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報道発表案件

更新日:令和4(2022)年7月19日

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県立病院におけるヒヤリ・ハット事例及びアクシデント報告状況について(令和3年度分報告)

発表日:令和4年7月19日
千葉県病院局

県立病院では、医療の透明性と県民の医療に対する信頼の一層の向上を図るため、令和3年度に県立病院で発生したヒヤリ・ハット事例及びアクシデントの報告状況を「県立病院におけるインシデント・アクシデントの公表基準」に基づいて、医療安全の取組とともに公表いたします。

※「県立病院におけるインシデント・アクシデントの公表基準」(PDF:133.9KB)

1 ヒヤリ・ハット事例及びアクシデントの報告件数

(1)影響度レベル別報告状況 [表1][表2]

県立病院における医療の提供過程で発生したヒヤリ・ハット事例及びアクシデントを、その影響度レベルに応じて「0」から「5」まで7段階に分類し、各病院から報告を求めています。
令和3年度において、報告のあった影響度レベル3a以下のヒヤリ・ハット事例は10,219件(99.2%)、3b以上のアクシデントは86件(0.8%)でした。

[表1] 令和3年度 ヒヤリ・ハット事例報告件数(令和3年4月~令和4年3月)

病院名 レベル0 レベル1 レベル2 レベル3a ヒヤリ・ハット事例計
がんセンター (450床) 562 1,432 995 230 3,219

救急医療センター (100床)

266 556 567 158 1,547
精神科医療センター (50床) 394 575 143 26 1,138
こども病院 (218床) 173 611 664 142 1,590
循環器病センター (220床) 360 562 404 128

1,454

佐原病院 (199床) 411 563 223 74 1,271
合計 2,166 4,299 2,996 758 10,219
総計に対する割合 21.0% 41.7% 29.1% 7.4% 99.2%

 

[表2] 令和3年度 アクシデント報告件数(令和3年4月~令和4年3月)

病院名 レベル3b レベル4 レベル5 アクシデント計
がんセンター (450床) 36 2 9(1) 47
救急医療センター (100床) 11 0 1 12
精神科医療センター (50床) 1 0 0 1
こども病院 (218床) 2 1 0 3
循環器病センター (220床) 14 1 2(2) 17
佐原病院 (199床) 4 1 1 6
合計 68 5 13(3) 86
総計に対する割合 0.7% 0.1% 0.1% 0.8%

* 括弧内は医療事故調査・支援センターに医療法第6条の10に該当する医療事故として報告した件数
 医療法6条の10に該当する医療事故とは
 
当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったもの。
* 割合については、小数点第2位を四捨五入したものであり、合計が100.0にならないことがある。

(2) ヒヤリ・ハット事例及びアクシデントの患者影響度分類

  レベル 継続性 傷害の程度 内容

アクシデント

5

死亡

-

死亡(原疾患の自然経過によるものを除く)

4

永続的

軽度~高度

永続的な障害や後遺症が残った(残る可能性も含む)

3b

一過性

高度

人工呼吸器の装着、手術のほか、入院を必要とするような濃厚な処置や治療を要した

ヒヤリ・ハット事例

3a

一過性

中等度

消毒、湿布皮膚の縫合、鎮痛剤の投与のほか、入院を必要としない簡単な処置や治療を要した

2

一過性

軽度

患者観察の強化、バイタルサインの軽度変化、安全確認のための検査などの必要性は生じたが、処置や治療は行わなかった

1

なし

-

患者に医療は提供されたが、実害はなかった

0

-

-

エラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者には実施されなかった

*「国立大学附属病院医療安全管理協議会」作成のインシデント影響度分類を参考に整理
 
○ヒヤリ・ハット事例及びアクシデントの定義
疾病そのものではなく、医療(療養)の提供過程を通じて患者が死亡若しくは心身に傷害が発生した又はその恐れのあった事象をいい、医療行為や管理上の過失の有無を問わない。合併症、医薬品による副作用や医療機器・材料による不具合を含む。

(3)事由別報告状況[表3]

令和3年度において、ヒヤリ・ハット事例を事由別にみると、「薬剤」に関するものが2,434 件でヒヤリ・ハット事例全体の23.8%と最も多く、次いで「療養上の世話」に関するものが2,404 件で全体の23.5%となっています。
一方、アクシデントを事由別にみると、「治療・処置」に関するものが56 件でアクシデント全体の65.1%となっています。

