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千葉県議会 > 本会議・委員会 > 常任委員会 > 県内調査報告/県外調査報告 > 令和3年9月定例会農林水産常任委員会県内調査報告書
更新日:令和4(2022)年2月18日
ページ番号:469348
令和3年10月12日
千葉県議会議長 信田 光保様
農林水産常任委員会委員長 小池 正昭
本委員会が所管事務調査のため、県内調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。
記
(1)日時:令和3年10月7日(木曜日)13時25分~15時40分
(2)調査項目
ア 新本館における試験研究について
イ 野菜、果樹等の試験圃場について
(3)経過
初めに農林総合研究センター新本館にて、センター長より概要説明があった後、質疑応答を行った。続いて、新本館内と圃場(果樹研究室のナシの育成及び最重点プロジェクト研究室のドローンを使ったスマート農業)について視察した。
(4)事業概要
農林総合研究センター新本館については、研究機能の強化に向けた効率的な研究体制を整備するため、分散していた施設を集約して建て替え、令和2年3月に供用を開始した。
農林総合研究センターの重点的な取り組みとして、千葉県農林水産業振興計画に基づき、
の二つの柱を立て、令和3年度は179の研究課題に取り組んでいる。
その中で、現場での大きな問題を解決する一助となった研究については以下の通りである。
(ア)ダイコン黒点症状の原因究明と総合対策技術の確立
産出額全国1位を誇る本県のダイコンの中で4~6月に収穫する春ダイコンについて、出荷後、スーパーに並ぶ頃にダイコンの表面に黒いシミが現れる症状が約3年前から多くなっており、現場の海匝農業事務所から研究要望が寄せられ、令和2年度から取り組んでいる。その結果、病原菌を特定し、保存温度を15℃以下にすると発生が抑制されること、また、地域普及品種「蒼の砦」では堆肥施用の畑では発生が多くなることが判明した。来年度はこれらの抑制条件を組み合わせて総合対策技術として普及していく。
(イ)千葉県の新たな時代を切り開くオリジナル品種の開発
ナシの新品種の育成について、令和3年にデビューした「秋満月」は9月中旬から10月上中旬に収穫できる晩生品種で12年かけて開発した。本県のナシの品種構成において晩生品種は20%弱である。700gを超える大果で肉質は軟らかく滑らかで果汁たっぷりで日持ちは常温で28日と長い。
(ウ)環境に配慮したネギ黒腐菌核病 総合対策システムの構築
産出額が全国1位のネギは本県を代表する品目の一つとなっているが、土壌伝染性でカビによる病害「黒腐菌核病」が多発し産地で問題となっており、葉が枯れたり黒く腐ったり重症の場合は欠株となる。
同センターの4つの研究室でプロジェクトを組み平成29年度から令和2年度まで研究に取り組み、当初は土壌消毒でしか対応できないと考えていたが、苗を植えるときにパレード20フロアブルという殺菌剤をかけると健全な状態でネギを生産できるようになった。今年度はほとんどのネギ農家が本成果を活用し、殺菌剤の使用効果が周知されている。
ナシ栽培におけるスマート農業技術の開発・実証の取り組みについて
同センターでは、最重点プロジェクトとして令和元年からスマート農業の技術開発に取り組んでいる。対象は、水稲やサツマイモなど7品目で、気象データやドローンを活用した生育予測、ICT情報コミュニケーション技術などを活用し、農業情報の見える化を目指した研究に取り組んでいる。
ナシにおいてスマート農業の可能性が見えたことから、農林水産省のスマート農業実証プロジェクトに応募し、令和3年度の課題として採択され、生産者や民間企業など11の機関でコンソーシアムを結成し、実証をスタートしている。
開発・実証する技術は「ヒト自動追従ロボット作業車の効率化実証」、「ほ場ごとの気象データに基づく防除支援システム」、「ナシの棚下から画像を収集してAI生育解析」の三つである。今年の7月から各実証が始まっており、今後は令和3~4年度の二年間で実証技術の経営効果を解析していく。
(5)主な質疑応答
問:ナシの黒星病やダイコンの黒点症状などは、これまでなかった症状なのか。また、近年の温暖化の影響もあるのか。
答:ナシの黒星病は昔からあるが、特に近年は急な雨などの極端な天気が多く、薬をかける時期が判断しづらいことが原因のひとつである。黒点症状については、10年ほど前からまれに発生していたが、発生数は少なかったので大きな問題にならなかったが、3年前ほどから増えてきた。原因については、現在調査中である。
問:稲作におけるAIの導入について、今後の見通しはどうか。
答:気象データを活用し、品種毎に出穂期や収穫期をスマートフォンから予測できるものを開発中である。再来年くらいには現場で活用できるようになると考えている。
問:新品種開発後のフォロー体制はどうか。
答:育種フローの中で、その新品種を普及していくためにはどうしたらよいか、県庁の各課で対策を練りながら、形ができた段階でデビューするような流れとしている。また、実際に栽培してみて、栽培上の問題が色々と出てくるため、栽培技術を高める方法などフォローしていく。
職名 |
氏名 |
会派 |
---|---|---|
委員長 |
小池正昭 |
自民党 |
副委員長 |
伊豆倉雄太 |
自民党 |
委員 |
木下敬二 |
自民党 |
委員 | 鈴木和宏 | 公明党 |
委員 | 西尾憲一 | 平和の党 |
委員 | 松崎太洋 | 無所属 |
所属・職名 |
氏名 |
備考 |
---|---|---|
農林水産部長 |
舘野昭彦 |
|
農林水産部農林水産政策課長 |
飯塚光昭 |
|
農林水産部担い手支援課長 | 須合健己 | |
農林水産部農林水産政策課副課長 | 田中憲一 | 議事課主幹(併任) |
議会事務局政務調査課副主査 | 宮澤千春 |
|
議会事務局総務課副主査 | 増田 吏 |
月日 |
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|---|
10月7日 | 県議会 | 13時00分 | ||
農林総合研究センター | 13時25分 | 15時40分 | 調査 | |
県議会 | 16時05分 |
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