千葉県Chiba Prefectural Government
~ 千葉県にオリンピック・パラリンピックがやってくる ~
東京2020オリンピック・パラリンピック > 東京2020大会千葉県開催記録誌/東京2020聖火リレー千葉県実施記録誌・記録映像 > 東京2020大会千葉県開催記録誌(テキスト版) > 第2部Ⅲ-2.オリンピック・パラリンピック教育
更新日:令和4(2022)年3月25日
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2016年7月、スポーツ庁は、「オリンピック・パラリンピック教育」(オリパラ教育)はオリンピック・パラリンピックを題材にして、
スポーツの意義や価値等に対する国民の理解・関心の向上
障害者を含めた多くの国民の、幼少期から高齢期までの生涯を通じたスポーツへの主体的な参画(「する」、「見る」、「支える」、「調べる」、「創る」)の定着・拡大
児童生徒をはじめとした若者に対する、これからの社会に求められる資質・能力等の育成
を推進することを目的としていると示した。
また2016年12月、中央教育審議会は東京2020大会を「多様な国や地域の文化の理解を通じて、多様性の尊重や国際平和に寄与する態度や、多様な人々が共に生きる社会の実現に不可欠な他者への共感や思いやりを子供たちに培っていくことの契機ともしていかなくてはならない」と答申した。
これらを踏まえ、千葉県教育委員会は、次世代を担う子どもたちに国際感覚やスポーツの楽しさ、ボランティア精神、障害者への理解などを身につけさせ、大会後も無形のレガシーとして引き継いでいくために、県を挙げてオリンピック・パラリンピックを活用した教育活動に取り組む指針として、2017年4月に「千葉県オリンピック・パラリンピックを活用した教育の取組方針」を策定。取組方針では、オリパラ教育で、目指す児童・生徒の姿を、「おもてなし」「心のバリアフリー」「スポーツ」「グローバル」の4つのプロジェクトに整理した。県は、この取組方針に基づいて、2017年度には競技開催地やその周辺市町村、キャンプ予定地の市町村を中心とし、県内30校を先行的に実践する学校としてオリンピック・パラリンピック教育推進校(オリパラ教育推進校)に指定し、2018年度以降は県内65校に増やし、さまざまな取り組みを行った(2021年度まで継続)。
おもてなし
国内外の大会関係者や観客等を、どこで会っても明るい挨拶と最高の笑顔でお迎えしている 等
心のバリアフリー
障害、年齢、国籍等を問わず、公共の場等で困っている人を手助けしている 等
スポーツ
スポーツの魅力に触れ、障害の有無や年齢にかかわらず、誰もが一緒にスポーツを楽しんでいる 等
グローバル
日本の良さ(伝統文化など)を十分理解し、観光地等で世界の人々と臆せず積極的にコミュニケーションがとれている 等
流山市立小山小学校は、2017年度にオリパラ教育推進校に指定されたことを受け、オリパラ教育のプロジェクトとして「おもてなし」と「心のバリアフリー」の2つのプロジェクトを推進した。おもてなしプロジェクトでは、10月に実施された流山市ロードレース大会に5、6年生約30人が「小山小学校おもてなしプロジェクト・ボランティア隊」として参加し、選手の応援、水やバナナの配布、ゴミ箱が設置された給水所区間内での「ゴミはゴミ箱にお願いします!」という声かけ、選手通過後の給水所清掃などを実施。子どもたちはこの体験を通して、こうした行事がさまざまな人のボランティア活動などによって成り立っていることを知り、ボランティア活動に興味を持つようになった。
この活動に先立って、小山小学校の児童がボランティアスタッフとして参加していることが一目でわかり、子どもたちがこれからも地域活動に積極的に関わっていけるように、との願いを込めて、「with Team Oyama」のロゴ入りのキャップを製作。これ以降、地域活動の際にはこのキャップを着用している。
