ここから本文です。
千葉県議会 > 本会議・委員会 > 常任委員会 > 県内調査報告/県外調査報告 > 令和5年度環境生活警察常任委員会県外調査報告書
更新日:令和6(2024)年1月23日
ページ番号:629807
令和5年10月27日
千葉県議会議長伊藤 昌弘 様
環境生活警察常任委員長中村 実
本委員会が県外調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。
記
(1)九州大学(水素エネルギー国際研究センター)(福岡県福岡市)
(2)福岡県立スポーツ科学情報センター(福岡県福岡市)
(3)九州国立博物館(福岡県太宰府市)
(4)福岡県警察本部(福岡県議会)(福岡県福岡市)
(1)日時:令和5年10月23日(月曜日)14時35分~16時15分
(2)調査項目:水素に関する研究及び大学の役割や官学の連携等について
(3)経過
初めに、中村委員長からの調査協力に対するお礼のあいさつの後、九州大学水素エネルギー国際研究センター長・九州大学副学長・主幹教授からの歓迎のあいさつに引き続き、「水素に関する研究及び大学の役割や官学の連携等」について、同教授から説明があった。
続いて同センター工学研究院機械工学部門准教授の案内により施設見学を行った。
(4)概要説明
九州大学は約120年の歴史があり、エネルギー問題と地球温暖化問題に早くから着目し、水素エネルギーの社会の実現に向けた研究に取り組んでいる。
また、研究機関や福岡水素エネルギー戦略会議などと連携し、水素エネルギー分野の高度人材育成や、基礎基盤研究から産学連携研究を一体的に実施している。
九州大学伊都キャンパスは、2005年に移転し、キャンパスの真ん中に「水素ステーション」を設置したほか、「水素エネルギー国際研究センター」や「カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所」など、水素研究教育拠点を構築した。
また、世界の研究でハブとして活動している日本で一番大きいキャンパスであり、最先端の燃料電池・水素エネルギー関連研究に、院生を含む200名超が従事している。
これまでの見学者・視察者は、累積で5万人を超えており、国内外の多くの方と一緒に水素社会の実現のための課題や展望について議論を続けてきた。
当時の北部九州は石炭で栄え、その後脱石炭、脱石油とエネルギーのシフトをしていく中で、50年間ぐらい前から水素に関する研究をやってきており、現在は再生可能エネルギーが最も普及したカーボンニュートラルが最も進む地になっている。
脱炭素社会では、水素もしくは炭素を含まないアンモニアなど脱炭素燃料を使っていかないとカーボンニュートラルのものづくりは難しく、火力発電を水素発電に変えていくことで、CO2が出ない燃料である水素やアンモニアを使えば、電力分野のカーボンニュートラルの一つの大きな方向性になる。
水素は電力、燃料、原料をすべて脱炭素化できるエネルギー媒体であり、太陽光や風力発電などで余った電気を水電解で水素に換えて貯めたり、その水素を燃料電池自動車などに使うなど、余る再エネ、使えない再エネを使えるようにする。また、水素は回収したCO2を使って燃料や化学品などが作れるようになる。
このように、電力、運輸、産業、民生の各部門の脱炭素化に水素が貢献でき、この水素を社会全体で使えば、今までのようにエネルギーを使ってもCO2は出ない、そういう社会が作れるということになる。
現在、水素分野の世界最大規模の産学官地域連携組織である福岡水素エネルギー戦略会議と連携して、水素に関する包括的な活動を進めており、本学は成長する東アジアの中心に位置するこの福岡県で脱炭素の牽引役として期待されている。
また、大学では「不可能を可能にするチャレンジ」として、タフな燃料電池を創製し、乗用車のみならず更なる高耐久化が欠かせない商用車(トラック等)などへの用途拡大に向けての開発や、電気も水素も作れる可逆セルの創製に向けて技術開発もしている。
(5)主な質疑応答
問:今後、2050年カーボンニュートラルを見据えて、水素技術の社会実装が進むための課題として何が挙げられるか。
答:初めの一歩を踏み出すファーストムーバー企業(民)を、国や地域(官)がうまく後押しできるかが課題となっている。
問:地元である福岡県とは、どのような協力体制を築き、どのような連携した取組を行っているのか。
答:福岡県が約20年前に福岡水素エネルギー戦略会議を発足させて、連携体制を構築し、着実に深化してきた。県がとりまとめ役を果たしながら、多様な関係者(市、大企業、地元企業、大学など)が連携して水素技術開発や本格普及に向けて取り組んでいる。
問:水素エネルギーに関するインフラ等が進んでいるモデルになるところはあるのか。
