベッドについて、避難所開設当初からの設置に努めるほか、トイレカーやトイレトレーラーの活用などを図ることとされています。県では、避難所におけるプライバシー確保のための間仕切りやパーティションの整備、トイレ環境の改善など、市町村における良好な避難環境の確保の取組を引き続き支援するとともに、さらに民間事業者等との協定の充実を図ることで、避難環境の改善に資する資機材や物資を迅速に調達し、被災地に届けられる体制を強化してまいります。

 中小企業の賃上げについての御質問ですが、実質賃金が2か月連続でプラスに転じるなど、賃金の状況は好転の兆しがあるものの、ボーナスを除く給与では、いまだ実質マイナスであり、今後も改善に向けた取組を強化していくことが必要です。原材料費等に比べ価格転嫁率が低い労務費の適切な転嫁を図ることは、中小企業が持続的な賃上げの原資を確保する手段の1つとして有効であり、国ではこのための交渉について、発注者と受注者の取るべき行動等の指針を取りまとめています。公労使会議においても、本年1月の持続的な賃上げに向けた共同宣言において、この指針を遵守し、適切に価格転嫁を促進することとしており、県や関係団体では、直接個別企業に価格転嫁の働きかけを行っているところです。今後も公労使会議などの場を通じ価格転嫁の実態を把握し、さらなる促進強化策の検討を進めるなど、関係者との議論を深めてまいります。

 次に、防災・減災対策についてお答えいたします。

 応急仮設住宅の提供体制についての御質問ですが、大規模な災害時においては迅速に応急仮設住宅を提供する必要があることから、建設型や賃貸型など状況に応じた対応ができるよう、県では、これまで建設関係及び不動産関係のそれぞれ3団体と協定を締結してきたところです。その上で、さらに幅広い応急仮設住宅の提供体制を確立するため、この9月に日本ログハウス協会及び日本ムービングハウス協会の2団体と応急仮設住宅の建設に関する協定を締結いたしました。引き続き市町村や協定団体と連携をし、建設候補地の情報共有や早期提供に向けた初動訓練を実施するなど、災害が発生した際に被災された方が一日でも早く日常生活を取り戻せるよう、応急仮設住宅の提供体制を強化してまいります。

 次に、保健・医療施策についてお答えいたします。

 HPVワクチンのキャッチアップ接種に関する御質問ですが、積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方へのHPVワクチンのキャッチアップ接種については、令和4年4月から令和7年3月末までの時限的措置であり、市町村に対し対象者への個別通知等を依頼するなど周知に努めてきたところです。今年2月に国が実施したアンケート調査では、対象者の48.5%がキャッチアップ接種の制度を知らないと回答しており、さらなる周知が求められています。このため、県では対象者が令和6年度末までの公費接種の機会を逃すことのないよう、SNS向け啓発動画を新たに作成して配信を開始したほか、教育機関等を通じた再周知などを実施しているところであり、引き続き市町村と連携し、広く制度の周知に取り組んでまいります。

 リトルベビーハンドブックの周知等についての御質問ですが、県では、令和5年9月に出生体重がおおむね1,500グラム未満の子供の健やかな成長を応援するために、ちばリトルベビーハンドブックを作成し、県内の周産期母子医療センターや市町村を通じて配布をしています。ハンドブックは、低体重で生まれたときからの身長、体重や発達の様子を保護者が記録できるほか、同じ経験をした方や、日頃から支援に関わる看護師からのメッセージ等を掲載しており、これまでに県ホームページで紹介するほか、市町村の保健師や助産師等へ周知するとともに、民間団体と連携した普及啓発を行ってきたところです。使用している保護者からは、我が子の記録ができる、気持ちが和らいだとの声が寄せられる等、好評を得ており、引き続きハンドブックを必要とする保護者に活用されるよう周知を図ってまいります。

 次に、児童相談所の専門職員の人材確保についてお答えいたします。

 児童相談所の専門職については、現時点では国が定める配置基準を満たしているものの、採用人数が予定数に満たないなど厳しい状況にあり、採用活動をより強化していく必要があると認識をしています。このため、県では経験者採用の職種の拡大や、県外での選考考査などを行っており、今年度は新たな取組として、児童相談所への就業に関心がある学生等を対象に、施設見学や現役職員との座談会を行う職場見学バスツアーなどを実施したところです。さらに、人材育成方針や新設する児童相談所等の情報を盛り込んだ若者に訴求力の高い動画をSNS等で発信し、本県の児童相談所で働く魅力を伝えていくなど、今後も児童相談所の専門職の確保に向け、効果的な取組を積極的に行ってまいります。

 次に、介護施策についてお答えします。

 介護支援専門員に係る県の取組についての御質問ですが、今年度、県が居宅介護支援事業所を対象に行ったアンケートの結果によれば、5割近くの事業所が介護支援専門員が不足していると回答しており、不足の要因として、業務負担が大きいことや、給与が業務内容に見合っていないことを挙げる回答が多くありました。県では、業務の効率化や処遇改善が主な課題であると考えており、その解消に向け、ケアプラン作成のためのICT導入など、業務改善に係る相談窓口を設置するとともに、介護支援専門員を含む介護職員全体のさらなる処遇改善について国に要望しているところです。今後もこうした取組を通じ、介護支援専門員の人材確保対策を進めるとともに、アンケートの結果も踏まえながら、効果的な取組を検討してまいります。

 次に、障害者支援についてお答えいたします。

 重度の強度行動障害のある方の施設受入れに関する御質問ですが、重度の強度行動障害のある方が地域で安心して生活を送れるよう、県では独自に千葉県重度の強度行動障害のある方への支援システムを構築し、市町村からの依頼を受けて、暮らしの場支援会議において入所先等の調整を行っています。受入れ施設においては、専門性の高い支援員の配置や個々の障害特性に応じた施設改修等が必要になることから、県では、支援員向けの研修の実施や施設整備費用の補助のほか、市町村と連携して支援員の追加配置に対する補助を行っているところです。引き続き市町村に対して支援システムの活用を促すとともに、より利用しやすいシステムとなるよう検討を進め、重度の強度行動障害のある方の受入れ環境の整備に取り組んでまいります。

 次に、中小企業支援についてお答えいたします。

 若者と中小企業とのマッチング支援についての御質問ですが、中小企業が若手人材を確保するためには、企業が効果的に自社の魅力を発信するとともに、若者に中小企業で働くことへの理解を深めてもらうことが重要と考えています。このため、県では中小企業に対し、若者に向けた効果的な情報発信のノウハウを解説するセミナーを開催するとともに、合同企業説明会など自社をPRできる機会を数多く提供しているところです。さらに、今年度は若者に中小企業を知ってもらう機会の充実を図るため、新たに学生が県内中小企業3社を訪問して各業界の実務を体験し、その魅力に直接触れることができる事業に取り組んでいます。事業に参加した企業からは、意欲的な学生とじっくりと話し合う機会が持てたといった声を、学生からは、将来性の高い企業が多く驚いたといった声をいただいているところであり、こうした取組をさらに進めることで、中小企業の人材確保を支援してまいります。

 最後に、スマート農業についてお答えいたします。

 病害虫防除を含めた農業におけるICTの活用についての御質問ですが、地球温暖化の進行に伴い、農作物の生育不良や病害虫の蔓延リスクなどが課題となっていることから、県では栽培管理の技術指導に加え、農業現場におけるICTの活用を推進しているところです。具体的には、ジャンボタニシによる被害を抑えるため、労力をかけずに自動で水位をコントロールできる水管理システムや、ハウス内の環境を最適に制御するシステムなどの導入を支援しています。また、気象データから水稲の生育を予測し、病害虫防除などの適切な作業時期の目安が分かるアプリ「でるた」を開発しており、今後も農業を取り巻く環境変化に的確に対応するため、ICTを活用したスマート農業技術の開発や普及に取り組んでまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えをいたします。

○議長(瀧田敏幸君) 副知事穴澤幸男君。

 (説明者穴澤幸男君登壇)

○説明者(穴澤幸男君) 私からは、まず、防災・減災対策について、個別避難計画に関する御質問にお答えします。

 災害時の避難行動に支援を要する方々の円滑な避難を確保するための個別避難計画については、令和6年4月1日現在で47団体において、全部または一部で作成済みとなっています。これまで、県では計画の作成方法を手引書に示すとともに、要支援者の実情をよく知る福祉関係者の参画が得られるよう、介護関係団体に協力を依頼しているほか、作成にかかる経費への財政支援を行っているところです。さらに、今年度は国の事業を活用し、未策定団体を対象に、計画の作成に携わった自治体職員による研修会を開催するなど、引き続き計画作成に向けた市町村の取組を支援してまいります。

 次に、公共交通について、女性運転手の確保に向けた支援に関する御質問にお答えします。

 令和6年度交通政策白書によると、女性のバス運転手の割合は2%程度となっていますが、全国的に人手不足が課題となっている中では、より多くの女性に運転手になっていただくことも有効と考えています。このため、県では新たに女性が働きやすい環境を整備できるよう、バス事業者が実施するトイレや更衣室、休憩所等の整備にかかる経費への補助を行うとともに、バス事業者向けに女性の視点を取り入れた人材確保に関するセミナーを実施することとしています。県としては、こうした取組を通じて、地域の県民生活を支える上で必要なバス路線の運転手確保に努めながら、公共交通における女性の活躍も促進してまいります。

 次に、環境保全について、泡消火設備からのPFOS、PFOAについての御質問にお答えします。

 一部の泡消火薬剤に使用されているPFOS及びPFOAについては、人の健康等に影響を及ぼす可能性が指摘されていることから、外部への排出抑制等の対策が重要です。令和5年度の国通知では、PFOS等を含む薬剤流出時の届出義務やPFOS等を含まない薬剤への代替の促進等が求められており、県では、各消防本部を通じて関連施設の管理者に対し、その周知を図ったところです。今後、業界団体の協力も得ながら、PFOS等を含む泡消火薬剤の適切な取扱いや薬剤の切替えなどについて、点検等の機会を捉え周知してまいります。

 次に、県営住宅の入居者への対応についての御質問にお答えします。

 県営住宅の入居者の中には、高齢化や障害により福祉的支援を要する事情を抱えている方がおり、身体機能の低下による団地内の移動や、円滑な自治会活動に支障があるとの相談を受けることがあります。そのため、県では低層階への住み替えや市町村と連携した民間事業者による移動販売サービスの提供、共益費の徴収方法に関する助言等の取組を行っています。また、障害のある入居者がお困りの場合には、必要に応じて市町村の福祉部門との連携を図り、対応しています。今後とも個々の入居者の抱える事情に寄り添いつつ、福祉部門との連携を含め、入居者が安心して暮らせるよう丁寧に対応してまいります。

 最後に、北千葉道路についてお答えいたします。

 当該道路は成田空港と外環道を最短で結ぶ幹線道路であり、今後、国家プロジェクトとして、空港を核とした国際航空物流拠点の整備の加速などが見込まれており、さらなる交通需要の増大に対応するためにも、一日も早い全線開通が必要です。これまでに市川市から船橋市間の都市計画変更及び環境アセスメントの手続を完了し、このうち外環道と接続する市川-松戸区間は、令和3年度に国により事業化され、現在、構造物の詳細設計や地質調査、用地調査などが進められているところです。県としては、今後の用地取得を円滑に進めるため、県と沿線市等で構成するプロジェクトチームにより国を支援していくとともに、未事業化区間の早期事業化が図られるよう、地籍調査の促進や広報活動に積極的に取り組んでまいります。

 私からは以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 副知事黒野嘉之君。

 (説明者黒野嘉之君登壇)

○説明者(黒野嘉之君) 私からは、まず、孤独、孤立の状況に対する県の認識についての御質問にお答えいたします。

 少子高齢化、単身世帯の増加、核家族化などの社会環境の変化により、家族や地域などにおける人と人とのつながりが希薄化し、孤独、孤立は世代を超えて誰にでも起こり得るものになっております。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で直接対面でのコミュニケーションが減少したことなどにより、虐待や自殺などの孤独、孤立の問題が顕在化、深刻化しました。県としては、孤独、孤立に悩む人が誰一人取り残されることのないよう、社会のあらゆる分野においてきめ細やかな支援を進めていくことが重要であると認識しております。

 次に、孤独・孤立対策推進法の施行を踏まえた県の取組についての御質問ですが、本年4月に施行された孤独・孤立対策推進法では、孤独・孤立双方への社会全体での対応、当事者等の立場に立った施策の推進、社会との関わりや人と人とのつながりを実感できる施策の推進を基本理念として掲げ、その実現に向けて関係者が相互に連携を図りながら協力するよう努めることとしております。これまで、県では中核地域生活支援センターやひきこもり地域支援センターなどにおいて、市町村や民間の支援団体などと連携しながら、当事者への相談支援や居場所づくりに取り組んでいるところです。今後は法施行の趣旨にのっとり、こうした関係機関との連携を強化してネットワークを構築するとともに、孤独・孤立対策を推進していくための効果的な方策を検討してまいります。

 次に、ペット同行避難についての御質問ですが、県では、避難所を開設する市町村にペット同行避難への対応をお願いしており、令和6年2月時点で27市町においては、全ての避難所で同行避難が可能であり、他の市町村においても、少なくとも1か所は対応可能な避難所を設定している状況です。また、ペット同行避難については、その実効性を高めることが重要であるため、県では、平時から飼い主に対し、避難を見据えて餌や水などの備蓄や必要なしつけを行うよう啓発を図るとともに、市町村に対しても同行避難の訓練の実施を求めているところです。今後も同行避難訓練の実例を紹介するなど、市町村への支援と併せ、ペットに関する資材の備蓄や地域獣医師会との協定締結について、市町村への働きかけを行ってまいります。

 次に、EVバスなどに関する支援についての御質問ですが、公共交通におけるEVバスの導入は、カーボンニュートラルの実現に向けて重要であり、官民連携して取り組むことが必要です。EVバスの導入に対しては、バス事業者の負担が同規模のディーゼルバスの導入と同程度となるように、国と県で差額を補助しておりますが、国の予算の制約から採択されないことがあると承知しております。また、キュービクルについては、国の補助事業において上限額が実態を反映していないという意見があると聞いております。県としては、今後とも国に対し補助上限額の引上げや、十分な予算の確保について要望を続けてまいります。

 次に、帯状疱疹ワクチン接種費用の補助についての御質問ですが、帯状疱疹ワクチンについて、県内市町村では9月5日現在、28団体が接種費用に対し助成を行っております。また、国においては帯状疱疹ワクチンの定期接種化について、審議会の小委員会における有効性、安全性、費用対効果などの議論が整ったことから、本年7月、上位の部会において対象年齢や用いるワクチンの種類など、より具体的な運用を含む検討が開始されたところです。県としては、引き続き国の定期接種化の検討状況や他県の状況などを注視し、対応してまいります。