また、もう一つのおもてなしプロジェクトである「花いっぱい運動」では、栽培委員会を立ち上げて全校に呼びかけ、9月にパンジーの種をまいた。水分や日当たりの調節などに苦労しながらも11月の栽培委員会の活動でプランターに移植。春には色とりどりのパンジーの花が咲いて来校する人の目を楽しませた。
心のバリアフリープロジェクトでは、パラリンピックに関する事前学習を行った上で、シッティングバレーボール体験を実施。初めての座ったままで行うバレーボールに苦戦しつつも、動きが制限される中で行っている選手の「技」を知り、充実した時間を過ごした。
小山小学校は、その後も2021年度まで毎年オリパラ教育推進校の指定を受け、他にも幅広い取り組みを進めた。中でも毎年参加してきた流山市ロードレース大会については、学校のボランティア活動として根づき、今後も継続していくことを予定している。
成田市立久住小学校では、1~4年生に20分を週2回、5~6年生には20分2回に加えて45分の英語の授業を週1回実施している。2017年度には、オリパラ教育推進校の指定を受けて、日本の文化や伝統に対する理解を図るとともに、積極的に外国の人とコミュニケーションをとり、より良い関係を構築しようとする気持ちを育てることを目的に、「おもてなし」と「グローバル」プロジェクトを推進した。
1、2年生は、体育館に多くの品物と店を準備し、久住中学校の1年生や地域住民のサポートを受けながら英語での「買い物」を実践した。5年生は、成田空港での社会科見学を兼ねて、空港で外国人にインタビューする活動を実施。質問の内容も自分たちで考え、「日本の印象は」「日本とあなたの国との違いは何か」などについて話を聞いて英語でのコミュニケーションの楽しさや難しさを体感するとともに、英語圏以外の人も多いことを知り、多様性を体感した。6年生は、成田山表参道で外国人観光客に「習字」「城」「将棋」「剣道」「けん玉」「あやとり」「日本そば」などの身近な日本文化について知っているかどうかを身振り手振りも交えて質問した。また、地域の人たちを講師に迎え、学校周辺の水田地帯に伝わる「牛馬作り体験」なども行った。
久住小学校は、毎年の活動の中で、「心のバリアフリー」「スポーツ」にも取り組みの幅を広げた。
【牛馬作り】
豊作や健康を願い、真菰(まこも、イネ科の多年草)で牛馬を作る伝統行事
県立矢切特別支援学校は2017年度にオリパラ教育推進校の指定を受け、「心のバリアフリー」と「スポーツ」を推進することとした。併せて「特別支援学校を拠点とした障害者スポーツ振興事業」において、「障害者スポーツを通した交流活動」というテーマで県の研究指定も受け、知的障害のある児童・生徒が実施しやすいオリジナル障害者スポーツ「キック&ダッシュ」を開発した。
同年度には、地域イベント「やきりdeボッチャ」を主催。地域のスポーツクラブの会員および近隣高齢者施設の入居者、地域の高齢者、大学生、近隣小学校の児童(3年生約60人、特別支援学級約20人)などが参加した。交流活動では、誰でも取り組みやすい障害者スポーツである「ボッチャ」を交流のためのツールとしたことで、障害の有無や年齢にかかわらず、共に楽しむことができた。また交流活動を通して、矢切特別支援学校の児童・生徒に対する理解や障害のある人に対する理解を広げる機会となり、「心のバリアフリー」の推進につながった。
2018年度には、「オリパラ豆知識」を校内のさまざまなところに掲示し、問題を作成してウォークラリーを実施。小学部、中学部、高等部混成のグループで協力し合いながらクイズに回答していくことで楽しく学んだ。
2020年度には、前年度までのようにトップアスリートや地域の人たちとの交流が難しい状況になったため、中学部の生活委員会が中心になってピクトグラムから種目を答えるオリパラクイズを実施するなど、楽しんで学習できる工夫を凝らした。
また2021年度には、オリンピック・パラリンピック給食活用レシピの掲示を行った。
【キック&ダッシュ】
県内の特別支援学校で実施している「キックベースボール」のルールを簡略化したもの
秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校・高校は、2018年度からオリパラ教育推進校に指定され、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、2020年度に「心のバリアフリー」「グローバル」に取り組んだ。
