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千葉県議会 > 本会議・委員会 > 常任委員会 > 県内調査報告/県外調査報告 > 令和3年12月定例会総務防災常任委員会県内調査報告書
更新日:令和4(2022)年10月7日
ページ番号:484826
令和3年12月13日
千葉県議会議長信田光保様
総務防災常任委員長石井一美
本委員会が所管事務調査のため、県内調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。
記
(1)日時:令和3年12月13日(月曜日)12時15分~15時05分
(2)調査項目:陸上自衛隊における災害派遣体制について
(3)経過
初めに陸上自衛隊下志津駐屯地高射学校総合教場にて、同校企画室副室長から陸上自衛隊における災害派遣体制について説明があった後、質疑応答を行った。続いて、災害派遣で使用される装備品の視察を行った。
(4)概要説明
自衛隊の災害派遣の種類については、都道府県知事等から要請を受けて行う要請派遣、緊急を要し要請を待たずに行う自主派遣、防衛省の施設又はこれらの近傍に災害が発生した場合に行う近傍派遣がある。近年では、まずは現地に向かうことを基本に自主派遣の枠組みの中で、被災現場にヘリコプターを向かわせ県庁への映像提供や、連絡員が現地へ赴き情報収集を行っている。
災害派遣の要請権者は都道府県知事、海上保安庁長官、管区海上保安本部長、空港事務所長となっている。命令権者は防衛大臣、陸上総隊司令官、方面総監、師団長、旅団長、駐屯地司令となっている。したがって、千葉県知事は下志津駐屯地司令に対して災害派遣を要請し、それを受けて下志津駐屯地司令は、災害派遣の命令を発することができる。また、災害派遣の要件として、緊急性、公共性、非代替性があり、それらを満たした際に災害派遣が行える。
陸上自衛隊の各駐屯地にFAST-Forceという初動対処部隊が編成されており24時間待機をしているため、発災から1時間で出動できる。陸上自衛隊全体で人員約4,000名、車両約1,100両、航空機約40機が待機している。FAST-Forceの活動の一例として、発災初期における情報収集及び人命救助やLO(連絡員・連絡班)派遣による関係機関との連携がある。
千葉県では、住民約200万人を目安に、習志野分区、下志津分区、松戸分区に分けて担当している。高射学校が担当する下志津分区では、22市町村、面積は千葉県の53%を担当している。
高射学校においてもFAST-Forceが常時待機しており発災1時間以内に出動できるようになっている。編制は人命救助班9名、連絡班3名、偵察班3名、合計15名及び22市町村にそれぞれ連絡幹部を配置できるようになっている。また、発災3時間以内には主力を派遣できるようになっている。
県内における近年の災害派遣活動状況として、令和元年台風15号などの一連の災害では、洪水、大規模な停電、多数の倒木があったことから、自衛隊全体で延べ約4,000名を派遣した。活動内容としては、倒木によって道路が閉塞していたため、東京電力と協力しながら倒木を除去した。その際の教訓は次のとおりである。
○東京電力等、関係部署との共同調整所の設置が必要
○自衛隊の活動対象となる家屋等を、自治体が早期に把握する事が必要
○自衛隊OB防災監採用自治体は、基本的に連絡・調整がスムーズであったためOB防災監を最大限活用
また、昨年度自衛隊が出動した鳥インフルエンザの対応件数は28件であったが、そのうち6件が千葉県で発生した。令和2年12月24日~令和3年2月14日の間で、延べ約13,000名が活動し、約200万羽を殺処分した。その際の教訓は次のとおりである。
○自衛隊と県(防災危機管理部・農林水産部)の連携強化
○県における現地調整所の開設(自衛隊指揮所と同一敷地内に開設)
○出動部隊の活動拠点となりうる地域・施設の早期選定(事前に適地を準備)
(5)主な質疑応答
問:現在の災害派遣について、派遣の考え方や派遣先自治体との連携について、どのように考えるか。
答:千葉県を住民約200万人ごとに習志野、下志津、松戸の3つの地域に区分し、需品学校(松戸)、空挺団(習志野)、高射学校(下志津)でそれぞれの地区を担任しており、高射学校は千葉県南部22市町村の災害対処を担任している。
自衛隊としても自治体との連携は非常に大切であると考えており、高射学校では、担任22市町村全てに担当部隊を示し、それぞれの市町村が主催する防災訓練には、担当部隊を主体に参加させるとともに、下志津分区内の各機関の防災担当者が一堂に会した下志津分区防災訓練を実施する等、平時から連携強化に努め、高射学校長は多くの市町で国民保護協議会委員、防災会議委員となっている。
派遣については、「公共性」、「緊急性」、「非代替性」の3つの原則に基づき派遣されるが、派遣に至る前に連絡員を派遣する等、迅速な連携・対応に努めている。
問:災害派遣では、過酷な状況の中で長期にわたり活動が行われるため、隊員にとって、身体だけでなく精神面での負担も大きいと思われるが、心身の強い隊員を育てる教育訓練と心のケアをどのように行っているのか。
答:自衛隊は、各種教育訓練において、いかなる任務をも完遂できる強い精神力を養うとともに、災害派遣活動期間中は、日々、解除ミーティングを行い隊員のメンタルケアを実施している。
また、災害派遣の終了後は、速やかにメンタルヘルスチェックシートによるメンタル把握を行うとともに、臨床心理士等による面談を行い隊員の心身のケアを実施している。
職名 |
氏名 |
会派 |
---|---|---|
委員長 |
石井一美 |
自民党 |
副委員長 | 川名康介 |
自民党 |
委員 | 浜田穂積 |
自民党 |
委員 | 山中操 | 自民党 |
委員 | 武田正光 |
自民党 |
委員 | 網中肇 | 立憲民主・千葉民主の会 |
委員 | 藤井弘之 | 公明党 |
委員 | プリティ長嶋 | 千葉県民の声 |
委員 | 鈴木陽介 | 無所属 |
所属・職名 |
氏名 |
備考 |
---|---|---|
防災危機管理部長 |
生稲芳博 |
|
防災危機管理部危機管理課長 | 齋藤和義 | |
防災危機管理部危機管理課災害・危機対策監 | 新宅正章 | |
総務部財政課副課長 | 小林知法 | 議事課主幹(併任) |
総務部総務課副課長 |
明珍昌文 |
議事課主幹(併任) |
防災危機管理部防災政策課副課長 | 島田昌信 |
議事課主幹(併任) |
議会事務局総務課班長 | 佐藤ますみ |
|
議会事務局議事課主事 | 日吉淳悟 | |
議会事務局政務調査課主事 | 井下南 |
月日 |
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|---|
12月13日 | 県議会 | 11時55分 | ||
陸上自衛隊下志津駐屯地 | 12時15分 |
15時05分 |
調査 |
|
県議会 | 15時25分 |
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