 次に、看護師の特定行為研修に関する御質問ですが、特定行為研修は、医師の判断を待たずに手順書により一定の診療の補助を行う看護師を養成するもので、在宅医療の推進のほか、新興感染症などの感染拡大時に迅速かつ的確に対応できる看護師の養成、確保、医師の働き方改革に伴うタスクシフト、タスクシェアの推進に資する重要なものであると認識しております。令和4年12月末現在、県内の特定行為研修修了者の就業者数は235人となっており、県ではさらなる養成確保のため、特定行為研修の受講経費を負担する病院や訪問看護ステーションなどに対して、令和4年度、5年度の2か年で95名分の助成を行いました。千葉県保健医療計画においては、令和10年末の特定行為研修修了者の就業者数の目標値を800人としており、今後とも本事業を活用し、関係機関と連携して養成、確保に取り組んでまいります。

 次に、千葉県ナースセンターに関する御質問ですが、県では、看護職員の新規養成、復職支援、定着促進を推進するため、千葉県看護協会に委託しているナースセンター事業におきまして、中高生向けのふれあい看護体験や出前授業、求職者向けの無料職業紹介などを実施しているところです。特に無料職業紹介におきましては、看護職員として豊富な経験を有する就業相談推進アドバイザーによる丁寧な相談対応や、ウェブサイトでの様々な施設の求人情報の提供など、求職者のニーズに寄り添った支援を行っているところです。高齢化の進行に伴い看護ニーズが増大している状況に対応できるよう、引き続き県看護協会と緊密に連携し、ナースセンターの体制の充実強化に努めてまいります。

 次に、ヤングケアラー支援の連携強化に関する御質問ですが、ヤングケアラーは家庭内のデリケートな問題を抱えており、家族のケアが必要となる事情も複雑で、複合化しているケースも多いことから、学校や市町村などの関係機関が連携して、適切な支援につなげることが重要です。県では、学校からの要望に応じアドバイザーを派遣するとともに、スクールソーシャルワーカーなどの会議に県のコーディネーターが参加することなどにより、学校における支援の充実を図っております。また、市町村に対し、支援のパイプ役となるコーディネーターの配置や、家庭を訪問して家事支援などを行う子育て世帯訪問支援事業の実施などを促しているところです。さらに、今後は支援のネットワークを構築するため、関係機関が情報交換をする会議を年内に開催する予定であり、引き続きヤングケアラーへの支援の充実に取り組んでまいります。

 次に、介護事業所におけるカスタマーハラスメントについての御質問ですが、介護職員がハラスメントを受けた場合に適切に対応し、安心して働き続けられる環境を整備することは、介護人材の確保、定着の観点からも重要と考えております。利用者などからのカスタマーハラスメントについては、国の通知において介護サービス事業者において対策を講じることが望ましいとされており、県としても事業者に対する指導などの機会を捉えまして、マニュアルや対応の事例集を紹介するなど、対策が進むよう支援しております。また、「県民だより」や県ホームページを通じて、介護現場におけるハラスメント防止に関する広報啓発に努めているところであり、今後、介護保険の保険者である市町村の意向なども十分踏まえながら、さらなる支援策について検討を進めてまいります。

 次に、喀たん吸引の研修の受講状況と受講拡大についての御質問ですが、喀たん吸引の研修の修了者に対し県が発行する認定証の令和5年度の交付件数は、前年度より421件増加し、2,303件となっております。県では、喀たん吸引の研修を実施できる機関の開設を促進するため、研修機器などの整備を支援するとともに、研修の講師となる看護師などを対象とした指導者養成講習を実施しております。また、受講者の負担を軽減できるよう、研修の受講費用を助成する市町村に対し、その費用の一部を支援しているところであり、引き続き受講者の拡大に向け取り組んでまいります。

 次に、重症心身障害児・者などの受入れ施設についての御質問ですが、重症心身障害児・者や医療的ケア児・者が安心して豊かな生活を送るためには、一人一人の心身の状況や生活の実態などに応じて、医療型障害児入所施設や医療型短期入所事業所などによる医療面を含めた手厚い支援が必要です。このため、県では障害児・者施設の整備方針におきまして、これらの受入れ施設などを優先的に補助することとし、整備を促すとともに、昨年度からは、介護老人保健施設などを対象に、医療型短期入所事業所の開設について、個別相談や助言などを行う事業を市町村と連携しながら実施しております。さらに、医療的ケア児等支援センターにおいて、潜在看護師や訪問看護師の研修を実施するなど、支援人材の確保、育成を図っているところであり、引き続き重症心身障害児・者などの支援体制の充実に努めてまいります。

 次に、浄化槽台帳の整備状況と市町村や事業者との連携についての御質問ですが、令和元年度の浄化槽法改正により、浄化槽台帳の作成が義務づけられたことから、県では、これまで任意で作成していた台帳に替えて、令和5年度に市町村も閲覧可能なクラウド型浄化槽台帳サービスを利用した浄化槽台帳システムを導入いたしました。また、台帳の整備においては、今年度から下水道接続の情報を定期的に市町村から収集して、浄化槽の廃止状況を把握するとともに、これまでの台帳に不足していた保守点検や清掃の実施状況に関する情報について、保守点検業者及び清掃業者から報告を求めることといたしました。保守点検や清掃の有無などの情報を正確に把握し、浄化槽台帳を最新の状態に整備することは、浄化槽の適正管理につながることから、今後も市町村や事業者と連携して必要な情報収集に努めてまいります。

 次に、浄化槽法定検査の受検率向上の取組についての御質問ですが、県では、浄化槽の適正な維持管理のために必要な法定検査について、浄化槽設置者に理解していただくため、「県民だより」やラジオなどの広報媒体を活用した周知のほか、新規設置者全員への検査案内や、未受検者への受検指導文書の送付などを行っております。さらに、未受検者の受検を促すため、今年度は新たに受検指導文書の問合せから受検案内、検査の申込みまでを1か所でできるワンストップ窓口を指定検査機関に設置し、申込みしやすい環境づくりにも努めているところです。今後もこれらの取組を継続して実施するとともに、他県の事例も参考にしながら、受検率の向上に向けて取り組んでまいります。

 次に、リチウム蓄電池の適正処理の広報に関する県の取組についての御質問ですが、リチウム蓄電池は破砕や圧縮により発火の危険性があるため、不燃ごみなどに混入して排出された場合、収集車両やごみ処理施設での火災を引き起こす可能性があります。そのため、九都県市で連携し、廃棄時の危険性や適切な排出方法などについて、消費者や事業者に周知啓発するためのホームページなどを作成するとともに、分別して排出しやすい仕組みの検討を国に要望したところです。また、市町村などに対し分別廃棄の事例を紹介し、安全な収集、運搬、処分について対応を図るよう周知しました。今後も市町村などと連携して、リチウム蓄電池の適切な排出方法などについて、様々な広報媒体を活用して県民への周知を図ってまいります。

 最後に、中小企業のBCPの策定支援に関する御質問ですが、近年、過去に類を見ない自然災害が多発していることや、感染症の脅威、電力不足など様々なリスクが広がっていく中で、中小企業におけるBCPの重要性はますます高まっております。このため、県では令和4年度から令和5年度にかけて、県内中小企業に対し実践的な講座や専門家による個別コンサルティングを実施し、BCPの策定を集中的に働きかけました。これにより様々な業種や企業形態ごとのBCPを一定数策定できたところです。今後はこれらの実例を、まだBCPを策定していない中小企業が容易に活用できるよう、県のチャレンジ企業支援センターにおける専門家の伴走支援や啓発セミナーなどを通じてしっかりと支援してまいります。

 私からは以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 教育長冨塚昌子君。

 (説明者冨塚昌子君登壇)

○説明者(冨塚昌子君) 初めに、ヤングケアラー支援に係る県教育委員会の取組についてお答えいたします。

 教職員は児童生徒と接する時間が長く、悩みや小さな変化も捉えやすい存在であることから、学校生活の中でヤングケアラーを積極的に把握し、適切な支援につなげていくことが重要だと考えています。そのため、県教育委員会では、教職員に対し、ヤングケアラーの把握に向けたチェックリストの活用を促すとともに、スクールソーシャルワーカーを増員するなど、相談体制の充実を図っているところです。さらに、潜在的な支援のニーズを掘り起こすため、今年度新たに県内5つの中学校区で面談やアンケート結果を基に、スクールソーシャルワーカーによるプッシュ型の支援を行うモデル事業を実施しており、その成果を詳細に分析して、きめ細かな支援につなげてまいります。

 次に、ICT端末を活用した授業の実施状況と課題についての御質問ですが、本年4月に行った全国学力・学習状況調査の結果によると、1人1台端末を授業で週3回以上活用している学校の割合は、小中学校ともに8割を超えており、多くの学校で日常的な活用が進んでいます。しかしながら、毎日活用している学校と、週1日以下の活用にとどまる学校が、共に一定数見られるなど、学校間で差が生じていることが課題であると認識しております。さらに、調べ学習においては多く使われている一方で、児童生徒同士のやり取りにおいてはあまり使われていないなど、端末の活用場面が限定的であり、主体的、対話的で深い学びの実現に向け、一層効果的な活用が必要であると考えております。

 ICT端末を活用した授業の推進についての御質問ですが、県教育委員会では、これまで文部科学省から学校DX戦略アドバイザーを講師に招いて、各市町村のICT教育担当者を対象とした研修会を開催したり、ホームページやリーフレット等で好事例を周知してまいりました。今後もICT活用に関する研修を、より多くの教職員が受講できるよう、オンラインやオンデマンドでの受講を可能にしたり、各教育事務所による学校訪問において、端末の効果的な活用について指導するなど、様々な手段を通じて教職員の指導力向上に努めてまいります。さらに、一部の学校には業務改善DXアドバイザーを派遣し、校務のデジタル化を推進することにより、教職員のICT活用に対する意識改善を図り、授業における活用につなげてまいります。

 次に、県立高校における通級による指導についての御質問ですが、県教育委員会では、県立高校10校に特別支援教育の専門性を有する教員を配置し、自校での通級指導を実施しているほか、当該教員による巡回指導を4校で行っています。また、通級担当教員が指導上の悩みや効果的な指導事例について情報共有する場を設けるとともに、今年度から新たに発達障害などの知見を有する民間事業者を活用し、校内研修や教員への助言等を行っているところです。通級指導を通して、生徒の情緒の安定や通常の授業での理解促進などの効果が得られていることから、通級担当教員のさらなる指導力の向上や、学校全体での支援体制の構築に努め、県立高校における通級による指導の一層の充実を図ってまいります。

 最後に、新県立図書館におけるMLA連携に関する御質問ですが、県立図書館を集約し、県文書館を複合する新たな施設については、近接する県立中央博物館との、いわゆるMLA連携により、文化情報資源の集積と活用を図ることとしています。そのため、司書や学芸員など各施設の専門性を有する職員によるワーキンググループを昨年10月に設置し、それぞれの役割を整理した上で、今後の連携の在り方について協議等を行っています。今後は、各館の特徴を生かした共同企画や、それぞれが所蔵している千葉県関係資料を一度で探し出せるシステムの構築を目指すなど、サービスの向上に向けて引き続き連携強化を進めてまいります。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 警察本部長宮沢忠孝君。

 (説明者宮沢忠孝君登壇)

○説明者(宮沢忠孝君) 私からは交通安全についてお答えいたします。

 まず、小型モビリティーの安全対策に関する御質問ですが、特定小型原動機付自転車やペダル付原動機付自転車などの小型モビリティーの安全な利用を図るためには、車両区分に応じた交通ルールの周知と定着を図ることが重要であると考えております。県警では、小型モビリティーの販売等を行う事業者を把握した上で、事業者と連携し、販売時等における交通ルールの周知を図るとともに、関係機関・団体等と連携した効果的な交通安全教育と広報啓発活動に努めているところです。また、飲酒運転、信号無視等の悪質、危険な違反行為や、横断歩行者等妨害等の歩行者に危険を及ぼすおそれの高い違反に重点を置いた交通指導取締りを推進しております。

 次に、30キロメートル毎時の法定速度に関する御質問ですが、令和8年の新たな法定速度の施行に向け、県警では30キロメートル毎時の法定速度の適用を受けることとなる道路のうち、その適用を受けることが実態に合わない道路の把握に努めることとしております。このような道路では、交通量や車道幅員等の交通環境のほか、道路利用者や地域の方々の意見等を踏まえ、法定速度とは異なる速度の最高速度規制を実施することも検討していくこととしております。また、様々な機会を通じた広報啓発に努め、新たな交通ルールが実効あるものとなるよう取り組んでまいります。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 仲村秀明君。

○仲村秀明君 知事、副知事、教育長、警察本部長、御答弁ありがとうございました。それでは、順次要望と再質問を行わせていただきます。

 まず初めに、孤独・孤立支援でございます。政府の調査によりますと、孤独を感じる人の多くは、頼れる人や相談相手がいないと答えています。このため、孤独を感じている人が気軽に相談できる環境を整えることが重要です。現在、千葉県ではいのち支えるSNS相談窓口を開設し、孤独に関する相談も受け付けておりますけれども、対応時間が限定的です。さらなる周知と24時間対応の実現を求めます。

 孤独・孤立対策推進法の施行を踏まえた県の対応についてですけれども、孤独・孤立問題の解決には、地域の連携こそが鍵を握ると言われています。国の孤独・孤立支援推進交付金も活用しながら、しっかりと対策を進めるよう要望いたします。

 次に、個別避難計画についてですけれども、先日、私ども会派で視察した滋賀県は、防災と福祉を連携させた滋賀モデルというものを構築し、積極的に個別避難計画の策定に取り組んでおりました。千葉県でも防災と福祉の連携をさらに強化し、個別避難計画の策定を進めていくよう求めます。

 次に、ペット同行避難についてですが、ペット同行避難計画が実効性を伴うものとなるように、引き続きの取組をお願いいたします。特に同行避難の際に最初に課題となるペットの居場所の確保につきましては、避難を受け入れるために必要なケージをしっかりと避難所の備蓄として備えるように働きかけていただくことを要望いたします。

 また、近年ではペットと人が同じスペースで過ごす同伴避難というものもできてきております。同行避難とともに同伴避難可能な避難所の設置の推進も要望いたします。

 続きまして、EVバスについて、新しい車への入替えや設備の整備は多額の投資費用が必要となってまいります。カーボンニュートラルの目標達成に向けた県のEVバス補助金の上限の拡大やキュービクル補助の設置など、支援制度の拡充を要望いたします。

 続きまして、路線バス運転手についてですが、9月補正予算で新たに路線バス運転手確保対策の予算が計上され、交通事業者の労働環境整備に使われる予定となっておりますけれども、県が事業者を対象に行いました4月の緊急調査結果や現場の要望を踏まえながら、幅広く活用されるように要望いたします。

 続きまして、帯状疱疹ワクチンについてです。厚労省は帯状疱疹ワクチンを定期接種に含める方針を決定しておりますけれども、定期接種化では帯状疱疹ワクチンはB類の定期接種となり、補助額は3割程度となることが予想されています。対象も65歳以上となるとの情報もありまして、そうなりますと、現在補助している自治体では、今よりも県民負担が増える可能性が出てまいります。各自治体が追加補助を行うことも考えられますけれども、県としても独自の助成を行い、県民の負担軽減と健康保護を図るよう要望いたします。

