千葉県Chiba Prefectural Government
~ 千葉県にオリンピック・パラリンピックがやってくる ~
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更新日:令和4(2022)年3月25日
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千葉県は、2016(平成28)年から千葉市などと連携し、パラスポーツの普及や魅力発信、パラスポーツを通じた共生社会の実現を図ることを目的に、「パラスポーツフェスタちば」を千葉ポートアリーナで開催した。イベントの企画・運営には、県内大学の学生も参画。東京2020大会で幕張メッセが会場となったパラリンピック競技のゴールボール、シッティングバレーボール、テコンドー、車いすフェンシングに加え、ボッチャ、車いすバスケットボール、車いすラグビー、パラバドミントンなどの体験会や対抗戦を実施し、広く県民にパラスポーツの魅力を発信した。
さらに、日本放送協会(NHK)千葉放送局などとも連携し、毎年特色のあるイベントを開催した。
初開催の2016年9月には、シッティングバレーボールの大学対抗戦のほか、「パラリンピアンセッション」と題し、千葉県ゆかりのパラリンピアンによるトークショーや現役パラテコンドー選手による競技紹介や実演が行われた。
2017年9月には、ゴールボールとシッティングバレーボールの日本代表選手による迫力あるデモンストレーションや県内の小学校・特別支援学校の児童・生徒が描いたパラスポーツ絵画作品の展示会を開催。また、同時開催イベントとしてNHKWORLDの歌番組の公開収録や歌手MayJ.さんのスペシャルライブが行われた。
2018年9月には、「紅白対抗パラスポーツ運動会」をテーマに、パラスポーツを体感・応援できるイベントを実施。県内学校の児童・生徒とパラアスリート等が一丸となって紅白対抗車いすリレーを行った。また、シッティングバレーボール女子日本代表選手によるエキシビションマッチや全国屈指の実力を誇る市立習志野高校吹奏楽部による楽器を使わない応援が披露された。
2019年8月には、NHKスペシャルプログラムとして、小学生によるゴールボールエキシビションマッチやパラスポーツに関するクイズを実施。また、小・中学生の音楽ユニット「Foorin」を招き、参加者と一緒に2020応援ソング「パプリカ」を披露した。
2020年11月には、学生企画のブース出展のほか、老若男女、障害の有無、運動の得意不得意にかかわらず、誰もが楽しめる特別ルールを設けた「ゆるスポーツ」の体験会を実施。「シーソー玉入れ」「トントンボイス相撲」「コツコツ!点字ブロックリレー」の3競技が行われ、幅広い参加者がスポーツに触れるきっかけとなった。
そして2021年は、東京2020大会後の11月に開催した。体験会では、東京2020大会で千葉県ゆかりの選手が活躍したパラバドミントンを初めて実施。また、「パラスポーツパネルコーナー~東京2020パラリンピックの軌跡~」が設けられ、幕張メッセ開催競技や千葉県ゆかりの選手等の写真パネルを展示した。
なお、2020年および2021年においては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、スポーツ庁のガイドライン等に基づき、参加人数を制限し、事前申込制とした上で開催した。
千葉県は、東京2020パラリンピックに向け、県内開催競技の紹介や体験会、パラアスリートとの交流を通じてパラスポーツの魅力を伝えるとともに、障害への理解を深める契機とするため、県内の市や公益財団法人日本財団パラリンピックサポートセンター、競技団体等の協力のもと、「パラスポーツフォーラム in CHIBA」を開催した。
リオデジャネイロパラリンピックが開催された2016年9月には、キッコーマンアリーナ(流山市民総合体育館)で「パラスポーツフォーラム in CHIBA」(千葉県、流山市教育委員会主催)を初開催。第1部では、2000年のシドニーパラリンピックで車いすバスケットボールの日本代表キャプテンを務めた根木慎志さんを講師に迎え、流山市内の小学生約450人が車いすバスケットボールを体験した。見事シュートを決めた高橋りんさん(流山市立八木南小学校6年生)は、「ボールを持ちながら片手で車いすを走らせるのは難しかったけれど、初めての体験で楽しかった」と笑顔を見せた。また、講師の根木さんは、「階段を上がりたいときなど、僕一人だったら困ることも、みんなが手伝ってくれれば困らない。周りの人の協力で、障害はなくすことができる。今日の体験を通じて学んだこと、感じたことを行動に移してほしい」と話した。第2部では、市内の高校生と県内の大学生約60人がゴールボールとシッティングバレーボールを体験した。
パラリンピック開催1000日前に当たる2017年11月29日には、旭市総合体育館で「パラスポーツフォーラム in CHIBA 2017」(千葉県、旭市教育委員会主催)を開催。旭市内の中学2年生および近隣の特別支援学校の生徒を対象に、県内開催競技をはじめとするパラスポーツ6競技の体験会を実施した。また、千葉県の公用車(燃料電池自動車MIRAI)に導入された東京2020大会開催を記念した特別仕様ナンバープレートのお披露目も行った。