2020年6月、新しい学校生活をより良く送るための啓発活動として、同校の生徒一人ひとりが、世界の国旗の折り紙と和柄を使用して3羽の折り鶴を作った。世界規模で拡大する新型コロナウイルス感染症と戦う人々へエールを送り、私たちの生活環境を身近で支えてくれている人たちや家族への感謝の気持ち、今の自分にできることなどを形にして表すことが目的であった。
また、世界史Aを履修している高校1年生の全生徒を対象に、夏季休業中の課題として各国の料理をテーマに探究活動を実施。その際、生徒が探究する対象として選択した国についてオリンピック・パラリンピックとの関連を調べることで、出場国への理解と関心を高めた。
木更津市立清見台小学校は、2018年度からオリパラ教育推進校に指定され、同年度には「心のバリアフリー」「おもてなし」に取り組み、義足使用者を講師に招いて6年生全員で義足を体験。また、ちばアクアラインマラソン2018に何を持って行けばおもてなしになるかを各学年で考え、うちわや大きな旗を作り、それらを振って応援した。
2019年度からは、「共生社会の形成のための基盤となるように障害者理解を深め、地域のバリアフリーについて考えること」など、より具体的な目標を設定。国際パラリンピック委員会公認教材「I’mPOSSIBLE」を活用し、パラリンピックのクイズや映像資料を通して児童のパラリンピックへの関心を高めるとともに、授業参観を通して保護者のパラリンピック、パラスポーツへの理解も深めた。また6年生の授業では、校内のバリアフリーについて考えた後、家庭のバリアフリーについても考える機会を設けた。
さらに子どもたちは、自分たちが住む地域に目を向けることで、誰もが暮らしやすい社会にするために、どのようにすればよいかについて自然にハードと心の両面から考えるようになった。
新型コロナウイルス感染症の影響により、思うように活動ができない中、2020年度は6年生を中心に「オリパラ推進隊」を結成。児童が活動内容を企画し運営することで他の児童の意欲も高まった。具体的には、「世界記録実寸大の掲示(走幅跳・走高跳等)」「(オリンピック、パラリンピックまでの)カウントダウンカレンダーの掲示」「校内ぬり絵コンテスト」「オリパラ質問コーナー(校内放送)」等を実施した。
こうした同校の取り組みは、オリンピック・パラリンピックへの興味関心を高めるだけでなく、周囲を巻き込んで障害や共生社会に対して考えるきっかけを創出したことにより、「I’mPOSSIBLEアワード開催国最優秀賞」に選ばれ、東京2020パラリンピックの閉会式で表彰された。
木更津市立清見台小学校では、「I’mPOSSIBLE」を活用して、共生社会の実現に向けた授業を実施している。2021年12月には、視覚障害者の疑似体験やこれまでの学習を踏まえたグループ発表が行われた。
視覚障害者の疑似体験では、「パラリンピアンが学校に来るとしたら」をテーマに、二人一組で、一人がアイマスクを着け、一人が声で誘導して校内を歩いた。歩き慣れた廊下や階段も普段どおりのスピードで歩くことができず、誘導役が「ここで廊下はおしまいだよ」「段差に気をつけて」「前から人が来る」など考えながら声をかけた。一番の難所である階段では、怖くて尻込みをしたり、他の人とぶつかりそうになったりと大苦戦。体験した子どもたちからは「残り何段あるのか教えると歩きやすいと思う」「階段の数が全部同じならいいのに」などの声も聞かれた。
また、視覚障害や車いす体験、パラリンピアンとの交流など、これまでの学習を踏まえ、「誰もが住みやすい町木更津」を実現するにはどのようなことができるかをグループごとに話し合った。そして、タブレット端末を用いて作成した資料を電子黒板に写し、障害・国籍・年齢・性別などに関係なくみんなが暮らしやすい共生社会を実現するため、自分たちにできることについて、それぞれの考えを発表した。
