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更新日:令和4(2022)年3月25日
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主将として自分の活躍で引っ張っていきたいという気持ちは当然ありましたし、逆に言えば早期に敗退するわけにはいかないというプレッシャーもありました。また、自分自身のキャリアがおそらく終盤に差し掛かっているところで、こうして日本でパラリンピックが開催されるという奇跡的なめぐり合わせがあり、その大舞台へ臨む気持ちは、それまでの大会とは比べものになりませんでした。最後の最後までちょっとハイな状態でプレーできたのは、ホームの力があったからだと思います。
僕が世界10位だった2006年に、アン・クインさんというオーストラリアの有名なメンタルトレーナーからカウンセリングを受けたのがきっかけでした。僕がナンバーワンになりたいと言ったら、「なりたい」ではなくて自分自身が「ナンバーワンだ」と断言するトレーニングから始めましょうと。
当然半信半疑でしたが、何事もやってみないとわからないだろうと思いました。朝起きて鏡の前で「俺は最強だ」と自分に言って、ラケットに貼ったりもしました。世界10位だった僕が3カ月くらいでグランドスラムのタイトルを獲得して世界ランキング1位になったのは、メンタルがプレーに及ぼす影響がこれだけ大きいのかということを感じた瞬間でした。
アン・クインさんから、気持ちが乗りやすいものを選び、自分でどんどん変えていきなさいというアドバイスから言葉を選びました。
当然、裏づけが必要です。例えば風邪をひいて休んでいたのに「俺は最強だ」と言ってもプレーに表れないですし、裏でどれだけやっているかということが自信になるからこそ力になるのだと思います。
トレーナーやドクター、妻の支えもありますし、自分自身でもどうしたらけがをしないように打てるのかと、人体の構造を研究したりもしました。
選手自身が技術や力を見せることで興味を持ってもらえるコンテンツにしていかないと継続しません。見る人の想像を超えるプレーが競技の盛り上がりにつながると思います。
ショットと車いすの操作という両方のテクニックが必要というところが魅力だと思います。一方で、健常者がサイドステップを踏めるところで車いすではターンしないと横に動けないので、相手から目を離さなければなりません。そういったところが難しさです。
そうですね。僕は1年間のうち8割くらい健常者とプレーしていて、本当に健常者と障害者の垣根が低い競技だと思います。ルールもツーバウンドまでの返球が許されるというところ以外変わりませんし、トップになればなるほどツーバウンドで取ることも少なくなります。僕も7、8割くらいはワンバウンドもしくはノーバウンドです。
やはり日々の積み重ねで世界1位になり、こうしてパラリンピックのチャンピオンになることができました。諦めないで一日一日とにかく力を尽くすことが夢につながると思います。
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