 次に、HPVワクチンについてですが、熊谷知事も8月29日の定例記者会見におきまして、HPVワクチンのキャッチアップ接種を呼びかけていただいております。また、日本医師会もテレビCMなどで接種を訴えております。令和6年8月23日の厚生労働省からの事務連絡におきましては、正しい情報に基づいて接種の検討判断が行えるように周知に取り組むことを求めています。市町村に対して再度の個別通知など、積極的な周知を促すよう要望いたします。特に今年度、個別通知が未実施の自治体に対しては、対象者に対して確実に情報が伝わるような個別通知を促すように要望いたします。

 また、HPVは女性だけでなく、男性も同様に予防することで子宮頸がんを減らすことにつながりますので、今後、男性のHPVワクチン接種費用に対する助成を行っていくようにも要望いたします。

 続きまして、リトルベビーハンドブックについてです。保護者の皆さんから好評いただいているということで、大変にうれしく思います。リトルベビーハンドブックは、保護者だけではなく、地域や医療機関とも連携して活用することが重要と考えます。具体的には、NICU入院中の情報を職員が記入し、退院後は助産師や保健師が産後ケアや家庭訪問、乳児健診に活用したり、かかりつけ以外の医師にも情報を共有できるようにしていただきたいと思います。そのためには、関係者向けの活用のための研修会などが必要です。医療機関や地域保健機関が情報を共有することで、早期からの支援が可能となりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、特定行為研修についてです。令和6年2月のデータでは、特定行為研修を行う指定研修機関は県内9機関となっています。今後800名の目標を着実に、また早期に達成できるよう、研修機関を増やすことも視野に入れ、特定行為研修を修了した看護師を増やすように要望いたします。

 次に、ナースセンターにつきましては、ナースセンターの機能強化のためには、特に人員面での体制強化を要望したいと思います。

 次に、児童相談所についてです。中核市の船橋市や柏市における児童相談所の職員体制の整備に向けて、現在も研修や人材交流や確保を進めていると思いますけれども、県全体としてのバランスが取れた人材配置ができるよう、特に県がリードしていただきたいと思います。

 続いて、ヤングケアラーの支援につきましてですけれども、ヤングケアラーを早期に発見して支援していくためには、国は自治体ごとの役割を明確化しております。都道府県に対しては、オンライン相談や状況整理、また市町村への支援の働きかけ、精神的ケアなどの専門的な相談支援の体制整備が求められております。今後、県が役割を果たしながら、県内に地域格差が生じぬよう市町村と連携し、さらなるヤングケアラー支援を進めていただくように要望いたします。

 次に、カスタマーハラスメントについてですけれども、私の地元船橋市で市内の介護事業所への調査を行ったところ、市内の介護事業所の27.7%でハラスメント行為が発生したとの回答があったそうです。人手不足の介護職員が、このカスタマーハラスメントで離職をしないよう、発生予防や防止策を講じていくことが急務と考えます。複数の自治体に事業所を持つところもあるため、県が広域的に相談窓口を設置し、地域医療介護総合確保基金などを活用して、早期に専門の相談窓口を設置するように要望いたします。

 次に、喀たん吸引につきましては、研修の受講機会拡大のため、登録研修機関を増やすよう努めているようですけれども、機関のある地域に偏りがあるようです。地域偏在が解消するように、さらに登録研修機関を増やし、受講しやすい環境整備をするよう要望いたします。

 次に、重症心身障害児・者についてですけれども、特に人口が集中する東葛南部地域に重症心身障害児・者を受け入れる施設がないことが大きな問題となっています。県が東葛南部の各市と連携して協議などを行い、早期の入所施設の建設を進めていただくよう要望いたします。

 浄化槽についてですけれども、早期の台帳整備と法定検査受検率向上に具体的に取り組むためには、しっかりと予算を確保して取り組んでいただきたいと思います。

 次に、PFOS、PFOAについてですけれども、泡消火剤には使用期限がなく、劣化しない限りPFOSやPFOAを含む薬剤が使われ続けてしまいますので、薬剤の代替が進むよう、あらゆる機会を捉えて周知していただくようお願いいたします。

 次に、中小企業のBCP策定につきましては、必要であれば再びBCP策定支援事業を行うことも視野に入れながら、このBCPの策定企業がさらに増えるように支援をお願いいたします。

 県営住宅については、自治会の機能が低下して住民だけで解決できない課題につきましては、特に住民に寄り添った対応をお願いいたします。また、高齢者や障害者の福祉的な支援は市町村が担っておりますので、県と市との間での連携した対応が必要なケースが増えてまいります。これまで以上に綿密な連携を取っていただくよう要望します。

 また、これまでも要望してまいりましたが、共益費を県が徴収できる仕組みをつくるよう、改めて要望いたします。

 次に、GIGAスクールについてですけれども、GIGAスクール構想の目的は、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させることとされています。全ての児童生徒が平等にICTを活用できる環境整備をはじめ、教員がICTを安心して使えるような研修やサポート体制の強化に努めていただくよう要望いたします。

 次に、通級支援につきましては、生徒の教育的ニーズに応じるため、必要に応じ県立高校での通級による指導を実施する学校を増やすことを要望します。

 また、通級指導ができる教員を増やすとともに、様々な手法を活用して、教員の指導力向上に努めるよう、よろしくお願いいたします。

 次に、MLA連携ですけれども、新図書館の「文化情報資源の集積と活用を通じて、知の創造と循環を生み出し、光り輝く千葉県の実現に貢献する」という基本理念の実現に向けまして、このMLA連携がしっかりと図られていくように要望いたします。

 続いて、交通安全対策ですけれども、新たな法定速度の対象となる道路では、速度規制の標識が設置されるわけではありませんので、必要によっては引き続きゾーン30プラスを整備していっていただくなど、速度抑制効果を高めるさらなる方策も組み合わせて安全策を確保していただくよう、よろしくお願いいたします。

 じゃあ、続きまして再質問に移ります。

 知事の政治姿勢の防災についての部分ですけれども、本年4月、公明党千葉県本部の全議員で各自治体の防災対策の実態調査を行ったところ、段ボールベッドの備蓄や避難所の女性スタッフの配置など一定の改善が見られました。しかし、改善の余地もございました。特にトイレについては考えなければなりません。日本の避難所のトイレ環境が難民キャンプよりも悪く、早急に改善すべきであると、難民キャンプ支援に携わる方から御指摘をいただきました。実際、能登半島地震でも、不衛生なトイレを避けるために水分や食事を控えた人々の健康が悪化いたしました。トイレ環境改善の1つとして、ライフラインの復旧にかかわらず利用でき、長期的に衛生状態を維持できる移動式水洗トイレが今回注目されました。千葉県では移動式トイレを持つ自治体は1つだけで、市町村単独での導入が難しいため、県がまず導入し、パイロット展開すべきと考えます。また、導入には牽引免許が不要なトイレカーが望ましいと考えます。

 そこで伺います。トイレカーの導入について県の考え方はどうか。

 次に、応急仮設住宅についてです。応急仮設住宅の設置場所についてですが、キッチンやトイレを使うためには電気や上下水道などのライフラインが必要となっていますので、あらかじめ把握しておくことが必要です。

 そこで伺います。応急仮設住宅の建設候補地におけるライフラインの状況について、どのように把握しているのか。

 次に、介護支援専門員への再質問です。介護支援専門員の役割が重要になる一方で、業務の多様化や複雑化により負担が増え、成り手が減少しています。人材確保は緊急の課題であり、処遇改善や負担軽減が必要です。その1つとして、法定研修の時間や費用の負担が重いという現場の声に応じて、定期的に受講する必要がある研修について負担軽減を図るべきと考えます。

 そこで伺います。介護支援専門員の法定研修受講料を補助すべきではないか。

 最後に、強度行動障害への再質問です。県は、それぞれの特性に合った暮らしの場へとつなぐため、有識者や民間施設などの関係者によって構成される暮らしの場支援会議で、入所施設やグループホームなどへの受入れの調整を行っているとのことですけれども、暮らしの場支援会議での入所先の調整の実績はどれくらいあるのか。

 以上、2問目となります。

○議長(瀧田敏幸君) 防災危機管理部長添谷進君。

○説明者(添谷 進君) トイレカーの導入についてお答えいたします。

 県では、災害時における避難所の衛生環境の悪化を防止するという観点から、トイレカーを活用するということとしております。このため、トイレカーを含むレンタル機材を扱う業界団体と先般協定を締結したところでございまして、災害時にはトイレカーを活用し、被災地を支援するということとしております。

 以上です。

○議長(瀧田敏幸君) 都市整備局長澤宏幸君。

○説明者(澤 宏幸君) 応急仮設住宅の建設候補地についての御質問ですが、県では毎年、全市町村を対象に応急仮設住宅の建設候補地の調査を行っており、敷地の所在地、面積及び用途地域などのほか、水道本管の位置や排水先の有無など、インフラの状況も併せて確認しております。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。

○説明者(岡田慎太郎君) 介護支援専門員の法定研修受講料に関する御質問ですが、介護支援専門員の法定研修については、受講時間の確保が負担であるという声が多いほか、受講にかかる費用が負担であるという声もあると認識しています。県ではオンラインの活用により、受講にかかる時間や交通費の負担軽減に取り組んでいるところであり、引き続き介護支援専門員の負担軽減について検討してまいります。

 それから、暮らしの場支援会議での入所先等の調整の実績に関する御質問ですが、暮らしの場支援会議を設置した令和2年10月からこれまでに、重度の強度行動障害のある方19名が入所施設等の新たな暮らしの場へ移行し、現在7名が移行先調整中となっています。

 以上でございます。

○議長(瀧田敏幸君) 仲村秀明君。

○仲村秀明君 御答弁ありがとうございました。それでは、最後に要望を行います。

 まず、トイレカーについてです。トイレカー導入を決めた滋賀県を視察してまいりました。予定しているトイレカーは、車載バッテリーやソーラーで給電し、自走で汚水処理場へ行き、給排水が可能です。また、1台で男女それぞれ2つずつ、また、リフトアップ機能のあるバリアフリートイレも1つ備えております。滋賀県は迅速対応のため、県の南北に配置を予定して、車両管理は県立公園の指定管理者に依頼し、公園利用者やイベントへの貸出しも考えているとのことでした。先ほど御答弁ありましたけども、協定を結ばれたことは大きな前進であります。しかし、想定外の事態に対応するには複数の手法も必要と考えます。避難所においてトイレカーを確保する市町村の取組を補完するとともに、県民への普及啓発のため、県でトイレカーを所有することを要望いたします。

 次に、応急仮設住宅への要望です。前提としてライフラインが整っていることが望ましいですが、まずは広い場所の確保が重要です。場合によっては給水車や浄化槽も活用することも視野に入れながら、応急仮設住宅の提供が円滑に行えるよう準備することを要望いたします。

 最後に、強度行動障害への要望です。強度行動障害の支援には特別な研修を受けた職員が必要であり、そうした職員のいる施設への入所は、調整が個人や市町村単独では大変に困難です。県は暮らしの場支援会議によって、今入所を決めておりますけれども、この2年間で19名という形で大きな成果が上がっていると思います。県は設置に合わせまして、入所した方が施設で手厚い支援が受けられるように、施設の支援員追加配置に対して補助金を創設しています。この補助金は市町村と県が半分ずつ負担することになっておりますが、市町村で予算が確保されていない場合、補助金が使えずに入所調整が難しくなってしまいます。実際、入所困難で悩む御家族が、県内のどこにお住まいであっても、この暮らしの場支援会議に相談できるよう、県内市町村に対して、支援会議の活用とともに補助金予算を確保するよう、しっかりと促していただくよう要望いたします。

 以上をもちまして私の代表質問を終了させていただきます。大変にありがとうございました。

○議長(瀧田敏幸君) 暫時休憩します。

 午前11時40分休憩

    

 午後1時0分開議

○副議長(實川 隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により須永和良君。

 (須永和良君登壇、拍手)

○須永和良君 君津市選出、千葉新政策議員団の須永和良でございます。先輩・同僚議員の御理解をいただき、会派を代表して質疑を行ってまいります。執行部の皆様には前向きな答弁を期待いたしまして、早速質問に入らせていただきます。

 知事の政策方針について。

 まず、東京都への財源集中問題についてお聞きします。

 東京都には多くの大企業の本社が集積しており、それに伴って地方法人2税の大部分が東京都で徴収されています。特に上場企業や国際的な企業の多くが東京に拠点を置いており、本社が所在する場所で利益が計上されるため、法人関係税収が東京に集中しています。東京は人口も多いため、個人住民税の徴収額も大きくなります。日本の総人口の約10%が東京に集中しており、高収入の労働者も多く、これが東京都の税収増加に寄与しています。また、交通インフラや都市開発プロジェクトなど、国家予算の多くが東京都に投入されることが、さらなる人口集中を招き、ひいては財源集中を促進しています。

 この対策として地方交付税制度があり、東京都などの税収の多い自治体と財政力の弱い自治体との間で財源の不均衡を是正しようとしています。しかし、この制度だけでは十分でない上、東京都が豊富な財源を使い、独自に看護師、保育士、介護職員、教員等に対する補助制度を創設しているため、一極集中はさらに加速しています。

 そこで伺います。東京都への財源集中が懸念されるが、全国知事会ではどのような議論がなされたのか。また、今後、県としてどう取り組んでいくのか。

 次に、成田空港のさらなる機能強化に必要な地元若年層の確保について伺います。

 日本の国際競争力強化に向けて成田空港のさらなる機能強化の重要性は共通の認識だと思います。先般、熊谷知事は首相官邸を訪れ、成田空港を核とした物流産業拠点の形成に向け、国の取組を求める要望書を岸田首相に提出し、首相は国家プロジェクトとして対応していくと前向きに応じました。今後、2029年に第3滑走路の運用が開始されるなどして、年間発着回数が50万回に増えた場合、現在の倍の約7万人の従業員が必要と試算されています。成田国際空港株式会社も空港人材対策本部を設置し、対応を始めました。今後、人口減少が進んでいく中、県としても関係機関と緊密に連携し、柔軟な対策をしていくことが必須です。

 そこで伺います。成田空港のさらなる機能強化に伴って人材不足が懸念される中、地元若年層の確保に向け、県としてどう取り組んでいくのか。

 次に、下請実績を評価した入札制度について伺います。

 下請企業は実際に現場で工事を行うことが多く、その技術力や過去の実績は最終的な工事品質に大きく影響します。また、地方の中小企業が下請として実績を積んでいる場合、それを評価することで地域経済の活性化に寄与します。現在の千葉県発注の公共工事の一般競争入札においては元請実績が条件となっているため、どんなに下請実績を積み上げても元請に入ることができません。多くの従業員を雇用していても、機械を持っていても、経営事項審査がAランクでも、防災協定を結んでいても、元請実績がなければ県発注の公共工事に参加できません。

