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報道発表案件

更新日:令和8(2026)年7月10日

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県立病院における医療安全の取組について(令和7年度 包括公表)

発表日:令和8年7月10日
病院局経営管理課

 病院局では、医療の透明性と県民の医療に対する信頼の一層の向上を図るため、外部有識者で構成する医療安全監査委員会を設置し、各県立病院の医療安全監査を実施するとともに、インシデント・アクシデント報告の充実についての指導、助言を受けるなど、医療安全管理体制の確保に取り組んでいます。

 この度、「県立病院におけるインシデント・アクシデント公表基準」に基づき、令和7年度の包括公表を実施するとともに、医療安全の取組についてお知らせします。

 ※「県立病院におけるインシデント・アクシデント公表基準」(PDF:129.4KB)

千葉県立病院におけるインシデント・アクシデントの公表に関して公表の内容や公表の基準などについて掲載されています。

1 千葉県病院局の医療安全管理体制

各県立病院:医療安全管理委員会

 医療安全管理部門(部門長:原則として副病院長又は医療局長)

病院局:医療安全対策会議

  各県立病院の医療安全管理部門長、医療安全管理者、病院局経営管理課で構成

医療安全監査委員会

  特定機能病院(※)に準じて、監査委員会を設置

    ※特定機能病院 高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院について、厚生労働大臣が個別に指定

2 令和7年度 医療安全監査委員会の概要

(1) 医療安全監査の実施

 平成28年度から各県立病院の監査を実施し、医療安全管理体制の確認を行っており、令和7年度は9月4日に佐原病院の監査を実施しました。

 主な監査項目は、1.医療安全管理体制の確立、2.医療安全管理活動、3.患者の権利保障の取組、4.高難度新規医療技術導入のプロセス、5.事故防止の実際、6.感染対策の実施状況、7.薬剤管理の実際、であり、医療安全に係る会議の開催状況の確認や、病院幹部、現場の医療従事者からのヒアリング等を通して、医療安全管理体制の状況を確認し、専門の見地から、課題について指摘、助言等をいただきました。

(2) 医療安全監査委員会

 医療安全監査委員会は監査委員、各病院長及び病院局経営管理課等が参加する会議を年3回開催し、各病院から監査での指摘事項の改善状況等の報告等を行い、着実に改善を図ることとしています。

 令和7年度は、前年度に監査を受けた循環器病センター、総合救急災害医療センターの改善経過報告書を医療安全監査委員会に提出し、改善状況を報告しました。

千葉県病院局医療安全監査委員会委員名簿 (敬称略)令和8年3月31日現在

委員氏名 役職等
長尾 能雅(会長) 名古屋大学医学部附属病院 副病院長 患者安全推進部 教授

五十嵐 昭子

NPO法人 支えあう会「α」 理事長

大久保 佳織

鈴木牧子法律事務所 弁護士
太田 豊

公益社団法人 千葉県医師会 理事 

太田耳鼻咽喉科医院 院長

隈本 邦彦

学校法人江戸川学園 江戸川大学 名誉教授

真田 範行

真田・中間・谷中綜合法律事務所 弁護士

豊田 郁子

医療法人 イムスリハビリテーションセンター東京葛飾病院 医療安全対策室 医療対話推進者

患者・家族と医療をつなぐNPO法人 架け橋 理事長

3 令和7年度の医療安全向上に向けた取組の状況

(1) インシデント・アクシデント報告

報告の目的

 県立病院では、医療の透明性と県民の医療に対する信頼の一層の向上を図るため、職員に対し各病院内で発生したインシデント及びアクシデントの積極的な報告を求めています。

 職員が積極的に報告を行うこととしており、職員個人の責任追及ではなく、発生した事象を的確に把握し、再発防止策を講じることにより、医療事故の防止、医療安全の確保に取組むこととしています。