「I’mPOSSIBLE」を活用して授業を行うようになったのは、4年前にオリパラ教育推進校の指定を受け、何をやろうか模索しているときに、何気なく教材を取り入れてみたことがきっかけでした。
初めは子どもたちに「障害って何?」と質問すると「大変菅野元治さんそう」「かわいそう」というイメージが並んでいたのですが、教材にあるリオデジャネイロ大会のパラリンピック競技の映像を見せると「すごい」「こんなことができるんだ」と、ポジティブな答えに変わりました。この変化を目の当たりにして、こんなに面白い教材はないと思いました。授業では、車いす、視覚障害、高齢者体験やゴールボールなど、実体験をさせることを重視しました。
パラリンピック教育の一番の成果は、相手の立場で考えることができるようになったことです。学校近くで白杖をついている高齢者を見つけ、横断歩道を渡るのをサポートした児童もいました。学校での学習から、家や地域について考えていくことで、子どもたちが社会を変えてくれるようになればと思います。
パラリンピックを通じて、子どもたちには多くの気づきがあったと思います。その子どもたちの気づきを変化に導くことが私たちの仕事です。そのため、パラリンピック教育をここで終わりにするのではなく、むしろここから継続的にやっていかなければならないと考えています。ゴールである「共生社会の実現」に向けては、これからが勝負だと思います。
県立東金特別支援学校は、2018年度に県教育委員会からオリパラ教育推進校と「特別支援学校を拠点とした障害者スポーツ振興事業」の指定をされたことから、学校内はもとより、地域にオリンピック・パラリンピックやパラスポーツを広めることを目的とした取り組みを児童・生徒主体で行う「オリ・パラ」推進隊を結成した。
「オリ・パラ」推進隊を中心に活動を進める中、地域イベントにおいてパラリンピアンの講演に感銘を受けた児童・生徒たちから「『I’mPOSSIBLE』(国際パラリンピック委員会公認教材)を通して学びたい」との声が上がり、I’mPOSSIBLEを活用した学習を開始。パラスポーツの普及振興や共生社会の構築に向けた取り組みを推進した。また同校では、自分たちの学びにとどまらず、パラスポーツについて歌った「オリパラソング」やボッチャのやり方をわかりやすく説明するための動画を制作するなど、児童・生徒が自らのアイデアを形にし、さまざまな形でパラスポーツの楽しさを発信している。
2018年には「オリ・パラ」推進隊が地域の小・中学校を訪問し、障害者スポーツ(ボッチャ)出前授業などを実施する「オリ・パラ」キャラバンを開始した。また同年8月には、東金アリーナで「オリ・パラ」サマーセッションin東金を開催。同イベントには「オリ・パラ」推進隊の司会進行のもと142人が参加し、順天堂大学スポーツ健康科学部「障がい者スポーツ同好会」の協力によるゴールボールやボッチャの体験会、1998年長野パラリンピックで金メダル3つと銀メダル1つを獲得したマセソン美季さんによる講演などが行われた。
このほか、東金特別支援学校では、学校内にとどまらず、周囲の小・中学校や地域に対してパラスポーツの楽しさを伝える創造的な取り組みを数多く実施し、周りの人々の障害に対する意識を変えていった。同時に「オリ・パラ」推進隊の活動は、「障害のある自分たちからも、障害のない人に伝えられることがある」と、児童・生徒自身の成長の糧になっている。同校はこうした取り組みにより、「I’mPOSSIBLEアワード開催国特別賞」に選ばれ、東京2020パラリンピックの閉会式で表彰された。
なお、東京2020大会後は、これからも継続して地域にパラスポーツを広めていくことを目的として、10月より“「オリ・パラ」推進隊”から“パラスポ推進隊”と名称を変え、活動に取り組んでいる。
【「オリ・パラ」キャラバン】
東京2020大会後は、パラスポキャラバンに名称変更
東京2020パラリンピックの開幕を1週間後に控えた2021年8月18日、パラリンピックの公式競技であるボッチャを通して、障害のあるなしにかかわらず、地域住民などが交流するイベント「『オリ・パラ』サマーセッションin東金」が県立東金特別支援学校で開催された。
