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千葉県議会 > 本会議・委員会 > 常任委員会 > 県内調査報告/県外調査報告 > 令和5年12月定例会文教常任委員会県内調査報告書
更新日:令和6(2024)年1月31日
ページ番号:635314
令和5年12月12日
千葉県議会議長 伊藤 昌弘 様
文教常任委員長 鈴木 ひろ子
本委員会が所管事務調査のため、県内調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。
記
(1)日時:令和5年12月12日(火曜日)14時30分~16時8分
(2)調査項目:千葉高等学校における探究活動の現状について、中高一貫教育重点校としての取組について
(3)経過
初めに、千葉県立千葉中学校・千葉高等学校の大会議室にて佐藤校長から千葉中高における探究学習等についての説明を受けた。
その後、中学棟等の視察を行い、質疑応答を行った。
(4)概要説明
ア 県立千葉中学校・千葉高等学校の概要
〔県立千葉高等学校〕
県立千葉高等学校は明治11年に開校し、146年の歴史ある学校である。1学年8クラス、内進生80名、外進生240名の計320名体制となっている。また、1クラスは40名体制とし、内進生10名と外進生30名とが共存し、互いを認め合い、刺激し合うことで、更なる高みを目指している。
学校のグランドデザインをつくっており、その中で「文武不岐」を掲げている。この言葉には「思いやりの心を身に付け、正しい行動ができる人間へと成長してほしい」との願いが込められている。
千葉高ならではの授業として、「重厚な教養主義」、「授業第一主義」、「基礎・基本の徹底」を理念として掲げており、教育活動全体を通じて世界で活躍する心豊かなリーダーとなれるよう、全人格的に優れた人物の育成を目指している。
〔県立千葉中学校〕
千葉中学校については、平成20年に併設型中学校として1学年定員80名で設置された。
千葉中学校では、卒業時の姿として、千葉高が求める生徒へと成長することを目標とするグランドデザインをつくっている。
なお、グランドデザインに示された「在学中の教育活動」については現在、人間力を培う三つの協同「学びの協同」、「社会との協同」、「家庭との協同」の実現のため、教育活動全体の見直しを図っているところである。
また、6学年の生徒が集う学び舎の利点を活かし、異年齢集団の交流を促進することで、他校に見られない、豊かな人間性の育成が可能となり、未来のリーダーと成り得る資質能力の原点となっている。
イ 千葉中高における探究学習について
〔県立千葉高等学校〕
平成15年、学習指導要領の改訂により、全国の高等学校で「総合的な学習の時間」が始まった。千葉高ならではの「総合的な学習の時間」として平成17年度より「千葉高ノーベル賞」と称して授業を行っている。この探究学習については、研究分野の(1)人文科学、(2)社会科学、(3)自然科学、(4)スポーツ芸術から自分の興味ある1分野を選び、独自のテーマを設定して探究活動に取り組むこととしており、指導する教員はサポートに徹し、あくまでも生徒主体での活動である。
この課題研究方式の「総合的な学習の時間」は全国的にも注目されて来た。
1年生の4月から6月上旬の間に7回のガイダンスが行われる。第1回の全体オリエンテーションでは全体概要説明、先輩からの講演、論叢や学習予定表等の配付、指導教員のデータ等の説明、メディアリテラシーを行う。第2回はHRオリエンテーションとして、テーマの選び方、第3回は先輩方の取組を見学、第4回が先輩からの講演と回を重ねる。5月中旬の第5回には外部講師による分野別オンデマンド講演会、第6回は2回目となる先輩方の取組を見学し、顧問希望調査を提出する。第7回は外部講師を招聘し講演会を実施、そして6月中旬の第8回で指導教員が決定し、各活動場所で教員の指導の下、個別の調査研究が始まる。この指導に先立っては、5月に「総合的な探究の時間」職員研修を行う。また、生徒は3学期にレポートを作成し、中間報告書としてまとめる。
2年生では4月当初にクラスでガイダンスを実施、テーマは「優れたレポートを読む」「今年度の活動予定」等である。2回目からは個別調査研究が開始される。10月には外部講師講演会「先輩に学ぶ」が実施される。本校のOB・OGが講師となり在校生に対して進路選択に関する情報や体験談を提供し、人材輩出の伝統保持発展に寄与する目的で例年この時期に開催されている。今年度招聘している講師の職業は大学教員、研究者、コンサルティング会社勤務者、医師、編集者、会社経営者と多岐にわたっている。