 入札に参加できないというのは、チャンスすらもらえないということです。これは元請企業の既得権益を守っているという疑念を生みます。公共工事において下請実績を評価することは、入札の透明性や公平性、工事の品質やコスト、安全性の向上に寄与し、長期的に見て社会全体にとっても有益です。

 そこで伺います。下請実績を評価した入札制度に改善すべきと思うが、どうか。

 次に、入札・契約制度改革について伺います。

 県土整備部における不適正事案の再発防止についてですが、昨年6月の私の一般質問で入札制度について質問した際、「公共工事が県民の貴重な税金を原資として行うものであることを踏まえ、競争性、透明性、公平性を担保することが重要」との答弁でした。その答弁から僅か半年後に、県土整備部では職員が収賄の疑いで逮捕された不適正事案が発生しました。極めて残念です。

 この事件を受けて、県は9月5日、再発防止に向けた取組方針を正式に発表しました。再発防止に向けた取組方針には、利害関係者との飲食の届出制度の見直しや、一般競争入札の拡大、指名停止期間の長期化、秘匿性の高い入札情報を扱う職員の限定化、倫理条例の徹底等が含まれています。一定の評価はしますが、再発防止のためには抜け道のない入札制度への改善が必要です。

 そこで2点伺います。

 1点目として、総合評価落札方式における施工計画など秘匿性の高い情報を取り扱う職員のさらなる限定化を進めるとしているが、入札事務の一元化も検討に含まれるべきだと考えるが、どうか。

 2点目として、県では設計業務委託の入札の一部を試験的に一般競争入札としているところだが、今後の見通しはどうか。

 次に、県発注工事での受注者等の適切な労務費の支払いについて質問いたします。

 千葉県の発注する公共工事において、受注者や下請業者が適切な労務費を支払うことは、工事の品質や労働環境の向上に直結する重要な課題です。特に建設業界では、長時間労働や過重労働が問題視されており、労働者の待遇改善が急務となっています。適正な労務費の支払いが行われなければ、賃金の未払い、劣悪な労働環境、さらには安全管理の不備につながる可能性が高まります。これにより工事の品質にも悪影響を及ぼし、最終的には工期の遅延や追加コストの発生といった問題が生じるおそれがあります。また、適正な賃金の支払いは、可処分所得を増やし、個人消費を促し、経済を活性化します。こうした背景から、適切な労務費を支払うことを義務づけることは、社会的に意義があると考えられます。

 そこで伺います。県発注工事について受注者や下請業者が適切な労務費の支払いをすべきと考えるが、どうか。

 行政改革について伺います。

 行政改革において、コスト削減や効率化は重要な目標の1つです。特に情報通信技術の導入によって、行政業務の効率化が期待されています。近年、企業や自治体では、従来のアナログ電話回線から光回線への切替えが進められており、これにより通信コストの削減や通信速度の向上、安定性の強化が図られています。県庁舎においても光回線への切替えが行われました。

 そこで伺います。県庁舎の電話回線を光回線に変えた効果額と今後の展開はどうか。

 次に、公益通報者保護制度の運用について伺います。

 兵庫県の齋藤元彦知事によるパワハラや物品授受の疑惑に関する告発文書をめぐり、兵庫県議会は調査権限を発動して、特別委員会を開催しました。この文章に対する齋藤知事らの対応が、公益通報者保護法に違反するのではないかという問題が大きな注目を集めています。公益通報者保護法は、告発者が報復や不利益な扱いを受けることなく、安心して通報できる環境を提供することで、行政内部での不正を早期に発見し、是正するための重要な制度です。この制度により公正な行政運営を確保し、国民の信頼を守ることを目指しています。しかし、兵庫県の事例に見られるように、公益通報者保護制度が適切に運用されない場合、通報者が不利益な扱いを受けるリスクが残ることが明らかになりました。

 このような状況を踏まえ、千葉県でも公正な行政運営を確保し、県民の信頼を得るためにも、公益通報者保護制度の運用を一層強化し、通報者の保護を徹底するための対策が急務であると考えます。

 そこで3点伺います。

 1点目として、県における内部通報の運用状況はどうか。

 2点目として、通報後の調査と処理について中立性、透明性を確保するためにどのような対応をしているか。

 3点目として、通報者が不利益な扱いを受けないようどのような対策を講じているのか。

 次に、防災・減災対策について。

 まず、賃貸住宅の耐震化について伺います。

 知事も経験された阪神・淡路大震災では6,400人以上の方が亡くなりました。阪神・淡路大震災と東日本大震災では被害の原因は異なりますが、いずれも60歳以上の高齢者の犠牲者が多い点は共通しています。しかし、阪神・淡路大震災では、特に10代や20代の若者の犠牲者が多かったことも注目されました。その主な原因は、安価な古い木造アパートに住んでいた大学生や若い社会人が建物の倒壊や火災で命を落としたためです。

 当時、耐震性が不十分な建物の賃貸は大きな問題とされました。しかしながら、現行法では耐震性が不十分な建物でも賃貸営業はできてしまいます。これでいいのでしょうか。命を預かる建物での賃貸は耐震性があってしかるべきだと思います。

 そこで伺います。賃貸住宅の耐震化を推進すべきと考えるが、県の見解はどうか。

 次に、災害時における障害者への情報提供の在り方について質問いたします。

 人間が受け取る情報のうち、8割は視覚からの情報ということからも、災害時には視覚障害者は周囲の状況も確認できず、大きな影響を受けます。東日本大震災で亡くなった障害者の死亡率は、住民全体の死亡率の2.5倍と言われており、日頃から、本人、行政等周囲がいつ発生するか分からない災害に対して備えておくことが重要です。日常生活においても、視覚障害者は印刷物、ウェブなどからの情報取得が困難な状況にあり、個人情報や公的な通知、命に関わる情報も人に読んでもらうしかありません。

 障害者差別解消法に基づき、障害者に対する合理的配慮の提供は、行政機関、事業者においても法的義務となりましたが、道半ばであり、我が会派としても理解促進に向けて代表質問で取り上げてきました。自助による対策が困難な視覚障害者には、ハザードマップ等の地図の災害対策情報が伝わりにくい現状があり、当事者から不安の声が上がっています。問題解決の手段として、耳で聴くハザードマップを導入している自治体が増加しており、来年度予算に向けて複数の自治体が前向きに捉えていることが、各議会の答弁でも明らかになっています。

 そこで千葉県の取組を伺います。ハザードマップ等の災害対策情報が伝わりにくい視覚障害者、弱視、識字困難者等に対し、今後、千葉県はどのように対応していくのか。

 防災・減災対策の最後に遺体収容所等について伺います。

 大規模災害発生時には、県内各自治体の地域防災計画に基づいて、遺体収容所の迅速な設置と適切な運営が求められていますが、遺体収容所の指定、公表は義務づけられているわけではありません。そのため、市町村が遺体収容所を選定していなかったり、地域防災計画に掲載をしていない場合があります。大規模災害が発生すると、不測の事態が発生し、臨機応変な対応が求められます。特に御遺体が運ばれてきた際に、死者、御遺族に礼を欠くようなことがあってはならず、遺体収容所等については、選定する際の考慮条件や御遺族への対応、手続等について十分な配慮が必要であることから、千葉県としても市町村との連携が重要です。

 そこで伺います。市町村が設置する遺体収容所等の運営について、県としてどのように取り組んでいるのか。また、今後、市町村に対してどのように支援していくのか。

 高卒での就職支援について伺います。

 小泉改革による規制緩和によって大学設立や運営に関する条件が一部緩和され、特に私立大学や専門職大学の設立が促進される方向に進みました。それから20年、令和4年度の18歳人口における大学、短大、専門学校等の高等教育機関への進学率は83.8%に増加しました。その結果、労働市場から高校新規卒業者が激減しました。

 令和6年3月卒の数字で、高校新規卒業者の求人倍率は全国で3.98倍、千葉県で3.70倍となっており、大卒の求人倍率1.75倍と比べても倍以上と高い数字を示しています。これは労働市場が高卒者を求めていることを表しています。国全体を見れば、若くして働き、納税し、消費してくれることは歓迎すべきことだと思います。この労働市場の需要に合った高校生の就職活動、企業の採用活動を支援していくことが発展につながると考えます。

 そこで2点伺います。

 1点目、高卒での就職の機会の確保に向けた県教育委員会の支援はどうか。

 2点目、中小企業における高卒人材の確保に向けた県の取組はどうか。

 高校生の就職活動には、1人1社制度という千葉県のルールがあります。長らく学校推薦を通じて生徒と企業が確実に結びつく仕組みとして機能してきました。しかし、この制度は、生徒が9月末までは1社のみしか同時に応募できないという制約があり、生徒にとって十分な選択肢がないまま就職先を決定せざるを得ない状況が生じています。特に自分に合った企業とのマッチングが不十分で、早期離職につながるケースも見受けられます。企業側にとっても、採用活動の効率化にはなっている一方、採用した生徒がすぐに離職するリスクが高まるなどの問題が生じています。

 また、茨城県では、今年度から1人1社制度を見直したことから、千葉県の生徒は茨城県の会社は2社応募できるが、千葉県の会社は1社しか応募できないことになっています。これは県外への流出の要因となります。千葉県の高校生にも複数社に応募する権利はあるはずです。このような背景を踏まえ、より柔軟な選択肢を生徒に与え、就職活動の自由度を得るために、1人1社制度の見直しが必要ではないかと考えます。

 そこで伺います。高校生の就活ルールにおける1人1社制度の見直しを求めるが、見解はどうか。

 次に、医療施策について伺います。

 まず、看護職員を目指す方への修学資金について。

 千葉県は人口10万人当たりの就業看護師数が全国で第46位と低く、看護職員の確保が喫緊の課題とされています。看護師の離職率も全国平均を上回っており、県内の医療機関では慢性的な看護師不足が続いていることから、昨年度決算審査特別委員会において、我が会派の谷田川議員からも看護師の働きやすい環境づくりについて対策を求めています。

 千葉県の修学資金は月額1万6,000円で、制度がある38都道府県の中で最低の金額です。また、地域特別貸付けで、山武長生夷隅、香取海匝の両保健医療圏は月額が倍になりますが、君津保健医療圏は人口10万人当たりの看護師数において、山武長生夷隅の次に少ないにもかかわらず、地域特別貸付けの対象外となっています。

 そこで伺います。看護職員を目指す方への修学資金の貸付額は他県に比べて低いが、県の認識はどうか。また、地域特別貸付けの対象地域の見直しについて、県はどう考えるか。

 次に、県立病院のアクシデント、インシデントについて伺います。

 病院局では、医療の透明性と県民の医療に対する信頼の一層の向上を図るため、職員に対して各病院内で発生したアクシデント、インシデントの積極的な報告を求めています。昨年度、県立病院内のアクシデント・インシデント件数は、現在の分類で公表をしている平成28年度以降最多を更新している状況に対し、病院局は、透明性の確保やガバナンス強化につながっていると分析しているとの新聞報道があり、アクシデント、インシデントの増加は、可視化されたことによるよい結果であるかのように捉えている認識を問わざるを得ません。病院局の本来の目的は、アクシデント、インシデントの件数を少なくしていくことにあるはずです。

 そこで伺います。県立病院のアクシデント、インシデントの発生状況に関する認識と予防策はどうか。

 次に、公衆衛生体制の強化について伺います。

 新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行してから1年以上が経過しました。この間、私たちは新しい日常に適応しながら、感染症対策と経済活動の両立を目指してきました。引き続きコロナ禍で明らかになった問題点や教訓を忘れることなく、公衆衛生体制の強化を進めることは重要だと考えます。特に保健所は、感染症対応において極めて重要な役割を担っており、その体制の強化は今後の危機管理にも直結します。

 保健所体制を強化するためには、DXの推進が不可欠です。例えば東京都では、患者管理のデジタル化や相談業務の自動文字起こしシステムの導入など、DXを加速させ、業務効率の向上を図っています。これによりリアルタイムの情報共有や迅速な対応が可能となり、平時における住民サービスの向上と、感染症が流行した際の対応力強化が期待されています。千葉県の保健所においても、こうしたDXを積極的に導入し、効率的かつ効果的な公衆衛生体制を構築することが急務であると考えます。

 また、保健所は様々な行政手続も担っており、事務処理の負担が大きいことが課題とされています。保健所体制を強化するためには、通常業務の負担軽減が不可欠です。県として、保健所の業務効率化を図るための取組が求められており、事務処理のデジタル化と併せて、業務の外部委託や集約化も重要だと考えます。さらに、コロナ禍で得た教訓を踏まえ、有事への迅速な対応が可能となるよう、柔軟な組織体制の構築や具体的なマニュアルの整備を進めるべきだと考えます。

 そこで2点伺います。

 1点目として、保健所の業務改善に向け、DXの活用も含め、どのように取り組んでいるのか。

 2点目として、次なる感染症危機に備えるため、県は保健所体制の強化に向けどのように取り組んでいくのか。

 次に、熱中症対策について質問していきます。

 危険な暑さが予測される際に環境省が発表する熱中症特別警戒アラートの運用が、本年4月24日から開始されました。夏の暑さは年々厳しさを増し、熱中症による死者数は年間1,000人を超えています。熱中症特別警戒アラートが発表された場合、自治体は冷房設備のある避難施設の開放が求められますが、国の調査に対し、準備済みとした市区町村は4割となっているとのことです。暑さは地域によって差もあり、各自治体独自の熱中症対策が重要となります。

 そこで伺います。毎年気温が上がり、熱中症のリスクが高まっている中で、県として、各市町村にどのような注意喚起を行っているのか。

 文部科学省によると、近年、学校の管理下における熱中症は、小学校、中学校、高等学校等を合わせると毎年5,000件程度発生しています。熱中症に関する正しい知識による効果的な対策により、重症化を減らしていく必要があります。熱中症が疑われるときには、放置すれば死に至る緊急事態であることを認識しなければなりません。学校での熱中症による事故は、ほとんどが体育、スポーツ活動によるものです。

 まずは千葉県の現状を伺います。本年5月から直近まで、熱中症で救急搬送された児童生徒数は何人か。また、どういった状況下において搬送される傾向があるか。

 次に、県内市町村及び学校現場の状況について伺います。

 学校は緊急事態に迅速かつ的確に応急処置を講じるため、熱中症発生時の教職員の役割分担や対応フローの確認、緊急時に連絡する消防署や医療機関等の連絡先の周知徹底、救命処置や応急手当等に関する講習、各種行事の運営方法等について体制を確立する必要があります。近年の最高気温の変化等からも、熱中症発生の状況に応じて、ガイドラインの策定や体制の適宜見直し等が必要であり、基本的な熱中症対策について学校、児童生徒、保護者が一丸となって共通認識を持ち、児童生徒の健康を守っていく必要があります。

 そこで伺います。県内学校に対し、県教育委員会としてどのような指導を行っているのか。また、地域別の暑さの特徴を考慮し、各自治体や各学校が暑さ指数などを活用したガイドラインの策定を促すべきだと考えるが、現状はどうか。