イベントを主催する東金特別支援学校は、2020年度まで県教育委員会から「特別支援学校を拠点とした障害者スポーツ振興事業」の指定を受け、積み重ねてきた経験を生かし2021年で4回目となる本イベントを開催した。新型コロナウイルスの感染拡大を鑑み、前年同様オンラインで実施され、同校の児童・生徒のほか市内の小・中学校、高校の児童・生徒、県職員など11チーム55人が参加した。競技はボッチャのルールをアレンジし、フラフープの中に入ったボールの総数で勝敗を決めるトーナメント方式とし、各会場をオンラインでつなぎ、参加者がリアルタイムで他の会場を見られるようにした。
イベントの運営は特別支援学校の児童・生徒からなる「オリ・パラ」推進隊を中心に行われた。推進隊は、開会式では競技ルールの説明や感染症対策の説明、対戦相手のアナウンスなど、司会進行を務めた。
「オリ・パラ」サマーセッションでは、本校の児童・生徒が「オリ・パラ」推進隊としてイベントの準備や開閉会式の運営等を行いました。特別支援学校では人前で何かを行う機会が少ない児童・生徒も多いのですが、推進隊としての活動を通じて人とのコミュニケーションの取り方を学んでいると感じます。もちろんまだうまくいかない面、苦手な面もありますが、小さな積み重ねから成長していくと思います。彼らも高等部を卒業すれば地域の一員として社会で働くので、プレッシャーを乗り越える勇気や、チャレンジ精神を身につけてほしいですね。
今は東京2020大会で障害者スポーツが大きな注目を浴びていますが、大切なのは大会が終わった後です。自治体や企業、そして学校もトーンダウンしてしまうところがあるかもしれない。そこをどううまくつないでいけるか、持続可能な範囲でやっていけるかというところは自分でも注目しています。
本校ではサマーセッションのほかに、毎年11月に児童・生徒が地域の小・中学校に出向いてボッチャなどの授業の講師をやっています。事前準備はさまざまな場面を想定して練習を積み重ねていきますが、本番当日は自信を持って「はい、頑張ってきて」と送り出します。特別支援学校の児童・生徒でも小・中学生に教えることはできます。こうして本校から積極的に地域に出て発信していくことで、共生社会の実現につながっていくと思います。「オリ・パラ」推進隊をはじめ、今後も障害者スポーツの普及活動を持続可能な形で継続していきたいと思っています。
Q1.何を頑張りましたか。
ボッチャができるようにコロナ対策をしながら準備をしてきたことです。
Q2.ボッチャのどんなところが楽しいですか。
みんなで協力して点数を入れるところです。
Q3.イベントに参加してくれたみんなに何を伝えたいですか。
パラスポーツの楽しさを参加した人からも広めていってほしいです。
Q4.今後やってみたいことはありますか。
卒業後も地域のパラスポーツに関わるイベントに参加し、楽しさを伝えたいです。
Q1.何を頑張りましたか。
話すときに緊張するので、最初は嫌だと思いましたが、先生にも相談しながらみんなに聞きやすいように心がけてやりました。
Q2.ボッチャのどんなところが楽しいですか。
簡単そうだけど、やってみたら難しいところです。
Q3.イベントに参加してくれたみんなに何を伝えたいですか。
ボッチャがもっと広まって、みんなにやってもらいたいです。
Q4.今後やってみたいことはありますか。
生徒会長になって、いろんな意見を言ってみたいです。
千葉県では、東京2020大会を契機に、特別支援学校の児童・生徒にとってスポーツを身近なものにするとともに、スポーツによる交流を通じて学校および地域にパラスポーツを普及させ、パラスポーツを通じた共生社会の実現を目指すことを目的として「特別支援学校を拠点とした障害者スポーツ振興事業」を実施した。本事業では、県内に幅広く拠点校を置き、各地域と連携をしながら持続可能なパラスポーツの振興を図った。また、県内の特別支援学校で組織した千葉県特別支援学校体育連盟主催のスポーツ大会や駅伝大会において、各競技のトップアスリートから実技指導を受けるなど、特別支援学校の児童・生徒が一流の技を肌で感じられる機会を作った。さらに、教職員を対象に実施したパラスポーツ研修会では、県内で開催されるパラリンピック競技の県内強豪チームを招いた。児童・生徒がより有意義な体験ができるよう、研修で学んだ技術やルール、用具等の工夫を特別支援学校の体育の授業に取り入れた。