2018年12月には、「パラスポーツフォーラム in CHIBA 2018」(千葉県、千葉県教育委員会、君津市、君津市教育委員会主催)を新日鐵住金株式会社君津体育館で開催。2004年のアテネパラリンピック車いすテニス金メダリストの齋田悟司選手を講師に迎え、君津市立周西中学校および市内中学校テニス部の生徒を対象とした講演会やディスカッション、各競技団体の協力による8つの競技体験会を実施した。午後からは一般の参加者も来場し、競技ブースは大いに賑わった。
2019年10月には、「パラスポーツフォーラム in CHIBA 2019」(千葉県、千葉県教育委員会、いすみ市、いすみ市教育委員会主催)をいすみ市立大原中学校で開催。いすみ市内の中学1、2年生と特別支援学校中学部の生徒約500人が参加し、千葉県を拠点に活動している車いすラグビーの官野一彦選手による講演の後、さまざまなパラスポーツ体験を行った。
千葉県は、東京2020大会を契機に、これまでスポーツに親しむ機会の少なかった障害者がスポーツに参加できる機会を増やし、障害のある人とない人がスポーツを通じて相互に理解を深めることができる社会としていくため、広く大学や競技団体と連携してパラスポーツ普及の担い手育成を行っている。
2016年には、県内高校の初任者教員232人を対象に研修を実施。NPO法人日本知的障害者スポーツ連盟の後藤邦夫理事長を講師に迎えて学校現場での取り組みにつながる指導のポイントについて説明を受け、演習では、障害のある人と一緒に楽しめるスポーツ(フライングディスク)を体験した。
また同年以降、県内大学や競技団体等と連携し、教員を目指す学生を対象にシッティングバレーボールやゴールボールの研修・体験会を開催。障害者スポーツへの理解を深めるきっかけとなった。
また2019年1月には、千葉県および市町村の職員向けにパラリンピック・パラスポーツを題材とした研修「あすチャレ!Academy」が開催され、視覚障害者への道案内や聴覚障害者に向けた筆談体験を通じ、障害者とのコミュニケーションについて学ぶ機会となった。
一方、大学生の主体的な取り組みとして、2014年8月に千葉大学の学生を中心に学生団体「おりがみ」が設立され、幅広いボランティア活動を展開。2016年5月にはパラリンピック競技体験会「第1回パラスポーツについて考えよう(「みんなで参加、みんなで創る!」)」を主催し、同年9月には「パラスポーツフェスタちば」の初開催に向け、企画運営にも参画した。
ひとりでも多くの人が関われるオリンピック・パラリンピックをつくりたい。その思いを活動理念に、2014年8月に学生団体「おりがみ」を立ち上げました。
2012年のロンドン大会では7万人のボランティア募集枠に対し、21万人以上の活動希望がありましたが、14万人以上の意欲のある人々が大会に関われませんでした。多くの人々のエネルギーが生かされないことは非常にもったいなく、東京2020大会でも同様のことが起きるのではないかと思ったことが活動を始めたきっかけです。
おりがみは、スポーツや文化、環境など、多様な活動を行ってきました。中でも共生社会に向けた取り組みには力を入れており、パラスポーツや障害者のことを知ってもらうためのパラスポーツ体験会や、大学生と特別支援学校の生徒がスポーツ等で交流する活動などを行っています。
また、真に共生社会を実現していくためには、助け合う社会を根づかせていくことが重要です。おりがみでは現在、同世代の団体と連携して、千葉市内の学校においてパラアスリートのエピソードを紹介することを通じ、クラス単位で「小さな共生社会」を作る活動を始めています。パラアスリートの強さだけではなく、特に困ったときに助けてほしいという意思表示、「援助要請」に着目した教育にも取り組んでいきたいと考えています。
おりがみの取り組みは、イベントの企画段階から関わるなど、社会に参加していく「ボランティア」です。行政や企業、学校など、いろんな人たちとパートナーを組みながら面白いものをつくりあげていく動きは、「ボランティア」だからこそできることでもあります。こうした取り組みをこれからも大事にしていきたいと思っています。
【「おりがみ」に込められている思い】
「おりがみ」には、「『おり』ンピック・パラリンピックを、『が』くせい、『み』んなで盛り上げよう」という思いが込められている。
千葉県は、パラアスリートによる基調講演や企業・福祉関係者、学生、パラアスリートによるパネルディスカッション、県の取り組みの紹介などを通して、関係機関の「輪」をさらに広げ、パラスポーツの振興に取り組む契機とするため、2019年8月、ホテルポートプラザちばでパラスポの「輪」フォーラムを開催した。このフォーラムは、「パラスポーツを通してバリアのない社会を作り上げていく」ことをテーマに千葉県内の大学生が運営スタッフとして企画から関わって開催された。また、同年実施したパラ「旅」応援事業でボランティアに従事する学生により組織されたパラ「旅」応援団の結成式も行われた。