 次に、外来水生植物対策について3問伺ってまいります。

 令和6年度当初予算にて、前年度より大幅に増額していただきました特定外来水生植物対策事業では、トータル約7億4,200万円のうち、湖沼における外来水生植物対策事業として、印旛沼及び手賀沼とその流域河川において、継続的なモニタリング体制への移行に向け、残る箇所の駆除を進めるために約3億5,400万円が計上されています。我が会派の2月議会代表質問において、熊谷知事からは、速やかな防除を進めるため、駆除工程を見直して計画を前倒しし、令和6年度中に一通りの駆除を終える予定であるといった趣旨の御答弁をいただいています。

 そこで伺います。手賀沼及び印旛沼における外来水生植物について、計画を前倒しして今年度中に一通りの駆除を終える予定の予算を組んでいるが、進捗状況と見通しはどうか。

 次に、手賀沼及び印旛沼における外来水生植物防除事業補助金制度についてです。

 我が会派の要望によりまして、今年度は予算を増額していただき、今年も各団体がこの制度を活用して駆除活動を行っております。毎年、水野議員が複数の団体の駆除活動に参加をしておりますが、繁殖力が強く、一片の切れ茎からも繁茂を拡大していくナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイの駆除には、きめ細やかな人の手による作業も欠かせないと聞いており、重機等を活用した大規模駆除が完了した後は、市民団体による駆除活動が非常に重要になってきます。そのため、今後はこの補助金制度をさらに周知啓発し、周辺地域全体で見守り、市民団体等が丁寧に駆除活動を定期的に行うことによって外来水生植物の拡大を防いでいく必要があります。

 そこで伺います。手賀沼及び印旛沼における外来水生植物防除事業補助金制度の今年度の活用状況はどうか。

 最後に、農地における防除対策です。

 農地における外来水生植物の繁茂被害は拡大しており、農業者から報告を受けることがあります。一旦圃場に侵入すると、農作業に伴って急速に生育範囲が広がるおそれがあるため、蔓延する前に水路や農地への侵入を抑制することが肝要ですが、実際に現地を訪れると、既に繁茂してしまっている場合が多く、その対応に農業者も大変苦慮しているのが現状です。特に侵入、定着してしまったケースでは、農業者だけでの駆除は困難であり、行政等と協力しながら対策を講じていく必要があります。

 そこで伺います。農地における外来水生植物の防除に、県はどのように取り組んでいるのか。また、実際に農地で発見された場合どのように対応しているのか。

 次に、農業振興について伺います。

 まず、米の輸出支援について。

 日本の食の安全保障が叫ばれる中、食料自給率の向上は喫緊の課題となっています。特に主食である米は、日本の食文化を支える重要な作物であり、その安定供給が求められます。しかしながら、国内の米需要は長期的には減少傾向にあり、生産者は新たな販路の開拓を迫られています。

 こうした背景の中で、今年1月から7月の日本の米の輸出量は去年の同じ時期より23%増え、農林水産省が集計を始めた2014年以降、この期間として最も多くなったということです。日本の農業の持続可能性を確保し、食料自給率の改善にも寄与する取組として、米の輸出量拡大は注目されています。

 そこで伺います。米の輸出に取り組む生産者に対して県ではどのように支援しているのか。

 次に、水稲の共同利用施設の老朽化対策について伺います。

 水稲の安定した生産を支える育苗センターやライスセンターといった共同利用施設の老朽化が課題となっています。これらの施設は、水稲の育成や収穫後の処理を円滑に行うために欠かせない重要施設であり、農業従事者の負担軽減や生産効率の向上に大きく貢献しています。しかし、老朽化が進む中で、修繕や設備更新が十分に行われず、施設の機能低下が生産に悪影響を及ぼす懸念があります。

 こうした状況を踏まえ、伺います。育苗センターやライスセンターなど水稲の共同利用施設の老朽化が進んでいるが、その対策はどうか。

 次に、水稲種子の安定確保について伺います。

 水稲の安定した生産には、質の高い種子の安定確保が不可欠です。特に近年、気候変動や病害虫の発生など、農業を取り巻く環境が変化する中で、優良な種子の供給は一層重要性を増しています。水稲種子は収量や品質を左右するだけでなく、農業経営の安定化にも直結する要素であり、その確保は農業の持続可能性を支える重要な課題です。しかし、種子生産体制の維持に欠かせない種子センターの老朽化など、多くの課題が指摘されています。

 そこで伺います。水稲種子の安定確保に向けた今後の取組はどうか。

 次に、畜産業について伺います。

 現在、日本の畜産業は年々減少傾向にあり、まさに危機的な状況です。県内の畜産業者数も同様に減少しており、特に酪農では減少割合が大きく、令和2年には522戸から令和6年には363戸、飼育頭数も2万8,600頭から2万5,700頭と、4年間で159戸、2,900頭減少しています。また飼料価格高騰や生産コストの上昇などの影響で、ますます畜産業の経営は追い込まれています。国をはじめ、県も食料安全保障の確保を掲げるのであれば、畜産業者の生産基盤の強化と、担い手が中長期的な経営展望が描ける対策が必要です。そして、消費の拡大を促す対策も急務です。

 そこで伺います。畜産業の危機的な状況に対する県の認識と支援策はどうか。

 次に、わな猟免許試験について伺います。

 有害鳥獣による農業等への被害はとどまることを知らず、県は防護柵や駆除の報奨金等の対策に年間総額約16億円の予算をかけていて、これがほぼ固定化してしまっていることが重大な問題だと思います。防護柵の総延長は4,343キロメートルに及び、千葉県の外周を8周囲えるほどの長さです。

 こうした背景から、有害鳥獣の捕獲を目的としたわな猟免許試験の受験希望者は多いものの、受験枠が限られているため、多くの希望者が受験できない現状です。令和5年度は、わな猟・網猟免許試験のキャンセル待ちをしても受験できなかった人が155名もいることが分かりました。

 そこで伺います。わな猟免許試験の人数枠を拡大すべきと思うが、どうか。

 次に、道路の維持管理について。

 県管理道路の維持管理は、安全で快適な交通環境を確保する上で重要な役割を果たします。特に道路の除草や清掃、舗装の補修など定期的なメンテナンスが必要不可欠です。道路延長は増加傾向にあり、全ての道路を適切に管理することは容易ではなく、地域住民によるボランティア活動にて除草、清掃等も行われてきました。しかしながら、高齢化によりこうしたボランティアも縮小、廃止してきています。特に人口減少が進む地域では、道路の管理が追いついていないのが現状です。

 そこで伺います。県管理道路の適切な維持管理についてどのように取り組んでいくのか。

 次に、教員の確保について質問いたします。

 教員不足については、これまでも多くの議員が取り上げてきています。昨年9月の我が会派の代表質問において、水野議員が、採用試験の日程を近隣県とずらし、併願可能とすることを提案しましたが、後ろ向きな答えでした。しかし、その後、茨城県は約1か月前倒しすることを公表、今年度から実施されました。教員不足解消に向けた本気度の差を見た気がします。

 今回は新たな対策を提案させていただきます。教員不足が深刻な公立小中学校において、10年前の平成26年と令和5年を比較すると、学校数で91校減少、学級数で225クラス減少しています。一方で、管理業務等を行う本庁、教育事務所、教育機関等に勤務する教育庁職員は、平成26年784名、令和5年835名と51名増えています。この835名いるうちの464名が学校現場で教えていたことのある教員です。学校再編により学校数、学級数が大きく減少してきた中で、果たして本当に教育事務所や教育センターなどにこれだけの教員が必要でしょうか。一般行政職でできる仕事は一般行政職に任せ、464名の3分の1でも学校現場に戻すことができれば、教員不足をかなり解消できます。

 そこで伺います。教育委員会の業務を見直して、教員を少しでも学校に戻すことを提案するが、見解はどうか。

 次に、新しい教育について。

 まず、ネットリテラシー教育について伺います。

 インターネットは現代社会において、情報収集やコミュニケーションに不可欠なツールですが、その一方で、誹謗中傷やネットいじめ、フェイクニュースの拡散、ネット依存症といった深刻な問題も発生しています。子供たちがインターネットを安全に利用するためには、適切なネットリテラシー教育が欠かせません。アメリカのメタ社、旧フェイスブック社は、おととい9月17日にインスタグラムで16歳未満の利用を制限する新機能を発表しました。対象は日本を含めた世界全体です。アメリカでは、SNSを介して未成年が知らない大人とつながり、性的搾取などの被害に遭う事件が社会問題化しており、SNS大手に対策が迫られていました。私たちの会派は2月の質問でもこの問題を取り上げ、県からは、情報教育を各学年の教育計画に適切に位置づけ、授業時間を確保するよう指導しているとの回答をいただきました。しかし、インターネットの進化は著しく、それに伴い問題も多様化しています。ネットリテラシー教育もこの変化に迅速に対応するため、カリキュラムの見直し、教員研修の強化、外部専門家の活用が必要であると考えます。

 そこで伺います。新しく生じるインターネット関連の諸問題に対して、ネットリテラシー教育として、教育現場ではどのような対応をしているか。

 次に、金融教育について取り上げます。

 人生100年時代において、資産運用は個々人の将来の安定を支える重要な要素です。さらに、国策として資産運用を推進するために、新NISAもスタートしました。このような背景から、金融教育の重要性はますます高まっています。高校では金融教育が必修化されましたが、現状では県内の金融教育は公民科や家庭科の一部で教えられる程度にとどまり、実践的なカリキュラムの提供が十分に行われているとは言えません。金融教育の質を向上させるためには、外部専門人材との連携を通じて、より実践的な学びを提供することが重要です。また、外部の専門人材を活用することで、教員にかかる研修負担の軽減にもつながり、効果的かつ効率的な金融教育を実施することができるため、県として早急に進めるべきだと考えます。

 そこで伺います。金融教育について教育現場はどのように取り組んでいるのか。

 次に、県南地域の課題について質問いたします。

 まず、君津インター周辺の産業用地の整備についてです。

 全県的に産業用地が不足している中、交通利便性の高い高速道路インターチェンジ周辺に産業の受皿づくりを進めていく必要があります。特に県南地域は人口減少が進んでいる地域であり、地域の活力を維持していくためにも雇用の場を確保し、企業の進出を呼び込む産業用地の候補地を発掘していくことが必要です。アクアラインの着岸点である上総地域は、区画整理事業に成功した袖ケ浦市や木更津市が人口増加していることからも、開発すれば発展する可能性が高いことは明らかです。アクアラインを渡った先の川崎市は人口150万人以上、上総地域で人口50万人以上を目指すのは夢ではありません。戦略的に考えたときに、木更津ジャンクションは県南で唯一の高速道路と高速道路の交わる十字路であり、そこから近い君津インターチェンジ周辺に産業用地が整備されれば、県南地域全体の発展にも寄与すると期待をしています。そのため、県は早い段階から市の相談に応じるなど、積極的に支援を行うべきと考えます。

 そこで伺います。君津インターチェンジ周辺の産業用地の整備について、県はどのように支援していくのか。

 次に、郡ダムの湖面活用について伺います。

 君津市にある郡ダムは1972年に完成した工業用水用ダムですが、市の中心地から車で10分ほどの極めて利便性の高い場所にあり、水面までの傾斜も緩やかで、水際まで車で下りることが可能なことから、様々な水上スポーツやアクティビティーができる可能性を秘めたダム湖です。現在、水上スキーの実証実験が行われており、桂宮杯全日本水上スキー選手権大会も開催されました。通年利用に向け、市民の期待も大いに高まってきています。

 そこで伺います。郡ダムの湖面利用について、水上スキーの通年利用の検討状況はどうか。また、水上スキー以外のスポーツでの湖面利用はどうか。

 君津市小糸川の河川改良工事について伺います。

 君津市を流れる二級河川小糸川は、流路延長80キロメートル、流域面積142平方キロメートルの千葉県内で3番目に長い河川です。小糸川は過去に整備計画の原案までは作成されていますが、その後進まなかったため、河道内に土砂が堆積し、中州ができたり、雑木が繁茂している場所が多く見受けられます。君津市の良質な山砂が取れるという地域特性から、川ののり面も砂地なため、護岸を整備しないと増水で砂が削られ、すぐに水深が浅くなってしまいます。小糸川の整備は多くの君津市民の長年の願いです。

 そこで伺います。君津市上地先において小糸川の河川改良工事が行われているが、その進捗はどうか。

 以上、壇上からの1回目の質問といたします。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

○副議長(實川 隆君) 須永和良君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

 (知事熊谷俊人君登壇)

○知事(熊谷俊人君) 千葉新政策議員団の須永和良議員の代表質問にお答えいたします。

 まず、政策方針についてお答えいたします。

 東京都への財源集中に係る全国知事会における議論等に関する御質問ですが、高校授業料無償化など、本来、居住する地域にかかわらず全国一律で実施されるべき子供施策について、財政状況の違いにより、近年、自治体間にこれまでにない大きな格差が生じております。こうした課題について、去る8月に開催された全国知事会議では、行政サービスの地域間格差が過度に生じないよう、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築することについて議論が行われ、国に対する提言を決議したところです。また、今年5月には首都圏にあって共通の課題を抱えている埼玉県や神奈川県の知事とともに、関係大臣に直接お会いをして、独自の要望活動を実施したところであり、今後も様々な機会を通じて税源の偏在是正など、地方税財源の充実強化について働きかけてまいります。

 成田空港における地元若年層の確保に関する御質問ですが、航空・空港業界の人手不足が懸念される中、成田空港の業務の担い手として必要な人材を地域から育成、輩出できるよう、教育環境を充実させるとともに、地元若年層に対し就職先としての魅力や、成田空港に様々な仕事があることを伝えていくことが重要です。このため、現在、県では航空関連業種の人材育成に係る調査検討を行うとともに、県や経済団体等が参画する成田空港活用協議会が、県内高校生等を対象とした業務体験や空港現場の見学を行う体験型航空教室等に取り組んでおります。県としては、今後も空港会社や航空会社、教育機関などと連携をし、成田空港の運用を支える地元若年層をはじめとする人材確保に向け積極的に取り組んでまいります。

 次に、公益通報者保護制度の運用についてお答えいたします。

 通報者への不利益な扱いを防ぐための対策に関する御質問ですが、公益通報者保護法では、事業者による通報者への不利益な取扱いを禁止しており、不利益な取扱いを防止するためには、通報者が特定されないようにすることが重要です。本県の内部通報制度では、その取扱いを要綱で定め、匿名での通報を受け付けるほか、弁護士や公認会計士などの外部調査員を設置し、外部調査員が受理した通報は、通報者が特定される可能性のある情報を除いて県に報告するなど、通報者の保護を図っています。さらに、通報者への不利益な取扱いや、特定しようとする行為を禁止し、通報者は不利益な取扱いや、特定しようとする行為が行われたと思料される場合に、通報相談窓口や外部調査員に申し出ることができるよう定めております。今後も職員に対して、これらの制度を周知することにより、通報者の保護に努めてまいります。

