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東京2020オリンピック・パラリンピック > 東京2020大会千葉県開催記録誌/東京2020聖火リレー千葉県実施記録誌・記録映像 > 東京2020大会千葉県開催記録誌(テキスト版) > 第1部Ⅱ-2.千葉県ゆかりの選手の活躍(オリンピック)
更新日:令和4(2022)年3月25日
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東京2020オリンピック競技大会には、千葉県にゆかりのある数多くの選手が出場し、メダル獲得や入賞を果たすなど、素晴らしい活躍を見せた。
体操競技の男子団体には、今大会がオリンピック初出場となる萱和磨選手、谷川航選手、橋本大輝選手、北園丈琉(きたぞの たける)選手が出場し、予選を1位で通過。決勝ではロシアオリンピック委員会の262.500に次ぐ262.397と0.103の僅差で惜敗したが、銀メダルを獲得した。
また、男子個人総合では、橋本選手が同種目最年少の金メダリストとなり、同種目ではロンドン大会(2012年)、リオデジャネイロ大会(2016年)の2大会で金メダルを獲得した内村航平(うちむら こうへい)選手と合わせ日本人選手の3連覇となった。さらに種目別では、あん馬で萱選手が銅メダルを獲得した。あん馬での表彰台は、2004年アテネ大会以来4大会ぶりであった。また、鉄棒には橋本選手が出場。決勝出場選手中ただ一人15点台をマークし、男子個人総合に続く2つ目の金メダルを獲得した。鉄棒での金メダル獲得は、ロサンゼルス大会(1984年)以来、37年ぶりの快挙となった。
船橋市出身の萱選手は、小学校時代に体操を始め、市立習志野高校を卒業後、順天堂大学に進み、同じく船橋市出身の谷川選手も小学校時代に本格的に体操を始め、市立船橋高校を経て順天堂大学に進んだ。また橋本選手は、下総町(現在の成田市)出身で、小学校時代に体操を始め、市立船橋高校を経て順天堂大学に進んでいる。なお、男子団体に出場した日本代表4選手の平均年齢は21.5歳で、決勝に進んだ8カ国の中で最も若かった。
7月21日に全競技に先駆けて、3大会ぶりにオリンピック競技として採用されたソフトボールが開幕した。予選リーグを2位で通過した日本は決勝でアメリカを破り、金メダルに輝いた。
県にゆかりのある選手では、木更津総合高校出身の市口侑果選手(内野手)と峰幸代選手(捕手)が代表メンバー入りを果たした。市口選手は決勝で二塁手として出場し、峰選手は決勝での出場はなかったが、一次リーグで活躍し、他の試合ではメンバーにアドバイスするなどチームを支えた。
ソフトボールは1996年アトランタ大会で初めて正式種目に採用され、日本は2000年シドニー大会の銀、2004年アテネ大会の銅、2008年北京大会の金に続き、ソフトボールが実施された4大会連続となるメダルを手にした。
7月22日に開幕したサッカー男子では、日本は全勝でグループリーグを通過し、準々決勝ではPK戦の末ニュージーランドに勝利。準決勝でスペイン、3位決定戦でメキシコに敗れ、53年ぶりのメダル獲得はかなわなかったが、4位入賞を果たした。
県ゆかりの選手としては、酒井宏樹選手(柏市出身)、中山雄太選手(県立柏南高校卒業)、旗手怜央選手(順天堂大学卒業)が代表入り。酒井選手と中山選手はディフェンス陣の一角として準決勝までの失点を合計2点に抑え、旗手選手はグループリーグのフランス戦で1アシストを決めるなど、チームに貢献した。
サッカー女子では、県にゆかりのある菅澤優衣香選手(千葉市出身)と平尾知佳選手(松戸市出身)が日本代表に選出された。菅澤選手は、兄の影響でサッカーを始め、今大会でオリンピック初出場。高身長を生かしたポストプレーやヘディングシュートを強みとし、グループリーグではカナダ戦とチリ戦に出場した。平尾選手は、今大会での出場はなかったが、バックアップメンバーとしてチームを支えた。
チームは、準々決勝で強豪のスウェーデンに敗れ、8位入賞となった。
ウエイトリフティング女子59kg級では、2大会連続でオリンピック代表に選ばれた安藤美希子選手が銅メダルを獲得した。本番1カ月前に右膝にけがを負い、練習を再開できたのは大会1週間前だったが、けがを乗り越えての表彰台となった。安藤選手は白井市出身で、同市初のオリンピアンとして2018年度から「しろいふるさと大使」を務めており、東京2020大会でのメダル獲得により同市初のオリンピックメダリストとなった。