2018年度に拠点校となった千葉特別支援学校は、知的障害のある児童・生徒が通う学校で、小学部、中学部、高等部があり、県内の学校体育の充実とパラスポーツの普及に関する拠点として、千葉県特別支援学校体育連盟の事務局が置かれている。同校では、児童・生徒が水泳や陸上競技のパラアスリートから泳ぎ方や走り方のアドバイスをもらうなど、練習を通じて競技に親しんだ。中学部では、ボッチャのアスリートと共に地域の人たちを学校に招き、アスリートによるデモンストレーションや「ボッチャの交流試合」を実施。地域に向けてパラスポーツの理解を推進した。
2018年度に拠点校となった槇の実特別支援学校では、学区内にある3つの児童養護施設から通学する児童・生徒が3分の1を占めている。同校では学校間交流でボッチャのルールを簡単にした「まきのみボッチャ」に取り組み、また、ボッチャや陸上競技のアスリートとの交流を行った。「まきのみボッチャ」では、ルールのわかる中学部や高等部の生徒がボッチャの経験のない児童に積極的に教える姿も見られ、皆でボッチャに親しんだ。また、地域のスポーツイベント「ちばアクアラインマラソン」では和太鼓演奏による沿道応援に参加し、同校の活動を披露・紹介し、地域への発信を行った。
2019年度には八日市場特別支援学校が拠点校となった。知的障害のある児童・生徒を対象として開校した八日市場特別支援学校では、コミュニケーションが苦手な生徒もいる中、「学生団体おりがみ」との交流を実施し、回を重ねて打ち解けていった。また、学生の考えたオリジナル種目も実践し、うまくいったときにはお互いハイタッチをして喜び合う姿などが見られた。また北総地区特別支援学校駅伝大会では、学生時代には東洋大学、卒業後には千葉市に拠点を置く富士通の陸上部で駅伝を中心に活躍した柏原竜二さんが応援。大会後のエキシビションではランニングフォームや駅伝の楽しみ方(応援や会場の清掃)などを教えてもらい、走ることやスポーツへの向上心を喚起した。
2020年度には、千葉盲学校が拠点校となった。同校は、視覚障害(見えない、見えにくい)に特化した県内唯一の特別支援学校で、幼稚部、小学部、中学部、高等部、専攻科の5つの学部があり、3歳から60歳代までの幼児、児童・生徒が在籍。県内の26市町に居住地があり、併設する寄宿舎から通う人もいる。同校では、視覚障害者が出場できるパラリンピック競技である「パラトライアスロン」の体験会を通して児童・生徒のパラリンピック競技への興味を喚起し、「挑戦したい」という声もあがった。初めて自転車に乗る児童・生徒も多かったため、自転車の構造や仕組みを知る機会ともなった。また、教職員を対象にボッチャの研修会を実施し、競技の特性やルール、審判方法などについて理解を深めた。
文部科学省が定める現行の学習指導要領では、中学3年生の保健体育における体育理論の中で、「オリンピックや他の国際スポーツ大会等が国際親善や世界平和に大きな役割を果たしていること」という文化としてのスポーツやオリンピック・ムーブメントの意義について学習することが明示されている。これを受けてJOCは「オリンピズム(オリンピック精神)」や「オリンピックの価値(バリュー)」をより身近に感じてもらうため、その体現者であるオリンピアン(オリンピック出場選手)を先生として、体育理論の学習に向けた事前啓発を目的に中学2年生を対象に授業形式で行う「オリンピック教室」を2011年度から実施している。
千葉県とJOCは、2016年にパートナー都市協定を結び、同年から協定に基づく連携事業として、県内の公立中学校において中学2年生を対象とした「JOCオリンピック教室」を開催している。オリンピアンが自身の経験を通してオリンピックの価値などを伝える授業で、運動と座学の2コマで構成され、運動が苦手な生徒も参加しやすく、また貴重な経験を生徒が自分ごととして捉え、今後に生かすことができるよう工夫されたプログラムとなっている。