答:モデル都市としては、北九州市の東田で住宅まで配管を通し、水素で発電したり、水素の給湯器を現在開発中である。これは約10年くらい取り組みを一緒にやっている。
日本以外では、オランダ、オーストラリアで、オランダのロッテルダムの港は水の電気分解施設を急速に作っている。
(1)日時:令和5年10月24日(火曜日)10時30分~11時54分
(2)調査項目:体育施設の利活用について
(3)経過
初めに、中村委員長からの調査協力に対するお礼のあいさつの後、福岡 県立スポーツ科学情報センター所長からの歓迎のあいさつに引き続き、同センター総務課総務係主任から「施設の利用状況と利用促進に向けた取組」について、同センタースポーツ推進課長から「福岡県タレント発掘事業の実施状況と効果」について、それぞれ説明があった。
続いて同総務係主任の案内により施設見学を行った。
(4)概要説明
福岡県立スポーツ科学情報センターは、平成2年に福岡県で開催された とびうめ国体を契機に、平成7年に設置された。同センターは、メインアリーナ、サブアリーナ、多目的アリーナ、クライミングウォール、ボルダリングウォールの他、研修室や宿泊施設等も設置している。
令和4年度の主な施設の利用状況は、メインアリーナが91,171人、サブアリーナが33,830人、多目的アリーナが30,208人、クライミングウォール、ボルダリングウォール、研修室等も含めると合計で208,780人であった。
また、全施設利用者数は、4月から9月までを前年度と比較すると59,225人増加している。
施設の利用促進に向けた取り組みとしては、利用者アンケートで施設設備やサービスに関するご意見を伺い、施設設備の改善やサービスの向上を行うことで、継続してスポーツを楽しむことができる環境を整えている。
また、近隣のスポーツ施設や社会教育施設、学校等に施設利用に関する資料をメールや郵送で配布をしたり、福岡県立スポーツ科学情報センターが主催するアクシオンフェアなどのスポーツイベントの情報や、施設の空き情報をSNSで発信をしている。
次に、福岡県タレント発掘事業の実施状況と効果である。
福岡県タレント発掘事業は、「国際舞台で活躍し、県民に夢と感動を与える競技者の育成、生涯を通じスポーツに親しみ実践する子供たちを育む」ことを大きな目標としている。
主催は、福岡県スポーツ協会及び福岡県スポーツ振興センターで、福岡県教育委員会が共催しており、小学4年生から中学1年生までを募集対象とし、育成については、小学5年生から中学3年生までを対象としている。
目標達成の取り組みの過程としては、測定会に参加してスポーツへの可能性を見つける「セレクトプログラム」、潜在する力を引き出す「能力開発・育成プログラム」、能力に応じて可能性が高い競技を探す「パスウェイプログラム」の3つのプログラムがあり、日本代表アスリートや競技における県の強化指定選手を目指して取り組んでいる。
平成16年のスタート時から令和2年度を除き受講申し込みは、増加しており、令和4年度が45,000人、今年度が50,000人超えの募集があった。
これまでの受講修了生の中には、女子ラグビー、フェンシング、男子ハンドボールにおいて、3名が東京オリンピック2020に出場した。
また、高校の体育教員となり、福岡県タレント発掘事業の指導者として協力している受講修了生もおり、好循環が生まれ始めて来ているところである。
(5)主な質疑応答
問:指導者養成という点で、研修会の実施状況はどうか。
答:福岡県立スポーツ科学情報センターが主催する研修会は、県スポーツ振興課や県教育委員会体育スポーツ健康課、公益財団法人福岡県スポーツ協会等の多岐にわたる機関と、主催・共催・連携をしながら実施をしている。
問:東京オリンピックに出場した3名は、オリンピックを目指して取り組んで来たのか。それとも、タレント発掘の過程で、小学生からの各種目における実施状況等を見て、県が判断してオリンピックを目指させていったのか。
答:タレント発掘事業は、国際舞台で活躍できる選手の輩出を大きな目標に掲げている。ただし、育成ができるのが中学生までとなるため、アドバイス等はするが、あくまでも種目の選択は自己決定というところになる。
(1)日時:令和5年10月24日(火曜日)14時24分~15時40分
(2)調査項目:博物館の利活用について
(3)経過
初めに、中村委員長からの調査協力に対するお礼のあいさつの後、九州国立博物館副館長兼福岡県立アジア文化交流センター所長より歓迎のあいさつに引き続き、「利用促進に向けた取組・地域や他博物館との連携」について、同センター所長から説明があり、続いて同センター所長の案内により施設見学を行った。
(4)概要説明
九州国立博物館は平成17年10月に福岡県と文化庁が共同で建設工事を行い、東京、奈良、京都に続く4番目の国立博物館として108年ぶりに開館された施設である。九州国立博物館は独立行政法人国立文化財機構(国)と福岡県立アジア文化交流センター(福岡県)が連携協力し、事業運営を行っている。
