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更新日:令和4(2022)年7月19日
ページ番号:526279
発表日:令和4年7月19日
千葉県病院局
県立病院では、アクシデントが発生し、医療法第6条の10に該当すると判断した場合や、明らかに誤った医療行為又は管理に起因する、又はその疑いが否定できないと判断した場合、その他、再発防止等の観点から調査が必要と判断した場合は、調査委員会を設置して調査することとしています。
このうち明らかに誤った医療行為又は管理に起因するもの以外の事案について、毎年1回、包括的に公表しています。(明らかに誤った医療行為又は管理に起因する事案で、公表の同意が得られたものは、随時「個別公表」することとしています。)
この度、調査報告書がまとまり、家族説明が終了したものについて、以下のとおり公表いたします。
№ | 病院名 |
概要 | 調査結果 |
---|---|---|---|
1 | 循環器病センター H27.12 発生 H27.12 医療事故調査 ・支援センター報告 H30.8 遺族説明 R4.6 公表同意 |
【カテーテル焼灼術(ABL)術後2 日目の死亡事案】 に状態が悪化し、心肺蘇生術に より自己心拍再開。諸検査で腹 腔内出血を認めたが、出血源を 特定できず、集中治療を実施し たものの、術後2日目に死亡し た事案。 |
死因は、大量腹腔内出血による多臓器不全と考えられる。解剖結果では、血管の異常、カテーテルによる血管の損傷は認められなかった。ABLの適応、術式と方法については標準的な方法で行われており、急変後の処置は適切で最善が尽くされていると考えられる。 再発防止策として、医師への報告基準を検討すること、集中治療室で術後管理を行う入室基準を再検討すること、また、医師の説明記録に一部記載されていない部分があり、改善することがあげられた。 |
2 | こども病院 H28.6 発生 |
【外来急変死亡事案】 不良で外来受診。末梢点滴路の 確保が困難で医師3名により来 院から約5時間後に末梢点滴路 を確保したが、その直後、徐脈 となり死亡した事案。 |
死因は、心不全である。点滴路の確保は脱水及び心不全の改善に必要不可欠なもので、一定の経験のある医師3名が、採血結果より心不全の悪化を認識し、何よりも点滴路の確保を優先したことは、やむを得ない判断であった。 再発防止策として、(1)外来での救急対応における責任者の明確化(2)相談・連絡体制の整備(3)処置中のモニタリング(遠隔監視体制)の整備があげられた。 |
3 | がんセンター H30.6 発生 支援センター報告 |
【術後8日目の消化管出血によ 吐血し、その数分後に心停止とな り、死亡した事案。 所の潰瘍があり、潰瘍から急性の 消化管出血を生じショックになっ たものと考えられた。 |
死因は、術後、十二指腸の潰瘍部から消化管出血をきたし、出血性ショックで死亡したものと考えられる。術後貧血の進行を消化管出血ではなく、手術の影響の範囲内と考えたことは一般的な判断であった。再発防止策として、(1)消化性潰瘍の既往の確認(2)NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)使用時のPPI(胃酸分泌抑制薬)の併用(3)薬剤投与量の確認(4)術後消化管出血の診断(5)複数診療科による合同手術の術前IC(インフォームド・コンセント )(6)複数診療科による合同手術の手術記録について提言がされた。 |
4 | 佐原病院 R2.10 発生 R3.4 医療事故調査・ 支援センター報告 R4.3 遺族説明 公表同意 |
【バルーンブジー(内視鏡的狭窄部 拡張術)後の死亡事案】 閉塞)となりバルーンブジ―を施行 した。 たが、開腹中に、出血量多量、血 圧低下、心拍数低下をきたした。 手術を終了し、病棟帰室後に死亡 した事案。 |
バルーン拡張術において消化管穿孔を併発することは、偶発的に起こりうる合併症である。死因は、緊急手術中に静脈損傷をきたし、大量出血による循環動態の破綻と考えられる。静脈損傷の原因の確定は困難であり、試みた止血の処置は適切であったが、手術室内の連携が不十分であったと考えられる。 再発防止に向けての病院全体の取り組みとして、危機的状況への対応手順を策定し、危機的状況に対してチーム一丸となって、よりリスク管理を徹底して行う体制整備が提言された。 |
5 | こども病院 R3.6 発生 |
【心臓カテーテル検査後の脊髄梗 塞及び脳室内出血事案】 診断された生後1年未満の患児 に対し、心臓カテーテル検査施行 後に脊髄梗塞と脳室内出血が発生 し、下半身麻痺と膀胱直腸障害を |
脊髄梗塞の原因として、穿刺したガイドワイヤーが前脊髄動脈に迷入し血管損傷を起こし脊髄梗塞に至ったものと考えられ、さらに脊髄梗塞後の出血をきたし脳室内出血を起こしたものとして関連付けられる。 |
調査委員会を設置し、報告書を作成して家族説明を行ったものの、全ての項目で公表同意が得られなかった事案は1件でした。
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