報告件数の目標設定

 各病院の医療の透明性の確保とガバナンスの強化を図るため、報告件数の目標を全職種の報告件数については病床数の6.6倍、医師については、病床数の6.6倍の8%と定めて、積極的な報告を求めています。

 この目標は、医療現場で起きている重大な問題の多くを把握するためには、一定の報告数が必要であるという医療安全監査委員会の意見を受けて設定しています。

インシデント・アクシデント報告と再発防止策の策定等の流れ(JPG:112.1KB)

(2) インシデント・アクシデントの定義と患者影響度分類

 インシデント・アクシデントは疾病そのものではなく、医療(療養)の提供過程を通じて患者が死亡若しくは心身に傷害が発生した又はその恐れのあった事象をいい、 医療行為や管理上の過失の有無を問いません。合併症、医薬品による副作用や医療機器・材料による不具合を含みます。

 県立病院における医療の提供過程で発生したインシデント・アクシデントは、その影響度レベルに応じて「0」から「5」まで7段階に分類しています。

アクシデント

レベル 継続性 傷害の程度 障害の内容
5 死亡 死亡 死亡(原疾患の自然経過によるものを除く)
4 永続的 軽度から高度 永続的な障害や後遺症が残った(残る可能性も含む)
3b 一過性 高度 人工呼吸器の装着、手術のほか、入院を必要とするような濃厚な処置や治療を要した

インシデント

レベル 継続性 傷害の程度 内容
3a 一過性 中等度 消毒、湿布、皮膚の縫合、鎮痛剤の投与のほか、入院を必要としない簡単な処置や治療を要した
2 一過性 軽度

患者観察の強化、バイタルサインの軽度変化、安全確認のための検査などの必要性は生じたが、

処置や治療は行わなかった

1 なし - 患者に医療は提供されたが、実害はなかった
0 - - エラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者には実施されなかった

※「国立大学附属病院医療安全管理協議会」作成のインシデント影響度分類を参考に整理

(3) 令和7年度のインシデント・アクシデント報告件数

影響度レベル別報告件数 [表1] [表2]

 影響度レベル3a以下のインシデント報告は13,170件(99.1%)3b以上のアクシデント報告は119件(0.9%)、総計13,289件でした。

[表1] 令和7年度 インシデント報告件数(令和7年4月から令和8年3月)

病院名 レベル0 レベル1 レベル2 レベル3a インシデント計
がんセンター      (450床) 637 1,469 1,281 501 3,888

総合救急災害医療センター (150床)

1,018 1,137 859 139 3,153
こども病院         (218床) 631 1,036

683

173  2,523
循環器病センター(220床) 273

846

563  187 1,869
佐原病院            (199床) 558 757  325 97 1,737
合計 3,117 5,245 3,711 1,097 13,170
総計に対する割合 23.5% 39.5% 27.9% 8.3%

99.1%

 

[表2] 令和7年度 アクシデント報告件数(令和7年4月から令和8年3月)

病院名 レベル3b レベル4 レベル5 アクシデント計
がんセンター       (450床) 39 2 4 45
総合救急災害医療センター (150床) 17 0 2 19
こども病院    (218床) 4 1 (1) 1 6
循環器病センター (220床) 22 0 (1) 3 25
佐原病院             (199床) 17 0 7 24
合計 99 3 (2) 17 119
総計に対する割合 0.7% 0.0% 0.1% 0.9%

※割合については、小数点第2位を四捨五入したものであり、合計が100.0にならないことがある。
※括弧内は医療事故調査・支援センターに医療法第6条の10に該当する医療事故として届け出た件数

(4) 総報告数と医師の報告数とその推移

 令和7年度の全職種の総報告数は13,289件であり、目標の8,164件を上回り、医師の報告数も704件となり、目標の653件を上回る結果となりました。

 全職種の目標数 1,237床×6.6=8,164件

 医師の目標数 1,237床×6.6×0.08=653件

インシデントアクシデント報告数の推移を示すグラフです。令和3年度は10305件、令和4年度は10989件、令和5年度は11915件、令和6年度は12496件、令和7年度は13289件です。