今大会から正式種目に追加された3x3バスケットボール男子には、保岡龍斗選手(日本体育大学柏高校卒業)が代表入りした。日本は6位で予選リーグを突破して準々決勝に臨んだが、ラトビアに敗れ6位入賞となった。保岡選手は、2019年に初めて日本代表に選ばれ、今大会では、日本が準々決勝進出を決めた中国戦において計8得点を挙げるなど、チームの勝利に貢献した。
柔道では男子100kg級において、東海大学付属浦安高校出身で、了徳寺大学(浦安市)職員のウルフアロン選手がオリンピック初出場で金メダルを獲得した。この階級を制したのは、井上康生(いのうえ こうせい)日本代表監督(東京2020大会当時)以来5大会ぶりだった。今大会での金メダル獲得により、ウルフ選手は史上8人目となるオリンピック、世界選手権、全日本選手権の3冠を達成した。また、今大会から新種目として採用された柔道混合団体にも出場した。混合団体は、男女それぞれ3人ずつの6人制で行われ、同じ階級同士で戦い、先に4勝した国が勝者となる。日本は決勝でフランスに敗れたものの、銀メダルを獲得した。
印西市出身の宇山芽紅選手がトランポリン女子に出場し、日本女子で過去最高の成績となる5位入賞を果たした。宇山選手は、小学4年生でトランポリンを始め、ジュニア世代から日本代表として国際舞台に出場しており、2021年6月まで行われていたワールドカップ6大会の合計成績からオリンピック初出場を決めた。現在は、佐倉市を拠点とするスポーツクラブでトランポリンのコーチを務めている。
ボクシングでは、女子フライ級に成田市出身の並木月海選手が出場した。ボクシング女子は、ロンドン大会からオリンピック正式種目として採用されていたが、日本は今大会が初出場となった。並木選手は、1、2回戦で圧勝し、準々決勝では2016年のリオデジャネイロ大会銅メダリストのイングリット・バレンシア選手(コロンビア)にポイントで勝利。準決勝でブルガリアの選手に敗れたが、見事に銅メダルを獲得した。並木選手は、幼いころから空手やキックボクシングに取り組み、中学2年生でボクシングを始め、オリンピック初出場でのメダル獲得を成し遂げた。
陸上競技男子3000m障害には、印西市を拠点に活動する順天堂大学陸上競技部の三浦龍司選手が出場した。三浦選手は、3000m障害の予選で自身が持つ記録を更新する日本新記録で走り、全体2位で決勝に進出。日本人として1972年のミュンヘン大会以来49年ぶりに臨んだ決勝では、一時は先頭に立つなど積極的なレースを展開し、同種目日本人初となる7位入賞を果たした。三浦選手は2021年6月に行われた日本選手権のレース終盤で転倒しながらも日本新記録で初優勝し、初のオリンピック代表入りを果たした。
馬術の障害飛越決勝では、佐倉市出身で、千葉市立千城台南中学校、敬愛学園高校の卒業生でもある福島大輔選手が優勝決定戦である「ジャンプオフ」を経て6位に入賞した。オリンピックで実施される馬術には、総合、馬場、障害の3種類があり、福島選手が出場した障害馬術では、さまざまな障害物を規定時間内に次々と飛び越え、障害物の落下や障害物を避けるなどの減点が少ない馬が上位となる。福島選手は10歳で父が経営する佐倉ライディングクラブで乗馬と競走馬の育成を始め、高校1年生から3年生まで国民体育大会を3連覇した。高校2年生のときには全日本大障害選手権の全種目(予選2種目、決勝)を完全優勝し、同選手権の優勝最年少記録(17歳)を保持している。
ゴルフ女子最終日は、台風10号接近の影響を受けて、予定より1時間早い午前6時30分にプレーが開始された。この日、首位から5打差の3位タイでスタートした稲見萌寧選手は、2位タイでホールアウト。リディア・コー選手(ニュージーランド)とのプレーオフを制して、日本ゴルフ界初のメダルとなる銀メダルを獲得した。
四街道市在住の稲見選手は、小学4年生でゴルフを始め、当時から千葉市内のゴルフクラブを練習拠点としている。2016年にナショナルチーム入りし、2019年にはツアー初優勝、2020~2021年シーズンの国内ツアーではオリンピック開催までに6勝しており、今大会が初めてのオリンピック出場となった。
3大会ぶりに正式競技として復活した野球の日本代表には、千葉市出身の近藤健介選手が外野手として選出された。
代表チームは、出場する6カ国を2グループに分けて行ったオープニングラウンド(予選リーグ)で、ドミニカ共和国、メキシコと対戦し、両国に勝利。決勝トーナメントでは、初戦でアメリカ、準決勝で韓国、決勝で再度対戦したアメリカに勝利し、予選リーグから全勝で、オリンピックの正式競技となってからは初の金メダルを獲得した。