3年生は4月当初に1回だけガイダンスを行い最終報告にむけた計画を作成する。1学期中にレポート作成・研究発表等研究の総まとめを行うことになる。指導教員は担当生徒の中から優秀賞をエントリーし、教務部学習指導班が優秀作品を決定する。優秀作品に選ばれた生徒は9月の発表に向けてプレゼン練習に入り、9月第1週の総合的な探究の時間で全校に向け校内発表を行い、各分野の最優秀作品「千葉高ノーベル賞」が決定する。
〔県立千葉中学校〕
千葉中学校においては、総合的な学習の時間の発表会である「千葉中アカデミア」を展開している。
当発表会を展開するため、学校設定教科である「学びのリテラシー」を1年から3年の全クラスの時間割に組み込む事で探究的な学びの基礎となる力を育て、さらに「総合的な学習の時間」で、自身の興味のあるテーマを選択して調査研究に取り組んでいる。
「総合的な学習の時間」については中1、中2を混成編成とし、その中で発表や討議を行う事で、人間関係力を高めることが期待される。
このような取り組みを3年間行い、3年生は研究成果についてパワーポイント等を使って発表することを経験する。高校への内進生については継続して研究を行う者や、研究テーマを変える者もいる。高校への内進生はこれらの活動により外進生と比べ、アドバンテージを持つ事になる。
ウ 中高一貫教育校としての成果と課題
千葉中学校の入試倍率について、平成20年度は27.1倍だったが、現在は6.9倍となっている。この推移の良否については今後検証していきたいと考えている。
千葉中学校の設置による効果は、「リテラシー」「ゼミ」「プロジェクト」「千葉中アカデミア」等の教育により、バランスの取れた生徒が育っている。高1段階では外進生をリードする等、外進生にとって良い刺激となっている。
課題としては、中学在学中に成績が伸びず、高校入学後も成績が低迷してしまう者がいる。また、中学校で人間関係が固定化してしまうケースがあり、馴染めず不登校になってしまう者も少なからずいたり、中高の交流が進んでいなかったため、6年間を見通した教育課程のあり方などを至急検討する必要を感じている。
課題を踏まえた取り組みとしては、今年度から中学校の定期考査を廃止し、単元ごとに小テストを実施することとした。これにより生徒の躓きを早期に発見することを可能にし、考査期間を無くす事で年間授業時数を確保できるというメリットもあった。
生徒指導について、生徒指導部を新設し、柱に教育相談班を据えて、それを中心に生徒達のメンタルを保障していく事とした。各学年主任は生徒指導部を兼務し、不登校・いじめ・問題行動にいち早く対応していく。
中高の交流として、本務・兼務に関係なく、中高両方の授業を持つ教員を増やす、高校3年生を卒業させた学年主任を翌年度は中学1年生の学年主任に、中学3年生の担任を翌年高校1年の担任に配置する事で、6年間を見通した、連続した教育活動や生徒指導を可能とした。
(5)主な質疑応答
問:今年度、改革されたことについては、5年後、10年後と教職員が入れ替わっていく中で、どうなっていくと思われるか。
答:前提として、魅力ある学校を作らないと他校には太刀打ちできない。その思いを職員で共有し、継続してもらえると考えている。
問:外部の民間企業等との連携についてはどのような経緯で行っているのか。
答:基本的に校長自らが連絡を取り、協力連携につながるよう働きかけている。
職名 |
氏名 |
会派 |
---|---|---|
委員長 |
鈴木ひろ子 |
自民党 |
副委員長 | 松崎太洋 |
自民党 |
委員 | 宍倉 登 |
自民党 |
委員 | 鷲見隆仁 | 自民党 |
委員 | 野田宏規 |
自民党 |
委員 | 山下洋輔 | 立憲民 |
委員 | 仲村秀明 | 公明党 |
委員 | 浅野ふみ子 | 共産党 |
委員 | 榎本 怜 | 国 民 |
委員 | 田沼隆志 | 無所属 |
所属・職名 |
氏名 |
備考 |
---|---|---|
教育長 |
冨塚昌子 | - |
企画管理部教育政策課副参事 | 増田武一郎 | - |
企画管理部教育政策課副主幹 | 鈴木 順 | - |
教育振興部学習指導課長 | 石川康浩 | - |
教育振興部学習指導課指導主事 | 木村直純 | - |
企画管理部財務課副課長 | 戸倉俊彦 | 議事課主幹(併任) |
議会事務局総務課主査 | 齋藤優介 |
- |
議会事務局議事課主事 | 高梨絢也 | - |
12月12日
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|
県議会 | - | 14時20分 | - |
千葉県立千葉高等学校 千葉県立千葉中学校 |
14時30分 | 16時8分 | 調査 |
県議会 | 16時18分 |
- | - |
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