安房地域の地理条件

安房農業事務所の所管地域は、房総半島南端の安房地域3市1町です。


この地域の地形は、標高200～300mの低山地が東西方向にのびており、低標高ながらも急峻な地形が広がっています。また、鋸南町、南房総市（旧富山町）から鴨川市にかけて長さ25km、幅8kmの帯状の地域は鴨川低地断層帯と呼ばれ、破砕された岩層や風化しやすい岩層が広がっているため、地すべり地帯となっています。

気候は、黒潮の影響を受けた海洋性気候で、年平均気温15.9℃、年間降水量1,790mm（館山測候所：1981～2010年の平均）と、温暖で比較的降水量が多い地域となっています。


農地は、河川沿岸の平坦地のみならず、山間地域の谷津田や比較的急傾斜な地域にも棚田状に広がっています。平坦な水田地帯では、昭和40年代より基盤整備が行われ近代的農地に生まれ変わっていますが、山間地域では整備が遅れています。


水利の状況は、中小河川が多いため無降雨時の流量は小さく、小規模な頭首工、揚水機による河川からの取水と、200箇所以上のため池に頼ってきましたが、水不足に悩まされていました。