堆肥のクオリティーチャートの説明
家畜ふん堆肥の中で肥料成分の少ないものは、土づくりに有効であり、多いものは施用にあたり施肥設計等で堆肥中の肥料成分を考慮することが必要です。「堆肥のクオリティーチャート(クオリティーチャート)」は、堆肥の成分含有率等から土づくり的堆肥か有機質肥料的堆肥かを大別し、その成分特性及び利用の際の留意点を図表化します。
「クオリティーチャート」(図1)はレーダーグラフと表で構成され、パソコンの表計算ソフトMicrosoftExcelのグラフ作成機能や関数機能を使って、「堆肥のクオリティーチャート作成システム」で作成できます。
1.レーダーグラフ
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このレーダーグラフは、肥料成分が多いものほど外側に広がるように、水分とC/N比の座標軸は逆目盛りとなっています。また、内枠(破線)の各座標の値は肥料的か土づくり的かの境界を示し、窒素全量(現物当たり)と加里全量(現物当たり)は1%、EC(電気伝導度、測定条件現物:水=1時10分)は2mS/cm(25℃)に設定してあります。また、他の肥料成分は肥料的価値を考慮して1%に、水分とC/N比はそれぞれ50%と10に設定してあります。なお、中心および外枠(一点鎖線)の各値は、家畜ふん堆肥の各成分等の最大値および最小値を参考にそれぞれ設定してあります。
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2.成分値からみた堆肥利用の目安を示す表
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堆肥利用の目安を示す表は、窒素全量により堆肥を土づくり的堆肥と有機質肥料的堆肥に区分し、その成分特性と利用の際の注意点を示す形としました。この表を作成するにあたって以下の条件を設定しました。
- 窒素全量が1%以下の堆肥は、「窒素含量が少ない、土づくり的堆肥」の欄に○が表示されます。ただし、窒素全量が1%以下の堆肥でも、不快臭の強い堆肥は多量に施用すると作物に障害を起こす危険があるため、「不快臭の強い堆肥はさらに堆積するか、施用後2~3週間おいて作付けする。」と脚注しました。同様に、ECが2mS/cm(25℃)を超える場合は「ECが高いので施用量に注意する。」の欄に○が表示されます。
- 窒素全量が1%を超えるものは、「窒素含量が多い、有機質肥料的堆肥」の欄に○が表示されます。
- 他の肥料成分については、それぞれ1%を超える場合に「各々の含量が多いので、施肥設計等で堆肥中の各々の成分を考慮して使用する。」の欄に○が表示されます。
- C/N比が25を超える場合には「C/N比が高いので、さらに堆積するか窒素飢餓等に注意して使用する。」の欄にOが表示されます。
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