千葉県で初めてのJOCオリンピック教室は、2016年1月に船橋市立海神中学校で実施され、競泳の伊藤華英さんたちが授業を行った。
JOCオリンピック教室は、2016年から2021年までに計29校で実施され、夏季・冬季各種競技の多くのオリンピアンが県内中学校の生徒と交流した。
千葉県は各競技団体と連携し、大会に向けた機運醸成を図るとともに、子どもたちに県内で開催される競技の魅力や競技の見どころを伝え、競技に対する理解を深めてもらうため、県内の小・中学校、高校、特別支援学校を訪問する学校訪問プロジェクトを実施した。
千葉県と公益社団法人日本フェンシング協会は、初となる学校訪問を2018年1月に松戸市立第三中学校で実施。同校では2008年の北京オリンピックで日本フェンシング史上初の銀メダルを獲得した日本フェンシング協会の太田雄貴会長たちが競技紹介を行い、所属選手によるデモンストレーション、代表生徒による競技体験が行われた。また同年4月には、競技に対する理解の促進、競技人口の増加や大会に向けた機運の醸成を図るための協定を締結し、学校訪問を継続して実施することとした。
2018年8月には、同様にNPO法人日本車いすフェンシング協会との間で協定を締結し、同年10月、県内初の車いすフェンシングの学校訪問を市川市の昭和学院中学校・高校で実施。競技紹介、講師によるデモンストレーション、代表生徒による競技体験などを行い、同学院の放送部が製作した車いすフェンシングの紹介動画を上映した。
同年9月には、公益財団法人日本レスリング協会とも協定を締結し、松戸市立相模台小学校で初の学校訪問を実施。世界大会16連覇、個人戦206連勝の記録を持つ吉田沙保里さんたちが競技の解説を行い、タックル体験会などを実施した。また、東京2020ゴールドパートナー(乳製品・菓子)である株式会社明治の協力のもと、食育講座も併せて開催された。
さらに同年10月には、一般社団法人日本サーフィン連盟とも協定を締結し、同年11月、白子町立白子中学校で初のサーフィン教室を実施。日本サーフィン連盟広報委員会の岩波重之副委員長による動画等を用いた競技解説や、プロサーファーとして活躍中の田中英義選手が競技の見どころを紹介するとともに、サーフボードとバランスディスクを用いたサーフィン体験も行われ、代表生徒が挑戦した。
学校訪問は、2018年の開始以降、2021年までに延べ54校で行われ、約1万5,000人が参加した。
千葉県教育委員会は、他国の食文化や、千葉県の特産物を使った料理・郷土料理に興味関心を広げる良い機会であることから、学校給食を通じて子どもたちが多様な食文化に触れることができるように「オリンピック・パラリンピック給食活用レシピ」を紹介している。
また千葉市では、2017年度から、東京2020大会や幕張メッセで開催される競技の発祥の地にちなんだ料理を、小・中学校、特別支援学校の全校で「応援メニュー」として学校給食に取り入れる取り組みを実施。2017年度はオリンピック発祥の地である「ギリシャ」、2018年度はフェンシング発祥の地の「フランス」、2019年度はテコンドー発祥の地の「韓国」と続き、2020年度はシッティングバレーボール発祥の地の「オランダ」、5年目となる2021年度は、開催国「日本」の料理の指導資料や家庭用のレシピ紹介資料を配布した。
千葉県教育委員会は、児童・生徒自らが東京2020大会について考えるきっかけとすることを目的として、イラスト・キャッチフレーズの作品募集を実施。イラスト部門で129校1,665作品、キャッチフレーズ部門で150校9,118作品の応募があり、2020年1月に千葉県文化会館で最優秀賞表彰式が開催された。
小学校の部
松戸市立常盤平第二小学校 吉岡心結さん
えがおまんかいパワーぜんかい
がんばれ日本!
中学校の部
香取市立佐原第五中学校 中村梨乃さん
ようこそ日本へ。ようこそ千葉へ。
あなたの輝く姿を応援しています!!
Dear 世界のアスリート様
最高の舞台を用意しました。
炎みたいに熱くなれ 水のように走れ
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