医師の報告数の推移を示すグラフです。令和3年度は589件、令和4年度は677件、令和5年度は669件、令和6年度は563件、令和7年度は704件です。

 

(5) 事由別報告状況 [表3]

 インシデント報告を事由別にみると、「薬剤」に関するものが3,519件でインシデント報告全体の26.7%と最も多く、次いで「療養上の世話」に関するものが3,268件で全体の24.8%となっています。

 一方、アクシデント報告を事由別にみると、「治療・処置」に関するものが83件でアクシデント全体の69.7%となっています。

[表3] 令和7年度 事由別 報告件数(令和7年4月から令和8年3月)

概要 具体例

インシデント

[件数]

インシデント
[%]

アクシデント
[件数]
アクシデント
[%]
薬剤 内服忘れ、量・日時間違い等 3,519 26.7

5

4.2

療養上の世話 転倒、禁食指示忘れ、テープによる表皮剥離 3,268 24.8 14 11.8
ドレーン・チューブ ドレーンや胃管などの自己抜去 1,844 14.0

7

5.9

検査 オーダーの部位漏れ、検査条件の不適 1,382 10.5 2 1.7
治療・処置 手術・処置の合併症 813 6.2 83 69.7
医療機器等 医療機器の不具合、設定間違え 615 4.7 2 1.7
輸血 投与速度の調整ミス、実施記録忘れ 217 1.6 1 0.8
その他 書類の渡し忘れ、分類不能 1,512 11.5 5 4.2
合計 - 13,170 100 119 100

※事由区分は、日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業」の分類を参考に整理

※割合については、小数点第2位を四捨五入したものであり、合計が100.0 にならないことがある。

(6) 病院局全体の医療安全の取組状況

 各病院への監査で、患者確認の徹底の重要性が指摘されていることから、令和7年度は、病院局全体の取組として11月を患者確認徹底月間とし、職員や患者に対する啓発を行うとともに、職員向けの研修会等を開催し患者確認手順の認知度向上を図りました。今年度も継続して患者確認の徹底に取り組んでいます。

 県立病院で発生したアクシデントについて、県立5病院の医療安全管理部門の長等で構成する、医療安全対策会議で事例の共有を図るとともに再発防止等についての検討を行っています。

(7) 各病院の医療安全の取組状況

報告件数の増加にむけた取組

  • 各病院でインシデント報告の活性化に向けた取組を進めています。
  • がんセンターでは報告システムのレイアウト改善により報告しやすい環境を整備し、報告件数は約4000件となりました。総合救急災害医療センターでも報告件数が増加し、事例共有を通じて報告の意義を浸透させました。循環器病センターでも他の病院の取り組みを活かしGoodJob表彰を導入し、未然防止事例の積極的な共有を促進しています。

再発防止の取組

  • 患者誤認防止を重点課題として多面的な取組を行っています。
  • がんセンターでは、医療安全ラウンドで確認行動の直接観察を開始し、識別子確認やバーコード認証の違いに関する研修を実施しました。こども病院では患者・家族参加型のアンケートを通じて安全意識を共有し、総合救急災害医療センターでも患者確認の識別子の確認や事例と改善策の共有を実施しました。循環器病センターでは多職種ラウンドで患者確認の他者評価を実施し、佐原病院では数値評価により患者誤認インシデントの減少に結び付けることやM&Mカンファレンス※1を通じて要因分析と再発防止策を検討し、組織全体での学習につなげています。

 ※1 重篤な合併症・死亡に至った症例を詳細に検証し、再発防止やシステムの改善を図るための検討会

医療の質管理・向上の取組

  • 部門横断的な連携と心理的安全性の確保を重視しています。
  • がんセンターでは薬剤管理手順や業務工程の見直しなどを実施しました。こども病院では他施設との相互評価や情報交換により外部の知見を取り入れています。循環器病センターや佐原病院では多職種による業務見直しや事例検討が行われ、改善活動を推進しました。