近藤選手は、捕手経験もある好打者で、ドミニカ共和国戦では9回に代打で安打を放ち、その後の逆転勝ちにつなげた。また、準決勝の韓国戦ではスターティングメンバ―として出場し、日本の優勝に貢献した。
【正式競技と公開競技】
正式競技とは別に、オリンピックにおいて試験的に実施する公開競技がある。日本は、公開競技として行われた1984年のロサンゼルス大会で、金メダルを獲得している。
大網白里市出身の塚本真由選手がアーティスティックスイミングの「チーム」に出場した。
今大会では、8人で演技する「チーム」と2人で演技する「デュエット」の種目があり、塚本選手が出場した「チーム」では、予選を実施せず、決まった8つの動きを取り入れるテクニカルルーティンと自由に演技するフリールーティンの合計点で競う。
日本は、テクニカルルーティンでは「空手」、フリールーティンでは「祭」をテーマに力強い演技を見せ、4位に入賞した。
塚本選手は、今大会で初のオリンピック出場を果たし、チームの演技では、高身長を生かしてジャンパーを下から高く飛ばす役割を務めるなど、勢いのあるリフトを担当した。
今大会から正式競技となった空手の女子組手61kg超級には、八街市出身の植草歩選手が出場し、7位に入賞した。
組手は、「突き」「打ち」「蹴り」を繰り出し、技に応じたポイントによって勝敗が決まる。
植草選手は、スピードのある「突き」を持ち味としており、これまでに2016年の世界選手権で優勝、体重無差別の全日本選手権では女子初となる4連覇を果たすなど、多くの大会で活躍してきた。
バスケットボール女子日本代表には、市川市出身の三好南穂選手、柏市をホームタウンとして活動するバスケットボールチームに所属している林咲希選手と宮崎早織選手、昭和学院高校(市川市)の卒業生である赤穂ひまわり選手が選出された。同じく日本代表に選出された宮澤夕貴選手は、2021年5月まで、林選手、宮崎選手と同じチームに所属しており、県ゆかりの選手が5人代表入りを果たした。
予選リーグ初戦で、世界ランキング10位の日本は同5位のフランスに勝利。同1位のアメリカには敗れたが、2勝1敗で決勝トーナメントに進んだ。準々決勝の対戦相手は、世界ランキング6位のベルギーで、一時は大差をつけられたが、最終第4クオーターの残り約15秒で、林選手が3ポイントシュートを決めて劇的な勝利を飾った。準決勝では、フランスとの対戦で再び勝利。決勝では大会7連覇を目指すアメリカに敗れたが、男女通じてオリンピック初となる歴史的な銀メダル獲得を果たした。三好選手、宮澤選手は、2大会連続のオリンピック出場、林選手、宮崎選手、赤穂選手は今大会がオリンピック初出場となった。
今大会がオリンピック初出場となる須﨑優衣選手(松戸市出身)は、女子50kg級に出場。全試合で対戦相手に圧勝し、金メダルを獲得した。開会式では、八村塁選手とともに日本選手団の旗手を務めた。
須﨑選手は、小学1年生から父親がコーチを務めるクラブでレスリングを始め、高校3年生で出場した2017年の世界選手権では、2002年の伊調馨(いちょう かおり)選手以来となる高校生での世界チャンピオンとなった。
2019年世界選手権の出場をかけた試合に敗れ、一時は今大会への出場が絶望的になったものの、2021年4月のアジア予選で代表の座を勝ち取った。
レスリング女子の最重量級である76kg級に松戸市在住の皆川博恵選手が出場。表彰台には届かなかったものの、5位入賞となった。
皆川選手は、この階級では小柄な選手だが、動き回って正面や横から相手を崩してタックルポイントを重ねるスタイルを武器にしている。
膝のけがでリオデジャネイロ大会への出場を逃した後、一時は引退することも考えたが、2017年、2018年の世界選手権で銅メダル、2019年には銀メダルを獲得し、オリンピック出場権を獲得した。
今大会から正式競技となったサーフィン男子には、競技会場となった釣ヶ崎海岸がある一宮町出身の大原洋人選手が出場した。第3ラウンドでは終了間際に逆転。準々決勝では金メダルを獲得したブラジルの選手に敗れたものの、5位入賞を果たした。
大原選手は、8歳のころに父親の影響でサーフィンを始め、釣ヶ崎海岸で初めて波に乗った。18歳で出場したUSオープンでは、サーフィンの本場アメリカで、日本人として初優勝。また、2021年の世界選手権で4位に入り、今大会の代表入りを決めた。
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