同機構が主に文化財管理、展示、博物館科学事業を、同センターが広報、交流、教育普及事業を行っている。
九州は大陸や半島に最も近い場所に位置し、古くから交流の舞台になってきた。九州国立博物館では、「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」をコンセプトのもとに、文化交流展示において日本がアジアやヨーロッパとの交流の中で育んできた歴史文化を紹介している。展示は、旧石器時代から近世末期(開国)までを5つのテーマで紹介し、定期的に展示替えを行い、常に新鮮な展示をしている。
文化交流展示のほかに年4回特別展を開催しており、様々なテーマのもと国内外の美と知を選りすぐって紹介している。
また、教育普及活動として、学校や社会施設等での出前授業や工作体験などのワークショップを行うアウトリーチ活動にも力を入れて行っている。当館には225名のボランティアがおり、展示解説、教育普及活動、館内案内など多彩に活動を行っている。
加えて、国際交流として、アジアの博物館と学術文化交流協定を韓国、中国、ベトナム、タイの4カ国の11の機関と締結し、学術交流、共同研究、研究者の派遣・受入や研修、国際シンポジウムの開催などの交流事業に取り組んでいる。
保存・修復については、X線CTスキャナ等の最先端技術により文化財を安全に調査し、現状を尊重した保存・修復を行っている。修復は、補修紙制作等、古文書・書籍・典籍・絵画・彫刻・考古・漆工という6つの施設で実施している。
地域との連携として、太宰府天満宮と共同で事業を行ったり、太宰府市やJR九州等と連携し観光関連のイベントなども実施している。
(5)主な質疑応答
問:アジア各国からの訪問客の増加など、玄関口としての九州の役割はますます大きくなっているものと伺っているが、外国人利用者に向けた体験プログラムの開発など、インバウンド需要を想定された取り組みはあるか。
答:展示解説、施設案内表示、ホームページ、ボランティアによる館内案内は 日中英韓の4言語に対応しており、館内リーフレットについては、さらにフランス語、スペイン語、ドイツ語についても用意している。
令和5年3月には、情報を届けられるよう公式Facebookを開設し、展覧会や収蔵品、イベントなどの情報を日英中韓の4言語で発信している。
また、毎年11月3日には、外国人留学生を対象とした交流イベントを開催している。
問:九州唯一の国立博物館として、各県をはじめとする地元自治体とはどのように連携・協力しているのか。
答:飾り山笠の設置、特集展示などで取り上げた自治体とコラボした講演会やパネル展示の実施、物産販売などを実施している。地域との連携については、太宰府天満宮とのタイアップ展示、観光協会による参道へのフラッグ掲示、共同でのスタンプラリー実施などを行っている。
(1)日時:令和5年10月25日(水曜日)10時12分~11時36分
(2)調査項目:暴力団対策及び繁華街・歓楽街対策について
(3)経過
初めに、中村委員長からの調査協力に対するお礼のあいさつの後、福岡県議会議事課長より歓迎のあいさつがあり、繁華街・歓楽街対策について福岡県警察本部生活安全総務課犯罪抑止対策室課長補佐から説明があり、続いて、暴力団対策について同警察本部組織犯罪対策課管理官から説明があった。
(4)概要説明
福岡県の刑法犯認知件数は、令和4年が28,773件であり、ピーク時の平成14年の168,190件と比較すると8割以上減少している。平成14年は全国的に過去最多となった年である。福岡県では、平成15年から令和3年までは、19年連続で刑法犯認知件数が減少していたが、令和4年は20年ぶりに増加に転じ、自転車の盗難など街頭で起きるような犯罪の認知件数が増加傾向にある。
福岡県における繁華街・歓楽街対策としては、平成17年6月に開催された第5回犯罪対策閣僚会議、第14回都市再生本部合同会議の中でそれぞれ繁華街・歓楽街を再生していく取組が始まり、主要な繁華街・歓楽街として5地区を重点推進地区として各種対策を推進している。なお、同5地区に2地区を加えた7地区が福岡県暴力団排除条例における暴力団排除特別強化地域となっている。
主要なエリアである九州最大の歓楽街と言われている中洲地区、北九州を代表する歓楽街の堺町地区、商業施設などが集積した九州最大の繁華街の天神地区の現状は、風俗店等の客引きや風俗案内所の客引き、深夜にわたって酒を提供する店舗の客待ち行為に係るぼったくりなどに関するトラブルが増加傾向にある。
対策としては、それぞれの地区で特別捜査隊等を設置し、また、地域住民や飲食店、行政、関係機関等で組織する協議会を発足し、定期的な防犯パトロールや、各種イベント、広報啓発、立入等により違法な風俗店の排除を推進する等、それぞれの地区で継続的な各種対策の推進に努めている。