*事由区分は、日本医療機能評価機構の「医療事故情報収集等事業」の分類を参考に整理

[表3] 令和3年度 事由別 報告件数(令和3年4月~令和4年3月)
概要 具体例 ヒヤリ・ハット事例 アクシデント事例
件数 件数
薬剤 内服忘れ、量・日時間違い等 2,434 23.8 5 5.8
療養上の世話 転倒、禁食指示忘れ、テープによる表皮剥離 2,404 23.5 9 10.5
ドレーン・チューブ ドレーンや胃管などの自己抜去 1,377 13.5 1 1.2
検査 オーダーの部位漏れ、検査条件の不適 1,347 13.2 3 3.5
治療・処置 手術・処置の合併症 469 4.6 56 65.1
医療機器等 医療機器の不具合、設定間違え 538 5.3 2 2.3
輸血 投与速度の調整ミス、実施記録忘れ 84 0.8 0 0
その他 書類等の渡し忘れ、分類不能 1,566 15.3 10 11.6
合計   10,219 100 86 100

*割合については、小数点第2 位を四捨五入したものであり、合計が100.0 にならないことがある。

2 令和3年度の医療安全の取組

千葉県病院局では、外部委員7名で構成された医療安全監査委員会を設置し、県立病院の医療安全に係る取組を検証するなど、医療安全管理体制の改善につなげています。

(1)令和3年度 医療安全監査委員会の概要

令和3年度においては、医療安全監査委員会を3回実施いたしました。「千葉県病院局院内感染対策指針」の改正案、循環器病センターの実地監査について、また、2病院の個別公表について、各監査委員から助言を行っていただきました。
現地監査は2病院の予定でしたが、新型コロナウイルス感染症対応のため、循環器病センターのみ1月に実施しております。

(2)各病院における医療安全向上に向けた取組状況

【がんセンター】

  • 全体目標を「アクシデントを未然に防ぐ」とし、重点テーマを4つ(「ブリーフィング・デブリーフィングの活用」「情報伝達エラー防止」「レベル 0・1報告の増加と活用」「転倒転落の防止」)設け、各部署が主体的に改善活動を実施しました。
  •  新たに転倒転落の防止対策として「転倒・転落、せん妄部会」を中心に対策の評価や事例の振り返りを実施しました。

【救急医療センター】

  • 重大事故防止のため、レベル0~2の目標報告件数を年間 1,100件以上としたところ、実績が1,389件と目標を26%上回り、報告活動が活性化しました。
  • 未然に防げた事案をリスク部会で ポジティブフィードバックとして表彰を行いました。
  • IC(インフォームド・コンセント)部会を中心に、救急患者に対する包括的な説明同意書を作成し、運用を開始しました。

【精神科医療センター】

  •  目標を 3 つ(「患者確認動作の徹底」「薬剤関連レベル2以上の前年比5割減」「連携とフォローでエラーを防ぐ」)掲げ、各部署で主体的な改善活動を実施しました。
  • 事故を未然に防いだ事案について「 Good job 賞」を設けました。レベル0の報告が増加し、スタッフのモチベーションにつながりました。

【こども病院】

  • 看護局リスクマネジャー委員会を設置し、 報告事例の共有や改善対策の協議、定期的に看護師長による医療安全院内巡視を実施しました。
  • 院内輸血マニュアルを見直し、輸血手順マニュアルの改訂、スタッフへの周知を図りました。
  • 医療安全対策プロジェクトを立ち上げ、全部署で「患者誤認防止」に取組みました。

【循環器病センター】

  • 多職種で重大事故を未然に防ぐため 、レベル0~2の報告件数を増やすことを目標に活動し、前年比2割増となり、報告文化の醸成が進んでいます。
  • RCA(根本原因)分析を活用した事例の分析と対策を検討する「JUNKAN安全大会」を開催し、8事例について発表・討議を実施しました。

【佐原病院】

  • 会議や院内職員メールを活用し、医療安全ラウンドの内容やその結果の定期報告、マニュアルの周知徹底に取り組みました。
  • 医療事故調査委員会報告書の周知徹底のため、全体報告会を必須研修に位置づけ、e ラーニングを活用し職員全員が受講しました。

 

お問い合わせ

所属課室:病院局経営管理課医療安全安心推進室

電話番号:043-223-3975

ファックス番号:043-225-9330

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