(8) 医療事故の件数

 医療法第6条の10の医療事故に該当する件数は2件でした。なお、本件につきましては、現在、院内医療事故調査委員会を設置し、原因究明、再発防止策の検討を実施中です。

医療法6条の10に該当する医療事故とは、「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったもの」

 

令和7年度のアクシデントと医療事故、調査委員会開催件数([表2]の内訳)

 アクシデント 119件

  • レベル5の17件のうち、医療法第6条の10に該当する医療事故と判断して医療事故調査委員会を開催 2件(調査中)
  • 再発防止の観点から医療安全調査委員会を開催(医療事故以外) 3件(調査中)
  • 上記以外の114件については、各病院内で再発防止策を策定

4 アクシデントに対する調査の実施状況について(包括公表)

 県立病院では、アクシデントが発生し、医療法第6条の10の医療事故に該当すると判断した場合や、明らかに誤った医療行為又は管理に起因する、又はその疑いが否定できないと判断した場合、その他、再発防止等の観点から調査が必要と判断した場合は、調査委員会を設置して調査することとしています。

  このうち明らかに誤った医療行為又は管理に起因するもの以外の事案について、毎年1回、包括的に公表しています。(明らかに誤った医療行為又は管理に起因する事案で、公表の同意が得られたものは、随時「個別公表」することとしています。)

 調査報告書がまとまり、家族説明が終了した事案は、以下のとおりです。

(1) 公表同意を得られた事案(明らかに誤った医療行為又は管理に起因するもの以外の事案)

病院名
発生年月日
概要 調査結果

がんセンター

【術後早期敗血症ショックによる死亡事案】

 70代後半 男性

 胸部食道癌に対して食道亜全摘出術(胃管再建、胸腔内吻合)を施行した。
 手術後8日目に再建胃管壊死の診断で緊急手術(壊死胃管切除、食道瘻造設、気管切開術)を施行した。
 緊急手術後96日目に、経口摂取にむけて再建手術(回結腸再建、血管吻合)を施行した。
 再建術後5日目に、回結腸の拡張を認めた。回結腸の虚血リスクを低減する目的で、内視鏡下で経鼻減圧管を留置した。 処置後にショック状態となり、状態が悪化したため、重症管理が可能な専門病院に転院したものの、敗血症性ショック、多臓器不全により、転院翌日に死亡した事案。

 死因は、敗血症性ショックと考えられるショック状態による多臓器不全である。敗血症性ショックの原因としては、挙上腸管からの細菌または毒素の流出(バクテリアルトランスロケーション)や非特異的な腸管血流障害による腸管壊死等が推定されるが、内視鏡検査等で明らかな血流障害が認められず、病理解剖がないことから正確な病態の診断は困難であった。
 手術手技は、いずれも適切な手術が施行された。術後管理は適切に行われていたが主治医を含む複数医師およびその他医療スタッフによるチームで問題を共有し、対応を協議することが望ましい。
 手術のインフォームドコンセントは適切に行われていたが、リスクの高い2回目再建手術時に個別リスクの説明記載が不足しており改善の余地がある。
 術後急変時の当直医の対応は標準的であり、その後の検査、敗血症を疑った判断は適切である。急速に進行するショック症状および呼吸不全などの病態に対して、血液浄化を含む重症管理が可能な病院への転院は妥当だった。

 

 

調査報告書についての問い合わせ先:千葉県がんセンター 043-264-5431(事務局長宛)

(2) 公表同意を得られなかった事案

 調査委員会を設置し、報告書を作成して家族説明を行った結果、公表同意が得られなかった事案はありませんでした。

お問い合わせ

所属課室:病院局経営管理課医療安全安心推進室

電話番号:043-223-3975

ファックス番号:043-225-9330

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