また、北九州地区を中心とした繁華街創生プロジェクトを平成27年8月に発足させ、安全安心な繁華街づくりを目的とした地域の取組や繁華街の健全な賑わいづくりに関することを、現在も推進中である。
次に、暴力団対策についてである。
全国の指定暴力団は現在25団体おり、福岡県に本拠を置いている指定暴力団は5団体で平成17年から平成20年にかけては発砲事件が全国最多で、連続してワースト1であった。
暴力団対策の取り組みとして、特定の組織に特化した取り締まり部署として北九州地区暴力団犯罪捜査課を設置したり、全国に先駆けて県暴力団排除条例を制定し、暴力団事務所の規定範囲での新規設置の禁止、暴力団員に対する利益供与の禁止、損害賠償請求の訴訟支援など行政処分の内容を整備した。また、各市町村でも暴力団排除条例を整備しているところである。
入口対策及び出口対策として、暴排教育と離脱・就労支援を推進しており、暴力団の人的基盤を切り崩すことによって、組員から上納金を減らし、組織の弱体化を図るといった取り組みを継続して行っている。
また、暴力団離脱者を雇用する協賛企業に最大72万円を支給する離脱雇用給付金制度や身元保証制度、暴力団離脱者の社会復帰対策費として、就労するまでの間の一時的なお金として公費で支給する制度の運用の他、警視以下8名体制による繁華街創生プロジェクトを発足し、繁華街関係者と連携を図りながら、にぎわいづくりに向けた各種取り組みを行っている。
民事訴訟に対する支援としては、福岡県暴力追放運動推進センターや暴力団排除条例に基づく貸付制度を活用して、見舞い金の支給等を行っており、暴力団に対して経済的に非常に大きな打撃を与える、暴力団対策に有効な対策を福岡県が先駆けてやっている。
保護対策は暴力団対策の生命線であり、暴力団からの危害を受ける恐れのある人の保護については、組織犯罪対策課に保護対策室を設置し、情勢に応じた警戒等を行っている。
(5)主な質疑応答
問:暴力団対策法が施行されてから、暴力団員立入禁止標章の取付け等により、みかじめ料は取れないと考えるが暴力団の資金源はどのようになっているのか。
答:暴力団の資金源について、繁華街からのみかじめ料は減少傾向にあるが、薬物の密売、特殊詐欺等が主な資金源として考えられる。
職名 | 氏名 | 会派 |
---|---|---|
委員長 | 中村 実 |
自民党 |
副委員長 |
高橋祐子 |
自民党 |
委員 |
河上茂 |
自民党 |
委員 |
信田光保 |
自民党 |
委員 | 江野澤吉克 | 自民党 |
委員 | 小池正昭 | 自民党 |
委員 | 小川としゆき | 自民党 |
委員 |
竹内圭司 |
立憲民 |
委員 | 秋山 陽 | 立憲民 |
委員 |
横山秀明 |
公明党 |
委員 | 川口絵未 | 市民ネ |
所属・職名 | 氏名 | 備考 |
---|---|---|
環境生活部長 | 井上容子 | - |
警察本部総務部長 | 松木伸二 |
- |
環境生活部環境政策課副課長 | 竹内俊之 | 議事課主幹(併任) |
警察本部総務部理事官 | 岡村重仁 | 議事課主幹(併任) |
議会事務局政務調査課班長 |
福島恵子 | - |
議会事務局議事課主事 |
赤沼浩輔 | - |
10月23日
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|
羽田空港 |
- |
10時10分 |
JAL313 |
福岡空港 |
12時5分 |
- |
- |
九州大学 |
14時35分 |
16時15分 |
調査 |
宿舎 |
- | - |
- |
10月24日
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|
宿舎 | - | 10時 | - |
福岡県立スポーツ科学情報センター |
10時30分 |
11時54分 |
調査 |
九州国立博物館 |
14時24分 |
15時40分 |
調査 |
宿舎 |
- | - |
- |
10月25日
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|
宿舎 |
- |
10時 |
- |
福岡県警察本部 |
10時12分 |
11時36分 |
調査 |
福岡- |
- | 15時 |
JAL318 |
羽田空港 |
16時35分 | - |
- |
お問い合わせ
・議員個人あてのメール、ご意見、ご質問はお受けできません。
・請願・陳情はこのフォームからはお受けできません。「ご案内・情報」から「請願・陳情」のページをご確認ください。
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
最近閲覧したページ 機能の説明