 次に、防災・減災対策についてお答えいたします。

 視覚障害者等への情報伝達に関する御質問ですが、県では、市町村向けの手引において、避難行動要支援者等の個別の事情に配慮した情報伝達手段の確保を求めるとともに、視覚障害者への伝達手段として、音声対応のハザードマップ作成や防災行政無線の戸別受信機導入などへの財政支援を行っています。また、スマートフォン等で閲覧できる国のハザードマップには、災害リスクや発災時に取るべき行動などの情報が掲載されていることから、文字から音声に変換して読み上げるソフトを併せて利用することにより、これらの情報を耳で聞き取ることが可能となることを県としても周知しています。今後も研修会などの機会を通じ、先進的な取組事例を市町村と共有するなど、視覚障害者を含め、誰もが防災情報を入手しやすい環境づくりに努めてまいります。

 次に、高卒での就職支援についてお答えいたします。

 高卒人材の確保に向けた中小企業への支援についての御質問ですが、中小企業における高校新卒者の確保を促進するためには、学校における生徒への働きかけと企業への人材確保支援、双方の取組を充実していくことが重要と考えています。このうち中小企業の支援については、各企業の魅力を広く伝えていくことが重要であるため、県では工業高校等において企業が生徒や教員と交流できるイベントを開催するとともに、今年度は高校生が県内の魅力ある企業3社を訪問し、各業界の仕事を実際に体験できるバスツアーを行うこととしております。また、経済団体と連携して、企業が高校の進路担当教員と情報交換を行う交流会を実施しているほか、新たに進路決定に強い影響力のある保護者に向けた説明会も開催することとしています。

 次に、公衆衛生体制の強化についてお答えいたします。

 DXの活用も含めた保健所の業務改善についての御質問ですが、保健所は感染症への対応をはじめ様々な役割を担っており、地域保健の拠点としての体制を強化するためには、業務プロセスの見直しやICTの活用を進め、業務の効率化を推進する必要があると考えています。そのため、県では薬局の開設許可や食品営業許可などの各種申請手続のオンライン化や、問合せの内容によって適切な相談窓口を案内する自動音声応答システムの導入など、デジタル技術を活用した業務の効率化を進めております。また、特に業務負担が大きい難病医療費助成と小児慢性特定疾病医療費助成については、保健所ごとではなく集約して業務を行う方法等について、コンサルタントも活用した検討を進めているところです。

 次なる感染症危機に備えた保健所の体制強化に関する御質問ですが、県では新型コロナウイルス感染症での対応を踏まえ、次なる感染症危機に備え、千葉県感染症予防計画を改定するとともに、その実効性を確保するため、各保健所において健康危機対処計画を策定したところです。これらの計画では、保健所において感染拡大時にも専門的な役割が十分に果たせるよう、職員の応援体制を整備するとともに、職員だけでは保健所業務の対応が困難と判断した場合には、研修を受けた外部の保健師等の専門職であるIHEAT要員の支援等を受け入れることとしています。今後も職員やIHEAT要員に対し、研修や実践訓練を行うなど、次なる感染症危機に備えるため、保健所体制の強化に取り組んでまいります。

 次に、外来水生植物対策についてお答えをいたします。

 手賀沼及び印旛沼における駆除の進捗状況と見通しについての御質問ですが、手賀沼とその流域河川では、昨年度末までに駆除対象面積約10万平方メートルのうち約6割の駆除を終え、本年度は沼の東部や手賀川等、約3万9,000平方メートルについて、5月から駆除を進めているところです。また、印旛沼とその流域河川では、昨年度末までに駆除対象面積約4万2,000平方メートルのうち約9割の駆除を終え、今年度は残る西印旛沼の約2,000平方メートルの駆除を10月から開始をする予定です。手賀沼、印旛沼のいずれについても、今年度中には当初計画をしていた面積について一通りの駆除を終える予定です。

 最後に、農業振興についてお答えいたします。

 米の輸出に取り組む生産者への支援についての御質問ですが、米の国内需要が減少傾向にある中、国では輸出用米についても、主食用米からの転換作物として位置づけ、推進しているところですが、本県における令和5年産の輸出用米の取組面積は35ヘクタールにとどまっております。このため、県では生産者に対し、主食用米から輸出用米に転換する場合に、転換面積に応じて10アール当たり5,000円を国の交付金に上乗せして助成をするほか、国が開催する勉強会への参加を促すなど、輸出に関する知識の習得や取組意欲の向上を図っているところです。また、ロボットトラクターなどのスマート農業技術や直まき栽培の導入などにより、さらなる省力・低コスト栽培を進めるなど、価格競争力のある米の輸出拡大の取組を支援してまいります。

 畜産業の危機的な状況と支援策についての御質問ですが、畜産業は飼料や資材価格の高騰による生産コストの上昇の影響を受け、県内の農家戸数は減少傾向にあり、特に酪農業では近年、1割程度の減少が続き、大変厳しい状況であると認識をしています。このため、県では緊急的な対策として、令和4年度及び5年度に畜産飼料価格高騰緊急対策事業を実施し、配合飼料や粗飼料の高騰に対する支援を行ったところです。また、中長期的な取組として、生産コストの低減に向け、自給飼料の生産拡大に必要な機械の導入支援とともに、より生産能力の高い乳牛への更新や和牛の優良な繁殖雌牛の増加、スマート技術の導入などを支援しているところであり、今後も畜産経営の体質強化を図ってまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事及び担当部局長からお答えいたします。

○副議長(實川 隆君) 副知事穴澤幸男君。

 (説明者穴澤幸男君登壇)

○説明者(穴澤幸男君) 私からは、まず、下請実績を評価した入札制度の改善についての御質問にお答えします。

 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づき、国が定める指針では、競争参加資格の設定に当たり、対象工事について施工能力を有する者を適切に選別し、適正な施工の確保を図ることとされています。県では、同指針を踏まえ、一般競争入札において同種工事の施工実績、地理的条件、専任の技術者の配置等を基に競争参加資格を設定しています。このうち施工実績については、公共工事を確実に完成させるために、受注者が工程管理など工事全体の総合的な管理監督機能を担う必要があることから、元請での実績を評価しておりますが、今後、国や他県の状況などを調査研究してまいります。

 次に、入札・契約制度改革についてお答えいたします。

 秘匿性の高い情報を取り扱う職員の限定化に関する御質問ですが、県では今回の事件を受け、入札契約における不正発生リスクの低減を図る取組の1つとして、秘匿性の高い情報を取り扱う職員をさらに限定することとしております。現在、公共工事における入札契約については、適正な予算執行と効率的な事務執行の観点から、金額に応じて発注や総合評価などに関わる事務を本庁と出先機関が分担して行っているところです。情報にアクセスできる職員の限定化に当たっては、それぞれの所属内での事務の見直しや出先機関の事務を本庁で行うことなど、様々な方法が考えられることから、他県の事例なども参考として取り組んでまいります。

 設計業務委託における一般競争入札についての御質問ですが、建設工事等に関わる設計業務委託については、設計成果品の品質向上を図るため、令和4年9月から、土木関係建設コンサルタント業務で一般競争入札総合評価落札方式の試行を開始し、本年度からは建築関係建設コンサルタント業務でも試行を開始したところです。これまでに土木関係の設計委託業務で15件、建築関係の設計委託業務で3件の一般競争入札を実施したところですが、今後も試行を重ねつつ、委託業務における品質向上への効果などを検証してまいります。

 適切な労務費の支払いについての御質問ですが、令和6年6月に建設業法が改正され、労働者の処遇改善について、適正な労務費等の確保と行き渡りのための規定が設けられたところです。具体的には、中央建設業審議会が建設工事の労務費に関する基準を作成し、その実施を勧告するほか、受注者及び注文者の双方に対して著しく低い労務費等による見積りの作成や変更依頼を禁止し、違反した発注者を勧告、公表することなどが定められました。これにより適正な労務費の支払いが期待されるところであり、県としては改正法にのっとり適切に対応してまいります。

 次に、行政改革についてお答えいたします。

 県庁舎の電話回線に関する御質問ですが、県庁舎の電話回線については昨年度、アナログ回線から光回線への切替えを一般競争入札により行ったところです。これにより回線の集約化や通話料の大幅な削減が図られ、電話料金の節減効果額は、光回線への切替え前と比較し、月額で約1,300万円となっており、今年度は約1億5,000万円の節減を見込んでおります。また、一部の出先機関においても、既に光回線への切替えを行っていますが、アナログ回線のままとなっている施設もあることから、今後こうした施設においても光回線への切替えを検討してまいります。

 次に、公益通報者保護制度の運用についてお答えいたします。

 通報制度の運用状況についての御質問ですが、公益通報者保護法では、事業者内部の不正な行為等の是正や未然防止を図るため、労働者が通報相談窓口に通報した場合の保護や、事業者が取るべき措置等について定めています。本県でも同法を踏まえ、総務部及び教育庁に通報相談窓口を設けるほか、外部の通報先として、弁護士や公認会計士などの内部通報外部調査員を設置しています。通報の実績としては、過去5年間で68件あり、業務外における職員の行為など通報の対象とならないものなどを除く25件を受理しており、うち14件については通報事実が確認されたことから、対象職員への指導や再発防止の措置などを行ったところです。

 内部通報に係る中立性、透明性の確保についての御質問ですが、内部通報相談窓口で受理した通報については、事実関係について調査を行った後、調査結果や講じる措置について外部調査員に報告し、了承を得ることとしており、これにより中立性を確保しています。また、通報者の保護に留意しながら、処理が終結した通報事案の概要を公表することで透明性の確保を図っているところです。

 次に、防災・減災対策について、賃貸住宅の耐震化の推進についての御質問にお答えします。地震発生時に建物の倒壊等による被害の防止や軽減を図り、県民の安全を確保していくためには、賃貸住宅も含め住宅の耐震化を推進していくことが重要であると認識しております。そこで、県では住宅の耐震化を促進するため、耐震相談会の開催やSNSを活用した所有者への普及啓発、市町村が行う耐震化に係る取組への支援を行っているところです。引き続き市町村と一体となって所有者へ耐震化の必要性を周知するとともに、支援制度の活用を促すなど、住宅の耐震化を進めてまいります。

 次に、農地における外来水生植物対策についての御質問にお答えします。

 外来水生植物、特にナガエツルノゲイトウは、農地に定着すると駆除が極めて困難で、農業に悪影響を及ぼすことから、早期発見、早期駆除に努め、農地に侵入させないことが重要です。このため、県では農業用用排水施設における駆除活動費を助成する事業を創設して支援するとともに、植物の見分け方や水田への侵入防止対策などを掲載した資料を作成し、農業者への周知を図っているところです。農地への侵入が確認された場合には、防除のため、発生場所に応じた適切な薬剤の選び方や効果的な使用時期などについて、農業事務所が助言、指導を行っているところであり、引き続き外来水生植物が定着しないよう取り組んでまいります。

 次に、農業振興についてお答えします。

 水稲の共同利用施設の老朽化対策についての御質問ですが、水稲の育苗や乾燥に使用する共同利用施設は県内に約300か所設置されており、そのうち約2割が整備から40年以上経過していることから、今後、老朽化への対策が必要となるものと認識しております。そこで、県では生産者団体等による施設整備の検討に際しては、建設費やランニングコストに加え、今後の担い手の状況や生産見込みを踏まえた施設の集約化などについて助言をしているほか、整備費等について助成をしているところです。今後とも米の生産に支障が生じないよう、市町村や農協、生産者等と連携を密にし、老朽化した共同利用施設の再編整備を支援してまいります。

 水稲種子の安定確保についての御質問ですが、本県では令和2年に千葉県主要農作物等種子条例を制定し、稲についても優良な種子の生産、供給のための措置を講ずることとしています。具体的には、毎年策定する種子の生産計画に基づき、県として種子のもととなる原種の生産を行うほか、種子生産を行う圃場の指定や現場における巡回指導、生産者に対する研修会の開催などに取り組んでいるところです。さらに、安定供給を担う種子センターの老朽化が進んでいることを踏まえ、関係団体と連携して施設の再編整備について検討しているところであり、引き続き優良な種子の生産及び供給に関する施策を計画的に推進し、水稲種子の安定確保に取り組んでまいります。

 次に、適切な道路の維持管理についての御質問にお答えします。

 県管理道路では、安全で円滑な交通を確保するため、雑草の繁茂等により見通しが確保できない箇所の除草はもとより、地域の方々の要望なども踏まえながら、除草や不法投棄されたごみの撤去等の道路美化、側溝清掃などの維持管理を実施しているところです。特に道路の除草については、中央分離帯や路肩、道路のり面において、コンクリートの打設などにより抜本的な防草対策に取り組んでいるところであり、新たに整備する道路においても同様の対策を進めることとしております。引き続き道路パトロールや地域の要望などを踏まえ、道路の適切な維持管理に努めてまいります。

 次に、県南地域の課題についてお答えいたします。

 郡ダムの湖面利用に関する御質問ですが、郡ダムは小糸川水系に位置し、上流にある豊英ダム及び三島ダムと連携して、地域全体における工業用水や農業用水の安定した供給に必要な水量を確保しております。君津市から要望があった水上スキーの利用に対しては、地域における水の安定供給の観点から、平成28年2月以降、事故防止や発生時の対応策等を検証するため、水需要が多い時期を除き、試験的に認めています。通年利用については、これまでの検証結果や三島ダム復旧工事完了後の水運用を勘案しながら検討を進めるとともに、郡ダムが国の補助金で整備した施設であるため、国に利用の可否について確認しているところです。また、水上スキー以外の湖面利用については、市から相談があれば個別に検討してまいります。

 最後に、小糸川の河川整備についての御質問にお答えします。小糸川については、中流域の松川橋から東前橋までの6.1キロメートル区間で整備を実施することとしており、浸水被害が多く、整備効果が高い共和橋から中村橋までの1.1キロメートル区間を優先して整備を進めています。この区間は特に蛇行が著しいことから、局所的に河道掘削を行うなど、河道断面の拡大を進めてきており、これまでに共和橋上流の左岸0.4キロメートル、右岸0.2キロメートルの整備が完了したところです。今年度は引き続き左岸側の護岸工事等を実施する予定であり、残る区間の整備についても、地元の協力をいただきながら河川整備を進めてまいります。

 私からは以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 副知事黒野嘉之君。

 (説明者黒野嘉之君登壇)

○説明者(黒野嘉之君) 私からは、まず、災害時の遺体収容所などに関する御質問にお答えいたします。

 地震や津波などの大規模災害発生時においては、被災者の避難・救護活動はもとより、遺体収容所の設置など、亡くなられた方への対応も重要です。このため、県では遺体収容所等設営に関するガイドラインの作成や、警察や医療機関などと連携した訓練を実施してきたほか、関係部署で構成するワーキンググループを設置し、市町村の遺体収容所などの選定状況を把握するとともに、その課題などについて検討しているところです。遺体収容所などの選定がなされていない市町村もあることから、引き続き災害時に円滑に遺体収容所などの運営ができるよう、ガイドラインの見直しを含め、市町村の取組を支援してまいります。