千葉県では、障害のある人の東京2020大会の観戦や、スポーツ活動への参加の推進を図るとともに、参加するボランティアや受け入れ施設等の理解促進と新たな介護観の醸成を目的として、障害のある人のパラスポーツ国際大会の観戦と商業施設等への外出を学生ボランティア、ヘルパーとともに支援するパラ「旅」応援事業を実施。
2019年11月には「ヒューリック・ダイハツJAPANパラバドミントン国際大会2019」(国立代々木競技場第一体育館)、同年12月には「2019IBSAゴールボールアジアパシフィック選手権大会 in 千葉」を観戦し、障害のある人およびその支援者、学生ボランティア、トラベルヘルパー約220人が参加した。
千葉市には、日本代表選手を多数輩出する車いすバスケットボールや車いすラグビーのチームがあり、また、国枝慎吾選手をはじめとする障害者アスリート用の車いすを開発・製造している株式会社オーエックスエンジニアリングの本社があるほか、2012年から車いすバスケットボール全国選抜大会を開催している淑徳大学もあることから、千葉市は東京2020大会の開催が決まる前から、車いすスポーツの聖地を目指し、さまざまな取り組みを進めてきた。
そして東京2020大会でパラリンピック4競技(ゴールボール、シッティングバレーボール、テコンドー、車いすフェンシング)の市内開催を共生社会実現のさらなる契機と捉え、障害のある人もない人も共に交流できるまちづくりを進めている。
2016年度には、障害者および障害者スポーツに関する理解を深めるため、職員研修の科目の一つとして競技体験を行うこととし、7月に新任課長約100人を対象に、ゴールボール競技体験会を実施。職員から「思っていた以上に難しい」といった声が上がったほか、研修に参加した熊谷俊人千葉市長は「想像力が必要となる面白い競技」と感想を話した。
2019年7月には、千葉市ハーモニープラザに「ちばしパラスポーツコンシェルジュ」を開設(2021年4月からは千葉ポートアリーナに移転)。障害者が地域のスポーツ活動に参加するためのつなぎ役として、コーディネーターが障害の種類・程度に応じたスポーツの紹介やサークル活動へのマッチングを行っている。
学校教育では、2015年度から実施しているパラスポーツの大会観戦や、2016年度から実施しているパラアスリートの学校訪問による交流などに加えて、2018年度から全市立小・中学校(2018年度は166校)でパラスポーツの授業を実施。パラスポーツを単なる体験にとどまらせず、授業の一環として位置づけることで、子どもたちの理解を深めるだけでなく、保護者や地域のパラスポーツへの関心を高めることも目的としている。
2020年2月には、東京2020パラリンピックの開催200日前を記念して、千葉市子ども交流館アリーナで小・中学校の授業で行っているオリパラ学習を体験するイベント「チャレンジ!オリパラ学習体験」を開催した。また全市立小・中学校、特別支援学校では、市内で開催されるパラリンピック4競技の参加予定国およびその選手を応援する「オリンピック・パラリンピック応援作品」を描き、ポスターやのぼり旗を制作。2020年2月から3月にかけてJR千葉駅西改札内、千葉都市モノレールの車内、Qiball(きぼーる)1階アトリウムなどに掲出した。
2016年度から、東京2020公認文化オリンピアードとして、障害のある人もない人も共に表現するファッションショーとダンスパフォーマンス、アート展示などのイベント「チバリアフリーアートプロジェクト(チバフリ)」をイオンモール幕張新都心で開催。このイベントには、アスリートのほか、さまざまなジャンルのアーティストが参加した。
千葉市では、パラスポーツ大会の観戦を通して、多くの人にパラスポーツファンになってもらうことを目的として、パラスポーツ大会に合わせて産学官連携による応援イベント「Go!Together!~みんな一緒に共生する未来~」(千葉市、みんなで応援!千葉県経済団体協議会、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会主催)を実施している。
初のイベントは、2018年5月に千葉ポートアリーナで開催された「2018ジャパンパラウィルチェアーラグビー競技大会」で、2019年3月には、「第8回長谷川良信記念・千葉市長杯争奪車いすバスケットボール全国選抜大会」に合わせて開催した。さらに、2019年5月に「シッティングバレーボールチャレンジマッチ2019」、同年9月には「天皇陛下御即位記念2019ジャパンパラゴールボール競技大会」と同時開催された。
イベントでは、地元企業などが学生ボランティアと一緒にパラスポーツ体験ブースを運営したほか、県内の飲食物販店がご当地グルメ等を堪能できるフードコートを設けた。また、競技会場最寄り駅から大会会場に誘引するイベントを実施し、大会会場との回遊性を高めたほか、駅や商業施設でのポスター掲出による周知を行うなど、観客増加につなげた。
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