 次に、看護職員を目指す方への修学資金についての御質問ですが、本県の修学資金貸付額は民間立の学校の場合、一般貸付けにおいては月額1万8,000円など、他県の制度と比べ低い額となっておりますが、看護職員の確保がとりわけ困難となっている医療圏での就業を希望する学生には、月額3万6,000円の地域特別貸付けを行い、県内の地域偏在の解消を図ることとしております。一方で、県内の看護職員数の不足を解消することも重要であることから、より多くの学生が制度を活用できるよう、返還免除の要件として、就業先の病院の規模などの制限を設けず、他県よりも利用しやすい制度設計としており、令和4年度の調査では、貸付者数は全国2番目となっております。また、地域特別貸付けの対象地域については、現在、医療圏別の高齢化の状況や看護職員の数などについて調査、分析をしており、引き続き検討してまいります。

 次に、県立病院のアクシデント、インシデントの発生状況についての御質問ですが、アクシデントやインシデントの報告制度は、手術の合併症など患者に影響を及ぼした、いわゆるアクシデントと、所定の時間に薬の内服を忘れるなど患者に影響の少なかったものの注意を要する、いわゆるインシデントについて、すべからく報告を求める制度です。これにより発生した事象を的確に把握し、再発防止策を講じることは、安全な医療の提供のために大変重要であると認識しております。なお、令和5年度の報告件数は、前年度に比べ926件増加し1万1,915件となっており、うちアクシデントが94件、インシデントが1万1,821件となっております。今後とも報告のあった事象について、医療者間での情報共有を進め、原因分析を行い、再発防止を徹底し、事故の未然防止に取り組んでまいります。

 次に、熱中症に関する注意喚起についての御質問ですが、県では本年6月に市町村担当者向けの説明会を開催し、改正気候変動適応法や近年の熱中症の状況などの説明を行うとともに、暑熱避難施設、いわゆるクーリングシェルターや涼みどころの設置促進などについて依頼したところです。また、今年度は熱中症警戒アラートが昨日までに県内で36日発表されており、発表時には市町村へ速やかに伝達を行うとともに、熱中症予防のための行動やイベント時の暑さ指数の実測及び適切な対策の確認について、その都度、注意喚起を行っております。今後も県民の皆様の熱中症を予防するため、各種情報提供や説明会などにより、市町村に対し熱中症対策に係る注意喚起を図ってまいります。

 次に、外来水生植物防除事業補助金の活用状況についての御質問ですが、県では、市民団体が本補助金を活用し、より充実した駆除活動を実施していただけるよう、令和6年度は予算を増額するとともに、例年より時期を早めて募集を開始いたしました。その結果、手賀沼で駆除を行う3団体、印旛沼で駆除を行う2団体から、作業用のボートなど刈り取りに係る資機材や、刈り取った水草の運搬、処分に要する費用などについて、昨年を上回る約1,200万円の補助申請があったところです。今後も県の水草刈取り船による駆除と市民団体によるきめ細かい作業を組み合わせた効果的な駆除により、外来水生植物の繁茂の拡大防止に努めてまいります。

 次に、わな猟免許試験の定員についての御質問ですが、本県では狩猟免許試験について、筆記試験、適性試験及びわな等の操作の安全性を審査する技能試験を円滑に実施、採点するとともに、不正行為の防止を図るため、定員を設けております。その中でわな猟免許については、有害鳥獣捕獲などのために取得を希望される方が多いことから、令和4年度以降、試験定員の増加に努めてきており、令和3年度の286名から、今年度は520名に拡大をしております。また、昨年度から一人でも多くの方に受験していただけるよう、試験日直前までキャンセル待ち対応を行っているところであり、今後も関係機関と連携し、わな猟免許取得を希望される方々の受験機会の拡大に努めてまいります。

 最後に、君津インターチェンジ周辺の産業用地の整備に係る県の支援についてお答えいたします。

 君津市は市の総合計画に基づく新たな産業の受皿づくりを進めるため、君津インターチェンジ周辺で産業交流拠点の整備を図るべく、製造業や観光分野などの産業集積に向けた検討を進めてきたところです。君津インターチェンジ周辺は市街地にも近く、地理的な利便性が高いことから、県としては雇用や税収、周辺地域への波及効果が期待できる製造業などの誘致が望ましい地域であると考えております。今後も市としっかり協議をしながら、望ましい産業用地の在り方について議論を深めるとともに、農地転用などの様々な課題解決に向けては、県の関係部局が連携して協議を行い、その後の産業用地の整備がスムーズに進むよう取り組んでまいります。

 私からは以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 教育長冨塚昌子君。

 (説明者冨塚昌子君登壇)

○説明者(冨塚昌子君) 初めに、高卒での就職の機会の確保に向けた支援についての御質問ですが、県教育委員会では、各学校での進路講演会やインターンシップ等の実施を支援するほか、就職希望者の多い高校には就職支援教員を配置し、就職先の新規開拓や面接の指導など、就職活動に向けた実践的な支援を行っています。また、今日の労働市場や成長産業の特徴などを理解し、適切な進路選択につながるよう、県内の産業の魅力を広く知るための動画や、自己の適性を知る教材から成るプログラムを中学生段階から提供しているところです。今後も社会的・職業的自立に向けたキャリア教育を充実させ、職業理解や自己理解を深めることで、主体的に進路の選択、決定ができる能力を高め、生徒一人一人が希望に合う就職ができるよう、経済団体などの関係機関と連携しながら支援してまいります。

 高校生の就職活動に係るルールの見直しについての御質問ですが、いわゆる1人1社制を含む高校生の就職活動に係るルールについては、教育機関、経済団体、行政機関で構成される千葉県高等学校就職問題検討会議で毎年3月に協議が行われています。千葉労働局の昨年度の調査では、高校生、企業のいずれも約6割が現行の制度のままでよいと回答していますが、本県の労働市場の動向や早期離職率などの実情を踏まえると、1人1社制を含めた就職支援の在り方について継続的な協議が必要であると認識しています。今後も制度のメリット、デメリットを整理しつつ、検討会議で協議を重ねていくとともに、就職希望者には事前に複数企業の見学を奨励するなど、生徒、保護者が納得して就職決定できるよう、各種会議等を通じて各学校を指導してまいります。

 次に、学校における熱中症の状況についての御質問ですが、千葉市を除く県内公立学校において、本年5月から8月31日までに熱中症で救急搬送された児童生徒数は55人です。発生場所は屋外が43人、屋内が12人であり、搬送された状況は部活動中が41人と大半を占めています。

 熱中症に係るガイドラインの策定等についての御質問ですが、県教育委員会では、令和3年に策定した学校における熱中症対策ガイドラインにおいて、暑さ指数31以上は運動を原則中止するなど、状況に応じて校長が適切に判断し、必要な措置を講じるよう示しています。県内の自治体においては、約半数が独自のガイドラインを策定しており、残りの半数も県のガイドラインを準用し、対応を図っているところです。県教育委員会では、各学校において近年の猛暑を考慮した実践的予防措置や行動手順をより明確にしておく必要があると考えており、各自治体に対し、地域の実情や学校の実態に応じたマニュアル等の整備や見直しを促してまいります。

 次に、教育委員会に在籍する教員の学校への配置についての御質問ですが、県教育委員会では、児童生徒の学力や教員の指導力向上に関する指導、教職員の採用や研修、市町村教育委員会への指導、助言のほか、いじめ重大事案や不登校対策といった学校が直面する様々な課題への対応など、教員の専門性が求められる業務を多く担っています。そのため、行政職のほかに学校現場での経験を有する教員を指導主事等として本庁や各教育事務所などに配置し、学習や生徒指導に関する知見やネットワーク等を生かして、学校等への必要な支援を行っています。一方で、行政職が対応可能な業務については、配置の見直しは必要であると認識しており、今後も教育委員会全般にわたる業務改善により一層取り組みながら、適材適所の人事配置に努めてまいります。

 次に、インターネット関連の諸問題への教育現場の対応についての御質問ですが、各学校においては、児童生徒がネット関連のトラブルに巻き込まれることを防止するため、道徳をはじめ様々な教科や特別活動等を通じ、発達の段階に応じて情報モラル教育を行っています。また、県教育委員会では、NPO法人等と連携して、身近なネット上のトラブルやネット依存防止等に係る最新の知見を備えた講師を県内約100校に派遣し、児童生徒や保護者を対象に講演会等を実施しています。さらに、教員に対しては、ネットに係る諸問題の最新の傾向とその対策を学ぶため、大学教員や県警職員による各種研修を実施しているところであり、引き続きネット環境の変化等に対応した取組を推進してまいります。

 最後に、金融教育の取組についての御質問ですが、県立高校では、公民科の授業において金融の意義や各種金融機関の役割などについて学ぶほか、家庭科の授業では金融商品の特徴や資産形成について扱うなど、金融教育は学校教育が目指す生きる力の育成と深い関わりがあると認識しております。また、県教育委員会としては、日頃からお金に関する知識や知恵を広める活動を支援している千葉県金融広報委員会と連携を図り、幼稚園、小学校、中学校、高校の中から金融経済教育研究校を毎年2校程度指定し、公開授業の開催を支援しています。例えば小学校では、家庭科や道徳、特別活動等の時間を使って家計簿や電子マネーを題材にした公開授業を行うほか、ファイナンシャルプランナーによる講演会を行うなど、外部人材を活用しながら金融教育の推進を図っているところです。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 須永和良君。

○須永和良君 知事はじめ執行部の皆様、答弁ありがとうございました。それでは、再質問と要望に移らせていただきます。

 まず、東京都への財源集中についてですが、全国知事会での決議や埼玉県、神奈川県とともに要望活動など働きかけをしているという御答弁でしたが、このまま都が豊富な財源を武器に補助金の増額や対象の拡大を続けて、どんどん人を引っ張ってしまえば、我が県はさらに深刻な人手不足となります。非常に難しいかもしれませんが、もっと強い対応も考えるべきだと思います。

 例えば一例ですけども、東京都は年間の産業廃棄物約40万トンを最終処分しています。その6割以上は都外での処分であり、本県でも最終処分されています。都内から運び込まれる産業廃棄物に法定外税を検討するなど、強い対応も考えていくべきだと提言をいたします。

 次に、成田空港の機能強化に伴う人材不足についてですが、外国人材だけでは補えない職種もあります。地元人材育成のために、例えばテクノスクールに成田空港就職特別コースを設置するなど、新たな取組の検討も提案します。また、後ほど言いますけども、高校新卒者の1人1社制度の見直しも、この成田空港の人材不足対策に直結します。

 次に、下請実績を評価した入札制度についてですが、元請実績を入札参加の絶対条件としているのは、実質的には元請企業を守っているだけであって、工事の品質の確保にはなりません。この元請実績の問題点を明らかにするために再質問をいたします。

 元請実績は、法人としての企業にあるのか、それとも経営者や従業員にあるのか。

 次に、入札・契約制度の改革について要望と質問をします。入札事務の一元化についてですが、本県で起こった過去の不祥事、官製談合事件、それらを見ても有効な対策は明らかです。それは、出先機関の所長クラスが取り扱う入札を減らすことです。例えば500万円以上の入札は全て本庁で行うなど、抜本的な再発防止策を提言します。一方で、入札に関する不正というのは金額だけではありません。例えば新設道路の発注距離を短くすることで受注企業のランクを恣意的に左右したり、あるいは発注する時期を6月とか9月とか、あるいは工事の種別、例えば電気で出すか電気通信で出すか、そういったことも特定の企業に有利に働くよう決めることができてしまいます。

 そこで伺います。金額面だけでなく、工事の規模、期間、種別などにおいて行われる不正をどのように防ぐのか。

 次に、業務委託関係で一般競争入札を試行していることは高く評価します。ぜひ今後、試行から本格導入へと移っていただきたいと思います。再発防止策として一般競争入札の拡大をしていくという方針ですが、本県では、国土強靱化に関する工事について、1億円未満まで指名競争入札を適用しています。これは抜け道とでも言うべきやり方です。1都3県で国土強靱化に関する工事であることを理由に指名競争入札を適用しているのは本県だけです。

 そこで伺います。国土強靱化に関する工事の入札を指名競争入札としている運用を見直すべきと思うが、どうか。

 県発注工事の労務費については、適正な労務費が支払われることが、可処分所得を上げて、消費を促して景気をよくする、そういう好循環を生むことになりますので、ぜひよろしくお願いします。県発注工事に関しては、発注者である県が適正な労務費の支払いが行われているか、しっかりと確認をお願いいたします。

 次に、行政改革についてですが、ひかり電話への切替えで年間1億5,000万円の削減というのはすばらしい成果だと思います。今後、教育施設や公営企業など県庁舎以外にもぜひ広げていただきたいと思います。また、さらなる削減のためにクラウドPBXの導入も提案します。クラウドPBXは、福島県南会津町や大分県豊後大野市、香川県三豊市などで導入事例があって、コスト削減、業務効率化、災害時の対応力強化など多くのメリットをもたらしていますので、ぜひ御検討ください。

 次に、公益通報者保護制度の運用についてですが、今回の兵庫県の事例では、真実相当性が大きな争点となっています。公益通報者保護法において、通報者が保護の対象となるためには、幾つかの要件を満たす必要があります。その要件の中でも特に重要なのが、通報内容の真実性、もしくは真実相当性です。つまり、通報内容が真実であるか、あるいは通報者がそれを真実であると信じるに足る相当の理由があるかどうかが問われるのです。仮に通報が真実であれば問題ありませんが、たとえ真実でない場合でも、通報者がその内容を真実と信じたことに合理的な根拠があれば、公益通報者保護法によって保護の対象となります。しかし、この真実相当性をどのように解釈し、適用するかが大きなポイントとなってきます。過度に狭い解釈を行えば、通報者が不安を感じ、通報をためらうような事態になりなりかねません。

 そこで、千葉県では、真実相当性をどのように判断し、解釈しているのか、また、より広い解釈を取り入れることで通報者の保護を強化するべきではないかと考えますが、県の見解を伺います。

 次に、賃貸住宅の耐震化についてですが、住宅全体として賃貸も含めてやっていくという県の答弁は分かりました。しかし、あえて賃貸住宅の耐震化は別にして、特に推進してほしいんです。例えばレンタカー事業であれば、自家用車よりはるかに厳格な点検頻度、それから点検項目をクリアしなければ貸すことができません。これはタクシーなんかでも一緒です。しかし、賃貸住宅は契約時に耐震診断をしているか、していないかを伝えるだけ、耐震診断していなくても、耐震性能がなくても営業できてしまいます。耐震性のない賃貸住宅は古くて安価な物件が多いです。そういったところに住まざるを得ない人たちは、死んでも仕方がないということでしょうか。あと何人、耐震性のない賃貸住宅に住んでいる人が地震等で犠牲になれば、法改正がされるのでしょうか。

 そこで質問します。住宅の中でも特に賃貸住宅の耐震化について補助制度を新設するなど、耐震化を推進すべきと考えるが、どうか。

 次に、視覚障害者等への災害時における情報伝達手段の確立についてですが、独自でアプリを開発したり、耳で聴くハザードマップを導入したりと全国的に取組が進められています。先進事例については、ぜひ研究を早急に進めて、発災時に障害のある方への対応が遅れないように、千葉県としても視覚障害者への情報伝達手段について御支援をお願いいたします。

 遺体収容所については再質問いたします。県では昨年、九都県市合同防災訓練の中で、多数の死者が出た場合を想定した遺体搬送・安置から検視、検案、身元確認作業、遺族への引き渡し等の多数遺体取扱訓練を我孫子市で行いましたが、御答弁にあったように遺体収容所等の選定がなされていない市町村もあります。市町村は実際の火葬に関する許可及び多数遺体発生時の遺体処理を主体的に実施することになるため、大規模災害時の事前準備として遺体収容所等を選定しておくべきであり、また、県もその選定場所を把握し、連携、支援しながら、一連の流れやレイアウト等についても定期的な訓練をしていくべきだと考えます。

 そこで再質問いたします。遺体収容所等を選定していない市町村に対し、その選定を促すとともに、運営訓練等の実施を進めてはどうか。

 高卒での就職支援について要望いたします。1人1社制について、答弁の中にあった調査ですが、初めから2社応募できたほうがよいと、あとは、制限なく応募できたほうがよいという答えを合わせると36.5%が2社以上の応募を希望しています。この生徒たちの意思は無視していいのでしょうか。また、回答理由に、選択肢が広がるためとした生徒は182人います。つまり、現行制度は生徒から選択肢を奪っているのが明らかです。これは、例えば高校生が成田空港の関連会社を受けたいとなったとしても、1社しか受けられない。そうすると、もうそこで落ちてしまったときに、次の応募のときには、ひょっとしたらその関連会社がないかもしれない。これは最初から2社受けられるのが当然だと思います。9月末まで1社しか応募させない、複数社応募する権利を奪う、こんなやり方が今の時代に合っているのでしょうか。1人1社制の早急な見直しを強く求めます。

 次に、看護職員を目指す方への修学資金について、看護職員を目指す方への修学資金貸付けは、借手にとっては、やっぱり月額が重要です。答弁の意味も分かりましたが、全国最低である必要はないと思います。最低でも近隣県並みには増額すべきです。

 地域特別貸付けについては見直しを検討していくとの答弁がありましたので、今後に期待をいたします。

 県立病院のインシデント、アクシデントについては、前提として報告は上がってきて当たり前、隠蔽しないのが当然という認識の上で、件数を減らせるよう引き続き取り組んでいただきたいと思います。

 公衆衛生体制の強化については、ICTの導入や業務集約などの検討が進められていることは前向きな動きだと思いますが、早急に具体的なロードマップを策定し、保健所の体制強化に向けた施策の実施を進めていただくよう要望いたします。公衆衛生体制の強化が県全体の安全と健康を守る鍵となることを踏まえ、継続的な改善と取組をお願い申し上げます。

 熱中症対策についてですが、約半数の市町村教育委員会が熱中症対策ガイドラインを策定していない状況とのことです。9月までこの猛暑が続く中、運動会や部活動をはじめ、学校は多くの行事を抱えておりますので、事前に予防措置を講じておくべきだと思います。一例を挙げますと、中学2年生の男子が宿泊学習の登山中に死亡するという事故もありました。当日はそこまで気温が高くなかったものの、湿度が70%もあったことで、湿度が高い日も注意が必要であることや、暑さ指数が高い日は特に小学校低学年の健康管理は留意しなくてはならないと、文部科学省が注意喚起をしています。まだ策定していない市町村教育委員会には、事例等を紹介しながら策定を促していただくことを要望いたします。

 また、今年から運用が始まった熱中症特別警戒アラートが発令された際の対応方法の調整も事前に行っておくべきです。

 そこで伺います。熱中症特別警戒アラートが発表された際、県教育委員会としてどのような対応を取るのか。

 次に、外来水生植物防除事業補助金制度についてですが、この取組や補助制度が広がることにより、見る目が増え、再繁茂や漂着した際、繁茂する前に対応することが可能となります。今後、この補助金が多くの市民団体にとって活用しやすいように、条件等についても改めて、現在行ってくださっている市民団体からヒアリング等を要望いたします。

 また、猛暑により大変厳しい状況下での作業となっていますので、熱中症等にもくれぐれも留意していただきたいと思いますので、県も各団体への適切なアドバイスをお願いいたします。

 米の輸出については、県として推進していく方針というのは分かりました。輸出には輸送コスト等がかかるために、なるべく低コストで生産する必要があります。

 そこで再質問をいたします。乾田直播栽培や二番穂の活用など、低コスト米の栽培を研究すべきと提案するが、どうか。

 水稲の共同利用施設や種子センターなどの老朽化対策については、集約化しようという前向きな取組に対して助成することで、経営の合理化、効率化を進めることができます。農業経営の競争力を強化することにつながりますので、支援をよろしくお願いいたします。

 わな免許については、希望しても受けられなかったという人が出ないよう、免許試験の委託先を増やすなど具体的な対応をしてください。次に質問するときには、受けられなかった人の数が減っているようお願いをいたします。

 道路の維持管理については、除草よりも草が生えない対策、防草に予算をしっかりとつけていただきたいと思います。

 教員の確保については、教員不足で自習になるような事態になっている現状は、児童生徒が不利益を受けているということです。優先すべきは児童生徒であり、学校現場です。学校現場があるから管理する現場があるんです。教育委員会の業務の総点検をして、もしも慣例で教育委員会に行っているようなことが行われているのなら、即刻廃止すべきです。見直しを強く要望いたします。

 次はネットリテラシー教育についてですが、ネットリテラシー教育は、単なる知識の伝達ではなく、子供たちが安全にインターネットを活用できるスキルを身につけることが目的です。そのためには、継続的なモニタリングや教育内容の見直しが不可欠です。特にフィードバックやアンケート調査を通じて実際の効果を検証し、カリキュラムの改善を迅速に行うことが求められます。また、外部専門家や技術者の活用を強化し、変化を続けるネット環境に対応できる体制を整える必要があります。

 そこで伺います。現在の県のネットリテラシー教育の効果をどのように評価しているのか。その結果を踏まえ、迅速に教育内容や方法を見直すべきだと考えるが、どうか。

 次に、金融教育に関して、外部専門人材の活用が試みられているということですが、その取組は限定的であり、金融リテラシーの向上が十分に図られているとは言い難い状況です。金融リテラシーは社会に出た後、大いに役立つスキルであり、これを身につける機会をさらに拡大することが急務です。特に資産運用や投資のシミュレーションなど、実践的で現実に即した学習機会を提供することが必要です。外部の金融専門家との連携を強化し、具体的な学びを提供することについて改めて伺います。

 より積極的に外部専門人材の活用を検討し、実践的かつ具体的なカリキュラムを提供する必要があると考えるが、どうか。

 県南地域の課題について要望いたします。君津市には、昨年6月の私の一般質問で取り上げましたが、駅から僅か700メートルのところに広大な農地が広がる中富・釜神地区というところもあります。そしてもう1つ、君津インター周辺という発展するポテンシャルの高い地域があります。地元においても地権者が中心となって協議会ができたり、商工会議所が要望活動をしたりと積極的に推進をしています。ぜひ今後も市と連携しながら前向きな協議をしていただきたいと思います。

 もう1点、小糸川の河川改良工事をやっていただいていることはありがたく思います。ただ、今のペースだと6.1キロの整備に100年以上かかってしまいます。さすがにちょっとひどいなと思います。どうか工事範囲を広げて整備を加速するようお願いいたします。

 以上で2回目といたします。

○副議長(實川 隆君) 県土整備部長四童子隆君。

○説明者(四童子隆君) まず、元請実績についての御質問ですが、建設業におきましては、企業は法人としての業の許可や入札参加資格などを取得しておりまして、入札における元請実績につきましても、各法人の実績を評価しているところでございます。

 次に、工事に関する不正防止の御質問ですが、県では今回の事件を受けまして、職員への働きかけを牽制し、組織的に対応するため、職員が入札契約などの相手方から不当な働きかけを受けた場合、その内容を記録する制度を令和6年度中に導入する予定でございます。職員が工事に関する働きかけを受けた際には、入札契約業務適正化相談員に相談しつつ、適切に対応できるよう取り組んでまいります。

 次に、入札方式に関する御質問ですが、県では防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の事業を早期かつ確実に進めるため、該当する事業で予定価格1億円未満の工事につきましては、速やかに契約ができる指名競争入札を適用することとしております。国土強靱化に係る工事は、今後も早期かつ確実に進める必要があると考えておりまして、適切な入札方式について検討してまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 総務部長高梨みちえ君。

○説明者(高梨みちえ君) 公益通報者保護制度に係る真実相当性についての御質問ですが、公益通報者保護法において、報道機関等外部への通報については、真実相当性として信ずるに足りる相当の理由があることが保護要件とされております。これは逐条解説において、例えば通報の事実について、単なる伝聞等ではなく、通報内容を裏づける内部資料がある場合や、関係者による信用性の高い供述がある場合など相当の根拠がある場合をいうとされており、県ではこの解釈を踏まえ、個別の事案に応じて慎重に対応してまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 都市整備局長澤宏幸君。

○説明者(澤 宏幸君) 賃貸住宅の耐震化の推進についての御質問ですが、耐震化を推進するためには、まず耐震診断を行うことが必要であることから、県では、市町村が賃貸住宅の耐震診断に対する支援を行う場合に、その経費の一部を補助しているところです。今後、未活用の市町村に対し、担当者会議などの場で当該補助制度の活用を促すなど、耐震化の推進に取り組んでまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 健康福祉部長岡田慎太郎君。

○説明者(岡田慎太郎君) 災害時の遺体収容所等に関する御質問ですが、今後起こり得る大規模な災害に備え、遺体収容所等の運営を担う市町村に対して、その選定や運営訓練の実施などの取組を促してまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 教育長冨塚昌子君。

○説明者(冨塚昌子君) 熱中症対策に関する御質問ですが、熱中症特別警戒アラートが発表された場合、県教育委員会では、全ての県立学校と市町村教育委員会に対し、その旨を迅速に伝え、命を守る行動を取るよう強く促してまいります。

 次に、ネットリテラシーに係る教育の効果と取組に関する御質問ですが、県教育委員会では、令和5年3月に策定した千葉県学校教育情報化推進計画に基づき、情報モラル教育等の進捗状況を把握しているところであり、その結果を踏まえ、今後は技術革新のスピードが目覚ましいICT分野の特性を考慮し、最新の情報を児童生徒だけでなく教職員や保護者等へも周知してまいります。

 最後に、金融教育における外部人材の一層の活用等に関する御質問ですが、県教育委員会としては、学校訪問や各種会議を通じて金融広報アドバイザー等の外部専門人材を活用した取組を周知するとともに、金融教育に資する動画教材や年間指導計画等の資料提供を行い、引き続き金融教育の推進を図ってまいります。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 農林水産部長前田敏也君。

○説明者(前田敏也君) 低コスト米の栽培研究に関する御質問でございますけれども、コシヒカリやふさこがねの乾田直播栽培では、既に通常の栽培と遜色のない生産方法が確立されておりまして、大規模経営体を中心に導入が進められております。また、二番穂の活用につきましては、秋の気温上昇など生育可能期間が長くなったことに着目した技術だというふうに承知しておりますけれども、現時点では費用対効果や労力、あるいは地域性などに課題があるというふうに考えております。

 以上でございます。

○副議長(實川 隆君) 須永和良君。

○須永和良君 御答弁ありがとうございました。順不同となりますが、3回目の発言をさせていただきます。

 先ほど御答弁のあった二番穂についてですが、地域性に課題があるというお答えでしたが、2023年の都道府県別平均気温を見ると、千葉県の平均気温は18.1度です。これは大分県よりも高く、熊本県、佐賀県と同じです。千葉県は、もう温暖化により九州地方並みに平均気温が上がっていることが、このデータから分かります。今までの常識で考えるのではなく、九州で盛んな二期作や二毛作なども含めて、さらなる研究を要望いたします。

 次に、賃貸住宅の耐震化について、地震が来て耐震性のないアパートが倒壊して、そこに住んでいる方が亡くなることを想像してみてください。一般的に貸主より借手は弱い立場です。自分で契約したから、自己責任だから仕方ないというのは、弱い立場の借手に対してあまりに冷たくないでしょうか。阪神・淡路大震災で犠牲となった方に思いをはせ、教訓とするなら、賃貸住宅の耐震化を進める政策誘導を検討していただきたいと要望いたします。

 次に、下請実績を評価した入札制度についてですが、元請実績について、どこにあるかという質問に対して、法人の実績という御答弁でした。これは、法人の経営者や従業員が全て替わったとしても、元請実績は残るということです。つまり、過去に元請実績さえあれば、登記簿上の法人が相続していれば元請ができるということです。実際の工程管理や工事全体の管理監督能力を担保するものではないんです。例えば、ど素人の私がこの元請企業を買ったとしても、元請ができてしまうんです。中の従業員や経営者を全部入れ替えたとしても元請に参加できるということです。一方で、多くの下請実績があって管理監督能力もある、経営状況も優良な企業が元請できないというのが現実の実態になっています。これは公正ではありません。埼玉県のように下請実績を評価し、公正にチャンスのある入札制度への改善を求めます。

 次に、工事の規模、期間、種別などに行われる不正について、入札契約業務適正化相談員に相談という答弁がありましたが、この制度が周知されていないという点が不適正事案に関わる検討会議の総務専門部会でも取り上げられています。弱い立場の人が強い立場の人間から不当な要求を受けたときを想定して、相談しやすい体制を構築してください。

 次に、国土強靱化に関する工事についてですが、適切な入札方式について検討という答弁でありました。もう一度言いますが、国土強靱化を理由に指名競争入札を適用しているのは、1都3県で千葉県だけです。答弁を信じ、今後の改善に期待をいたします。

 入札制度に関し、一言指摘をさせていただきます。一般国道410号久留里馬来田バイパス、令和5年度全線供用、君津市広岡から袖ケ浦市高谷まで延長15.7キロ、総事業費は約200億円、総事業年は39年です。このバイパス工事に関して過去5年間で100件の入札のうち、指名競争入札は93件です。早期に進めるために指名競争入札を適用と言いながら、39年もかかっていることは矛盾しています。しかも、1キロ当たりの事業費が約13億円です。高速道路でおよそ1キロ10億円以上と言われているんです。しかも片側1車線の道路で1キロ当たりの事業費が約13億円です。39年の長い年月を工事にかけ、約200億円という高い金額をかけて喜ぶのは市民ではありません。地元企業の育成という話がありますが、指名競争参加業者は地元の一部の企業です。市町村と防災協定を結んでいても指名に入れていない業者はたくさんいます。フェアに地元企業を育成するなら、一般競争入札で本社の所在地要件をつければいいんです。一部の企業のためではなく、市民のための公共工事であることを忘れずに、入札制度の改善を強く要望いたします。

 以上、指摘、要望させていただきまして、千葉新政策議員団の会派の代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○副議長(實川 隆君) 以上をもって本日の日程は終了しました。

 明日20日は定刻より会議を開きます。

 これにて散会します。

 午後2時41分散会

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電話番号:043-223-2523

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